高槻成紀のホームページ

「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

2017年の記録

2017-12-31 07:02:24 | アーカイブ
2017.12.21
武蔵野美術大学1号館103号室(予定) 18:00から

自然の話が聴こえた—玉川上水の生きもの調べ 当日のようすなどはこちら



玉川上水で生き物調査を初めて2年が経ちました。ありふれた動物であるタヌキを軸にほかの動植物とのつながりを解明してきました。コツコツと作業を積み重ねてゆくうちに気づいたのは、都会に残された貧弱な緑地に生きるありふれた生き物たちが、いかに懸命に、そして理にかなった生き方をしているかということでした。そしてそのことが調査をして明らかになったとき「自然の話が聴こえた」と感じました。今回はこの生き物調べで明らかになったことと、作業をしながら考えたことなどをお話しします。


玉川上水のタヌキをめぐるリンク

 当日は最近出版された「都会の自然の話を聴く—玉川上水のタヌキと動植物のつながり」(彩流社)を頒価の20% OFFの2000円で販売します。そのほか著者の著書「野生動物と共存できるか」、「動物を守りたい君へ」(いずれも岩波ジュニア新書)も販売します。




2017.11.26
11月26日の玉川上水観察会は切り株の年輪調べをしました。今年になって切られた株を確認していたので、それを測定することにしました。鷹の台近くの久右衛門橋近くには4本のケヤキの切り株があり、直径は20cmほどから50cmほどまでばらつきがありましたが、いずれも60歳台でした。育った状況に大きな違いがあったようです。鎌倉橋の下流にあった直径60cmほどのケヤキは125歳で、この日調べたうちの最高齢でした。
 文献では江戸時代から戦前にかけて、玉川上水が上水として利用されていた時代は小金井のサクラ以外の木は落葉が上水に入らないように伐られたとされていますが、そうは思えない太い木があるので、そのことを知りたいと思っていました。この例はそのことを支持します。もっとあるはずなので、さらに調べてみようと思います。








2017.11.24
先のことですが、1月13日に多摩動物公園で「タヌキのポン!?」という話をすることになりました。

2017.11.23
「都会の自然の話を聴く—玉川上水のタヌキと動植物のつながり」(彩流社)の出版

 かねてよりお伝えしていた本の出版が遅れていましたが、いよいよ12月7日に出版されることになりました。本屋の店頭に並ぶのは多少前後するかもしれません。
 私は以前から玉川上水の動植物にも興味をもっていましたが、定年退職して時間もとれるようになったので、昨年から仲間とタヌキや植物などの調査をし、観察会を続けてきました。それによってわかったこと、観察会の記録などを通じて、玉川上水の現代的意義、ありふれた生き物をじっくり観察して知ることの大切さを感じました。
 このことをより広く知ってもらうことは、「都市にはたいした自然はない」と思っている多くの人に、じつはそうではないことを認識してもらう大きな意味があると思い、執筆してきました。
 書名は「都会の自然の話を聴く—玉川上水のタヌキと動植物のつながり」で、彩流社から出版されます。いっしょに観察会をしてきた武蔵野美術大学の関野先生が過分な推薦文を書いてくださり、ありがたいことでした。
 イラストも描いたり、楽しみながら作りました。


表紙とオビ


オビうら


観察会のようす


リンク(生きもののつながり)


300ページほどあるので値段が2300円(税抜き)とちょっと高くなってしまいました。

2017.11.22

観察会のご案内です。どなたでも参加できます。

「玉川上水の切り株から年輪を読み取る」観察会
 玉川上水の林を歴史的にみれば、かつては「上水」機能を優先させて、桜の木以外の木はなかったといわれており、茅葺の屋根を維持できるほどススキがあったといわれています。現在は市民のいこいの場として「保護」の方針で管理され、林が育っています。私たちが調べている「花マップ」の結果によれば、ススキがあるのは全体の半分程度の場所になっています。玉川上水に多いコナラやクヌギは大きいもので直径30cmくらいで、戦後に育ったものと思われますが、中には直径50cmを上回るものもあります。そうすると、お年寄りのことばとはちょっと違い、かなりの大木もあったのではないかと思われます。そこで、ときどき伐られている切り株の年輪を読み取ってみたいと思います。新しい切り株を探して物差しをあてて年輪数と中心からの径をよみとります。それによってその木が育った時代が推定できます。

日時    2017年11月26日(日)
集合    9:30 鷹の台駅
内容  玉川上水の切り株の年輪を数える
持ち物 筆記用具、あれば30cm以上の物差し
その他 少雨決行(本降り中止)



2017.11.19
 以下のようなシンポジウムがありました。

日   時 2017年11月19日(日) 
記念講演 高槻 成紀(麻布大学いのちの博物館上席学芸員)
「日本のシカ問題の現状について」
パネル討論 「シカをどうやって減らすか‐丹沢を蘇らせる道を探る」
パネリスト 高槻 成紀
 濱﨑 伸一郎(株式会社 野生動物保護管理事務所 代表)
      山根 正伸 (神奈川県自然環境保全センター研究企画部長)
川島 範子 (NPO法人 小田原山盛の会 副理事長) 
司   会 梶谷 敏夫 (丹沢ブナ党代表)
主   催 丹沢ブナ党 



丹沢の自然、とくに森林の現状に危機感をもつ人たちが集まりました。パネリストからはそれぞれの立場からの発言があり、フロアからもたくさんの質問がありました。表層的に「シカの数を減らせば問題は解決する」ととられがちなこの問題の根底にはシカを含む日本の自然が人のとどまることのない欲望の犠牲になっているのではないかという思いがあったように思います。私がそのような発言をしたとき、会場から拍手がわいたことはそのことを象徴しているように思いました。有意義なシンポジウムであったと思います。

2017.11.11
 高尾山のビジターセンターでシカについての講演をしました。少し前には考えられなかったことですが、高尾山にもシカが入ったようで、これをどう考えるべきかということがテーマでした。そのため、シカというのはどういう動物であるかという話、シカの影響とはいかなるものであるかという話をし、東京でのこの20年間ほどで分布が拡大したことなどを話しました。
 そのあとで、参加者と野外を歩いて観察会をしました。終わりに近づいたとき「ピャッ」というシカの声がしました。そしてしばらく歩いたらまた別のところから鳴き声がしました。ビジターセンターの人もこれまで聞いたことがなかったようで、驚いていました。
 高尾山という年間260万人もの人が訪れる大観光地にシカがいるというのはどういうことで、それにどういう姿勢で立ち向かうか、むずかしい問題です。私が強調したのは、相手を知ることと、明確なビジョンをもつべきだということです。



2017.11.1
10月31日から麻布大学いのちの博物館の企画展示が改まりました。今回は「シカの角のふしぎ」という展示です。10月30日に設営をしました。



ケース1にはシカの概論を紹介しました。いろいろなシカの頭部模型を並べました。



今回は予算の制約もあったので、手作りの展示品が多くなりました。紙粘土で10個あまりのシカの頭部模型を作りました。時間はかかりましたが、楽しい作業でした。



ケース2にはおもにニホンジカの標本を紹介しました。一生のうちでの角の発達、1年のうちの角の発達、ニホンジカの地域変異などを紹介しました。

 設営では職人さんとの作業でしたが、いいかげんさを排除する気持ちのよいものです。上下関係がはっきりしていて、いまの大学人にはちょっと新鮮な違和感がありますが、決して無意味にイバッているのではなく、きちんとした仕事をしようということから来ています。だから展示について納得できないところは、来館者に見えないところにも徹底的に手間をかけます。そういう姿勢は見ていてとても気持ちよいものでした。





2017.10.31
岩波ジュニア新書の「野生動物と共存できるか」が8刷になることが決まりました。



2017.10.30
高尾山に行ったことのある人は多いと思います。私も行ったことはありますが、人が多いのであまり行きません。その高尾山にもシカが入ってきたので、そのことを勉強したいということで、講師の依頼がありました。興味のある人はご参加ください。詳しくはこちらをどうぞ。

東京都高尾ビジターセンター主催 自然講座 『高尾山とシカ:シカが増えたら山はどうなる?』

対 象:高校生以上(高尾山山頂まで自力で登山ができる方)
■ 定 員:20名 (応募者多数の場合は抽選)
■ 実施予定:13:30高尾ビジターセンター 集合 16:00高尾山山頂(大見晴トイレ前)解散
■ 参加費:100円
■ 申込締切:平成29年10月29日(日)消印有効
■ 実施場所:高尾ビジターセンター ・ 奥高尾一丁平までの登山道


2017.10.21-22
大学祭があり麻布大学いのちの博物館でも受け入れの準備をしましたが、今年は台風の影響で天気が悪く、来館者数は例年より少なかったようです。

2017.10.19
東京大学生圏システム学専攻の同窓会があり、なつかしい顔に会いました。



2017.10.19
明治神宮に行きました。


2017.10.14
地元の小平市の小川公民館の活動で「知られざる小川の歴史と自然」と題して、玉川上水を散歩しました。



2017.10.12
奥多摩でカモシカの会議があり、奥多摩の森林がシカによっていかに変化したかについて解説しました。

2017.10.8
玉川上水の観察会をしました。今回はいつもの小平ではなく、上流の拝島から西武立川までを歩きました。玉川上水の違うようすをみることができました。水の量を測定する試みをしました。









こちら

2017.9.26
かわさき市民アカデミーの講師をしていますが、たまには野外に出ようということで、玉川上水に来てもらいました。


2017.9.23
明治神宮に行きました。

2017.9.20
アファンの森に行きました。



2017.9.10
玉川上水で観察会をしました。こちら



2017.9.3-4
乙女高原でネズミの調査をしましたが、うまくいきませんでした。柵内の花が増えていて感激しました。


2017.8.27玉川上水で観察会をしました。こちら

ツルボの花に来る昆虫を記録する参加者



2017.8.13津田塾大学でタヌキのことを調べていますが、津田塾大学で出しているPlum Gardenというネット雑誌というのでしょうか、その編集にたずさわる学生さんから連絡があり、取材を受けました。その記事が公開されました。こちら



Plumとは梅のこと、津田梅子先生を記念した名前のようです。


2017.8.4
2013に出版された「動物を守りたい君へ」が増刷されることになりました。「野生動物と共存できるか」とともに中学校の入試問題によく使われています。



2017.8.13
予定通り8月13日に帰国しました。向こうではだいたい20度くらいで、カラッとしていて実に爽快でした。毎日地面に向きあって群落記述をする毎日でした。






2017.8.1
玉川上水でこども観察会「玉川上水にはフン虫がいるよ」をおこないました。こちら





2017.7.21
アファンの森に行ってきました。長野は涼しいと感じることが多いのですが、今日は東京並み(あるいはそれ以上に)く、山道を歩くのはかなりつらかったです。
 今日は日帰りでしたが、泊まるのはこのゲストハウスです。




2017.7.18
玉川上水の本の出版が決まりました。書名は「都会の自然の話を聴く」、副題が「玉川上水のタヌキと動植物のつながり」です。内容は観察会の記録、調査の内容、それをもとに都会の自然について考えたことなどです。
 彩流社さんのご厚意で、以下の条件で入手可能になりました。
・ 定価(消費税込み)の2割引き、2冊以上お買い上げの方は送料サービス(予価2300円ですので、このままいけば、税込価は2484円、2割引だと1987円)
・お申し込みの際は、高槻に紹介されたとお伝えください(電話、メールでも可)



以下、長いですが「まえがき」です。
 
 東京西部の空中写真を見ると、灰色に見える市街地が広がり、その中にところどころ緑色の塊りや、茶色の楕円形などが見えます。緑の塊りは雑木林で、茶色の楕円形はグランド、四角い学校の校庭なども見えます。薄緑のなかに白い丸や線があるのはゴルフ場でけっこう広いものです。こういう空中写真は都市郊外ではどこでも同じようなものですが、東京西部の場合、細い緑の線が東西に走っているのが目にとまります。実はこれは玉川上水という運河で、この本はこの玉川上水の動植物について書いたものです。
 この「細い緑の線」を空から眺めながら想像を働かせてみることにしましょう。江戸時代の初め、武蔵野台地と呼ばれるこの辺りに人は住んでいなかったそうです。だから空からみても緑色の林が広がっていたはずです。そこに玉川上水が掘られました。1653年といいますから今から360年ほども前のことです。これは江戸に水を送るために作られたのですが、同時に途中の土地に農業用水をもたらすことになったので、緑の台地に人が住むようになり、道ができ、集落ができました。そして農業が始まったために、林が切られ、畑が作られました。こうして空から眺めると緑の林が減り、茶色の畑が少しずつ増えて行きました。とはいえ、畑と雑木林が広がる景色は18世紀、19世紀、20世紀とそれほど変化しませんでした。19世紀末に中央線ができて沿線は徐々に変化をし始めましたが、少し北の玉川上水がある辺りではそれほどの変化は起きませんでした。この本の舞台となる小平辺りも畑と雑木林が広がり、太平洋戦争が終わってしばらくは富士山がよく見えたそうです。ところが1960年代に都心からの人口が爆発するように周辺に広がり、あっという間に畑が住宅地に変わっていきました。空からの景色でいえば、緑と茶色が減って市街地の灰色が広がって行きました。江戸時代からの景色を「早送り」するとゆっくりと緑が減り、茶色が広がってしばらくは同じような配色の景色が続きながら、最後のところで急に灰色が増え、緑や茶色が失われて行ったということになります。その中で玉川上水の「細く長い緑」はかろうじて保たれてきました。そこはすみかであった林を奪われた動物や植物たちの最後の逃げ場になったのです。
 さて、私は仙台で学生生活を過ごしてそのまま大学の研究者になり、40代になって東京に来ました。東京で接した自然は私には貧弱なものに感じられました。しかし、たまたま玉川上水のすぐ近くに住むことになり、上水沿いを散歩したりするようになって、次第にその魅力に開眼してゆきました。
 2015年に大学を定年退職しました。現役時代にも少し玉川上水の植物の調査をしたことはありましたが、なんといっても研究、教育に忙しくて、玉川上水は横目で眺めながら「退職したら調べるぞ」と思っていました。退職し、晴れて玉川上水の調査ができることになったのですが、ちょうどそのタイミングに、彩流社の出口綾子さんから、なにか命についての本を書いて欲しいと依頼がありました。私は前に書いた「動物を守りたい君へ」(岩波ジュニア新書)に野上ふさ子さんの『いのちに共感する生き方』(2012)を引用したのですが、野口さんの本は出口さんが編集したもので、そのことがあって私に声をかけてくださったということでした。それなら玉川上水のことは書けそうだと思い、お引き受けしました。
 玉川上水の動植物の観察活動は今後も続けるのですが、ひと区切りをつける意味で、その1年ほどで見聞きしたこと、明らかにしたことをまとめてみました。その過程で強い確信を持ったのは、都市にすむありふれた動植物の暮らしの中にも実にすばらしい命のほとばしりがあり、彼らの話は聞こうとする耳を持ちさえすれば聞けるのだということでした。この本では、観察会の中で交わした会話、調べてわかったこと、その過程で思ったことを表現してみました。
 大自然然の中で本格的な調査をする人も多勢おられますが、この本で扱ったのは都市のささやかな自然に生きる動植物のことです。こういう動植物についてどういうことが調べられるのか、それにはどういう意味があるかということも考えました。そのことが、都市に住みながら自然に興味をもつ多くの人の参考になれば幸いです。
 


