その65 夢の国、Nippon 12-02-10
今回は全然ちがうトピックスで書こうとしていたのですが、モントリオールのは
なさんのメルマガを読んで気が変わりました。
はなさんのメルマガ記載のケント・ナガノ氏のインタビュー記事が実によく、こ
こ最近私が感じていることを言いえていて関心しました。
去年8月、Madame butterflyのオペラに行き、この出たっきり邦人のメルマガ
にも書きました。西洋人からの日本の音楽のアプローチも、ケント氏がうまく説
明されてますよね。
はなさん、紹介して下さってありがとう。
夕べ、久しぶりに2歳半の孫と電話で話をしました。
12,1月、私は日本へ2回行き多忙だったし、今は台湾から娘婿のご両親が見え
ているので、この頃私は子守を免れてます。
私 「ようちゃん、元気?」
孫 「How are you? ばあちゃん
I’m eating Broccoli、とうふ andごはん。
I went to swimming pool 」
ここ2-3ヶ月で、孫はもう完全に英語の会話が身について、日本語は単語くら
いしか使わないようになっていました。
毎日デイケアで英語をしゃべっているわけだから当然ですか。
例のケント氏のように、3歳というのは言語習得の第一の区切りだと思います。
うちに来ると孫は、「三匹のこぶた」、「ねずみの嫁入り」、「桃太郎」といっ
た日本の昔話や、私が子供達にも読んでやった「ガッタンゴットン」「もうねん
ね」「あいうえ おうさま」などの絵本を私に読んでもらうのが大好きです。
日本の絵本は、日本に帰国された友人からもらったものや、私が日本から買って
きたものです。
子守唄は、「赤い鳥小鳥」「五木の子守唄」「ゆりかご」といった昭和の童謡を
歌ってやります。
孫は私とは歌わないのに、家に帰って、「あかいとりことり、なぜなぜあかい
あかいみをたべた ……」と歌うそうです。
1月に日本に帰った時、幼稚園の先生をしている姪と話す機会がありました。
姪曰く、今の日本の子供達は桃太郎とかあまり知らないそうです。
日本の童謡もしかりです。
ケント氏も述べておられるように、孫が知っているのは、私や娘を通した日本で
す。
私の22歳までと、一時帰国で家族ですごした1985年から 1992年までの日本で
す。
私は私が知ってる日本しか孫に伝えられないし、自分がいいと思える日本の文化
を孫に伝えたいと思います。
あえて最近流行の絵本を日本から手に入れ、孫に読んでやる気もありません。
昔話は案外言葉が難しく、どこまで孫が理解しているかなと思います。
でも雰囲気、挿絵、繰り返しによって内容がわかるようで、「やまんば こわー
い」と言います。今の日本は子供はやまんば知ってるんでしょうかね?
1月に女友達3人で、持ち寄りランチをしました。
N子さんは筑前煮、R子さんはレンコンのピリ辛煮、私は高菜飯と黄な粉もちを
作りました。普段は旦那のために西洋料理を作っているので、こういう時は自分
達が食べたいものを持ち寄ります。
R子さんとN子さんの夫はキーウィーで、私の夫はビルマ人でみんな国際結婚組
です。
R子さんが相談があるんだけどと切り出した内容は、
R子さんの息子が、去年一ヶ月鹿児島の中学に留学したそうです。
ハーフで英語をしゃべる(NZ育ちだから当たり前ですが)彼は、学校でおおモテ
で、ちょっとした天狗になってニュージーランドに帰ってきたそうです。
息子は、将来は大学で日本語を勉強して(この彼も3歳児程度の日本語しかでき
ません)、日本に行って働いてみたいと言ってるそうです。
日本の女学生から熱烈なラブレターも来たそうです。
彼女は、息子が日本人のお嫁さんをもらうことにでもなったらとても困る、つき
あいきれないと言ってました。
自分が日本人なのにです。
母親としてR子さんは、子供が日本で働くことをどう思うかと、私達に聞きまし
た。
N子さんの意見
あんまりしょっちゅう、息子さんを日本にやらないことね。
日本語専攻以外で、まともにここの大学に行くほうがいいと思う。
ニュージーランド育ちの日本とのハーフの子供達は、日本を夢の国のように思い、
ティーンエイジャーになると日本に行きたがる子が多いそうです。
日本はやさしいおじいちゃん、おばあちゃんがいるしゲームなど若者好みのもの
であふれています。
小さい時から、アンデンティティーは、NZ人なのに、アジア系ということで差別
も受けます。そういった経験からも、彼らの中で日本は美化されていきます。
