オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その57 Robyn or David 判決はいかに 12-06-09

2009-07-14 06:34:19 | 第51ー60回
その57

Robyn or David 判決はいかに   12-06-09


先週の金曜日、35日間の裁判の後、David Bain は無罪を勝ち取った。
ニュージーランド史上、一番高い裁判だった。
今現在の見積もりでNZ$1.17ミリオンかかったと言われている。
このケースの勝訴は、元オールブラックスのJoe Karenの貢献が大きい。
裁判後のインタビューで、Davidは、Joeなしでは判決を勝ち取れなかったと言っている。

「The David Bain Case」として知られるこの事件は、1994年6月20日におきた。
私達一家は、ニュージーランドにやってきて2回目の冬を迎えていた。
真冬のダニーデンで、両親、娘二人、息子一人が銃殺死体で見つかり、発見者であった長男のDavid Bainが逮捕された。
彼は、朝の新聞配達から帰ってきて、一家5人の死を知ったという。
テレビもニュースの映像が寒々としていて、部屋を薄暗かったことなど、なんとも不気味だった。

この裁判は35日間かかり、最後には12人の裁判員が決断した。
女性7人、男性5人、12人の裁判員全員が”not guilty”と答えた。
6月4日のニュースで、裁判官がjuror達に、犯人は、Davidか父Robynどちらか決めるようにと言っていた。

Davidが新聞配達をアリバイとし、一家5人を殺害したという説。
Robynが、一家を銃殺した後、自分も自殺したと言う説。
最終的に、このどちらかであった。

ニュージーランドでは、裁判員裁判が一般的である。
友人や家族もこれまで1,2回はjuryに呼ばれたから行かなくちゃとか、行けないから手紙を送らなくてはなどというのをよく聞く。
裁判員は選挙人名簿からランダムに選ばれる。
過去16年に、私には1回、息子には3回来た。
息子は今25歳で18歳に選挙権を得てから7年しかたってないから、2年に一度来たことになる。
2回は、大学の授業で行けないと、主任教授の手紙を書いてもらい断った。
3回目は12月始めで、休みが始まったところで断る理由がない。
彼ととして精一杯フォーマルな格好、ドレスシャツ(カッターシャツ)と黒のパンツでオークランドのHigh court(最高裁判所)に出かけていった。
ところが、彼はJurorとして選ばれず、一日で帰ってきた。
初日は、12人よりかなり多め、30人くらい呼ばれて、其の中から12人が選ばれるそうだ。
今進行中の中国人Xueの妻 An An Lue殺害のケースは裁判員全員は女性だそうである。どういう基準で選ばれるのが良くわからない。

Juryは、国民の義務である。
よほどの理由がないかぎり、行かなければならない。
通常、日当NZ$80と交通費が支給される。

Juryは、1週間で終わる場合もあるが、今回のThe David Bain caseは35日間と長丁場であった。
判決の出る前日は、裁判員12日人は同じホテルの泊まらされ、テレビ、インターネットも見てはならず、外界との接触を禁止され、携帯電話も取り上げられたそうだ。
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