2017.7.9
玉川上水の観察会をしました。なかなかよい保存林でコナラが優占する林でした。ここで20m四方の調査区を2つとって毎木調査をしました。

玉川上水にはヤマユリなどが咲いていました。


2017.7.3
麻布大学いのちの博物館の新しい企画展示「フクロウが運んできたもの」が始めるので、展示会場の設営をしました。9月末まで展示していますので、ご来館ください。


職人さんがテキパキと仕事をします


だいぶ形になってきました


フクロウが食べるネズミのコーナー


ネズミの骨のパーツを説明するための展示


写真を展示するギャラリー


2017.7.2
練馬にある牧野友太郎を記念した庭園で「牧野式植物図への道」という展示があったので、カミさんといってきました。感じのよい雑木林状の庭園の中に、これまた感じのよい展示館があり、牧野富太郎の原画が展示されていました。その繊細さはまさに超人的なものでした。室内は撮影禁止だったので写真はありません。


庭園のようす


展示館の外観


牧野の書斎

いまファーブルの本を読んでいるので、二人が重なりました。

2017.6.27
玉川上水のうち、小金井界隈は江戸時代からサクラの名所として知られています。それだけに臓器は伐ってサクラを植えるということに熱心です。それはそれでよいのかもしれませんが、小平あたりのコナラやクヌギ主体の林の下にはチゴユリなどの林床植物が生えるのに、イネ科牧草などがはびこっています。それは大きなサクラの木がまばらに生えているからだと考え、その裏をとるためにデータをとりました。



「モデル地区」と呼ばれる、上木を伐った場所で群落調査もしました。



2017.6.24
毎月通っている明治神宮にタヌキのタメフンを拾いに行きました。糞虫の活動が活発になるので、みつかる数は減りますが、タメフン場が2箇所みつかってので少しずつでも蓄積できれば、タヌキの食性の概要が見えてきます。


明治神宮の林のようす


タヌキの糞 この中にはウワミズザクラの種子が入っていました

2017.6.4
玉川上水の観察会で、保存林の毎木調査をしました。
 

 林の構造などを説明する


 記念撮影

2017.5.31
31日にはアファンの森を歩きました。荒山林業の施業を参考にしようというわけで、元林野庁の大槻さんと、京大林学の竹内先生、それにアファンの森の実際の施業をしている石井さんと歩きました。


遊歩道


林をみる石井さん、大槻さん、竹内先生


サウンドシェルターで

アファンの森はまだ春の終わりという感じで、小さな花が咲いていました。


2017.5.30
長野県大町の荒山林業の森を訪問しました。林業というと材木を生み出す産業というイメージですが、森全体のことを考えて100年単位の時間を考えて施業しておられ、とても勉強になりました。


北アルプスの見えるすばらしいところでした。


実はここに来たのはアファンの森の将来を考えるのに参考になりそうだということで、夜はニコルさんたちと談話しました。
 大槻氏撮影


2017.5.24
麻布大学いのちの博物館に団体見学や海外からの訪問者があると解説をします。23日は桜美林大学の学生さんが、24日にはスイス、ベルン大学のスプレング教授が来館しました。

桜美林大学の学生


スプレング教授と

2017.5.7
5月7日は乙女高原に行きました。山中湖の近くの明神山は1100-1200mで、カヤネズミがいることは確認されていますが、5月3日に行ったときは、「これはたぶんカヤのものだろう」というのはありましたが、「これぞカヤネズミの巣だ」と言い切れるものはありませんでした。糞があったので、DNA分析をしてもらうつもりです。乙女高原は1700mあり、まだ確実な生息が確認されていないので、明神山のような「カヤらしい」巣があって糞が拾えたらよいなと思っていました。
 乙女高原はまだ冬の終わりという感じで、緑はほとんどありませんでした。


5月7日の乙女高原

 地元で乙女高原のさまざまな活動をしておられる植原先生といっしょに歩きました。植原先生たちは去年の12月に50個以上の地表巣を確認しています。そこに目印がついていたので、そこを訪問しましたが、ほとんどは「空き家」のようでした。ただ、使っている可能性のありそうなものを観察してみたら、外側の粗い草の内側に細かい繊維で作った「内室」がありました。内室は球状で、底にも粗い草の層がありました。
 多くのものは、内室の底の「部屋の隅」に穴があり、外に通じていました。そのトンネルの径は2cmほどはあり、アカネズミでも通れる太さに思えました。ただ、それがいま使われているかどうかの判断はむずかしいようでした。明神山と違い、糞は見つかりませんでした。


ある「ネズミの巣」

なんとなく、「カヤネズミはここで越冬していたような気がしない」という印象で、それはそれで「ではどこで何をしているのか」ということになり、謎は深まりました。 


2017.5.5
5月5日にアファンの森に行きました。「子供の日」のせいか、いつもガランとしている黒姫駅に人がいっぱいいました。アファンの森のスタッフに連絡がとれなかったので、タクシーで行こうとしたのですが、電話をしたら「今日は予約がいっぱいで無理です」と言われました。こんなことはこれまでありません。それで歩いていくことにしました。この地には珍しい陽気で、25度以上あったと思います。歩いて1時間半近くかかりました。
 一汗かきましたが、おかげでよい景色を楽しむことができました。
 あとでわかったのですが、この日は小林一茶の日で、一茶を生んだ黒姫町のお祭りだったのだそうです。駅で待っていたら、若い女の子が「一休さんってここの人だったんだ」だと。





2017.5.3
5月3日に山中湖の近くにある明神山に行きました。去年の秋に、乙女高原で「カヤネズミの巣」を見つけ、そうであれば、これまで言われていたよりずっと高いところの確認ということになります。その段階で、私は巣の内側の細い繊維を見てカヤネズミの巣だと考えたのですが、そう断定するのはまだ早いという指摘を受けました。というのはアカネズミも似たような巣を作り、巣の直径が15cm以上のものはカヤネズミの巣ではない可能性が多いらしいのです。
 明神山は標高1100mくらいで、ここにはカヤネズミが住んでいることが確認されています。半場さんというここに住んでいる人が発見し、これまでの山梨の最高記録となっています。それを確認し、乙女高原で見たものとの比較をしたいと思いました。結論的にいうと、アカネズミのものだろうと思われるものも、まずカヤネズミのものと考えられるものの両方がありました。いずれにしても、改めてスタートラインにもどって乙女高原で確認作業をしたいと思っています。
 明神山の斜面は実に景色のよいろころで、富士山が真正面に見え、山中湖が手前に広がっています。4月14日に山焼きをしたそうで、ススキの株が黒く残っていました。まだ春は浅く、ヨモギなどが少し芽を伸ばしているところでした。ブナの葉は開き、コブシやフジザクラは咲いていましたが、ほかの木はまだでした。少し低いところでは緑が多く、これより高いところはまだ灰褐色の冬のようすでした。


明神山の斜面を歩く。背後は富士山と山中湖


2017.4.30
BBCが津田塾大学のタヌキの取材をしたことはお伝えしましたが、その作品が完成したと連絡をもらいました。You tubeで見ることができます。
1時間番組で「Springwatch in Japan: Cherry Blossom Time」(日本の春を見る:桜の頃)と題するものです。ほとんどはサクラで、そのなかに話題としてミツバチとタヌキが挿入されています。タヌキは45分07秒くらいから51分まで、6分ほどにまとめられています。内容としては日本人がサクラを愛する国民だという文脈のなかで、それはいなか、都会を問わない、都会といえば日本にはタヌキというおもしろい動物がいる。それをアナグマの研究をおこなったクリス・パックマンという人が紹介するという作りになっています。内訳は次のとおり。
 46:10から:東京の街中でカメラを設置してタヌキをまつ
 47:12から:クリスと私がタメフン場で話をする
 48:26から:拾った糞を水洗してあれこれ話をする
 50:00から:モニターカメラの前でまっているとタヌキが現れてよろこぶ

2017.4.21
明治神宮に毎月行ってタヌキの糞のサンプリングをしています。外国人の訪問者がとても多く、お祭りみたいです。私たちは許可をもらって人は歩かない林の中を流きます。冬のあいだたくさんあった糞が数が減ってきました。
 今回はクサイチゴ、ホウチャクソウ、キランソウ、スミレなどをみました。



2017.4.16

4月16日に観察会をしました。4月からはこれまでの解説中心のものから、調査要素を入れることにし、毎木調査をしました。そのあいだに樹木の説明をしました。初夏のような陽気で、とても快適でした。こちら




ミズキの特徴を説明する(豊口さん撮影)


樹木の周を計測(豊口さん撮影)


2017.4.10
玉川上水のほぼ全域でおもな花が咲いていたら撮影して集約し、「玉川上水花マップ」を作る活動を始めました。4月はスミレなどをとりあげました。毎月、「今月の花」を決めて進める予定です。たくさんの目で花マップができてゆくのが楽しみです。こちら

フデリンドウ、
クサボケ、 
タチツボスミレ


カヤネズミの地表巣
11月23日に山梨県北部の乙女高原(1700m)で草刈り作業をしているときに半場さんという人がカヤネズミの地表巣を発見しました。さがしたらかなり見つかりました。これまでこのあたりでは800mくらいから下にしかいないということになっていました。また山梨県の最高記録は1200mくらいとされていました。だから大幅な記録更新です。これまで気づかれていなかったのは「カヤネズミは1mくらいの高さに空中巣(空中に浮かんでいるのではないので茎上巣というべき)を作ること「だけ」が注目されていたためで、実は地表にも作ることが見過ごされてきたためと思われます。これについては私のブログをご覧ください(その1その2その3)。


カヤネズミの「地表巣」 直径15cmくらいのドーム状。中には細かいイネ科の葉が敷かれている。乙女高原にて。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015年の記録

2015-01-01 01:32:21 | アーカイブ
2015.12.28
朝日新聞の夕刊に「となりの野生動物」(ベレ出版)がとりあげられました。



また「シカ問題を考える」(ヤマケイ新書)はアマゾンの「環境問題」ジャンルで入り上げ一位になったそうです。



2015.12.25以下の本が1月6日に出版されます。
たぬき学入門-かちかち山から3.11まで』2016, 誠文堂新光社


 タヌキのポンタといえば愛らしいキャラクターですが、「かちかち山」に出てくるタヌキはおばあさんを騙した上に鍋にしておじいさんに食べさせるというひどいことをする動物と描かれています。この違いは何を意味しているのでしょうか。いずれにしてもタヌキはわれわれになじみの深い動物で、里山だけでなく大都会にでも生きています。私たちはタヌキの食性や種子散布について調べ、タヌキのおもしろさに気づきました。玉川上水という都市緑地での群落利用や東京近郊での交通事故の実態も調べましたし、東日本大震災で津波で全滅したはずの仙台の海岸に2年後にはもどってきたことの意味も考えました。こうした体験を通じて、タヌキと私たちがこれからどういう関係を築いていけばよいのかを考えてみました。この本を読むと分類学、形態学、生態学、動物と植物の関係、保全生態学などが学べるように工夫しました。

以下もくじです。
序章
1章 タヌキの基礎知識
2章 タヌキのイメージを考える
3章 タヌキの生態学
4章 東日本大震災とタヌキ
5章 タヌキと私たち
タヌキのQ & A

さらに興味のある人へ、以下は本文の最後の部分です。

 タヌキに関する情報をまとめてみて、タヌキという動物の存在は、我々日本人にとってなかなか大きいものだということことが改めて確認できた。同時にタヌキが時代、時代で違う動物になってきたこともわかった。もちろん動物学的な意味でのタヌキは不変であり、変わったのは我々のほうだ。憎き害獣とみた時代もあれば、人を化かすあやしい動物をみた時代もあり、平和な現代はかわいい動物とみるようになった。その意味で動物に抱くイメージそのものが、人間社会を投影しているといえる。
 タヌキの持ついくつかの性質があるから、現代の都市でも生息が可能になっている。トキやコウノトリの復活に一喜一憂し、ゴリラやホッキョクグマなどの絶滅を心配する私たちは、一方でタヌキを珍しくもないありふれた動物だとみなし、その将来のことを思うこともない。だが、私はそういう姿勢が、あれだけいたメダカを絶滅危惧種に追いやり、気づいたら雑木林がなくしてきたのだと思う。
 本書でながめてきたように、タヌキは実におもしろく、またすぐれた動物でもある。私は植物にしても動物にしても、貴重だから守るのではなく、ありふれたもの、身近なものの存在意義を考えて大切にするということのほうがよほど大切だと思う。それは災害があって初めて平凡な日常のありがたみがわかることと似ている。今ありふれていると思われているタヌキも決して安泰ということではない。その未来は我々がいかなる社会を作ろうとしているかにかかっている。私がこの本を書きながら到達した思いは、私たちはタヌキの生活を思いやる程度にはゆとりを持ちたいということであった。

2015.12.15
川崎市のかわさき市民アカデミーで「唱歌フルサトの生態学」という講義をしてきました。受講者は私より年配の人が過半数なので、がんこおやじの話が通じやすくてよかったです。一番反応があったのは、「1日どのくらい水をつかていると思いますか?」という質問をしたときでした。「5リットルくらい?」というのからはじまって、「飲むだけじゃないですよ」というと、「50リットル」という声。「実は世界平均が50リットル」といったら、「じゃあ100リットル」という声。「なんと320リットルなんですよ」というと「エーッ!!」というどよめき。「私はがんこおやじだから、ペットボトルの水は買いません。ああいう水商売にだまされてはいけません。」私は実際専門家に質問して確認しましたが、今の東京の水道水はペットボトルとまったく遜色のない水質だそうです。浄水技術が飛躍的によくなったのだそうです。そう説明してから、「日本は水が豊かな国なんですから、フランスの水を買うなどという馬鹿なことはやめましょう」というと、頷く人が多かったです。ギターを持参して、最後にみなさんと合唱しました。


2015.12.7
「シカ問題を考える- バランスを崩した自然の行方」(ヤマケイ新書)が出版されます。


http://www.yamakei.co.jp/products/2814510090.html

 最近、シカが増えており、野生動物管理あるいは自然の保全シーンでも重大な問題になっています。本書ではシカが増えると何が起きるのか、その何が問題なのか、そもそもシカはなぜ増えたのかといった問題を広い読者層に知ってもらうために書きました。そのために動物学的、植物学的、生態学的に重要な項目をできるだけ具体的に解説しました。シカの増加の背景には温暖化、森林伐採、オオカミの絶滅、ハンターの減少などさまざまな要因が考えられていますが、そのどれもシカの増加とはタイムラグがあり、うまく説明できません。こういう解析を通して、私は農山村の人口減少による土地管理など農業形態の変容がキーポイントになることに気づきました。そしてシカ問題の解決はこのことの解決なしにはありえないことを指摘しました。

2015.11.29
静岡にある日本平動物園に招かれて動物の話をしました。この動物園で「動物園博士」になった子供を含む人にお話をしてほしいということででかけました。自分の子供の頃のことをふくめ、動物に関心をもちつづけることの大切さを話しました。


2015.11.21

「となりの野生動物」が出版されました。9種の動物を紹介します。動物の解説をしながら、その動物に対して我々がもっているイメージがどこから来ているのかを考えるという試みをしました。



