道々の枝折

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台風奔通

2019年10月13日 | 人文考察
台風19号は12日午後7時頃伊豆半島に上陸し、首都圏を通り関東から太平洋に抜けた。当地に最接近した際には、風に較べ雨はそれほど強くなかった。山地が近くにないからだろうか?今朝は快晴、風はなく川の水位も低い。

台風による風水害は、地勢地形による地域差が大きい。また土砂災害は地質にも関係する。地域に応じた、局地的な警報や警告をきめ細かに出すのでなければ、住民に役立つ気象予報にはならない。気象庁の会見は総括的かつ衝撃的に過ぎる。

61年前の狩野川台風(1200人死亡)に匹敵すると言って注意を喚起していたが、当時とは治水環境・観測態勢など防災体制が格段に進歩している。政府の機関が民心の不安を煽るのは、厳に慎まなければならない。

気象予報士やアナウンサーから「命を守る最善の行動」などという抽象的なお題目を万度呼びかけられても、危険地域の住民には何の援けにもならない。

未曾有の危険が迫っていると避難指示だけ発令してその先がこれでは、住民は避難した後はご随意にと言われた感覚に陥るだろう。
予報・警報・呼びかけしかできない役所は、個別具体的な事実だけを的確に伝えるだけでよいと思う。

台風の中心が伊豆半島の何処へ上陸したかを発表しないのも、常識的に見て不適切だ。伊豆半島といっても広く、上陸した半島の西岸には西伊豆町・松崎町・伊豆市・伊豆の国市の2町2市、4つの行政区域がある。知己や身内が居る人々には、何処の町・市かが
問題だ。

気象庁の情報は大局に偏り、局地視点が欠けている。住民は局地情報をもっぱらテレビ局の実況中継や取材報道から窺うしかない。各地測候所を廃止したのは、明らかに間違いだった。

日、米・欧気象機関当局の広報態様の違いは、仕事に対する姿勢の違いだろう。失敗や誤りに厳しすぎる日本社会の悪弊が気象庁を萎縮させている。

行政機関の無謬性という神話に囚われ、市民がそれを期待し過ぎる社会では、公式非公式を問わず情報の公開性が損なわれる。事は日本社会の全般に及ぶ。


日没前、風雨の中を餌を食べに寄った雀。


今朝の朝顔。最後の花かもしれない。



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2 コメント

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Unknown (murasaki)
2019-10-13 13:13:07
いつもご訪問頂き有り難うございます、
今回の19号台風勢力が非常に強いことは前々から
説明付きで分かってましたね、
昨日のTVはアナウンサーが決まりきった事を繰り返し言い並べているだけ、島国の日本は温泉が涌き出ますが、そう言う地質や、地形により自然災害が起きた時は想定外の災難がおこると思います、
警戒レベルの数字を並べているだけでは、
住民の不安をあおるばかりだと思いました、
被害に合われ避難されている方に少しでも政府が
迅速に対応してくれる事を願ってます。
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Unknown (tekedon638)
2019-10-13 13:57:48
コメント有難うございす。
仰るとおりです。高齢の住民を闇雲に避難させても、その後のケアを適切考えなければならないはず。自治体まかせでは、対策としては不十分です。
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