でも現実は厳しい、日本の単一文化の中で外国人が生きていく厳しさを、夫の苦
労を通じて日本人妻達は身にしみて知っています。
だから、日本人だから日本にあこがれる、よかったねとはならないのです。
日本で英語教師とかしてなんとか生活を立てられるかもしれないけど、その収入
には限りがあります。
それに日本以外での就職のチャンスがありません。
ニュージーランドの大学に行き、エンジニアなどの技術を身に付ければ、英語圏
どこでも仕事ができます。
その上で日本語が堪能ならば、外国人として日本でのプロジェクトに派遣され重
宝がられるかもしれません。
まず自分の専門で勝負し、キャリアーをつんで行くほうが、子供達の将来が明る
いしチャンスも多いと思うと、N子さんは言います。
N子さんは、息子二人がキーウィー女性と結婚してよかったと言います。
私達は日本人であるけど、長年の外国暮らしで日本にいる日本人と感覚がずれて
きているを自覚してます。
N子さんは、自分が半分キーウィー化してるから、日本人のお嫁さんだと、親戚
とうまくつきあえないどではないかと思います。
今回の帰国で、私は日本の親戚や弁護士と、長女としてやりとりする機会が多く
ありました。たぶん、はっきりした物言いや要求は、場違いと思われていたかも
しれません。
「お姉さんは、外国暮らしが長いからしかたがないね」と周囲は思っていたと思
います。
これは、まだ自分の家族だから許されるけれど、義母だったら、息子のパートナ
ーやご両親から「話にならん」と思われるでしょう。
私は平均一年に一回日本に帰ります。
でも、旅行者のようにふるまい、出張先は海外とのやりとりの多いところだし、
私のような人間に慣れてます。
たぶん私は今、微妙なところで日本人でなくなってきています。
今回は全然ちがうトピックスで書こうとしていたのですが、モントリオールのは
なさんのメルマガを読んで気が変わりました。
はなさんのメルマガ記載のケント・ナガノ氏のインタビュー記事が実によく、こ
こ最近私が感じていることを言いえていて関心しました。
去年8月、Madame butterflyのオペラに行き、この出たっきり邦人のメルマガ
にも書きました。西洋人からの日本の音楽のアプローチも、ケント氏がうまく説
明されてますよね。
はなさん、紹介して下さってありがとう。
夕べ、久しぶりに2歳半の孫と電話で話をしました。
12,1月、私は日本へ2回行き多忙だったし、今は台湾から娘婿のご両親が見え
ているので、この頃私は子守を免れてます。
私 「ようちゃん、元気?」
孫 「How are you? ばあちゃん
I’m eating Broccoli、とうふ andごはん。
I went to swimming pool 」
ここ2-3ヶ月で、孫はもう完全に英語の会話が身について、日本語は単語くら
いしか使わないようになっていました。
毎日デイケアで英語をしゃべっているわけだから当然ですか。
例のケント氏のように、3歳というのは言語習得の第一の区切りだと思います。
うちに来ると孫は、「三匹のこぶた」、「ねずみの嫁入り」、「桃太郎」といっ
た日本の昔話や、私が子供達にも読んでやった「ガッタンゴットン」「もうねん
ね」「あいうえ おうさま」などの絵本を私に読んでもらうのが大好きです。
日本の絵本は、日本に帰国された友人からもらったものや、私が日本から買って
きたものです。
子守唄は、「赤い鳥小鳥」「五木の子守唄」「ゆりかご」といった昭和の童謡を
歌ってやります。
孫は私とは歌わないのに、家に帰って、「あかいとりことり、なぜなぜあかい
あかいみをたべた ……」と歌うそうです。
1月に日本に帰った時、幼稚園の先生をしている姪と話す機会がありました。
姪曰く、今の日本の子供達は桃太郎とかあまり知らないそうです。
日本の童謡もしかりです。
ケント氏も述べておられるように、孫が知っているのは、私や娘を通した日本で
す。
私の22歳までと、一時帰国で家族ですごした1985年から 1992年までの日本で
す。
私は私が知ってる日本しか孫に伝えられないし、自分がいいと思える日本の文化
を孫に伝えたいと思います。
あえて最近流行の絵本を日本から手に入れ、孫に読んでやる気もありません。
昔話は案外言葉が難しく、どこまで孫が理解しているかなと思います。
でも雰囲気、挿絵、繰り返しによって内容がわかるようで、「やまんば こわー
い」と言います。今の日本は子供はやまんば知ってるんでしょうかね?