その上で、動物の言い分を語らせました。たとえば、アライグマ
「おれっちはペットじゃないからさ、イヌやネコみたいに人間にべったりはしないわけよ。そうだろ?野生動物ってのはそういうもんさ。いつまでも尻尾をふれっていわれても、そいつはできないね。そしたらさ、「もう、いらない」だと。ひどいもんだぜ、手放すってわけ。・・・。おれっちは、目の前にある環境でせいいっぱい生きるしかないんだ。遠慮なんかしていらんない。遠慮しろって言うくらいなら、はじめから日本なんかに連れてくるなってんだ。そうだろ?連れて来といて、増えちゃいかんとは道理が通らないだろうよ。こういうのを、なんだろ、ジゴウジトクとかいうんじゃないの?日本語、よくわかんないけどさ。」

あるいはサルは
「・・・人がおいしいものは俺たちにだっておいしいさ。だけど、人は、俺たちだけじゃなく、動物と見ればなんでも捕まえて、殺したりする。野獣とか猛獣とかいうけど、野蛮なのはどっちだい。・・・昔は絶対農家の周りには行かなかったけど、最近じゃあ、それもできるようになった。なんせ、人がぐっと少なくなったもの。それにたまに見かけても、じいさんかばあさんだ。ダッシュすればどうってことない、カボチャのひとつくらいはくすねて来らぁ。あんまり悪気はないんだけどさ、ばあさんだったら、ちょっと唸ってやりゃあ、怖がってビビるから、そのスキに逃げればなんってことないのよ。・・・でも言っとくけど、俺たちの性格が変わったわけでもなんでもないぜ。おいしいものがあれば探して、できるだけたくさん食べる。できるだけそうするってのは動物ならみんなやってることさ。ようするに人間のほうのワキが甘くなったってことよ。・・・」

この2つはちょっとガラが悪い。東北のクマさんは
「おらたちは体がデケえから、腹が減る。とくに秋は冬眠さそなえて腹がへってしょうがねえ。んだからドングリのなる林さ行って食えるだけ食う・・・うまい。・・・悪い奴がいて、おらたちを蜂蜜でおびき寄せて檻でつかまえることを考えた。おらたちは蜂蜜には目がねえから、だめだ。蜂蜜の匂いがしたらフラフラと檻さ入ってしまう・・・困る。昔は里山さ人がいっぱいいて、怖くて行けなかったんだと。んだども、今はあまり人がいねえし、藪がたくさんあるし、カキの実やカボチャなどが残されてっから、ついつい里山さ行くことになっちまうだ。とくに山さドングリのなんねえ年は、しかたなしに里さ降りる。そうすっと、無理もねえが、人は大騒ぎをするのさ。山狩りをしておらたちを撃つ・・・困る。」

おもしろいもので、そのつもりになって書くと、ことばが出てくるんですね。ま、そういう動物の側からみたら、人間ってなんとも理不尽なんじゃない?という本です。文章も楽しみましたが、イラストも楽しみました。


 こういうマジな図も


こういうユルいのもあります。



ご一読いただければ幸いです。ベレ出版です。







2015.9.29
「動物のいのちを考える」が出版されました。いまどき珍しい地味ともいえる表紙で、気に入っています。ぜひ手にしてみてください。下記の案内をみて注文いただくと、多少便宜をはかってくれるようです。



2015.8.1
文一出版から「シカの脅威と森の未来」という本が出ました。編集を手伝いました。シカの影響が日本列島を覆っていますが、私が研究を始めた40年前は予想もできないことでした。今では各地で深刻化し、植物研究者が調査地の継続に危機感を持つまでになりました。各地でさまざまな研究おおこなわれるようになり、柵を作って内外の植物を比較することもおこなわれています。そうした状況で、関係者がいま日本の森がシカによってどうなっているかをまとめて知ってもらいたいという思いでできたのがこの本です。私は編集をするとともに、「シカ学事始め」「シカという動物」「植物への影響」という3節と、前迫ゆりさんとの共著で「「シカ柵の有効性と限界」を書きました。前迫さんが「あとがき」に私のことをとりあげて「きびしい添削もされたが」と書いておられます。私にそのつもりはないのですが、学生でも大先生でも、腑に落ちないことは直言するようにしています。私は大学院生の頃に、のちにいっしょに英語のニホンジカの本を編集することになったD. R. McCulloughさんに論文原稿を読んでもらったことがあります。それは「真っ赤」になって返ってきました。日本では「けっこうな原稿でございます」と当たり障りのないことをいうほうが「礼儀正しい」とされますが、科学する精神からすればまちがっているといわなければなりません。そのとき以来、私はできるだけよいものにするために必要であれば、そうした「深謀遠慮」は捨てて、直言するようにしています。普段の私を知る人は当惑するようですが、気心が知れ、真意が理解されれば誤解はとけるものです。前迫さんは「あとがき」で、そのことばに続けて書いています。「それはこのテーマを真剣に考えておられるゆえんでもあると理解した」。ちょっと香辛料がききすぎたかもしれません。
 内容でいえば、北海道から屋久島まで、各地での実情が記述され、力作が多く、読み応えがあります。植物研究者が書いているというのもユニークです。興味のある方はご一読ください。




2015.7.13
「たくさんのふしぎ」というシリーズがあり、わがやの娘たちが小学生のとき読んでいたので、ときどき目にしていました。良心的な出版物だと感心していました。2年くらい前に、シカと植物のことで書いてほしいという話をもらい、シバとシカについて書きました。福音館はずいぶん時間をかけて本を作るようで、絵描きさんと編集の人が金華山まででかけたり、何度もなんども修正をしたりして、ようやくこの9月に出ることになりました。表紙は印象的なシカの顔、中ではわたしが「登場」します。何がわかったかというより、そうしてわかったかの過程を書いたような感じです。子供がお世話になったことへのお礼のような気持ちもあるし、昔から考えていた子供に生き物のことを伝える本を書きたいということが実現したよろこびもあります。2015.7.5
「シカの脅威と森の未来」という本の準備をしています。副題は「シカ柵による植生保全の有効性と限界」となっており、北海道から屋久島まで、全国各地で植生調査をしている研究者に執筆してもらい、前迫ゆりさんと私が編集しました。たぶん今月中に出ると思います。

2015.6.6 オオカミのシンポジウムがあり、聴きに行きました。アメリカ(イエローストーン)とドイツでの再導入成功例が紹介されました。主催者である日本オオカミ協会の発表では、日本でのオオカミの再導入についてのアンケート調査は10年くらいまえは「再導入したほうがよい」という意見は1割くらいだったのに、今では6割を超えるほどになったそうです。その「意識」の内容はどういうものなのか、たとえばシカが増えすぎて起きている問題解決のために必要だというのか、もともといたのだからもどしてやるのが責務だというのか、オオカミという魅力ある動物がいたほうがよいというのか、そのあたりは知りたいところです。会場からの自由な発言を受けると収拾がつかなくなるとの判断からか、それが許されませんでした。また会長の丸山先生は「日本の研究者は呼びたくない」とのことでした。その意図もわかりかねましたが、それでは明るい展望はもてないのではないかと思いました。


2015.6.4 神奈川県環境審議委員会

2115.6.1-2 アファンの森で調査と会議。この春卒業して白川郷で働いている望月さんがわざわざ来てくれて、楽しくアファンの餅を歩きました。

5月30日 今日は、東京都公園協会の「緑と水の市民カレッジ」で講演をしてきました。日比谷公園にある「カレッジ」で「保全生態学で読み解く唱歌<ふるさと>ーウサギはどこへいったのかー」という講座名でした。25人くらいの受講者がきておられました。私としては「ふるさと」の内容を実感を持って感じられた70歳以上の人を想定していたのですが、50歳を境にそれ以上と以下が半々くらいでした。「ふるさと」の何番が好きですかという質問には1番が半分くらい、次は3番で、2番は2、3人でした。内容はヤマケイ新書の内容をわかりやすくスライドで説明しましたが、時間が足りない感じでした。ウサギを見たことがあるという人が11人もおられて驚きました。実はもっとご高齢の方が集まって、私が話すというより、私のほうから昔の東京や、ひとりひとりの「ふるさと」のことを聞きたいと思っていたのですが、それは叶わず、もしそういう機会があれば、ぜひそうしたいと思いました。
 少しためらいがあったのですが、ギターを持参して、最後に皆さんといっしょに合唱しました。「恥ずかしがって歌ってくれないかも」というオーガナイザーの心配をよそに、皆さん楽しそうに歌ってくださいました。

2015.5.30 日比谷公園で「緑と水の市民カレッジ」があり、保全生態学で読み解く唱歌「ふるさと」ーウサギはどこへいったのかー」というテーマで講演をしました。

2015.5.24 明治大学でモンゴルの馬乳酒についての研究打ち合わせ会議がありました。

2015.5.21 日文教という出版社で私と樹木医の石井誠司さんの対談をしました。

2015.5.15-17 山梨県早川でシカの影響調査をし、研究室の親睦旅行に合流しました。

2015.4.30-5-4 金華山で調査をしました。

2015.4.26 「唱歌ふるさとの生態学」の書評(池内紀氏)が毎日新聞の「今週の本棚」欄にのりました。

2014.4.26 高尾の白山神社に植物の調査に行きました。

2015.4.24 アファンの森に調査に行きました。アズマイチゲやキクザキイチリンソウが溢れるように咲いていました。

2015.4.19 アースデーのニコルさんのサイトで対談しました。

2015.4.15 帝京科学大学で講義をしました。

2015.3.24 宮城県の牡鹿半島のシカの会議に出席しました。

2015.3.23 福島県でアドバイザー会議があり、イノシシの胃内容物分析の結果を報告しました。

2015.3.21 大正大学でアファン友の会があり、講演しました。

2015.3.17 アファンの森財団で今年度の調査報告会があり、岩田翠さんと望月亜佑子さんが発表しました。

2015.3.7 最終講義をおこないました。

2015.2.14 前田禎三先生を偲ぶ会に参列しました。前田先生とは鳥取県米子が同郷で、親しくしていただきました。

2015.2.1 乙女高原フォーラムで「シカが植物群落におよぼす影響:草原への影響は複雑」を講演しました。

2015.1.24 人の動物の関係学会関西支部主催の例会「野生動物から家畜への道」で発表しました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どちらを向いているか:小保方事件を想う

2011-04-04 10:59:38 | アーカイブ
私は科学者、それも生物学者なのに、一連の小保方問題にコメントしてきませんでした。でも、ここいらでそろそろ考えを書いておきます。
 あの報道がされたとき、「若い女性が活躍してすばらしいなあ」と思ったのでした。悪い意味で、これまではこういう大成果は実質若手でもその指導者が会見することが多かったように思っていたからです。しかし疑義が出されてからは、小保方さんはクロだとずっと思ってきたし、同時に理研の態度はまったく納得できないと思って来ました。
 彼女は人類のために自分が役に立ちたいと本当で思っていると感じます。その思いは非常に(たぶん異常に)強いでしょう。それが故に嘘をつくまでになったと思います。しかしその役に立ちたいという気持ちは、農民が「おれがこうして米を作ることが社会のみんなを食べさせることになっているんだ」と思うことや、幼稚園の先生が「かわいいこの子たちがのびのびと育ってくれたら、それで十分だ」と思い、それで十分としながらも、心に一部に「そういう形で私は社会に貢献したい」と思うこととは大きく違うと思います。世の中に役に立つということを社会に伝えてすばらしい人だと思われたいという思いが異常に強いがために、「そうありたい」が「そうでなければならない」になってしまったのではないかと思います。そういう心理の人というのはいるようで、寸借詐欺をする人に中には、本人には悪気がなく、都合の悪いことは忘れる(ことができる)人がいるらしいです。
 小保方さんがこうした過ちを犯したことをマスコミや一部の知識人は背景に最近の業績主義があると分析します。そうかもしれませんが、こういうことは昔からあります。東大の植物学の先生がある植物の花の部分を切って、別の花をくっつけて「新種発見」と発表し、あとでバレたという事件があります。ことの本質はどこにあるかといえば、自然のことを知りたくて自然そのものに向き合っているか、自分の功名をあげたくて、人を相手にしているかの違いです。
 このことは私にとっては実に明快です。私は自然のことを知りたい。そのために半世紀を、非才を顧みず、わりあいがんばってきた。夢中になりすぎて、周りに迷惑をかけたり、不器用なために日常生活はとんとだめで、家族に迷惑をかけたりの連続ではありましたが、そのことについてはモンゴルの青空のように晴れ晴れとしています。たいした業績は上げることはありませんでしたが、嘘は書いていません。その清々しさは我ながら気持ちがいいです。
 小保方さんに戻れば、私に言わせれば問題はそんなにややこしいことではない。白日のもと、彼女といっしょに別の人がSTAP細胞を作ればよい。できないはずだから、それでおしまい。それだけのことです。巨額を使って1年かけて調査するという理研の発表もよくわからない。なぜそんなにかかるのか。彼女は200回も作ったというではないか。そういうことです。
 理研はあれこれ言っているがポイントがずれていると想います。論文の8割がコピペであることを不正ではないとしたが、何を言っているのだと問いたい。1文であっても人の文章を写すなどということは科学者として不正でないわけがない。挙げ句の果てに、調査委員会の委員長自身が写真の切り貼りをしていたとは何ごとか。私はこの人が会見で小保方さんの批判したときの心の中を図りかねます。私が彼なら(そんなことはありえないが)、委員長を頼まれたとき、あれこれ理由をつけて辞退します。あれによって日本の生命科学は計り知れないダメージを受けたと思います。要するに、あれを見て、社会は、つまり当たり前の常識をもつ人たちは「あいつらは平気で嘘をつく連中だ」と思った。当然です。毎日みかける「どうもすみませんでした」といって頭をさげる会社経営者などと同類にしか見えないのですから。
 その意味でおととい(6月12日)の外部委員会のコメントはきびしくて気持ちがよかった。もっと早くこうすべきでした。ただし私自身は割烹着であったことを批判することはないと思います。本当にすばらしい研究をした人にお気に入りのスタイルがあって、それが個性的であれば、別にかまわないではないか。これを書く私は田中優子さんのことを想っています。違いはここでも、自分が好きで着ているか、奇をてらって人から注目を集めたいか、要するに人間の格の違いだということです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012年の記録 1-5月

2011-04-03 10:17:13 | アーカイブ
5月20,23日 続けてアファンの森に行きました。いまが新緑が一番美しい季節です。このところ幾たびにみかけるかわいい男の子がいて、この前「何してるの?」といったら、それには答えないで手をつきだして「きょーりゅーのたまご」といいました。「赤ちゃんがでてくるの」とも。しばらくしてまた会ったときに「恐竜のたまご、赤ちゃん出て来た?」といったらお母さんが「まだだよね」。今回も会ったので「お名前は?」と聞いたら「2さい」だと。実に有望な男子です。学生といっしょにパチリ。
 白い楚々とした花が目立ちました。


新緑のアファンの森


近所の男の子と


ニリンソウ群落


サワハコベ


タニギキョウ


エゾノタチツボスミレ

5月19日 山梨県の乙女高原でシカの影響を排除する小さい柵を作りました。草原に3個、森林に2個設置しました。標高1700mあるので、まだ早春の風情で、フデリンドウなどが咲いていました。







5月12-13日 山梨県の早川というところに研究室で親睦旅行に行きました。新しい3年生が15人も入ってきたのでにぎやかになりました。早川は地形が険しいところで、すばらしい自然がありますが、何処も同じで、過疎化が問題のようです。好天にめぐまれてたいへん楽しい旅行になりました。





早川には古くから金華山でいっしょにシカの研究をしてきた大西さんがおられ、ちょっと久しぶりに会いました。林道を歩いていたらカモシカがおり、解説をしてもらいました。カモシカの心理にまで立ち入るとてもよい解説で納得しました。


大西さん(中央背中)と解説を聞く学生たち

5月1日 最近出た論文
Kubo, M. O., K. Kaji, T. Ohba, E. Hosoi, T. Koizumi, and S. Takatsuki. 2011. Compensatory response of molar eruption for environment-mediated tooth wear in sika deer. Journal of Mammalogy, 92:1407-1417.

