壬申の乱
その1
近江の古代史探索を思い立った4年前には、「壬申の乱」について詳しい知識を殆ど持ち合わせていなかった。昔の教科書では、きわめて簡略な記載しかなかったと記憶している。日本でもどこの国でも、歴史教科書には、詳しく書きたくない事柄が数多くあるのだろう。
謎に包まれた日本の古代史への入り口は、「壬申の乱」にあると見て、想像力を巡らせ、推断独断で事変を俯瞰してみたい。
壬申の乱の通説 . . . 本文を読む
「元寇」は、日本史上空前の異民族による侵掠でありながら、時の幕府・朝廷をはじめ、僧侶・神官・武士・庶民の各層に徹底した情報統制が敷かれたかと思えるほどに記録が少なく、一次史料は伝聞資料しかない。それがために元寇は、今日に至るまで、未だにベールに覆われている。国ぐるみで歴史を隠そうとした意図が、交戦当事者双方にあったように思え興味深いものがある。隠蔽と歪曲と捏造は、わが国をはじめ、中国・朝鮮など儒教 . . . 本文を読む
流鏑馬という、各地の有力神社で毎年奉納 される、人馬一体の勇壮かつ華麗な馬術を、昔から一度は観たいと思っているが、今だに実現していない。ユーチューブで動画を見たり、ピンタレストで画像を探して我慢している。過日、流鏑馬の画像を何気なく見ていたとき、騎手の装束の被り物に、違いがあることに気づいた。後日調べて、流派により被り物が違うことを知った。騎乗の射手の被り物は、ほぼ三種類に分かれる。①綾藺笠(あや . . . 本文を読む
近畿地方も梅雨入りしたが、近江路に前線が掛かるまでには、まだ間があるようだ。今回も好天に恵まれた。爽やかな風が岸辺の葦原に吹き渡り、堰堤の落ち込みの白泡が煌めいている。
伊吹山地の新穂山(1065m)に源を発して南に下り、途中で向きを西に変え琵琶湖に注ぐ姉川は、流程わずかに39km。流域の半ばは山地で、平野に出ても流れは比較的速く水は清い。
元亀元年(1570年)6月28日、織田 . . . 本文を読む
関ヶ原駅への下車は最近3年で3回目、昨秋の2回目は冷雨と風に祟られ、関ヶ原の史跡探索どころではなかった。
今日は五月晴れに恵まれた。伊吹山には一片の雲もなく、捲土重来、満々の意欲で中山道3宿を歩く。
①〈関ヶ原〉関ヶ原には大きな歴史事跡が2層に重なっている。第1層は「壬申の乱672年」における不破道封鎖。第2層は「関ヶ原の合戦1600年」。
歴史を探るとなると、時代区分を混ぜこぜにして史 . . . 本文を読む