第一章「映画館の見える風景」では、映画館が事件解決に重要な役割を果たす『砂の器』(60)を中心に、俳優が映画に映った自分の顔で殺人事件の犯人だとバレることを恐れる「顔」(56)、映画鑑賞をアリバイに利用する「証言」(58)「紐」(59)「薄化粧の男」(61)などを紹介しながら、昭和三十年代における映画の位置を解説する。
これらの中には、後に映画化された『顔』(57)『黒い画集 あるサラリーマンの証言』(60)『砂の器』(74)のほか、テレビドラマ化されたものも多い。
昨日のNHKドラマ「証言」(「黒い画集」より)は、主人公の不倫相手を女性から男性、つまり同性に変更していたが、わざわざそうする必要はあったのだろうか、という気がした。