Kojo, N., N. Higuchi, M. Minami, N. Ohnishi, A. Okada, S. Takatsuki and H. B. Tamate. 2012. Correlation between genetic diversity and neonatal weight of sika deer (Cervus nippon) fawns. Mammal Study, 37: 11-19.

4月28-30日 アファンの森に行って来ました。まだ早春で日陰には雪が残っていましたが、急に暑くなり25°もあったようです。アズマイチゲ、キクザキイチリンソウ、ショウジョウバカマ、リュウキンカなどがきれいでした。新3年生の笹尾さんと萩原さんは初めての調査でしたが、楽しく調査をしていました。とくにオニグルミが貯食して隠していたものをたくさん調査できました。
 
キクザキイチリンソウ群落の前で高槻、笹尾、萩原

アズマイチゲ

ニリンソウ

リュウキンカ

アオイスミレ

ミヤマスミレ

マメザクラ

ヤマザクラ

ハシリドコロ

エンレイソウ


4月13日 新学期が始まり、「演習」で動物のスケッチをしました。麻布大学にはたくさんの家畜が飼われているので、こういうことをするには恵まれています。


4月8日 山梨県の乙女高原で今シーズンの調査の下見をしてきました。

1900mですからまだ雪が残っていました。


流れにはおもしろい形に氷ができていました。


高槻、加古さん(3年生)、高橋君(4年生)、植原先生(地元の小学校の先生で、乙女高原で自然教育をしておられる)

4月6日 最近公表された論文。
Tsuji, Y. and S. Takatsuki. 2012. Interannual variation in nut abundance is related to agonistic interactions of foraging female Japanese macaques (Macaca fuscata). International Journal of Primatology, 31,DOI 10.1007/s10764-012-9589-0
これは辻大和さんの学位論文の骨子になる内容で大論文になりました。サルの食物には果実の豊凶が大きな影響を与えますが、それがメスの繁殖に影響することは知られていました。辻さんは個体識別されて順位がわかっているサルを対象にこの情報を食物利用にとりこんだ解析をしました。重要なことは凶作年でも高順位のサルは妊娠率を維持していて、マイナス影響を受けるのは下位のサルだけだという発見です。食物の栄養分析などもきちっとしたよい論文になりました。

Kobayashi, K. and S. Takatsuki. A comparison of food habits of two sympatric ruminants of Mt. Yatsugatake, central Japan: sika deer and Japanese serow Acta Theriologica, DOI 10.1007/s13364-012-0077-x
これは小林謙斗君の卒論で、八ヶ岳のシカとカモシカの食性比較です。この前の論文で岩手のシカと山形のカモシカという同じ東北地方の落葉広葉樹林帯のカモシカの食性比較をしました。シカがササをよく食べるのに対してカモシカはイヌツゲ、ヒメアオキなどの常緑低木の葉をよく食べていましたが、場所が違うのでこの違いが動物の違いなのか場所の違いなのか直接比較できないでいました。八ヶ岳には両種がもじどおり同所的にいるので、この懸案にとりくむことができました。結果は同じ場所でも前の論文と同じく、シカがササに依存的、カモシカはササも食べるが双子葉植物の葉もよく食べていました。「卒論でもちゃんとやれば国際誌にのる」という持論が証明できてうれしかったです。

3月22日から28日、金華山で恒例のシカ調査をしてきました。鮎川は少し復興の兆しを見せていましたが、魚から放射能汚染が出たので、漁業は先が明るくはないという話でした。今回は黄金山神社にお世話になりましたが、神社の職員も人数が少なくたいへんなようでした。去年の15号台風による土砂崩れが想像以上に大きく驚きました。シカの調査は順調にできました。


雪の中を歩く


尾根で記念撮影


山でであったオスジカ


生け捕り作業


土砂崩れ

3月20日 アファンの森で今年度の調査報告会があり、研究室からは3年生の池田さんと佐野さん、院生の嶋本さんと高槻が報告しました。ほかに植物、鳥、トンボ、クモの報告があり、とてもよい勉強になりました。

 池田さん 佐野さん  
嶋本さんとニコルさん。花暦を作ってプレゼントしました。  
高槻とニコルさん。報告後の楽しい談話。池田さんの糞虫と死体分解虫の話で盛り上がりました。

3月15日 卒業式でした。皆さんおめでとう。4年生6月のほか獣医6年生2人、修士1人が卒業してゆきます。獣医の2人は翌日発表された獣医国家試験にも合格しました。


卒業した9人と高槻

3月2日 今年度の卒業論文発表会を終えました。充実した発表内容でした。


多くの方が聞きに来てくださいました。


4年生と教員

2月20-27日 マレーシアに行って来ました。かつて指導したアヒムサ君がノッチンガム大学マレーシア校で准教授になり、熱帯林の野生動物の研究をしているので、会いに行きました。たいへん精力的に活動しており、とくにゾウの種子散布と保全研究を協力に進めています。たまたまゾウが捕獲され、GPS首輪をつけるという現場に立ち会いました。この麻酔薬は立ったまま動かなくなるので、処理がしやすいそうです。トラックに積み、引きずり出し、立たせたまま首輪をつけるという作業で慣れたエキスパートができわよく作業をしていました。アヒムサは立派なリーダーとして働いていました。現在すでに7頭にGPS首輪をつけ、50頭をめざしているそうです。なんといってもアジアゾウの保全ですから世界各国からグラントを得て進めていました。
 マレーシアは大変豊かな国で、道路は間違いなく日本よりよく、私が訪問したのは動物園や繁殖センターなどに限られますが、これらも日本よりはるかに質の高いものでした。英語教育もすばらしくおこなわれています。自分の無知を恥じました。


自動車の牽引機もつかってゾウをトラックから引きずり出す


首輪をつけるアヒムサ


首輪をつけたところ


覚睡剤を撃ったゾウをトラックから見る。このあとあとずさりして林に入った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012年の記録 6-12月

2011-04-03 09:52:38 | アーカイブ
12月29日
わたしたちの研究室ではアファンの森で調査をしていますが、その責任者であるニコルさんは私たちの活動をたいへんよろこんでくれています。先日「Ko-e」という英和文で構成されている雑誌に以下のような文章をのせてくれました。全体としては日本の国立公園の体制をなげいたものですが、その末尾に私たちのことを書いています。あえて和文を略しますので自分で読み取ってください。

I am almost totally frustrated with Japanese bureaucrats and politicians, but give the young people the chance, and encourage them, and then many will shine through. Professor "Taka" Takatsuki, a good friend whom I met first when he was doing field research on deer about twenty years ago , and who now brings his students from Azabu University to do fieldwork in our woods, taught me a phrase which I like: it is "Ichigu o terasu", which means to shine light in a dark corner. With many lanterns, the whole room becomes bright. In Japan we need enlightenment, we must try to fo on increasing the number of small sources of light, one person, one idea at a time.
from "Ko-e" No.21, Sep/Oct, 2012.

12月5日
長野県のアファンの森にセットしていた自動撮影カメラのデータ回収に行って来ました。いくつか紹介します。

タヌキのため糞場をみつけたので、その前にカメラをおいていたら、排糞のようすがとれました。カメラは時刻だけでなく気温なども記録してくれます。

12.11.28 タヌキ排糞-10

ノウサギも写っていました。ノウサギは極端に数の減った動物で、アファンでも足跡さえあまりみません。
12.11.30ノウサギ-10

夜行性のものが多いため夜間に撮影されることが多く、写真はモノクロで写ります。これは珍しく明るいときに写ったリスです。ときどき見かけますが写真に撮影されたのは初めてです。
12.11.30リス-10

これはオマケで、自動撮影ではありません。歩いていたらミソサザイが薮にとまりました。コンパクトデジカメしたもっていなかったので、最大限の望遠にして撮ったらなんとかうつっていました。
12.12.5ミソサザイb-20



11月12日
11月12日にモンゴルからチムデーさんが訪日しました。WWFモンゴルの職員でサイガというガゼルの一種の保全活動をしていますが、食性分析の技術修得のために研究室を訪問しました。半月あまり滞在します。


高槻、チムデーさん、政岡学長

11月2-4日
4年生の鏡内君は宮城県の牡鹿半島にシカの調査に行って来ました。牡鹿半島ではこの数年、シカが急速に増加し、被害問題が出るようになりました。卒業生の瀧口君がこの集団について調査し、遺伝学的には金華山とも五葉山とも違うこと、体の大きさは五葉山のシカと金華山のシカの中間であることなどを明らかにしてくれました。宮城県は800頭ものシカを駆除していますが、拡大は阻止できていません。半島の付け根の東側には石巻、東側には女川の市街があり、その北側は穀倉地帯です。「まさか半島から出ることはあるまい」と思われていたのですが、2、3年前から「どうも出てしまったらしい」と言われるようになりました。地元の林業関係者によると追波(おっぱ)川の南側の硯上山にはいるということでした。
 そこでこのあたりを中心に「北限の確認」と群落への影響について注目した調査をすることにしました。最初に硯上山の西側にある上品山牧場に行きました。歩いて5分もしないうちに新鮮なシカの糞がみつかりました。そこでさらに北の追波川のむこう側に行ってみました。ひとつだけですが、シカの糞を確認でき、追波を越えていることがわかりました。
 牡鹿半島は北東部だけですが調べました。多くの場所は糞があり、植物も強い影響を受けて金華山の林のように林床が貧弱になっています。女川原発のある寄磯崎は2年前にはいないと判断しましたが、今回は糞がありました(ただし植物への影響はほとんどない)。



そこから海岸線を北上していきましたが、女川の東側にも、北側にも糞はありました。ただ、植物への影響は急に弱くなり、女川の近くでは低木に食痕がありますが、雄勝では糞もまったくみられず、ここまでは来ていないと判断しました。このあたりではスズタケも順調に育っているし、金華山では見ることのない、マサキ、タブノキ、ヤブツバキ、ヤブコウジなどの常緑広葉樹、シラキ、オオバクロモジなどの落葉広葉樹、センニンゾウ、イナカギク、ヤブレガサ、オクモミジハグマ、センダイトウヒレンなどが生育しています。それらの植物が「シカはまだ入っていないよ」と教えてくれているような気持ちになりました。改めて金華山の特殊性を認識しました。


10月26日
大学祭でのシンポジウムを開催します。学術協定をむすんでいる「アファンの森財団」との共催でおこなうシンポジウムはこれで3回目となります。今年は「生きもの教育:動植物の魅力を伝えるために」と題して以下の3人の方々からお話を聞き、ニコルさんにご自分の考えを聞かせてもらいます。

大西信正:シカのことを実によく知る人で、シカだけでなく動物のことを教えることについて話を聞きます。
多田多恵子:植物のくらしについて魅力的な本をいくつも出しておられます。植物をよく観察することの楽しさを聞きます。
植原 彰:山梨の小学校の先生で乙女高原の自然を守り、次世代に伝える活動をしておられます。その活動の話を聞きます。

動植物を調べることは大切ですがそれを専門用語を使って学会で発表するだけでは多くの人に伝わりません。一方で、「こむつかしいことを言うから子供が自然離れになる。自然は感じればよい」という主張もあります。私たちは動植物を科学的に調べることこそが深い感動をもたらすと考え、それをわかりやすく伝えたいと思っています。そうしたことを考えるシンポジウムにしたいと考えています。



10月25日
獣医学科の先生にある動物園でキリンが死んだので検査をしてほしいという連絡があったそうです。解剖の人手が欲しいということだったのででかけました。トラックからおろされたキリンはクレーンにつるされて解剖室に入れられ、そこから解体が始まりました。シカの解剖はたくさん経験がありますが、けた違いに大きく、作業もたいへんです。しかしさすがに獣医学科の院生はてきぱきと処理をしていました。いろいろ勉強になりました。






10月9-14日
 マレーシアに行って来ました。かつて指導したアイムサさんがノッチンガムの准教授になり、マレー半島のアジアゾウの研究をしているので、食性でお手伝いすることになりました。大学院の山本さんが挑戦します。今回は分析方法の調整などに行ったので野外調査はしませんでしたが、山本さんは残ってがんばることになりました。


左から高槻、サンパス(スリランカ)、イーピン(ノッチンガム大学)、山本、山田、アイムサ


検鏡する山本さん


食堂で:山田さん、高槻、山本さん。安くておいしい。

9月20-23日
麻布大学で日本哺乳類学会2012年度大会が開催され、野生動物学研究室がお世話をしました。オレンジ色のおそろいのTシャツを着てスタッフとして運営にあたりました。多くの参加者から「学生さんの働きがよかった」「楽しかった」とよろこんでもらえました。



8月29日から31日まで
岩手県のシカについて調査していますが、生息地の状態や生息状況を調べるために大船渡、遠野一帯を訪問しました。
 高槻が頻繁に調査していた1990年前後には五葉山のある大船渡にはシカが多く、周辺では低密度で、雪の多い遠野やその北や西にはシカはほとんどいませんでした。しかし2000年くらいからは分布が拡大し、農林業被害も拡大してきました。今回確認できたのは1)保護区で重要な食物であったミヤコザサが草丈が低くなった、2)保護区ではヒキオコシ、カリガネソウなどシカの食べない植物が増えている、3)保護区周辺ではかつてよりはるかに痕跡が多くなり、群落への影響も非常に強い、4)かつてシカのいなかった遠野盆地でもシカの痕跡が多く、とくに牧場はよく利用されていた、5)多雪地に生育するチシマザサ地帯でもムシカリ、ヤマアジサイなどにシカの食痕が認められた。


これは五葉山ふもとでかつてはミヤコザサが50cmくらいあった場所ですが、いまでは20cmくらいになっており、シカの影響の強さが示されていました。


大窪牧場でみかけたシカ。シカはわりあいよく見かけました。


ところがシカの糞がみつかりません。糞虫の分解がすごいのだと思います。


遠野盆地の田圃は実に美しいです。


遠野盆地の北東にある山にはブナ林が残っており、下にはチシマザサが生育しているので、多雪地であることがわかります。ところがここでもシカの痕跡がよく見られ、驚きました。



8月8日から18日までモンゴルで調査をしました。今年は学生ぬきで、帯広畜産大学の佐藤雅俊氏と2人の調査行でした。北部のボルガンというところで、森林ステップとよばれる森林と草原の混じり合った植生帯に属す場所です。放牧の群落への影響を調べ、たいへんよいデータがとれました。


モンゴルらしい景色

ヒエンソウ群落

ウスユキソウ群落。<エーデルワイス>です。まるで雑草のようにたくさんさいていました。

草原の群落調査をしているとよく家畜が「何をしているの?」といいたげに近づいてきました。

アポロチョウがマツムシソウに来ているところ。こういうところで調査ができるなんて、やあ極楽、極楽。

左から高槻、通訳のジャガさん、佐藤さん。遠くまではっきり見えるのがモンゴルらしい。

7月3,4日 アファンの森
4年生の佐野さんは森林管理の違いとネズミの関係を、池田さんは「分解者」を調べています。分解者とは糞を分解する糞虫と死体を分解するシデムシなどの仲間です。いずれも「鼻つまみ者」です。これまで分解者をあまり見たことがなかったのですが、調べてみたら「いるわ、いるわ」驚きました。こうした昆虫たちが森の機能の重要な部分をになっていることが示せそうです。

