オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その189 Traditional Kiwi Holiday、 バッチ 07−05−21

2021-06-09 09:55:04 | 第181−190回
189号 07−05−21

           Traditional Kiwi Holiday、 バッチ


4月のAnzac Dayの連休に、友人のコロマンデルのBachに遊びに行って来ました。

Bach(バッチ)とは、山の中、海岸などに建てられる簡素なホリデーハウスです。
電気はなくて、調理は薪かガス、トイレはどっぽんというのが基本です。
屋根がある分、キャンブでテントに寝るよりまし、という作りです。
最近は、デザイナー建築で町の家と同じような作り、またはそれよりもっと豪華
なバッチも建てられてますが。

ひと昔前は、ニュージーランドのサマーホリデーは、一家総出でバッチに出かけ
ていき、数週間を過ごすのが一般的でした。
オークランドの中流の家庭は、たいていコロマンデルあたりにバッチを持っていて、
時間を見つけてはせっせと出かけていました。
海外のホリデーに行くというのは、一部の裕福な人のするものでした。
子供達は、毎日海で泳ぎ、トランプやボードゲームを飽きるほどして夏を堪能
していました。
今でも、私の友人はバッチではないけれどコロマンデルに別荘を持っていて、
オークランドの喧騒からエスケープして週末を過ごしています。


さて、今回の私のバッチ体験についてお話しします。
友人夫婦から、この夏彼らのバッチにおいでとずーっと誘われてました。
スクールホリデーの間は、私は孫の子守もあり実現せず、夏も終わりになった
アンザックの週末にやっと行けました。


4月24日早朝、友人夫婦がうちに私を迎えに来てくれました。
私はどういう所か想像がつかないので、3日間キャンプするような装備で
出かけました。
アイスボックスに3日分の食料、寝袋、蚊除け、懐中電灯を持って行きました。
戦々恐々、覚悟して出かけましたが、予想してたより彼らのバッチは快適で、
自然も楽しみました。

途中、Thames, Coromandel town を経由して5時間かかってTuateawaに
到着しました。Coromandel townからの山道が砂利道でカーブが多く、
何回かヒヤッとしました。
山に張り付くような細い道でカードレールのないところもあり、一歩間違えば
谷底に転落します。
それなのにこの辺の人は慣れているのが、ビュンビュン飛ばしてます。

Tuateawaは、小さな集落でお店は一件もありません。
コロマンデル半島の東側、Kennedy Bayが見える所にあるのですが、
直接行ける道がなく、西側のCoromandel townからしか行けません。
水はタンクですが、電気もインターネットも来てました。

彼らのバッチは、たまにしか来ないということで、電気は引いてなく、
ソーラーパネルを使ってました。
日中晴れるとポータブルの冷蔵庫とラジカセ、夜ちょっと電気をつけるくらいは
保ちます。
小さな池に面したこのバッチは、中はスタジオになっていて、キッチン、
暖炉がついてました。
デッキに座って水を眺め、時々やってくるチキンやファンテイルを見ていると
気分が和みます。
到着後、持ってきたおにぎりでランチを済ませ、私はお散歩に出かけました。
普段はほとんど人は住んでいないと聞いていたけれど、お散歩中、やはり私の
様に友人のバッチに来ている数人の女性グループに会ったり、この週末バッチ
を借りているカップルにも会いました。
お隣にはお孫さんが来ているようで、女の子達の賑やかな声が聞こえてました。

夕方、友人がやかんでお湯を沸かしてくれて、さっと体を洗いました。
この家はバスルームはあるけど、お湯は出ません。
夜は、私が家の作ってきた野菜カレーをガスコンロで温め、キノアサラダ
と頂きました。節電の為、小さな灯を一個だけつけて、ワインを飲みながら
ゆっくり食事を食べていると、どっか外国にいるような気分でした。

なんと友人達は、私にベッドを提供してくれて、快適に眠ることができました。
夜は本当に暗闇で、懐中電灯の明かりを頼りにトイレに行くのは、まるで肝試し
です。
たまにオポッサムや鳥が泣くと、ドキッとします。

翌日は、よく晴れていたのでビーチに行きました。
歩いて20分ほど細い崖道を歩いて行くと、岩の多い海岸線にでます。
このビーチには歩いてしか行けません。海沿いに建っているバッチの中には、
自分の庭から海岸に出れる様です。
日差しが暖かいので、私達は泳ぐことにしました。
水がとても澄んでいて、目が慣れると岩場にウニがびっしりついている
のが見えました。
夢中で20個ほど取りました。
試しに友人の旦那さんが割ってみたら、食べられる黄色い部分はちょっと
しかありませんでした。
シーズンではないのかもしれません。数個をその場で食べて、あとは海に
返しました。
ウニはちょっとでしたが、新鮮で甘かったです。
一気にウニとりの興奮が冷めると、風が吹いて来たこともあり、急に寒く
なり服に着替えました。
帰りは、丸い石ころの海岸で自分のお気に入りの石を探しながら、リュックに
詰めて帰りました。
この日シャワーは浴びなかったのですが、ここの海水はベトベトしてなく
どうもなかったです。
海で泳いだせいかとても疲れて、ゆっくり2時間のお昼寝をしました。
気だるい体に微風が心地よく、昔夏休みに祖母に家で過ごした畳の上の
うたた寝を思い出しました。

夕方は、友人の土地を案内してもらいました。
この辺はヤシの木が多く、放っておくといくらでも増える様です。
オポッサムの駆除のため、木に毒入りのわなが仕掛けてあるのもいくつか
見ました。
薮からお隣の敷地に入り、お家を外から覗きました。
このお宅は、ホリデーハウスとして貸してありました。
オープンプランのリビング、ダイニングからデッキに出れる様になっていて、
海が見渡せます。
お隣には、電気がきていてガスでシャワーのお湯を沸かせる様になっていて、
普通に暮らせるお宅でした。

最後の日は、庭の芝刈り、雨樋の掃除、木の剪定を手伝いました。
彼らは、二ヶ月に一回くらいやってきて家と庭の手入れをするそうです。


帰りに友人にまた夏になったら、1週間くらい行きたいな、と言いました。
今年中に海外に旅行に行ける様になるとは思えないし、国内を楽しみたいと
思います。
今まで外国にばかり目が向いてましたが、基本に帰り、昔ながらのニュージーランド
生活を見つめ直したいと気付いたホリデーでした。
コメント
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