1月に女友達3人で、持ち寄りランチをしました。
N子さんは筑前煮、R子さんはレンコンのピリ辛煮、私は高菜飯と黄な粉もちを
作りました。普段は旦那のために西洋料理を作っているので、こういう時は自分
達が食べたいものを持ち寄ります。
R子さんとN子さんの夫はキーウィーで、私の夫はビルマ人でみんな国際結婚組
です。
R子さんが相談があるんだけどと切り出した内容は、
R子さんの息子が、去年一ヶ月鹿児島の中学に留学したそうです。
ハーフで英語をしゃべる(NZ育ちだから当たり前ですが)彼は、学校でおおモテ
で、ちょっとした天狗になってニュージーランドに帰ってきたそうです。
息子は、将来は大学で日本語を勉強して(この彼も3歳児程度の日本語しかでき
ません)、日本に行って働いてみたいと言ってるそうです。
日本の女学生から熱烈なラブレターも来たそうです。
彼女は、息子が日本人のお嫁さんをもらうことにでもなったらとても困る、つき
あいきれないと言ってました。
自分が日本人なのにです。
母親としてR子さんは、子供が日本で働くことをどう思うかと、私達に聞きまし
た。
N子さんの意見
あんまりしょっちゅう、息子さんを日本にやらないことね。
日本語専攻以外で、まともにここの大学に行くほうがいいと思う。
ニュージーランド育ちの日本とのハーフの子供達は、日本を夢の国のように思い、
ティーンエイジャーになると日本に行きたがる子が多いそうです。
日本はやさしいおじいちゃん、おばあちゃんがいるしゲームなど若者好みのもの
であふれています。
小さい時から、アンデンティティーは、NZ人なのに、アジア系ということで差別
も受けます。そういった経験からも、彼らの中で日本は美化されていきます。
でも現実は厳しい、日本の単一文化の中で外国人が生きていく厳しさを、夫の苦
労を通じて日本人妻達は身にしみて知っています。
だから、日本人だから日本にあこがれる、よかったねとはならないのです。
日本で英語教師とかしてなんとか生活を立てられるかもしれないけど、その収入
には限りがあります。
それに日本以外での就職のチャンスがありません。
ニュージーランドの大学に行き、エンジニアなどの技術を身に付ければ、英語圏
どこでも仕事ができます。
その上で日本語が堪能ならば、外国人として日本でのプロジェクトに派遣され重
宝がられるかもしれません。
まず自分の専門で勝負し、キャリアーをつんで行くほうが、子供達の将来が明る
いしチャンスも多いと思うと、N子さんは言います。
N子さんは、息子二人がキーウィー女性と結婚してよかったと言います。
私達は日本人であるけど、長年の外国暮らしで日本にいる日本人と感覚がずれて
きているを自覚してます。
N子さんは、自分が半分キーウィー化してるから、日本人のお嫁さんだと、親戚
とうまくつきあえないどではないかと思います。
今回の帰国で、私は日本の親戚や弁護士と、長女としてやりとりする機会が多く
ありました。たぶん、はっきりした物言いや要求は、場違いと思われていたかも
しれません。
「お姉さんは、外国暮らしが長いからしかたがないね」と周囲は思っていたと思
います。
これは、まだ自分の家族だから許されるけれど、義母だったら、息子のパートナ
ーやご両親から「話にならん」と思われるでしょう。
私は平均一年に一回日本に帰ります。
でも、旅行者のようにふるまい、出張先は海外とのやりとりの多いところだし、
私のような人間に慣れてます。
たぶん私は今、微妙なところで日本人でなくなってきています。