ネズミ用のシャーマントラップを確認する佐野さん

分解を観察するためのマウスの死体。すぐに分解されてしまいました。

クロシデムシ

ヨツボシモンシデムシ

調査が終わってイヌとたわむれる佐野さんと池田さん


6月28日 町田里山
修士2年の八木さんがカエルを調べている町田市の里山に行きました。今回は田圃の畦から林縁を経て林内にいたるベルトをとって植物がどう推移するかのデータをとりました。

 谷津田のようす

 記録のようす


6月16,17日 アファンの森。

 3年生と高槻

 笹尾さん(左)はテンナンショウの計測をしました。

 落合さんは記録係でしたが、コミスジ(蝶)が手に泊まってよろこんでいました。


6月10日 乙女高原で訪花昆虫の調査をはじめた加古さんをアドバイスするために同行しました。1ヶ月で季節が変化し、ミツバツチグリは終わっていました。多かったのはウマノアシガタで、林ではミヤマザクラに虫が来ていました。


先月設置したシカ排除柵は順調のようです。林の緑はこのくらいです。


ミヤマザクラ。よい香りがし、昆虫が来ていました。




シカはあまり多くないようですが、群落のようすからすると、影響はかなり出ています。ミズナラ林の林床は貧弱で、ところによりマルバダケブキが目立っています。


シロバナノヘビイチゴ


サンリンソウ


虫をみつける加古さんの眼もだいぶ鋭くなってきたようです。


調査が終わって記念撮影

6月1日 私も1章を分担した「野生動物管理」(文英堂)という本が出ました。


5月26,27日 八ヶ岳に行きました。目的は2つあって、ひとつは地元の八ヶ岳自然クラブがおこなっているフクロウの巣箱に残った小骨をもらいうけること、もうひとつはヤマネの巣箱かけです。フクロウのほうは、サンプルを受け取るだけでなく、巣箱の場所をみせてもらいました。すばらしい新緑の中で植物の観察をしながら楽しくできました。ヤマネの巣箱かけも順調で、以前のようによく利用してくれることを期待しました。

 フクロウの巣箱


新緑の中を歩く学生

 
クラブのお二人と記念撮影

 
ヤマネの巣箱

キバナノコマノツメとタチツボスミレ 

サクラソウ 

ヒメイチゲ 
 
サクラスミレ
サクラソウとニリンソウ

シカの角を拾った
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2017年

2011-04-01 17:42:38 | アーカイブ
2017.3.29
津田塾大学で進めているタヌキの調査についてBBC(イギリス国営放送)の取材を受けました。そのようすはこちらに書きました。


糞を水洗し、説明する(棚橋早苗さん撮影)

2017.3.23
アファンの森で1年の報告会をしてきました。アファンの森では鳥、蝶、水生動物、タヌキ、植生などを調査し、森林の管理が生き物にどういう影響をおよぼすかを息長く調査しています。私はタヌキのことと、国有林の間伐効果について報告しました。ニコルさんは手術をしたあと、テレビでみたらかなり痩せていたので、ちょっと心配だったのですが、今は少しもどって元気そうでほっとしました。脂肪が落ちた分、寒いと感じるそうです。東京ではスミレ類などが咲き始めたのにアファンの森はまだ雪の中でした。


2017.3.12
13月12日に玉川上水の観察会をしました。まだ「浅き春」ではありましたが、シュンランやアマナがあり、楽しい散策ができました。この季節なので樹肌のことや、玉川上水のような半自然の保護のありかたなどについても話し合いました。鳥に詳しい人がおられたので、ハシボソガラスの巣や巣材を運ぶところなども見ました。春はすぐそこ、という感じでした。



詳しくはこちら

2017.3.11
あの日から6年目です。あのとき、私はアメリカの知人が送ってくれた「The Oak Tree」という詩を訳したのでした。そのことを紹介したのが「がんばれナラの木」です。たくさんの訪問をいただき、ありがとうございました。読んだ人は、ぜひ「わたし訳」の「ナラの木」をお送りください。

2017.3.6
私としてはちょっとビッグなことが進んでいます。先日、突然BBCからメールがとどきました。そうBritish Broadcasting Cooperationです。私が書いたタヌキの食性の論文を読んで、「人工物とはなんですか」という質問でした。残飯とか輪ゴムのようなものだと答えたところから文通が始まり、要するに私がいま調べている津田塾大学に撮影に来るということになったのです。少しわかりにくいやりとりで、全体としてどういう作品を作ろうとしているかはあとになってわかりました。日本の春をサクラと野生動物をからませたような作品にしたいのだそうです。BBCの野生動物モノはすごいレベルなので、ちょっとビビりましたが、そういうのではなく、日本人が花見を楽しむ、日本人のそばに野生動物がいるというあたりを紹介したいということで、京都のサルと東京のタヌキにしぼられたということです。ともかく3月29日に私がタメフンを紹介し、調査をしているようすや玉川上水のこと、タヌキと日本人のこと(カチカチ山など)などを話すことになりました。ちょっとキンチョーします。でも「Yes,we can!」です。ああ、オバマさんはやっぱりよかったなぁ。

2017.3.6
麻布大学いのちの博物館の明日から始まる企画展示「動物の病気」の準備をしました。それまでの展示品を吟味し、展示の原稿を用意し、展示業者と調整をして、と準備日までの仕込みがたいへんなのですが、準備ができると報われた気がします。職人さんの仕事ぶりを見るのも楽しいものです。


最後の仕上げのライティング調整をする。手前の大きい丸い赤は赤血球模型。

2017.2.26
インドネシアにいます。かつて私が指導していた辻大和さんはいま京都大学の研究者になり、インドネシアをひとつの調査地にしてよい仕事をしています。そこのルサジカというシカの食性分析を手伝わせてもらうことになり、現地を見に来たという次第です。少し野生動物を紹介します。

 ニホンジカの仲間でルサジカというのがいて、これが奈良公園みたいな感じでいます。体の大きさも同じくらいですが、ツノの枝数が少ないです。


ルサジカのオス


ルサジカのメス

それからカニクイザルという、これまたニホンザルに近縁なのがいます。尻尾が長いのが大きな違いですが、ほかにもややスリムで、顔にヒゲが生えているところも違います。


カニクイザル(メス)

 これらはずっと前に来たときにも見たのですが、今回はヤマアラシ、ヒヨケザルなども見ました。とくにヤマアラシは洞窟(鍾乳洞)の中にいて、2mくらいの距離で見れました。とても変わっていて、のそのそと歩くのがとてもかわいかったです。


ヤマアラシ

 ヒヨケザルというのはサルではなく、しいて探せばムササビのような動物ですが分類学的にはサルに遠からぬものだということがわかったそうです。ムササビのような、というのは、前肢と後肢のあいだに皮膜という膜があって、飛ぶときにザブトンのようになるからです。木の葉を食べるところも共通です。木の上にいるのでなかなかみつかりませんが、やっとみつけて写真をとりました。この写真ではよくわかりませんが、上が頭、前肢もみえます。腰のあたりがもりあがっていますが、これが皮膜がおりたたまれています。このあと振り返るように木から離れて「ザブトン」になって飛びます。


樹上にいるヒヨケザル

2月7日
 南アルプスの農鳥岳は3000mクラスの高山ですが、ここで山小屋の番人をしている深沢さんという方がおられます。ここにもシカが見られるようになり、いまでは高山植物が荒らされているそうです。深沢さんはいろいろ自然観察をしておられ、キツネやテンの糞が小屋のまわりで見られるということで、2013年から採集してもらって分析をしています。ひとつのポイントはライチョウの羽毛が出てくるかどうかということですが、いまのところ出てきていません。
 深沢さんは去年は足をケガされたので5個しか拾えなかったということでした。その中に色の薄い(ほとんど白に近い淡褐色)哺乳類の毛がたくさん入っているサンプルがありました。この薄い毛はこれまでにも何度か見ていて、「ノウサギかカモシカかな?」と思っていました。ネズミなどは焦げ茶色で明らかに違うし、シカは直線的で先端は焦げ茶色なのでそれとも違います。今回、この毛の中にノウサギの歯が出てきたので、ノウサギのものであることがわかりました。写真の上が上顎の切歯、その下が下顎の切歯、下にならんだのは臼歯類です。


ノウサギの歯、格子間隔は5mm

2月5日
かながわ森林インストラクターの会で「日本の森林とシカ問題」という演題で講演をしました。80人くらいの会員が集まり、熱心に聞いていただきました。シカ問題は農林業被害という基準で始まり、自然植生への影響も問題視されるようになりましたが、しかし、植生が変化することが、そこにすむ昆虫類や鳥類、あるいは動植物のリンクまで波及するということについてはまだまだ認識が足りないという話をしました。 

1月6日 
津田塾大学で「こどもタメフン観察会」をしました。こどもの心に何かが残ってくれたらいいなと思いました。


タメフンの説明


タヌキの解説


フンの検出物をルーペで見る

2016年を振り返りました。
 仕事
 講演など
 著作など
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2016年

2011-04-01 16:56:07 | アーカイブ
2016.12.21
下北沢にあるDarwin Roomで「玉川上水の生きもの調べ」という話をしてきました。50人近くの人が集まり、会場はいっぱいでした。



講演を終えて店長で司会をつとめてくださった清水さんと。なかなか雰囲気のある会場でした。

2016.12.18
津田塾大学でどこかにあるはずのタメフン場を探す人海戦術をしました。あきらめかけていたときに大きなタメフン場がみつかり、見つからなかったマーカーもありました。

みつけたタメフンを前に

2016.12.11
明治神宮でタヌキのタメフン探しをしました。



タメフン場

2016.12.12
日の出町の廃棄物処分場跡地でカヤネズミの地表巣の調査をしました。

巣の断面

2016.12.11
恒例の玉川上水の観察会をしました。紅葉はピークをすぎ、少し寂しくなりました。今月は果実の観察をしました。

記念撮影


集めた果実

2016.12.8
11月の下旬に卒業生の一人が長野県の美ヶ原でオコジョの交通事故死体を拾ったということで標本を博物館に寄贈してくれました。それを骨格標本にしていましたが、なんとか完成しました。頭骨が割れていたので、修復がたいへんでした。プロのように真っ白な骨にはしませんでしたが、まずますの出来かなと思います。


オコジョ 2016.11.21 美ヶ原

2016.12.8
東京都西部の日の出町に廃棄物処分場があります。ここは上に土をかぶせて、スポーツグランドにし、その一角に動植物がもどってくるように環境をとと乗せる努力がおこなわれています。私はそのアドバイスをしてきましたが、地元のひとも交えた説明会があり、招かれていきました。


処分場の内部。背景の雑木林にはタヌキやキツネもおり、今年はフクロウが雛を育てました。手前の草原にはカヤネズミやノウサギももどってきました。また写真ではみえませんが、池があり、カイツブリやカモ類が羽を休めています。

2016.12.5
アファンの森に調査に行きました。林の木々にはすでに葉がなくなっていました。順調にタヌキの糞が集まりましたが、その脇に立派なクマのものもありました。カメラにも写っていました。


2016.10.28

2016.12.4
NHKの視点・論点で話した「タヌキと日本人」がアーカイブにアップされました。

2016.12.3
麻布大学いのちの博物館でフクロウの食性分析作業をしました。学生にとっても、八ヶ岳自然クラブの人にとっても、楽しく充実した体験になったようです。


分析をする参加者

お礼に手作りの感謝状を贈りました(ただし高槻の個人的なもの)



最後に記念撮影

2016.12.2
「さくらサイエンス」プロジェクトという獣医学系のアジアの若手研究者の研修活動があり、麻布大学が中心となっています。今回は日本獣医生命科学大学で研修している韓国、台湾、タイの研究者が麻布大学いのちの博物館に来館したので、私が解説しました。





2016.12.1
早稲田大学エクステンションセンターで「野生動物の言い分」と題して講義をしました。

2016.11.29
かわさき市民アカデミーで「シカ問題を考える」と題して講義をしました。

2016.11.27
桐生市にある自然観察の森に招かれてシカの講義と野外観察、それに野生動物の糞分析の実習をしました。ここでもシカが増え始めたそうです。シカとテンの糞分析の手ほどきをしました。



2016.11.26
麻布大学いのちの博物館でフクロウの巣材からネズミの骨を取り出す作業の2回目をおこないました。


分析する八ヶ岳自然クラブのお二人


取り出した骨. 主要な骨の紙資料の上にシャーレをおいて、取り出した骨を集めた。

2016.11.25
日本山岳会で、「シカ研究者がみた最近の日本の山」という講演をしました。
NHKテレビの「視点・論点」で「タヌキと日本人」という話をしました。

2116.11.24
早稲田大学エクステンションセンターでおこなわれている「生命(いのち)のにぎわいを探る」のシリーズを担当し、「唱歌「ふるさと」の生態学−ウサギはどこへ行った?」という話をしました。

2016.11.23
山梨県の乙女高原では毎年勤労感謝の日に市民が集まって草刈りをしています。私もこの数年参加させてもらっており、今年も行きました。草刈り機や手鎌でススキを刈り取り、それをブルーシートにのせて引っ張ってゴミ収集車にのせて別の場所にもっていきます。老弱男女260人が集まり、作業が終わったらおいしい豚汁をいただきました。





2016.11.21
明治神宮に行きました。タヌキの糞探しをするために林に入る許可をもらっています。夏から毎月来ていますが、タメフンがみつからず、サンプルが集まらないでいました。どうやらタヌキが疥癬という病気で少なくなってしまったらしいのです。かなり歩きましたが、獣道がみつからず「いないなあ」と思っていました。ただ、前回のときに、人はいかないところなのにマヨネーズの容器とか、お菓子の袋などが多くあるところがあり、タヌキが使っていそうな場所が見つかっていました。そこに、ついにタメフン場がみつかったのです。ごく新しい糞はギンナンばかりが入っていますが、少し古いものは黒褐色で、一部には鳥の羽毛が入っているものなどがみつかり、今後分析します。これまでがんばって探してきた甲斐がありました。


タヌキの糞を拾う

2016.11.20
相模原市立博物館で「学びの収穫祭」があり、おもに地元の生徒、学生、市民、大学人などが発表をする活動がおこなわれていますが、そこで話をするように要請されました。そこで「東京西部のテンとタヌキの食性」について話をしてきました。なかなか活発なようでした。

2016.11.19
博物館で「フクロウの食性分析」をおこないました。学生9人と八ヶ岳自然クラブの人2人が参加し、ネズミの骨の勉強をしながら、小骨を取り出しました。


分析をする


八ヶ岳自然クラブが提供くださった写真パネルと標本箱に並べたネズミの骨。パネルはネズミをとらえる瞬間のフクロウなどすばらしい写真があります。ネズミの骨はかつて同じ八ヶ岳のフクロウの食性分析をしたときに作った標本です。

2016.11.18
かわさき市民アカデミーで「森林管理と生物のつながり」と題して講義をしました。

2016.11.15
武蔵野美術大学で玉川上水で調べてきたことの報告をしました。その内容はこちら



2016.11.13
明治大学で今年のモンゴルでの調査報告会議があり、群落調査の報告をしました。



2016.11.7
宮城県東松島でニコルさんたちが子供たちのために「復興の森」を準備しています。来春開校する「森の学校」に隣接する森で、アファンの森を参考にしています。今年から動植物の基礎資料をとるためにときどき行っています。ツリーハウスというおもしろい家があり、子供がよろこびそうです。木を整理して明るい林を作っていますが、その材木を取り出すために岩手県のウマが来ていました。


