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憂国のZ旗

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左派政党に値しない民進党と共産党 雇用政策を軽視した「ド素人」 高橋洋一

2016-07-26 01:14:23 | 政治

参議院選挙も終わり、その民意の訴えを聞く段階に至りました。

引き続いた東京都知事選挙の報道に多くは心を捉えられていますが、

左派政党に値しない民進党と共産党 雇用政策を軽視した「ド素人」 高橋洋一(嘉悦大学教授)
2016.07.19
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160719/plt1607190851001-n1.htm

 参院選は野党共闘、とりわけ民進党と共産党の共闘で「安保法廃止」を掲げて選挙戦を進めている。ただし、共闘できるのは安保法廃止までで、廃止後については意見が分かれている。

 共産党は、自衛隊違憲、日米安保破棄という立場だ。さすがに民進党はこの非現実・丸腰路線にのれない。例えば、2015年と2016年の通常国会で、民主党は、有事でも平時でもないグレーゾーン事態に対処するため領域警備法案を国会に提出している。 (総合オピニオンサイト iRONNA)

 これに対して共産党は、「領海警備法案は、“グレーゾーン事態”における自衛隊の役割・権限拡大をめざすもので、安倍政権が集団的自衛権行使容認の『閣議決定』で確認した方向と同じ」として、対決どころか政権すり寄りだと民主党を批判した。

 今や、日本の領海には、中国の軍艦も侵入するようになっている。民主党の領海警護法案は個別的自衛権で対応できるとしてきたが、もはやその前提が崩れており、集団的自衛権による安保法が必要である。

 ところが、民進党と共産党の共闘では、目の前の領海警備についても見解に相違があり、民主党の領海警護法案ですら実行できなくなるというわけだ。これでは、中国軍艦の領海侵入を易々と認めてしまうだろう。

  共産党の志位和夫委員長は、中国軍艦の領海侵入に対して抗議するというが、国際社会で「口の抗議」だけでは意味がなく、その背後に実力行使できることが必 要である。共産党が自衛隊を違憲とする以上、最低限の自衛力の行使すら危うい。しかも、日米安保破棄という立場であれば、アメリカとの共同防衛もないの で、中国としてはいくら口だけの抗議を受けても何とも思わないはずだ。

 安全保障については、共産党の自衛隊違憲、日米安保破棄という非常識と民進党の中にある常識との乖離があるために、民進党と共産党の共闘では安保法廃止以後まともに機能しない。

 経済政策ではどうだろうか。実はこの分野で、民進党と共産党の違いは意外とない。とはいっても、民進党も共産党も国際常識からかけ離れた経済政策である。この点、安倍政権のアベノミクスのほうが、国際常識に近い。

 特に、金看板とすべき雇用政策において、民進党と共産党は同じように金融政策を否定するというひどい間違いを犯している。アベノミクスの第一の矢である金融政策について否定するあまり、雇用政策まで否定していることに、両党とも気がつかないのは滑稽である。

まず、金融政策について、民進党や共産党は雇用政策の基本であることを理解していない。金融政策を活用しない政党が先進国に存在するだろうか。世界標準から見れば、まともな金融政策を行わない民進党や共産党は明らかに雇用無視であり、左派政党に値しない。

  金融政策はマクロ政策の基本であり、それを駆使して雇用を確保する。その上に、適切な財政政策でGDPを増加させる。最後に、各種のミクロ政策をのせて、 成長を達成する。世界の左派政党は、そうしたマクロ経済を良好にした上で、成長の分配面に重点を置き、格差を縮小させることを目的とする。

 民進党や共産党の場合、いの一番の金融政策がないため、最終的な格差是正も、雇用の確保がなされない状態での話でしかない。

 金融政策は本来雇用政策なので、欧州では社民党や共産党のような左派政党が言い出すものだ。アメリカでも労働経済学の大家であるイエレンがFRB議長になって、雇用重視を実践している。民進党も共産党も、こうした海外の左派政党をもっと勉強すべきである。

  かつて、民進党の枝野幸男幹事長はテレビ番組で、金利を上げた(金融引き締め)ほうが経済成長すると言っていた。同じ番組に出演していた筆者は間違った政 策をテレビで公言するのは左派政党としてまずいと、とっさに思ったので、テレビで間違いを言うのはやめたほうがいいと枝野氏に苦言を呈したものだ。ところ が、枝野氏は改めるどころか、今でも同じ発言を繰り返している。これでは、民主党政権時代に、雇用が伸びなかったことは当然である。一方、安倍政権になっ て金融緩和したので、雇用は民主党時代と比較にならないほど改善した。

 こうした話をすると、民進党や共産党から、かならず雇用者数は伸びたが賃金が伸びていないという。これを聞くと、筆者はやっぱりわかっていない、この人たちに政権運営は無理と思ってしまう。

 経済政策として何より重要なのは、雇用者数の上昇、失業率の低下である。失業率は低ければ低いほどよく、ゼロが理想であるが、実際にはゼロにならない。 どうしても、雇用のミスマッチなどで、これ以上下げることができないという失業率が存在する。これを構造失業率という。失業率をこれ以上下がらない構造失 業率まで低下させると、今度は賃金が上がってくる。この順番が重要で、構造失業率まで低下させないと失業を解消できないのだ。金融緩和を否定した民主党政 権時代は、実際の失業率は構造失業率よりはるかに高かった。安倍政権では、現在失業率が3.2%と構造失業率と思われる2.7%の一歩手前まで低下してお り、アベノミクスのさらなる推進が経済政策として正しい。

 失業率が下がれば、自殺率や犯罪率が低下することが知られている。さらに、生活保護の受給率も下がる。話題のブラック企業も求人が大変になって、自ずと淘汰されるだろう。いずれにしても、雇用者数、失業率は最も重要な経済指標の一つだ。

 過去のデータからみれば、失業率を1%低下させることができると、自殺者を3000人程度少なくできる。実際に安倍政権になってから、自殺者は予想通り減少している。これは、民進党や共産党の経済政策ではなしえなかったことである。

 民進党と共産党の共闘は、安全保障でも経済でも安保法廃止後の展望がない。安全保障分野では、両者の意見は違うので、何もできないという状態になる。その隙に、中国が日本領海に進出し、日本の国益が損なわれるだろう。

  経済分野で、両党は意見が一致しており、世界の左派政党の標準である金融政策を否定する。その結果、雇用が確保できずに失業率も上昇し、結果として自殺率 や強盗の発生率が上昇するだろう。さらに、ブラック企業が再び跋扈するようになるだろう。自らの経済政策により左派政党の金看板である雇用の破壊につなが るのは、なんとも皮肉な将来である。 (総合オピニオンサイト iRONNA)