社会断想

諸々の社会現象にもの申す
中高年者・定年退職者向け

「24時間戦いましたー団塊ビジネスマンの退職後設計」を読んで

2005年07月04日 12時55分06秒 | 大定年時代
「24時間戦いましたー団塊ビジネスマンの退職後設計」を読んで
このところ2007年団塊の世代についての新聞雑誌記事や関係した単行本を読むことが多くなった。その理由は主催しているNPOで、この団塊世代の抱える悩みや進路について支援する事はないかと模索しているからである。そのためにはこの世代の心情、考え方等を少しでも理解したいと思ったからである。勿論それぞれ個々に悩み、心情や人生観が違うだろうし、十把一絡げで「団塊世代はこうだ」と決めつけられないと思うが。
「団塊の世代」といえば この言葉の名付け親である堺屋太一氏の予測小説と(ご本人が云われている)「団塊の世代」を外すわけにはいかない。初版本は1976年、実に30年前に発行された。そしてつい最近の今年4月に新版として文庫版が でた。
一読するに30年前の予測が実に的確に当たっているのに驚く。著者堺屋太一氏は小説の筋書き、中味は変えてないと云う。
そのほかには久田恵氏の「シクスティーズの日々」、重松清氏「定年ゴジラ」、そして今読み終えた布施克彦氏の「24時間戦いましたー 団塊ビジネスマンの退職後」である。布施氏自身が1947年、昭和22年生まれの団塊第一陣に属するだけに、本書に盛られた氏の主張はそれなりに説得力があると思った。
その中で「年金は必ず減る」という氏の予測とその根拠は、これから年金を受給する世代の心胆を寒からしめるに充分である。
さらに7百万人と8百万人とも云われる団塊世代が、もし一斉にリタイアし、隠居生活に入ったら どうなるかという仮説も、何せ人数が700万以上の話だけに多寡を括ってはおれまいと思った。
その仮説とは
1)団塊定年で不動産業が大変な事になる
団塊の世代の定年退職が完了する2010年には東京都区内のサラリーマンが2000年より10%減る。数にして17万人減である。都内のオフィススペースが12.7万平米不要になる。これは丸ビル23棟が空になる勘定である。
2)輸送業が大変な事になる
団塊が職場を去る、つまり通勤しなくなることで通勤ラッシュは緩和されるが、鉄道各社は今まで輸送力強化、路線安全化投資にこれ努めてきた。この投資が回収できるか?
にたような事情は新幹線、航空機やタクシーも需要が減るだろう。
3)飲食店、ゴルフ場も大変 1),2)と 同じような事情である。

以上のような大変話をカバーする説として人口として大きなウエートを占める定年者をターゲットとしたシルバー産業が盛んになると云う説がある。しかしシルバー層が年金と預貯金の食いつぶしだけに頼っているとすれば、お金を使うだろうか?
預貯金と年金以外に何がしかの収入があれば、それがシルバー産業、レジャー産業に費消される事になり、また大いにお金を使うべきだ、そのためには適度の就業、適度の収入を得る方策を定年前から準備すべきである、というのが氏の主張のようである。
我田引水ながら、この主張は我がNPOの主張と軌を一にする。
間違った解釈をしてれば、それはひとえに私の読解力の不足である。

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