誰の身にもある、人生の物語
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イギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグズが、自身の両親をモデルにしたグラフィックノベル
「エセルとアーネスト」をアニメ映画化したものです。
「さむがりやのサンタ」や「風が吹くとき」など、以前から好きな絵本作家です。
1928年ロンドン。
牛乳配達人のアーネストとメイドのエセルが出会い、
結婚をし、ウィンブルドンに小さな家を構えます。
その後息子レイモンドが誕生、両親に愛されてすくすくと成長します。
そして第二次世界大戦が始まり、ドイツ機の空襲が町を破壊します。
その間、レイモンドは田舎に疎開しています・・・。
さらに時が過ぎ、やがてレイモンドは家を出て、ふたりには老いが忍び寄ります。
イギリス版「この世界の片隅に」と言えるかもしれません。
誰の身の上にもある、人生の物語。
結婚があって、誕生があって、戦争がある。
息子・若きレイモンドは芸術家っぽく、ピッピーみたいになっている
というのがいかにも時代性を感じさせられます。
両親はもはや若者の考えにはついて行けない・・・。
大きな事件などはなく、ごくごく普通であることが宝物の庶民の物語。
あまりにも普通なので少し眠気さえさしてしまった・・・。
私、本作の内容で鉄拳さんのパラパラ漫画を思い出してしまいました。
ごくごく普通の人生の物語であるなら、
あのパラパラ漫画のほうがよほどコンパクトかつシンプルでエモーショナルかも・・・、なんて。
いえ、もちろん本作の優しい絵柄は素晴らしいです!
<シアターキノにて>
「エセルとアーネスト ふたりの物語」
2016年/イギリス・ルクセンブルグ/94分
監督:ロジャー・メインウッド
出演(声):ブレンダ・ブレシン、ジム・ブロードベント、ルーク・トレッダウェイ
家族の歴史度 ★★★★☆
満足度★★★☆☆