キタキツネのドキュメント記録映画では必ずといっていいほど子別れのシーンが出てきますね。
成長した子どもを母親が心を鬼にして、自分の縄張から追いはらうシーンです。
このシーンはいつみても感動します。と同時に自然に生きる動物たちの厳しさを知ります。
もちろん、野生のネコも子別れの儀式をします。
子ネコにとっては、いつまでも母親の所にいたいのですが、母猫は怒って、噛みついてでも追いはらいます。
子ネコが自分の縄張に残ると、エサが足りなくなり、共倒れになるからです。
また、自分の遺伝子を持った子どもたちが別の場所で子どもを産み、
自分の遺伝子が広く広がって行くことを本能的に望んでいるからです。
ところが、家畜となったネコは子別れどころか、いつまでも飼い主(母親)のもとにいます。
子別れの儀式なんてまったく関係なしなんです。
「もう君は大人になったのだから、この家から出て行きなさい!」なんていう人はいません。
「いつまで居てもいいんだからね!」「どんどん甘えなさい!」なんて超甘やかします。
ですから、家猫はいつまでたっても子ども気分が消えず、甘えてくるのです。