映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

青の炎

2021年06月06日 | 映画(あ行)

完全犯罪を目指す少年

 

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貴志祐介さんの原作を読み、本作も見た覚えはあるのですが、
内容をさっぱり覚えていないという・・・。
高校生男子が犯罪を犯す、ということだけはおぼろげに。

 

というわけで、この際再見しましたが、2003年作品。
当たり前ですが、ニノが若く初々しく・・・ついニマニマしてしまいました。

 

17歳、高校生秀一(二宮和也)は、
10日ほど前から家に居座り、母(秋吉久美子)と妹(鈴木杏)との平和な暮らしを乱す
元継父の曾根(山本寛斎)に殺意を抱いていました。
そしてその思いをついに実行に移してしまいます。

殺害方法も、アリバイ造りも、完璧なはずでした。
しかし、友人に感づかれてしまい、彼をも殺害しなければならなくなってしまいます。

刑事コロンボ並みに、ちょっととぼけたのんきそうな刑事・山本(中村梅雀)に、
秀一は次第に追い詰められていきます。

 

秀一は自分の頭脳をちょっと過信していたキライがあります。
身一つで突然転がり込んできて、酒浸り、働きに行こうともしない、粗暴な男。
母の再婚相手ではありますが、とうに離婚して縁も切れていたはずなのに。
秀一にはこんな男の存在自体が許せないのです。
こうした硬質でまっすぐな少年らしい思いが、彼を殺人へと誘う・・・。

ちょっぴり冷めた感じの美少女・クラスメイト紀子(松浦亜弥)との淡い交流もいい感じです。
鎌倉が舞台となっていて、その雰囲気もまた良し。

なかなか、楽しめました。

<Amazonプライムビデオにて>

「青の炎」

2003年/日本/116分

監督:蜷川幸雄

原作:貴志祐介

出演:二宮和也、松浦亜弥、秋吉久美子、山本寛斎、鈴木杏、中村梅雀

 

青春度★★★★★

満足度★★★★☆