『湖の女たち』(2024.3.14.オンライン試写)
湖畔に建つ介護施設で、100歳の老人が殺害された。事件の捜査を担当する西湖署の若手刑事の濱中(福士蒼汰)とベテラン刑事の伊佐美(浅野忠信)は、施設関係者の中から容疑者を挙げて執拗な取り調べを行なった。
事件が混迷を極める中、濱中は捜査で出会った介護士の豊田佳代(松本まりか)に対してゆがんだ支配欲を抱くようになる。一方、事件を追う週刊誌記者の由季(福地桃子)は、署が隠ぺいしてきた薬害事件が今回の殺人事件に関係していることを突き止めるが…。
吉田修一の同名小説を、大森立嗣の監督・脚本で映画化したヒューマンミステリー。
何とも暗く、見る者の気分を落ち込ませるような話と演出に終始。薬害事件の奥に、現代社会が抱える病根や戦中の731部隊の暗躍を絡ませているが、全てが観念的でミステリーとしても中途半端なので、一体何が言いたいのかよく分からない。
そして人物描写も訳が分からず、ゆがみ切った登場人物の誰にも感情移入することができない。もともと大森立嗣の映画は苦手だが、これは自分とは全く性が合わない映画だった。