オークランド通信

のんびりしたお国柄が気に入りニュージーランド在住27年。仕事、子育て、生活全版にわたって語ります。

その101 Nuclear Free Immigrants 05-04-13

2013-05-23 13:47:51 | 第101-110回
..101.. 05-04-13

Nuclear Free Immigrants

今回は、ほかの話題を考えていたのですが、シンガポールのマイさんの配信を見
て気が変わりました。
今朝のNew Zealand Heraldにも、移民に関する記事がでていました。
ここ数年の移民の数、傾向などが書かれてました。

http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=10875024


ヘラルド紙によりますと、ニュージーランドの永住権を取っても、四分の一近く
が、ニュージーランドより去っていくということでした。
その割合は、文化、経済活動がニュージーランドより高い国に多いのだそうです。
ニュージーランドの環境になじめなかった、思うような仕事がみつからなかった
というのも原因だそうです。

ニュージーランドの永住権は、”indefinite”になると、いったんニュージー
ランドを去っても無くなりません。
私の夫は、日本の永住権を持っていたのですが、一年以上日本に戻らなかったの
で無効になりました。
お隣のオーストラリア、イギリスも同様だと聞いてます。
(正確な情報は、ご自分でお調べ下さい。)

そういう訳で、移民して来て数年は頑張ってみるけど、うまくいかなかったら
ちょっと日本で帰ってみようかな、と思います。
日本に戻ると収入、家族のことで戻ってこれなくなるという友人が多いです。
私のまわりを見渡してみても、今ここに残っているのは、パートナーがキーウィ、
もしくは外国人の人がほとんどです。


20年前、我が家がオークランドに住み始めた頃、子供たちの同級生も最近来た
移民が多かったです。
1997年に香港が中国に返還されたことも関係して、香港からの娘の同級生も何
人かいました。
その当時は、3年くらいで市民権が得られましたし、香港からの移民は、ニュー
ジーランドのパスポートを持って、香港に帰っていった家族もいました。

私達が永住権を取った時は、英語能力もさほど問題とされず、比較的取りやすか
ったと思います。

永住権があると、ニュージーランド市民とほほ同じ権利があります。
子供も学費が義務教育期間中はschool fee以外は無償ですし、大学、専門学校
も海外留学生に比べるとはるかに安いです。

教育熱心な移民は、子供のために一家で移民し、いい学区内に家を買います。
英語の問題や、ビジネスがあまり盛んでなかったため、父親は本国で働いて、
時々家族に会いにやってくる家庭が多かったです。

一家全員でうまく定住でき、子供たちがニュージーランドの会社に就職したり、
現地の人と結婚した場合は、その一家はとどまる場合が多いと思います。

しかしながら、子供達は、自分の意思でニュージーランドに来た訳ではないので、
大学卒業後、本国に戻ることもよくあります。
そうこうしているうちに、本国の両親が年老いて介護が必要になったりすると、
中年の夫婦は帰らざるをえなくなります。



これまでのこういったパターンから、最近ちょっとした変化が目立ってきてます。
2年前の東日本大震災以後、日本からの移住者が少しずつ増えてきています。

よくあるパターンは、学齢期までの子供と母親が長期の留学するケースです。
ニュージーランドでは、Guardian Visaが取りやすいのも理由の一つだと思い
ます。
起業家ビザを取って、ビジネスを始める人もいます。

母親自身が留学経験があり、英語のニュースもよく読んでい国際的な視点から、
日本の現状を考えているようです。
福島の原発の影響からとりあえず逃れたいと、やってきてます。
福島原発の事故は起こったことも深刻ですが、その後の政府、東電の対応、規制
された情報に、私たちも不信感をいだいています。

日本という船と一緒に沈むのは嫌だ、と考える日本人もいるということです。

それになんといっても、ニュージーランドは非核国です。
目だった大気汚染はないし、ちょっと郊外にでれば緑が広がっているし、海も空
晴れ渡りすがすがしいです。
グリーンな牧草地は、初期移民のイギリス人がネイチィブの植物を切り倒し、
家畜のえさとして植えたものであったとしてもです。

最近、30年以上アメリカに住んでいる友人が、被災地にすむ母親に会いに行きま
した。彼女は日本が巨大な実験場になっているようだ、と言っています。
広島、長崎の原爆、水俣病、イタイイタイ病といった、人間がひきおこした公害
が醜いことを知ってる、日本なのにです。

今の世の中、私達はエネルギーの恩恵を受けずに生活することはできません。
どんなに頑張っても、添加物ゼロの食べ物も手にはいりません。
この小さなニュージーランドさえ、世界中のものが流通しています。
車にも乗るし、電気も使います。
私たちは、世界のだれかの犠牲のもとに、生きている訳です。

国はそう簡単にはかわりませんから、家族のため、自分のため、これまでと違っ
た意味の移民は増え続けると思います。
状況が変われば、あるいは海外の生活をささえる資金がつきれば、移民は、
ニュージーランドから去っていくのかも知れません。
コメント
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