社会断想

諸々の社会現象にもの申す
中高年者・定年退職者向け

「高齢女性の就労についての調査研究」を読んで

2005年07月22日 10時52分57秒 | 大定年時代
「高齢女性の就労についての調査研究」について

平成17年7月20日東京都市センターで行われた「高齢社会セミナー」の分科会「生きがい就労の社会環境づくり」での話。話した人は「高齢社会をよくする女性の会」メンバーのA女史。

今まで高齢者の就労と生き甲斐についての調査研究書ないしレポートは数多く出ているが大抵の論者の念頭にあるのは男性高齢者である。働く高齢女性にフォーカスしたものは絶無といって良いのではなかろうか?
「高齢女性の就労についての調査研究」は文字通り、働く高齢女性にフォーカスしたものである。(主たる執筆者樋口恵子氏)

調査の目的:現在の日本で60才以上、月収5万円以上を自らの労働によって得ている女性について、その経歴、就労の経緯、就労の実態を個別に明らかにし、高齢女性の就労について適切な政策提言、啓発活動のための基礎資料とすることを目的とするとある。

調査サンプル:全国から回収、対象者が会員の知己、縁故が多い、調査対象者101例とサンプル数がこの種の調査としては少ない のでやや偏ったデータになっている。
ただ本レポートが云っているように、この問題に対する傾向とその先にある問題点は充分窺える。

就労分野:1)保健、福祉、介護の専門職(医師、看護師 を含む)29人
2)教師、カウンセラー等の専門職 28人 3)公務員、団体職員 11人
4)一般事務 10人 5)販売 11人 6)その他 8人

月収:60才~70才以上 平均20万円前後となっている。これは想定外に高い数字であるが、調査対象者が専門職者が多いからであろう。

就労の動機:1)経済的理由 44人 2)自分の技能・能力を生かす 43人
3)社会参加をしたい 36人 4)健康維持 29人 5)その他 17人
6)家の中より気が晴れる 8人    以上複数回答含む
この就労の動機データは男性高齢者においても同じような結果が出るのではなかろうか?
と私は思う。
何歳まで働きたいか?:自分の年齢が高くなるほど、さらに高い年齢を目標としている。この調査によると、60才前半の人は65才までが53%、70才までが27%、生涯が7%
60才後半の人は 70才までが27%、75才までが15%、生涯が8%
70才の人は75才まで21%、生涯が79%
となっている。
サンプル数が少ないので、軽々には言えないが、次の2つのことが言えるのではなかろうか。
1)ある区切り?の年齢まで働いた人は次の区切り?年齢まで働くことを目標に、或いは意欲を持つ。
2)70才まで働いている人は、そもそも初めから生涯現役のつもりである。
以上がこのセミナーでNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」のAさんの話と本レポートを読んだ私の感想である。
このNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」と本レポートについては
wabas@eagle.ocn.ne.jpに問い合わせると良いでしょう。