オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その91 いけばなインターナショナル世界大会 28-05-12

2012-06-26 12:17:13 | 第91-100回
..91..
                                28-05-12

いけばなインターナショナル世界大会



先週、日本から戻ってきました。

5月1日から4日まで、東京お台場で開催されたIkebana international 10th World Conventionに参加し、
そのあと引き続き草月Post Conventionイベント、ワークショップに
5月5日―8日でました。
2週間花ざんまいでした。

東京滞在は2週間、最後1週間は九州で父のお墓参り、母の見舞い、友人との旅行と盛りだ
さんの3週間でした。



Ikebana internationalは、”Friendship through Flowers“をモットーとする友好団体です。
日本、世界中に支部があります。

サイトはこちら、
http://www.ikebanahq.org/


実は、10回大会は昨年の5月の開催のはずでしたが、3月11日におきた東日本大震災のため、
1年延期となりました。
第10回大会が、今年5月1日から4日まで、東京、お台場のGrand Pacific Le Daiba Hotel
で開催されました。

昨年は1000人の申し込みでしたが、今年は789人、35国からのメンバーが参加
したそうです。
一年延びるという事は、メンバーそれぞれの状況もかわりますし、ヨーロッパからは福島原発
を懸念してのキャンセルもあったと、聞いています。


789人でも、世界のさまざまな流派のイケバナニストが一同に会し、展覧会、お家元のデモ、
連夜ディナーパーティーとお祭り気分を味あえました。

私は、今回初めていけばなインターナショナルの世界大会に参加しました。
いけばな展にも出展しました。

いけばな展は、大使夫人による特別いけばな展、三大流派家元席、30ほどの家元席、
いけばなインターナショナル会員の展示で構成されてました。
初日には、美智子妃殿下が来場されました。

総数300くらいあったと思います。
今やっと写真の整理をしているのですが、見たのを覚えていないものもあり、
いまさらながら大きないけばな展だったなと思いました。


草月流のいけばなを始めてから、日本の花展に出展するのは初めてですし、3月
くらいから親先生のご指導のもとに、試作を始め準備しました。

私は「新聞」を活けました。
オークランドを発った日、4月28日のNew Zealand Heraldを主役に、アンスリウム、タニワ
タリ、ドラセナを活けました。
草月流には”異質素材を活ける“という課題があり、新聞も異質素材のひとつです。
新聞を使ったことで、みんな私の作品を憶えてくれてました。
きれいな、たくさんお花を使った作品は多かったので、新聞が目にとまったのだと思います。

それにしても、ホテル出店のお花やさんの高いこと。
ニュージーランドでは、枝もの、葉ものは自分の庭から取り、ふんだんに使えるので、
日本のお花は特に高く感じました。


わたしは、今回一般会員代表として、いけばなインターナショナルの会議にも
参加しました。
結局、参加者、委任状が足りなく、議決は行われませんでしたが、日本、世界
にかかわるいけばなインターナショナルの問題を知ることができました。
期間中、国籍を問わず、会議に参加した人と意見を交換し、短い間ではありましたが、
ぐっとお互いの距離が縮まりました。


類は友を呼ぶのか、特に草月流の人たちとは仲良くなりました。

オーストラリア、ニュージーランドの草月支部は、近いこともあり、よくワークショップで一
緒になり、以前から顔見知りで、オーストラリアの友達が増えました。
私の親先生が世界中で活躍されているので、親先生を知っている草月の人たち
とも仲良くなり、一緒に食事したりもしました。



会期中、各家元のデモが行われました。
これらは一般にもチケットが売られていて、会場の1時間以上前から行列ができていました。
デモだけでなく、ちょっと有名なレストランでも、日本人は並ぶので、
外国人会員から、「並ぶのは、日本の文化」かと聞かれました。
そうかもしれませんね。
日本人は決められた訳でもないのに並び、割り込みもしません。


各お家元のデモは、ライト、音楽を駆使し、ステージいっぱいのスケールで、
すばらしいものでした。
未生流、一葉、池坊、草月のデモを見ましたが、各流派の特色がよく出ていました。
今回は、次期家元の池坊由紀さんなどの若い後継者のデモが多く、最新のテクニックを取り入
れた、いけばなの次の時代を思わせる斬新さが印象に残りました。

草月流のデモは、勅使河原茜家元を中心に、3,11で被災された草月流の先生方、
Akeneアトリエとのすばらしいチームワークで展開されました。
草月ならではの、竹のインスタレーション、背丈よりも大きい、どうだんつつじ、もみじ、
芍薬など、一山切つぶしたのではないか、と思わせるような豪華な花材でした。
最後は光と花、音楽のショウで、さらに盛り上がりました。



Grand Pacific Le Daiba Hotelの大広間では、4日間毎夜、800人近いディナーがありました。
食事の前に琉球舞踊、尺八、お能、日本舞踊のパフォーマンスがあり、外国からの会員は、
興味深く見入ってました。
いけばなーナショナル名誉顧問である高円宮妃殿下は連日、お家元デモ、ディナーに
いらしてました。
高円宮妃殿下は,Welcome DinnerとSayonara Banquetで英語でスピーチをされました。
明瞭な英語で、会場全体を見渡すようにして、印象に残るスピーチでした。


一歩ホテルの外にでれば、お台場はゴールデンウィーク中でもあり、大変な混雑でした。
私は、お台場も初めてでした。
お台場、どこもかしこも人人、人。
ゆりかもめの台場駅では、駅の外まで電車に乗る人たちが溢れてました。
お台場のモールでは、人間の赤ちゃんと思ったら、犬が乳母車に乗っていて、
「日本は不思議なとこね」とヨルダンの友人に言われました。



文化、人種、言葉はちがっても、花で世界は一つなれる、そう感じました。
私自身、花を活けることは、生活の一部です。
これからも花を通じて世界にメッセージを発信し続けたい、と再認識したイベントでした。

コメント
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