映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

男はつらいよ お帰り寅さん

2019年12月29日 | 映画(あ行)

寅さん、お久しぶりです!!

* * * * * * * * * * * *


「男はつらいよ」シリーズ50周年にして第50作目。
97年「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花特別編」から22年ぶりの新作です。



私、毎年お正月には寅さんの映画を見に行くのを楽しみして・・・なーんてことは全然なくて(!)、
劇場で見たことは一度もないと思います。
時々テレビでやっていたのを見たくらい。
にもかかわらず、すごく寅さんを身近に感じるのは、
やはり寅さんは日本人誰もに愛された存在だったのでしょう。
そもそも、22年ぶりの新作って、もうそんなに経っているの?って驚いてしまいます。
ついこの間までやっていたような気がする。

さて、本作、当然今現在の寅さんは出てきません。
寅さんの甥っ子に当たる満男(吉岡秀隆)の身辺を中心に話が進み、
合間に、寅さんの思い出のシーンがたっぷりと入ります。
柴又の帝釈天参道にあった団子屋「くるまや」は今はカフェになっています。
満男はサラリーマンから小説家に転身。
書店で行われたサイン会で、初恋の人、イズミ(後藤久美子)と再会しますが・・・。



回想シーンの過去の映像に出てくる皆様のなんと若いこと!!
倍賞千恵子さん、前田吟さん・・・! 
50周年ですものねえ。
実際の時の流れが重いです。
吉岡秀隆さんの少年時代は、「満男くん」というよりも
「純くん」と言いたくなってしまいますが。



ストーリーはともかくとして(?)、
ノスタルジーを味わい、時の流れをしみじみと思うだけでも意義がある感じです。
歴代マドンナ役の方々の、若き日の美しい姿も拝めます。
過去作品、少し見てみたくなりました。
(全部見たいとまでは思わないけど)
この次は、もしかして、AI寅さんの51作目ができたりして・・・。

そういえば少し前にやっていたNHKのドラマ「少年寅次郎」も凄くよかったです。
いわば寅さんシリーズのエピソード・ゼロ、でした。

<シネマフロンティアにて>

「男はつらいよ お帰り寅さん」
2019年/日本/116分
監督・脚本:山田洋次
出演:渥美清、倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、夏木マリ、浅丘ルリ子、池脇千鶴
ノスタルジー度★★★★★
満足度★★★★☆