ようこそ、卯月です。
カウンセリングに行って、言うまいと思ってたことを、言ってしまった。
大それたことではない。
先生に出した年賀状のお返事が、奥様との連名で来たことが悲しかった、ということだ。
そのせいだけじゃないけど、年賀状が連名で来たことは、年明けの私の落ち込みに拍車をかけていた。
そんなことで、と私は思っていた。
お忙しい中、私の年賀状にお返事をくださった。それで十分じゃないか。そう思った。
多分、同じビルでカウンセリングオフィスをやっていらっしゃる奥様と、連名での年賀状を受け取ることが多いから、連名で年賀状を印刷していて、それを使ったというだけのことなのだ。気にすることではない。
別に私に意地悪をしようと思ったわけではないし、そんな些細なことで私が傷つくなんて、思ってもみなかったのだろう。それが当たり前で普通だ。
そんなことが悲しかったと言われても、先生も困るだろうと思って、私はそれを言うまいと思っていたのだった。
それと、連名の年賀状で傷ついたなどと言えば、私がやきもちを焼いてるととられるかもしれないとも思った。うまく伝えられないと思っていた。
でも、先生はやっぱり精神科のドクターだけある。上手に私の思いを引き出した。
「どうして連名で年賀状をくれたの?」と私は言ってしまった。
「連名というのが目障りだったの?」と彼は聞いた。
そうじゃない。目障りだなんて、仮にも尊敬する先生の奥様だ。私がそんなこと思うはずがない。
私は話した。私はただ、先生と私との間の関係でやりとりをしたかっただけなのだ、と。誰であれ、入ってきてほしくなかったのだ。
「まっすぐに見てほしい、ということなんでしょうね」と先生は言った。
「そんなこと言われても困るよね?」と聞いたら、「努力することはできます。努力、っていうか、心がけます」と言ってくださった。
診察室を出ると、いつもより20分も時間をオーバーしてた。
わがままを言った、という思いが残った。
細かいことにこだわって、被害者ぶって、傷ついたと言いがかりをつけて。
いやな女だ、私は。
申し訳ないと思った。苦い思いを引きずっている。
明日は友達2人と集まってランチの約束。
元気出して行ってこよう。
じゃあまた明日ね。
おやすみなさい。