映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ブリット=マリーの幸せなひとりだち

2021年06月01日 | 映画(は行)

女だって、いくつになったって

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スウェーデンで大ヒット作となったという作品です。

結婚40年になる専業主婦のブリット=マリー。
夫のため毎日食事を作り、家の中を整然と整えておくことが自分の役割と信じています。
ところがある日、夫の愛人の存在を知り、スーツケース一つで家を出ます。

これまで外で働いたことのない63歳。
仕事は簡単には見つからず、
田舎町ボリのユースセンター管理人兼子どもたちのサッカーチームコーチという仕事に就くことに。
しかし彼女はサッカーのことなど何も知らず、これまで興味もなかった・・・。
実にありがちなストーリーで、それが何故そこまで人気だったのかがよくわからない。
面白いことは確かですが。

ブリッド=マリーは、夫の浮気が発覚した時点で、即、家を出ます。
そこのところが実にいさぎよい。
・・・というのも、後にわかることなのですが、実は彼女はうすうすそのことには気づいていた。
香水を付けない彼女の夫のシャツから香水の香りがする。
彼女はいつも重曹を使って念入りに洗濯をし、その香りをかき消していたのです。
真実を知ることが怖かったのでしょうね。
だから万全なはずの彼女の結婚生活は、すでにかなり危ういところに来ていた。
夫の愛人との対面は、彼女の最後の一押しをしただけだったんですね。

それにしても、その愛人は若く金髪、ナイスバディな美人。
・・・なぜ?って言いたくなりますが。
夫は大金持ちというわけでもないのに。

 

さて、ブリッド=マリーは田舎町の閉鎖寸前のユースセンターに職を得て、
管理人の仕事ならバッチリでした。
得意の清掃術で、まずまずのところまで心地の良い環境に。
しかし、サッカーのコーチ?

以前までいた優秀なコーチのおかげでチームはかなり良い成績を収めていたらしいのですが、
その後はコーチもいなくて、今は負けてばかりのおんぼろチーム。
その子どもたちさえ、こんなサッカーも何も知らないおばあちゃんをコーチとは認めることができません。

今は、できることをやるしかない・・・と、
ブリッド=マリーはサッカーのことを勉強し始めて・・・。

いくつになったって人生はやり直しができる、
女だからって夫の付属物ではない・・・と、
メッセージとしてはカビの生えた感じでしたが。
そう言いたくなってしまう女の立場は万国共通でありますね。

<WOWOW視聴にて>

「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」

2018年/スウェーデン/97分

監督:ツバ・ノボトニー

原作:フレドリック・バックマン

出演:ペルニラ・アウグスト、ペーテル・ハーベル、アンディシュ・モッスリング、マーリン・レバノン

 

ひとりだち度★★★★☆

満足度★★★.5