ツリーハウス


材木を出すためにきているウマ

2016.11.6
玉川上水の観察会をしました。少しポカポカのとても気持ちのよい日で、参加者が少なく、近い距離でゆっくりと自然の観察や調査ができました。果実の季節になったのでその生態学的解説をしたあとスケッチをしました。さすがに美大生だけあってうまいものです。




木暮さんのスケッチ


清原さんのスケッチ


高槻のスケッチ


観察した果実

2016.10.29
兵庫の養父(やぶ)というところの有志にお招きいただいて、シカについて講演をしてきました。兵庫県はシカが増えて年間4万頭以上を駆除してもうまくいっていないそうです。私も少し山をみせてもらいましたが、アセビやイワヒメワラビなどが目立ち、下生えは貧弱になっていました。京都からおりて少し、と思っていたのですが、時間的にはそこから福知山まで、福知山からまた養父までととても長く、えらく奥まったところだなあという感じでした。地図で見るともう鳥取に近いくらいでした。実際、警官は私の育った米子あたりとまったく同じという感じでなつかしく思いました。熱心な議論があり、同じロッジに泊まった方もおられて、くつろいで話ができました。

2016.10.22-23
大学祭なので、博物館も来館者が増えます。学生に展示の勉強をしてもらい、解説をしてもらっています。展示だけと、解説つきでは全然違うようで、好評です。600人ほどの来館があったようです。あしたも続きます。



アンケート記入

2016.10.20
いのちの博物館にかわいい来館者がありました。近所の幼稚園さんが30人ほどきてくれたのです。どのくらいわかるのか見当がつきませんでしたが、私は「子供こそホンモノを見分ける目をもっている」と信じていますから、本物を展示している我が博物館の標本をみて、きっとゾウの大きさやキリンの背の高さや天井の高さなどをそれなりに感じとってくれたと思いました。


2016.10.19
毎月行っている明治神宮に行ってきました。タヌキのタメフン場を探すのが目的ですが、まだ見つかっていません。糞はひとつだけみつかったのですが、タメフンはだめです。タヌキが疥癬病で死んだと言われています。かなり歩いていますが、「気配」が感じられません。獣道もほとんどなく、やはりほとんどいないようですが、粘りつよく続けるつもりです。

 

2016.10.15
津田塾大学にはタヌキがすんでいますが、そこでいくつかの調査をしています。タメフン場がみつかっているのですが、これまで一箇所だけでした。そこで、人数を集めてローラー作戦で探すことにして、ついにもう1箇所見つけました。成果によろこんでパチリ!



2016.10.10-11
アファンの森に行きました。10日は卒業生の望月さんが来てくれました。


もう秋のよそおいで、花はほとんどなく、いくつか実がなっていました。


 セットしていたカメラにツキノワグマが写っていました。


2016.10.9
毎月の玉川上水観察会で集まりましたが、雨のため中止とし、よい機会なのでこれまでのこと、これからのことについて話しあいました。

2016.10.2
千葉県館山の猟友会に招かれて講演をしてきました。館山にはまだシカは少ないようですが、イノシシが多くていろいろ問題になっているそうです。私が書いた「シカ問題を考える」を読んだ方が、「ハンターがただシカやイノシシを殺すことを目的とするような感じになってきていてよくない。先生の本には動植物を大切にする心があるので、それを伝えてほしい」ということでした。また、動物や植物のことだけでなく、農山村の人のこと、社会のことも考えないといけないことを書いたのですが、そのことにも共感してもらえたようです。
 館山は房総半島が下向きの瓶の口のように突き出したあたりで、ヤシの木などがあって暖かい土地であることをうかがわせました。久々に晴れたので、帰路のバスからみた夕焼けが実にきれいでした。

2016.10.1
麻布大学いのちの博物館で企画展示「動物の目」を始めるため、本日展示準備をしました。動物の目の構造などの解説をし、治療法などについて、動物病院の印牧先生にご指導いただいて、完成しました。サルとラクダの視野の違いをアクリル板を使って表現しました。



眼圧計やエリザベス・カラーのイラストを描きました。

 

 



2016.9.18
乙女高原は今シーズン柵で囲われました。そして驚くほど植物が回復し、ワレモコウ、アキノキリンソウ、マツムシソウ、オミナエシなどが増えました。やはりシカの影響が強かったことが証明されたことになります。私たちはその柵の中でこれまでおこなってきた草刈りをしました。柵をつくって植物がシカから守られたからこそ、刈り取りがどういう影響を与えるかを示すことができると考えたからです。今日はあいにく小雨でしたが、刈り取りも、去年調べてマーキングしていた固定枠の群落調査も終えることができました。

 

2016.9.11
恒例の玉川上水観察会をしました。先月は夏休みで武蔵美の学生さんがいなかったのですが、今回は後期の授業がはじまって大学にもどってきたので多めでした。午前中に野草観察ゾーンで訪花昆虫の記録をとりました。秋の花が咲いていたので、シラヤマギク、センニンソウ、ツルボ、アキカラマツなどの花の前に立ってもらい、訪れる昆虫を記録してもらいました。午後は朝鮮大のほうで植生調査をしました。




訪花昆虫を記録する


「そっちはどうだった?」

カリガネソウがちょうど花の旬で、まっていたらクマバチがきました。背中にたくさん花粉をつけていましたが、観察していると体重が重すぎて、雄しべがハチの背中をたたくということはなく、ハチがおしべの上にのりかかるという感じでした。
 
カリガネソウとクマバチ


ツルフジバカマ

2016.9.9
「らでぃっしゅぼーや」という会社に頼まれて「森から海へ」と題してお話をしてきました。東京オペラシティなどという行ったことにないところだし、聞く人もビジネスの世界の人なので場違いな感じがしていましたが、「それなりに通じる」どころか、オーガニック製品の物流に関心のある人たちなので、私のいう「生き物のつながり」の大切さは十分に理解してもらえたと感じました。私は海もことは知らないのですが、「動物を守りたい君へ」を書いたとき、サケのことを勉強したので、その話を紹介しました。アラスカのトンガス国立公園で、サケの成分が木の中にあるこたがわかってきました。クマが食べて森で糞をするからです。それは新発見ですが、アイヌが川の源流を「川のおわるところ」、河口を「川のはじまり」というのは、サケの立場になれるからで、サケが生態系に重要な働きをしていることを知っていたのだと思います。それがおもしろかったと感じた人が多かったようです。

2016.9.4
乙女高原に行きました。半年前の冬に草原が柵で囲われました。柵の中にはいると、マツムシソウ、ワレモコウ、アキノキリンソウ、タチフウロなどこれまであまりなかったり、あっても少ししかなかった虫媒花(昆虫に受粉してもらう花)が増えていました。驚きました。マルハナバチがたくさん花に来ていました。


オミナエシとマツムシソウ


マツムシソウ


カワラナデシコ


ツリガネニンジン


ハナイカリ


ヒメトラノオ

2016.9.1
森林インストラクター東京会というところに招かれて東京ドームの近くで「森林と動物」と題して講演をしました。40人あまりの森林に関心のある方が集まって熱心に聞いてもらいました。シカと植物の話が主体でしたが、2時間もあったので、タヌキやそのほかの野生動物の話をしました。シカと植物のところではスライドで植物の写真を出して名前を聞いたのですが、さすがによくご存知の方が多く、会場がもりあがりました。動物についてもいろいろと質問があり、楽しい時間をすごすことができました。

2016.8.23
日本・アジア青少年サイエンス交流事業によって来日したアジアの若手研究者・院生が来館しました。国は中国、韓国、台湾、ベトナム、タイ、マレーシア、インドのほか、一人ながらモンゴル、カンボジア、ラオス、ミャンマー、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ブルネイの人もあり、文字通りアジアを広くカバーしていました。私が展示解説をし、病理学などは黄教授の補足説明がありました。ロードキル展、プラスチネーション、ゾウとハムスターの対比、歴史などが印象に残ったようです。博物館が国際交流に役立てるのはすばらしいことだと思いました。



2016.8.1-8.15
モンゴルで調査をしてきました。アイラグ(馬乳酒)プロジェクトの下での群落調査を担当しました。私事ながら、今年は結婚40周年でもあり、私も現役を退いたことなどを考えて、カミさん同行を実現しました。研究チームで同じところに宿泊しての毎日だったので、皆さんからもよくしてもらい、楽しい滞在となりました。調査の記録係もしてもらい、私自身も助かりました。



2016.8.5
「動物のくらし」を作る過程について「週刊読書人」に書いた記事が紹介されました。



2016.7.27
今日までの3日間、麻布大学いのちの博物館で夏休みこども教室をおこないました。小学4年から6年生までが対象でした。まだ幼さの残る子もいるし、6年生には中学生みたいな子もいて、成長のいちじるしい年齢なのだと思いました。話をしていて、自分のことばが、輝く瞳を通してこどもの心に入っていくような不思議な感覚をもちました。
 終わって仕事をしていると
「先生、田口さんという方がご挨拶をしたいということです」
「田口さん?」
とくに思い当たるフシはない。誰かなと思っていると
「去年、先生に骨のことを教わったということで・・・」
「あ、田口くん?」
 実は去年、私が「このは」という雑誌に骨の解説を書いたとき、お母さんを通じて小学生から質問が来ました。20くらいの質問があり、自分でよく考えたよい質問でした。私はすべての質問に詳しめの返事を書きました。
 しばらくしてその少年(田口くんという名前でした)からはがきが届き、骨のことを調べて夏休みの作品を提出したら、なんとそれが文部科学大臣賞をもらったということで「高槻先生、ありがとうございました」と結んでありました。田口くんがふつうの子と違うのは、ころんで頭を強打して病院に連れて行かれたときに、「僕の頭が壊れなかったのはどうしてだろう」と考え、その答えを求めて、骨のことをいろいろ調べたということです。その疑問をお母さんが私に伝えてくれたというわけです。
 その田口くんが夏やすみこども教室に来ていたのです。そのときにもらったはがきに写真がついていましたが、そのときとはずいぶん成長し、メガネをかけていたので、気づきませんでした。
 私は田口くんに返事を書くときに、あることを思い出していました。中学2年生のときに、蝶の食草について、蝶の種分化と食草の種分化に対応関係があるのではないかと考え、そのことを私の愛読書であった「日本原色蝶類図鑑」の監修者である九州大学の白水隆先生に手紙に書いたのです。いなかの中学生に大学の先生が返事をくれるかどうかまったくわかりませんでしたが、しばらくして返事が来たのです。読みやすい字で「君はとてもおもしろいことに気づきました」という意味のことが書いてありました。その感激は私の中にずっと残っていました。私はそのときに科学者に対するあこがれのような気持ちを抱きました。
 自分の少年時代と重なるような気持ちもあり、不思議でうれしい出会いとなりました。


 

田口くんと。右は2015年2月の田口くん

2016.7.26-
 麻布大学いのちの博物館で「夏休みこども教室」としてシカとタヌキ(アライグマ)の頭骨の観察体験をしてもらうことになりました。私が解説をし、学生2人にも展示場の解説とアシスタントをしてもらうことになりました。実際の骨に触る機会はなかなかありませんから、それだけで得難い体験だったろうと思います。少し緊張気味にふれていました。私は子供の自由な絵が好きなので「自由に描いていいよ」といったのですが、小学生の場合、ある程度のガイドをしないと、何をどうしてよいかわからないのかもしれず、むずかしいものだと思いました。大学での体験がなんらかの形で子供たちの心に残ってくれたらよいなと思います。

骨のスケッチをする子供たち(公開の了解をもらっています)


2016.7/18-19
 C.W.ニコルさんが中心になって宮城県の東松島につくっている「森の学校」は校舎が木造であるだけでなく、森に隣接しています。その森は「復興の森」とよばれています。その森の生き物の調査をしていますが、今回は計画されている道路の影響を調べるための群落調査でした。森の一角には「ツリーハウス」があり、大人には「妙な家」にみえますが、訪れた子供は大喜びするそうです。



2016.7.17
 私が麻布大学に移った年に入学した学年とは特別に中がよくて、卒業後も交流があります。昨年はモンゴルに同行しました。ことし4月に玉川上水の散歩をし楽しい1日を過ごしましたが、違う季節もいいねということになり、7月17日に散歩しました。ちょっといい感じのレストランで昼食をとり、玉川上水に行って、のんびりと歩き、植物を観察したり、雑談をしたりと、楽しく過ごしました。そのあと、鷹の台近くの喫茶店で昔話などをしました。

 


説明をする私(宗兼さん撮影)2016.6.21
日の出町の谷戸沢廃棄物処分場跡地では、ゴミを埋めて土をかぶせたあと、一部はサッカー場、一部は動植物がもどってくる場所にしています。私は生物調査のお手伝いをしてきましたが、6月21日にオオムラサキの観察会があり、あわせて講演をすることになりました。当日は天気がよくなかったのですが、多くの人が訪れ、熱心にきいておられました。その後、オオムラサキの放蝶会があり、みなさんうれしそうでした。


飼育され、羽化したてのオオムラサキ


ケースに入ったオオムラサキをみる参加者

2015.6.19
乙女高原に昨年、巨大な柵がつくられ、シカの影響を排除することになりました。これまで私たちは「シカが増えたために花咲き乱れていた草原がススキ原になった」という声を検証するために、ススキ群落を違う時期に刈り取るなどの実験と、虫媒花の刈り取りなどを組み合わせてそれが事実であろうと言えるようになりました。柵ができたので、もう食べられることもないし、観光目的のシカ排除は実現したので、実験はもうしなくてもよいようなものですが、私はその「観光」はただ景色をみて楽しむだけでなく、動植物の関係を学ぶという要素をもってもらいたいと思います。そのために、柵の中でさらに刈り取り実験をすることで、刈り取りをするとススキ原がこうなるということを示すことも重要だと思いました。そこで、6月19日にこれまでどおり刈り取りをしてもらいました。


刈り取り実験を手伝ってもらいました。


仕事がおわって一休み

2016.6.13
お伝えした「視点・論点」で「日本の山とシカ問題」の放映が6月14日早朝4:20となりました。13:50にeテレで再放送があります。お時間がありましたら、録画してみていただければありがたいです。


2016.6.8
NHKに「視点・論点」という地味な番組があり、見たことがあるような、ないような、なのですが、そこから「日本の山とシカ問題」と題して話してくれとオファーがあり、収録がありました。なんと「化粧」をされました(みんなしてるのかなあ、とてもそうは見えない人もいるけど・・・)。そのとき「これ長いので切りますね」、何のことかと思ったら私は父からの遺伝で眉毛に長ーいのがときどき生えます。ふつうの人は切ったりするんでしょうが、私は鏡なぞ見ないので気付きませんでした。「は、はい、お願いします」と苦笑い。あの番組をみているとなんとなくわかるのですが、目の前の画面に手元においた原稿が写っているんですね。1ページを読み終わると次のものに変えるのですが、手元は見えないようになっています。長さはけっこう適当だと思っていたのですが、3000字くらいといわれ、そうして、そのまま読みました。9分30秒くらいが理想で、多少早くても遅くてもいいです、と言われていましたが、時間モニターを見る余裕などなく、終わってからみたら、なんと9分32秒でした。それから、初めと終わりにお辞儀をするのですが、私の前にいる人がそのタイミングでお辞儀をするのに合わせてしなさいと言われたので、そのようにしました。あれを横から見ていたらお互いがお辞儀をするのでおかしかろうと思いました。14日放送ということでしたが、なんと夜中の4時台で、だれがこんな時間にみるだろうと思います。再放送がeテレビで、これはまともな時間のようですが、あまり見ないチャンネルです。

