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シャムネコ大好きの「わがはいはネコである記」

おっと!しまった!

2016年01月25日 | 日記

 

「猫のいる日々」大佛次郎 徳間文庫

大佛次郎は猫好きで有名な作家です。猫の随筆だけで、60編も書いている。

この本は京都の「けいぶん社」というユニークな本屋さんでみつけたものです。

さすが、文豪の書く猫の話は面白いです。

大佛次郎は鎌倉生まれ、大仏様の近くで生まれたので、ペンネームで大佛になったそうです。

趣味は本と猫というだけあって、ほんとうに根っからの猫好きですね。

小学一年生の時から猫を飼っていたそうで、その点は私も負けていませんけど・・・

奥さんは猫嫌いだったそうですけど、大佛次郎と結婚して、猫好きになり、

ダンナさんより猫好きになってしまったそうです。

猫の話も歴史的な物から、日常の話まで、多岐にわたり、格調も高いです。

最初の方にある話ですが、なんとなく納得できる面白い話ですので、

要約して引用します。



田舎のお寺にかなり年取った爺さんの猫が、飼われて住んでいたそうです。

棚の上で、こっくり、こっくり、居眠りをしているのに、和尚さんが気が付いた。

春のうららかな日で、みるからに気持ちよさそうに船をこいでいた。

狭い棚の先にいたせいか、和尚さんの見ている前で、

大きく船をこいだと思うと、歳をとっているせいか、

足を踏み外した。

そこは、体のしなやかな猫ゆえに足からきれいに着地し、体を打つことはなかったが、

その瞬間に目が覚めたらしく、ふとつぶやいたことには・・・

「おっと!しまった!」

はっきりした人間の言葉を発していた。

そういってしまってから、猫は和尚さんが聞いていたのに気が付いたのである。

「馬鹿!」

と和尚さんはわらった。

猫はそれから行方知らずになったという。山吹の咲く裏山に入っていって、

それきりだというのである。



この話好きですね。先代のチョロは人間語をかなり理解していました。

小説のこの猫と違って、最後まで、うっかりしゃべることがなかったのです。

この話を読んで、一言、チョロの言葉が聞けたら良かったなと思います。

夢のなかではチョロがしゃべることがあったのですが・・・・

あれは、もしかしたら正夢だったのかもしれません。