オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その153  Waitangi day 09-02-18

2018-03-08 16:24:57 | 第151−160回
153号                       09−02−18

         ワイタンギデイ


今週の火曜日、2月6日はWaitangi Dayでした。
日本で言うと、建国記念日に近いと思います。
1840年2月6日にワイタンギで、イギリス政府とマオリの首長達との間に
条約が交わされました。

ウィキべキアにはこう書かれています。

ワイタンギ条約
(ワイタンギじょうやく、Treaty of Waitangi,
マオリ語: Te Tiriti o Waitangi)

とは1840年2月6日、ニュージーランド北島ワイタンギにおいて、当時武力
衝突が絶えなかった先住民族マオリ族とイギリス王権との間で締結された条約
のこと。

全てのマオリ族は英国女王の臣民となりニュージーランドの主権を王権に譲る。
マオリの土地保有権は保障されるが、それらの土地は全てイギリス政府へのみ
売却される。
マオリはイギリス国民としての権利を認められる。
という一見緩やかなものだった。しかしながら条約を英語からマオリ語に翻訳
した訳文に問題があり、21世紀に入った今日においても、マオリ族の権利の
問題として議論が絶えない。例えば「主権」(sovereignty) を表すマオリ
語が存在しなかったため、マオリ語の造語「カワナタンガ」(kawanatanga)
を使った。だがその造語は英語に訳して「主権」よりも「支配」(governance)
に近かった。このような経緯から、マオリ側の認識は「全ての土地は自分達のもの」
というものであり、一方で白人側は「ニュージーランドはイギリスの植民地である」
と捉えていた。

このため、1843年から30年間続くマオリ族の反乱が起こる。反乱は鎮圧されたも
ののニュージーランド政府はその後100年にわたり問題を放置、1975年に至りワ
イタンギ審判所が創立され、ワイタンギ条約で認められた権利について、再度審議
が開始された。その結果、一部強奪された土地を返還し、英語だけだった公用語に
マオリ語を加えた。


ジャシンダ・アーダーン首相は、昨年首相に就任して初めて、ワイタンギデイで
スピーチを行いました。
彼女は労働党のリーダーでもありますが、選挙のことに関しては私の去年11月
のメルマガを参照してください。

副首相であるウィルソン・ビーターによると、今年のワイタンギデイはこの40
年間で一番穏やかであった、そうです。
プロテストもほとんどなかったようです。

労働党とニュージーランド第一党の共同政権が開始されて100日。
ジャシンダ・アーダーン首相はカワカワ付近のカレツ・マラエ(マオリの会議)
に招かれました。
このマラエはイウィ(マオリの部族)ナチ・マヌから5人の代議士が国会に選出
されたことを祝っての催しでした。数100人の地元のイウィと近隣のコミュニテ
ィの住民が、アーダーン首相の言葉を聞くために集まりました。首相は彼女の
政権を支える全てのマオリの代議士たちに、感謝をささげるスピーチを行いました。
アーダーン首相はワイタンギデー前後にかけてワイタンギに5日間滞在。
これは歴代首相の中では最も長いそうです。


話は変わりますが、アーダーン首相は1月に、彼女は妊娠中で今年6月出産予定
であると発表しました。
6週間の産休を取り、その間はウィルソン・ビーターが首相を代行するそうです。

これが、アーダーン首相が’Instagramに発表した内容です。

And we thought 2017 was a big year! Clarke and I are
really excited that in June our team will expand from
two to three, and that we’ll be joining the many parents
out there who wear two hats. I’ll be Prime Minister AND
a mum, and Clarke will be “first man of fishing” and
stay at home dad. I think it’s fair to say that this
will be a wee one that a village will raise, but we
couldn’t be more excited. I know there will be lots of
questions, and we’ll answer all of them (I can assure
you we have a plan all ready to go!)
But for now, bring on 2018.

パートナーであるClarke Gayfordが、専業主夫となって家庭を支えると
いうのも、素晴らしいと思います。


世界で初めて首相就任中に妊娠・出産したのは、娘を出産したパキスタンの
ベナジール・ブットーBenazir Bhuttoだったそうです。
アーダーン首相は、歴史上2人目になります。

アーダーン首相の妊娠がわかったのは去年10月半ばで、連立政府の話し合い
の最中であったそうです。

子供は私たちの将来を担うものであるし、2018年ニュージーランドは
明るいスタートでした。
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