2016.6.1
御嶽山で「御嶽山でシカ問題を知る」という講義をし、その後現地観察会をしました。御嶽山はレンゲショウマが有名でそれをめあてに訪れる人も多いのですが、ここにも西のほうから広がってきたシカがすむようになって、レンゲショウマも食べられてはたいへんと柵で囲ったそうです。シカのことを勉強したいということで企画されたようですが、熱心な質問があり、有意義な会になりました。


御嶽山での観察会を終えて2016.5.20
このたび玉川大学出版部から「動物のくらし」という本がでました。これは「玉川百科 こども博物誌」というシリーズの1冊で、その最初のものとして出版されました。A4版で厚さ2cmくらいのハードカバーです。旧友の浅野文彦さんのすばらしいイラストで、これまで日本のこの種の本ではないできばえになったと思います。小学校低学年向けということで本作りの面ではむずかしさもありましたが、内容は充実しており、大人が読んでも楽しめるものになりました。関心のある方はぜひ一度ご覧になってください。


出版案内

少し紹介します。ここをクリック

2016.5.15
玉川上水で観察会をしました。


(棚橋早苗さん撮影)

2016.4.25
麻布大学いのちの博物館に渕野辺高校の2年生が訪問し、見学しました。私が概論を解説し、その後、展示をみてもらいました。



2016.4.18
武蔵野美術大学で「玉川上水を探検する」というシリーズの「玉川上水のタヌキを調べる」という講演をしました。会場には地元の市民の方も大勢参加されました。玉川上水で調べたタヌキのこと、私たちにとってタヌキとはどういう存在なのかという話をしました。



2016.4.10
玉川上水の4月の観察会をしました。



2016.4.9
卒業生4人が玉川上水を訪問してくれて、いっしょに散策しました。とても楽しい時間でした。



2016.3.26
国立市の公民館で「動物の言い分」という講演をしました。

2016.3.21
武蔵野美術大学の仲間と玉川上水の観察会をしました。アマナ、バイモ、ミミガタテンナンショウなどがあり、皆さん熱心に観察していました。








2016.3.19
下北沢のB&Bという本やさんでタヌキのトークショーをしました。20人くらいでしょうか、お客さんが来ていました。自分からいうのもなんですが、タヌキのウンチの話を有料で聞きにくる人なんかいるのかなと思っていましたが、いました。世の中、いろいろな人がいるものです。司会の嶋さんという人が上手に流れを作ってくださったので、2時間近くいろいろな話ができました。頼まれてタヌキの糞をアクリスケースに入れて持参、皆さんに回覧しました(これも思えば不思議なことです)。それからタヌキ、アナグマ、シカ、ニホンザルの頭骨と、シカのいろいろな骨も紹介し、さわってもらったりしました。全体になごやかで、楽しい雰囲気で、質問もありました。

2016.3.12

今朝の朝日新聞の「be」(赤版)の「ののちゃんのDo科学」は動物の骨粗鬆症のことが取り上げられています。この記事の取材を受けて、情報や写真を提供しました。博物館の標本が役立ってうれしかったです。



2016.3.2
「タヌキ学入門」関連で仙台の河北新報が記事を書いてくれました。私のところにタヌキの糞を送ってくれている平泉さんが取材を受けました。



2016.2.22
3月19日に下北沢の本屋さんでタヌキのお話をすることになりました。

本屋でのトーク・イベント


2016.2.11
10日の深夜、TBSラジオ「荻上チキ・セッション22」のゲストとして「タヌキ学入門」の話をしました。事前にリクエスト曲を3つと聞いていたので、竹内まりやの「元気を出して」、エリッククラプトンの「Tears in Heaven」、それに小田和正の「風のように」をあげました。ところが、話がもりあがって、最後に楽しみにしていた小田の曲は紹介されず、残念でした。でも知らないことをするというのはおもしろいもので、楽しみました。
YouTubeにアップされているので、YouTubeを出して「タヌキ学入門」とすると聞けます。

2016.1.15
かわさき市民アカデミーで「シカ問題を考える」と題して同名の新書の解説をしました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015年

2011-04-01 15:47:17 | アーカイブ

2015.7.8
退職して、ゆったり暮らすつもりだったのですが、9月に開館する博物館の準備で大忙しです。麻布大学いのちの博物館という名前で、動物の標本を中心にした博物館になります。麻布大学は東京の麻布にあったので麻布獣医専門学校という名前だったのですが、昭和20年の東京大空襲で全焼してしまいました。そのため古い資料はありません。そのときの失意や、復興の努力は感動的です。その展示もします。



2015.6.8 毎日新聞がシカ問題の記事を準備しているというので取材を受ける。

2015.6.6 オオカミのシンポジウムがあり、聴きに行きました。アメリカ(イエローストーン)とドイツでの再導入成功例が紹介されました。主催者である日本オオカミ協会の発表では、日本でのオオカミの再導入についてのアンケート調査は10年くらいまえは「再導入したほうがよい」という意見は1割くらいだったのに、今では6割を超えるほどになったそうです。その「意識」の内容はどういうものなのか、たとえばシカが増えすぎて起きている問題解決のために必要だというのか、もともといたのだからもどしてやるのが責務だというのか、オオカミという魅力ある動物がいたほうがよいというのか、そのあたりは知りたいところです。会場からの自由な発言を受けると収拾がつかなくなるとの判断からか、それが許されませんでした。また会長の丸山先生は「日本の研究者は呼びたくない」とのことでした。その意図もわかりかねましたが、それでは明るい展望はもてないのではないかと思いました。

ご紹介 2015.4.26 毎日新聞の「今週の本棚」に小著「唱歌ふるさとの生態学」が紹介されました。
これについてコメントをいただきましたので、私の見解を書きました。 
5月6日 報道ステーションで太平洋戦争末期の沖縄で起きたひめゆり隊の悲劇を体験した方の証言を聞きました。ここに書くのがはばかられるほどの生き地獄が語られました。突然隊が解除されたため、どうしてよいかわからなくなった少女たちは潜んでいた洞窟を出たそうです。そして多くの少女たちが米軍に殺戮されたそうです。洞窟を出るとき、みんなが一斉に「故郷」を歌ったと語られました。それを聞いていた私は虚をつかれたようで、心が乱れるのを抑えられませんでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013年

2011-04-01 13:44:13 | アーカイブ
2013.11.15
もうすぐですが、2013年11月25日に小著「北に生きるシカたち –- シカ、ササそして雪をめぐる生態学」(1992, どうぶつ社)が約20年ぶりに丸善出版から復刻出版されることになりました。以下、復刻版の「あとがき」の抜粋です。



 この本は私の処女作であり、仙台にいて研究者としてスタートし、岩手県の五葉山でシカとササの調査をした三十代の記録として書いたものである。・・・私は ―当時もそうなのだが―シカだけを研究しているつもりはない。むしろシカという研究対象をきっかけに、生物のつながりを知りたいと思ってきた。・・・その過程でいつも思ってきたのは、野外で動植物をよく観察し、自分の目で現象を見つけ、そのことを示すために徹底的にデータをとるということだった。そのような研究スタイルは・・・三十代の五葉山での調査体験で培われたものだった。・・・いま読み直しても、あの五葉山の寒気の中での調査の感覚がリアルに蘇るのを覚える。それはその後の私の研究の血肉になっている。・・・この本はすぐに売り切れた。売り切れたあと、たくさんの人から「あの本が手に入らないので、分けてください」と言われたが、私の手元にもなかったのでお断りするしかなく、ずっと心苦しい思いをしてきた。この復刻でそうした心苦しさから解放されるのはうれしいことだ。本書を手にすることができなかった人、とくに若い世代には、野外調査を進めるとはどういうことか、研究成果が得られるまでに研究者は何を考え、どうフィールドを作りあげ、壁にぶつかったときそれをどう乗り越えるのかといった点を読んでもらいたいと思う。

  記
書名「北に生きるシカたち」(1992, どうぶつ社)2013復刻, 丸善出版
著者 高槻成紀(たかつき・せいき)
頒価 本体2400円+税

2013.10.18
10月18日に岩波ジュニア新書から「動物を守りたい君へ」という本が出版されました。
 私は2006年に同じ岩波ジュニア新書から「野生動物と共存できるか」という本を出しました。わりあいよく読まれて、現在6刷となり、この種の本としてはよく売れているということで、ありがたいことです。それに、この本の私の文章が2つの中学生の国語の教科書に採用されました。まことに夢のようなことで、子供が好きだった私の父が生きていればどんなにか喜んでくれたかと思います。
 私も孫に恵まれて(5人もいます!)、その将来を思うとき、日本人と自然との距離が遠くなることを心配しないではいられません。そういう思いと、麻布大学に移って学生とともにシカ以外の動物を調べるようになり、自分の知りたかったこと、示したかったことは生き物のつながりにあったのだと気づきました。そういう思いを含めて、若い世代に動物を守ることの意味を考えてもらいたいと思いながら書きました。
 今回は野生動物だけでなく、ペットと家畜のことも書きました。捨てられる犬のことや、毎日食べている魚や肉を動物の体の一部だと感じることがむずかしい時代になっていることへの懸念からです。もちろん動植物を調べることの喜びや体験についても書きました。そして最後の部分で東日本大震災のことをとりあげ、太平洋戦争後、日本人が自然に対して傲慢になったことの結果があの原発事故であり、再稼働など絶対してはいけないという私の考えを書きました。ご一読いただき、このブログに感想をお寄せいただければ幸いです。




「動物を守りたい君へ」の目次
序章 動物と私たちのかかわり
1章 ペットとどうつきあうか
1 ペットと人間の価値観、2 ペットの運命、3 ペットとの関係、4 外来種としてのペット
2章 家畜をどうみるか
1 動物を食べるということ、2 家畜の生活、3 家畜のこれから
3章 野生動物をどう調べるか
1 観察・調査の重要性、2 フクロウと森林伐採、3 鼻つまみ者の偉大な働き、4 花と虫のリンクと過放牧、5 絶滅種タヒの復活
4章 野生動物をどう守るか
1 二つの絶滅、2 なぜ猛獣が絶滅するか、3 君にもトキは守れる、4 つながりをこそ守る
5章 動植物とともに生きるために
1 東日本大震災と動物、2 人間だけのためではない、3 動物と地球のほうから考えよう

定価は840円+税金です

2013.10.5
加古さんと(四年)乙女高原で刈り取り効果の評価をする調査に行きました。すでに秋に装いでした。よいデータがとれました。

ススキ群落、駐車場から 130kb

リンドウ 30kb
リンドウ
ヤマラッキョウ 30kb
ヤマラッキョウ
ヤマボウシ4,30kb のコピー
ヤマボウシ
高槻、加古 40kb

2013.9.28-29
アファンの森で萩原さん(4年)のクルミの調査の指導と、望月さん(3年)の間伐林の調査、「ひっつき虫」の調査、岩田さん(3年)のためのタヌキの糞の採集などをしてきました。



ひっつき虫の調査


間伐林の調査

9月21,22日 八ヶ岳でヤマネの巣箱調査をしました。5月に焼く100個の巣箱を設置したので、それのチェックに行きました。先週の台風ですごい雨が降ったらしく、沢を横切る林道に石や砂が大量に流れたあとがあったし、木の枝なども大量に流れたようです。巣箱は高さの違いをみるために、地上50cmくらいと1.2mくらいに起きましたが、あきらかに上のほうがよく使われており、上だけをみるとなんと60%以上の利用率でした。

巣箱ようす150kb

これまでの研究で巣材がコケだけならヤマネ、枯れ葉が使われていたらヒメネズミだということですが、ほとんどコケだけど少しだけ枯れ葉が入っているものもあり、自信がないものもありました。今回初めて見たのはサルオガセを巣材にしていた例です。

巣材サルオガセ150kb

サルオガセ 40kb サルオガセ樹上 40kb

サルオガセは地衣類で、このあたりのコメツガやカラマツの枝についていました。

ひとつの巣箱のふたを開けたとき、ヒメネズミが飛び出してびっくりしました。一度ですが、シカを見ました。声はよく聞きました。タヌキのため糞、テンの糞を見ました。テンの糞はサルナシだらけでした。調査は順調で、たくさんの巣材が回収できました。

学生作業150kb

記念撮影 150kb

この中にカヤネズミの糞があるはずなので、それを検出して分析します。


2013.83-6 群馬県の神津牧場で3年生の実習をしてきました。牧場で家畜の実習をするというのは別にあるのですが、この牧場は実は野生動物の実習にも適しているのです。今や全国的なことですが、牧場にはシカが入り込みます。それにタヌキやアナグマ、キツネなどもいるし、もちろん鳥類はたくさんいます。コウモリ、サンショウウオなども見られます。それに牧場自体がこうした野外観察の意味をよく理解しておられるので、受け入れ態勢としてもありがたいです。そういうわけでこの3年、お世話になっています。
 今年は糞虫の調査と、シャーマントラップというネズミ類を生け捕りにするワナ、自動撮影カメラなどをするとともに、群落調査のてほどき、電波発信器の使いかた、ウシの行動観察などをおこないました。
 シャーマントラップにはアカネズミがけっこうかかり、学生は大いにもりあがっていました。私も久しぶりにミヤマクワガタをみつけてよろこびました。<高槻 記>

椙田ネズミ捕獲 -2
シャーマントラップに入ったアカネズミをトラップからポリ袋に移す

アカネズミtr -20
アカネズミの体重測定

大内を見る -20
発信器をもった学生の位置を確認する

ミヤマクワガタ2,-2
ミヤマクワガタ

2013.6.21-30 マレーシアに行ってきました。かつて指導したAhimsa Campos-Arceizさんがいまマレーシアのノッチンガム大学クアラルンプール校の准教授としてアジアゾウの研究をしています。そのプロジェクトに研究室の山本詩織さん(修士2年)が糞分析をすることで参加しています。試料の持ち出しができないので、現地で糞を採集し、分析するために訪問しています。私はワンポイント・アドバイスに行ってきました。
 タイ国境に近い国立公園の近くにフィールドステーションがあり、そこを基地に現地調査をしました。40年ほど前に人造湖ができ、船で移動します。


 ゾウがよく訪れる塩場があるので、そこに自動カメラをおいてすばらしい映像を見せてもらいました。糞を集めるのも、そういうところが効率的なので訪問しました。

ゾウの糞をみつけてよろこぶ山本さんと高槻

現地では地元の小さな集落にとまりました。

 子供と犬

 調査にはマレーシアはもちろんですが、イギリス、スウェーデン、スペインの若者も参加して、国際的でした。

 大きな板根の前で記念撮影

基地はなかなかきれいなアパートを借りたもので、山本さんは顕微鏡で分析をしていました。

 分析する山本さん

2013.6.12 アファンの森に行ってきました。どんどん緑が濃くなっています。今回はオニグルミの若木の母樹からの位置を調べました。






オニグルミの若木と萩原さん

6月9日 八ヶ岳のフクロウの巣の調査に行きました。ここでは地元の八ヶ岳自然クラブの人たちが2004年からフクロウの人口巣をかけて、巣立ちのようすなどを記録しておられます。4年生の落合さんが昨年から巣に残されたネズミ類の骨の分析をしており、今年も最近巣立ったので巣材を送ってもらいました。落合さんは巣の利用率の違いに影響する環境分析もしたいと考えており、巣をかけた場所を見に行くことにしました。地元の木村さんと村上さんに同行していただくことができました。3年の銭野君、今年度から信州大学の大学院に進学した鏡内君も参加してくれました。

-20, O-2の巣を見る のコピー

-20記念撮影 tr
後列 銭野、鏡内、木村
前列 高槻、落合、村上

-20学生調査tr

2013.5.26 丹沢の丹沢山東にある塩水沢に行ってきました。シカの糞を探しにいったのですが、シカによる植物への影響の強さに驚きました。ほとんどの場所はシカの食べない植物で被われていました。道ばたにはテンニンソウが多く、そのなかにオオバアサガラ、ナガバヤブマオ、テンナンショウ類、アセビなどがめだちます。林にはオオバアサガラとマルバダケブキが目立ちました。調査をしていたらヤマビルが近づいてきました。


塩水沢から尾根をのぞむ


堂平したのスギ林。林床にはテンニンソウが優占する。


道ばたにもテンニンソウが多い。


ガクウツギ


タニギキョウ


クワガタソウ


ヤマビル

2013.5.14,15 八ヶ岳でヤマネの巣箱かけをしてきました。乙女高原と続けてですが、快晴に恵まれて、八ヶ岳が実にきれいにみえました。ヤマネの巣箱を87個かけてきました。野辺山のあたりですが、シカの痕跡が多く、植生も強い影響を受けています。




これまでにも巣箱をかけた沢


孤立した木よりも低木などが多いほうが利用率が高いようでした


巣箱は横に入り口があり、鳥が入らない工夫がしてあります


巣箱を前にして

5月12, 13日 乙女高原に行きました。
12日は地元の多くの人が集まって遊歩道作りをしました。いわば「山開き」です。私たちは6月から始める草原刈り取り実験のプロット作りをしました。これとは別に1m四方で高さ2m足らずの柵を作ってシカの影響を排除しました。
13日には訪花昆虫の調査をしました。2日とも初夏のような快晴で、夏には霧がかかったりする場所ですが、空気が澄んで遠くまでくっきり見渡せました。標高1700mなので、まだ植物は限られていましたが、スミレ類、ミツバツチグリ、フデリンドウ、ヒメイチゲなどが咲いていました。

A.jpg
プロットを作る

B.jpg
柵を作って記念撮影

C.jpg
記録をとる


ミツバツチグリ


フデリンドウ


サクラスミレ

D.jpg
サンリンソウ

E.jpg
ヒメイチゲ

2013.4.28, 29 アファンに行きました。リヴァルスさんも誘いました。まだ木の芽は開いておらず、東京よりは1ヶ月遅い感じです。

3年生の望月さんは森林に興味をもっているので、埋土種子を調べることにしました。

湿地にはリュウキンカ群落があり、みごとな花を咲かせていました。

ゲストハウス(山小屋)に泊まり、朝ご飯を食べて


春の花たちです。
 
キクザキイチリンソウとアズマイチゲ
 
ニリンソウ群落とアオイスミレ
 
マメザクラとハシリドコロ
 
ショウジョウバカマ

2013.4.21, 22 浅間山に行きました。ある学生が植物の調査をするというので、「早いんでないの」といいましたが、予定しているというので行きました。21日に院生がシカとカモシカの頭数調査を予定していたので、それにあわせたようです。新幹線がトンネルを抜けて軽井沢に出ると銀世界。かなりの雪がつもっていました。
 

それでも2時半くらいには青空が見えて、調査はできたようです。でも植物のほうはまったく無理でした。スペインから来たリヴァルスさんをつれて行きました。ササをめずらしがっていました。
 

4月15日 発芽実験のためのビニールハウスを建てました。


2013.4.13, 14 今シーズン最初のアファン調査に行きました。おもな目的は異なる群落での土壌に含まれる種子を比較するための実験を始めるためです。まだ植物を見るには早いのはわかっていたのですが、この目的にはいい季節でした。まだ雪が残っていましたが、最初に林に入るとアズマイチゲが歓迎してくれました。4年生の萩原さんはクルミを利用するリスとネズミの比較をするため、枝の束の下を調べました。埋土種子の調査は3年生の望月さんのテーマです。もうひとりの3年生岩田さんはタヌキの種子散布を調べます。












発芽実験のプランター

2013.3.28 八王子市にある森林科学園に行って来ました。4年生の安本さんがテンによる種子散布を調べていて、糞からよく出て来るサルナシの発芽実験をさせてもらうために、プランターを置かせてもらうことにしました。ここにはリスの研究で有名な田村典子先生がおられるので、いろいろお話を聞くことができました。林にはカタクリやスミレが花盛りで、ほかにもコミヤマカタバミやユリワサビなどもあり、高槻は大喜びでした。それから早くもミミガタテンナンショウが咲いていました。

13.3.28暗い場所2,-20

プランターは明るい場所と暗い場所に起きました。これは暗い方です。3月28日 八王子市にある森林科学園に行って来ました。4年生の安本さんがテンによる種子散布を調べていて、糞からよく出て来るサルナシの発芽実験をさせてもらうために、プランターを置かせてもらうことにしました。ここにはリスの研究で有名な田村典子先生がおられるので、いろいろお話を聞くことができました。林にはカタクリやスミレが花盛りで、ほかにもコミヤマカタバミやユリワサビなどもあり、高槻は大喜びでした。それから早くもミミガタテンナンショウが咲いていました。

13.3.28暗い場所2,-20

プランターは明るい場所と暗い場所に起きました。これは暗い方です。

2013.3.20
 3月17日から恒例の金華山のシカ調査に行って来ました。意外に暖かく、山を歩いていて汗をかくほどでした。麻布大学がおもでしたが、東北大学、山形大学、信州大学、北里大学などの大学、そのほかの参加者もありにぎやかでした。この冬は寒かったので、シカが死んでいるのではないかという声もありましたが、実際にはいつもより雪もなく、死体は少なかったです。


シカの個体数調査のために山を登り、尾根でパチリ


2012年の死体

2013.3.15
 麻布大学では卒業式がありました。私たちの学生時代は大学紛争で荒れていましたから私は卒業式に出た記憶はありません。式そのものがなかったかもしれません。ですから今の学生が晴れやかに着飾ってうれしそうに式に集まるのがまぶしいような気持ちがあります。とくに麻布大学は女子学生が多いので、「卒業式ファッション」がにぎやかです。私自身は地味目にスーツや軽いフォーマルな洋服を着て来た人に好感を持ちました。着物では矢絣がなかなかいいものだと思いました。
 式典は学生数が多いのに同じような授賞がくり返され、学生のことばなどまったくないので、みんな退屈していたと思います。なんとか演出をしたらいいのにと思いました。
 それに比べれば、研究室にもどっての送別会は心のこもったもので、とても楽しかったです。在学生がこころを込めて部屋を飾り、料理をし、サプライズのプレゼントがあったりと、毎日を共有した仲間ですから、いい雰囲気でした。
 これでまた一年に区切りをつけ、新しい年度を迎えることになります。

M2_20130316100639.jpg
大学院二年生

4年
四年生

つの
高槻と大貫さん(シカの角で卒論を書いた)

2013.3.13
黒姫のアファンの森で今年度の報告会がおこなわれました。京大の農学部の竹内先生、森林総合研究所の藤森先生もおられました。動植物の生息を主とした調査をしている人からの報告のあと、麻布大学から報告しました。高槻が全体の紹介をしたのに続けて、三年生の笹尾さん、萩原さん、小森君、4年生の佐野さんと池田さん(高槻が代行)、修士の嶋本さんが発表しました。私は三年生の発表は少し心配があったのですが、とてもよく準備されており、皆さんからわかりやすかった、今後が楽しみだと評価してもらいました。ニコルさんはよく「原稿をよむだけではプレゼンとはいえない. Talk to people!」と人前で話すことの達人としてきびしいコメントをしますが、今年に限ってたいへんほめてくれました。それから毎年「ありがとう」というのに、今年は「高槻先生、おめでとう」といわれ、ちょっとどう返事をしていいかわからないような感じでした。よい調査ができるようになっておめでとうという意味なのかもしれず、そうであればうれしいことです。生物学とはなじみのない人からも「いろいろ調べることがあるんですね」とか「ふつうの生き物でもあんなに深いことが調べられるのですね」などという声を聞きました。
佐野ニコル

 昼間は汗をかくほどの陽気でしたが、夜には雪になりました。ニコルさんの手になる鹿肉料理がとてもおいしかったです。それから2万年前の南極の氷でオンザロックを飲みました。ウイスキーの味のわからない私がいただくのはもったいないことでしたが、プチプチと聞こえる気泡がはじける音は不思議な響きで「これが2万年閉じ込められていたのか」と感慨がありました。
食事

 14日には松木さんに会って昔話を聞きました。
松木高槻

2013.3.7
静岡で日本生態学会が開催されており、その中で私は2つの集まりに参加しました。まず「過剰なシカの生態系への影響とそのシカ自身への反応」についてのシンポジウムで農工大の梶先生が組織されました。北海道の中ノ島、東北の金華山、日光、房総の4集団の比較がおこなわれ、これを受けて北大の近藤先生が家畜の栄養生理学の視点からコメントされ、最後にカナダのJ. Cote博士からオジロジカでの事例紹介がありました。私は場所ごとに相当事情が違うのではないかと予想していましたが、むしろ驚くほど似ていました。ただし房総はやはり冬が寒くないという点で大きく違うようでしたが。ひとつの感慨は、私は若い頃、日本人同士が英語で会話をしないといけないのがどうにも恥ずかしくて苦手だったのですが、今やそれはまったくなくなったようだということです。でも英会話が未訓練で質問がまったく意味がわからない人がいてちょっと気まずさが漂いました。日本語で聞いてくれれば、質問そのものを紹介しながら返事もできるので、英語が苦手な人はそうしたほうがいいと思います。それならだれにも迷惑がかかりません。質問も返事もわからないとだれもが困ります。
 もうひとつ参加したのは哺乳類による種子散布についての自由集会です。若手のすばらしい野外調査をしている4人が研究紹介をしてくれました。私は年寄りとしてコメントをするように頼まれたので、ちょっと工夫をしました。最初に会場に質問をしたのです。「今から3つの質問をします。この会場に来た理由を1)動物の採食生態関連で興味がある、2)植物の繁殖成功の局面として、3)森林生態における哺乳類の役割として。では聞きますよ、1)の人?」みたいな感じです。おもしろいことにほぼ同数でした。このこと自体がたいへんおもしろかったです。それから一応4人を賞賛しました。でもこれは社交辞令なし、本当に圧倒される内容だったからです。辻さんは実は私の指導学生で、長年調べないといけないこと、動物の社会関係が散布する果実の種類に影響するという質の高い内容を目指したものだったので、私は「自分の首をしめている」とちょっとスパイスをきかせました。京大の佐藤さんはマダガスカルのキツネザルの行動と種子散布を、極端な季節変化を巧みにとりこんだ見事に解析していました。そういうクレバーさもさることながら、朝6時から12時間、1分ごとに行動を記録するという根気づよい野外調査にも裏打ちされた研究のたいへんさを想像すべきことを指摘しました。京大の中島さんはパームシベットが指向性散布をすることを、これまた徹底した悉皆調査によって分布の局在性を示すとともに、糞場には別個体が共有することをミトコンドリアDNAを利用することで示したそうです。最後に農工大の小池さんがクマの種子散布を飼育クマの糞に種子を埋めて野外実験したり、糞虫による二次散布まで解明した研究成果を紹介しました。みんなすごいなあと思いながら私が共通項として感じたこととして言ったのは「森林の空間的時間的多様性は会場におられる正木さんが示したとおり。動物の動きのとらえどころのないのは会場におられる福井さんが示したとおり。だから私は動物による種子散布などというむずかしいことは強い関心を持ちながらおそろしくて手を出さなかった。こういうことをするのは無謀である(笑)。しかし、今日の発表者のように問題点を明確にし、妥協しない野外調査をすれば、自然界で起きていることの一部がたぶんまちがいないだろうというところまでは言えるようだという大きな可能性を感じた。」という意味のことでした。
 発表者たちがいずれも現在進行形で1年に何本も国際誌に論文を書いていることも、ただがんばっているだけではないことを示しており、聞きに来た多くの若者は刺激を受けたと思います。


2013.3.2
青山学院大学でアファンの森財団の10周年記念シンポジウムがありました。さすがに伝統のあるすてきなキャンパスでした。ニコルさんは基調講演でどういう思いでアファンの森に取り組んできたかということと、いま取り組んでいる東松島の森の学校への思いを話してくれました。私にとって印象的だったのは、「日本は迷子になっている」ということばでした。いろいろな意味があると思います。少なくとも自然に対してあまりにもひどいことをしてきたことを見直そうということはあると思いますが、それはこれまでも彼が訴えてきたことです。私は安倍内閣が原発を継続しようとしていることへの警告と感じました。
 司会の野口さんが松木さんにアファンの森についてひとこと求めたのに対して松木さんが答えました。
 「一本、一本立っているのが木、同じ大きさの木があるのが林。でも森はいろんな大きさの木がないといけない。そこにはいろんな生き物がすめるようにする、それが大事なんだ」。
 そのあとニコルさんと松木さんが想い出などを語りました。それからフクロウやノスリなどを調べて来た川崎公夫さんがスライドを使っておもに鳥の話をされました。それを受けて私は3つの話をしました。まずフクロウの食べ物を分析した結果を話しました。森にすむネズミと草地にすむネズミが年によって増えたり減ったりしていたこと。だから森の管理がネズミに影響し、それがフクロウの食事に影響しているというつながりがあるということです。それから自動撮影カメラでとれた哺乳類を紹介しました。カメラには松木さんも写ったので「絶滅危惧種」として紹介しました(けっこう受けました)。カメラは糞をするタヌキも捕らえていたので、タヌキの糞の話をし、たしかに動物がいて糞をするのに糞をみないのはどういうわけか?という問いかけをして、糞トラップの結果と、糞虫の分解力のすごさを紹介しました。人にたとえれば建物ほどもある巨大な糞を1日で分解などできるだろうか?というクエスチョンに、糞虫のイラストで「Yes, we can」と吹き出しをつけたら、大いに受けていました。それから明るい群落を作ると花が咲き、昆虫が訪れる生き物のつながりがよみがえるという話をしました。この3つの話に共通なのは「みんなつながっているんだ」ということです。
 そのあと第2部で東日本大震災の復興に取り組む皆さんの出番となりました。気仙沼でカキの養殖をする畠山信(まこと)さんがいまの気仙沼の紹介をしました。あの重篤さんの息子さんで、ニコルさんの教え子でもあります。宮城大学の風見先生が森の学校のビジョンを語られましたが、論理の明快さと熱い思いがつまったすばらしいトークでした。最後のことばが「つながり」で、私は生き物どうしのの、風見先生は人と人、人と自然のつながりでしたが、図らずも一致していて感銘を受けました。私は、多くの人があの震災で、戦後物ごとを単純化し、「合理的」とか「科学的」とかいいながら物ごとを分析してきたことの過ちに気づいたのだと思っています。ばらしていたものをつながないといけない。私たちは今こそ、同じように存在していても、つながっていなければ本当のあることにならないのだということに気づかないといけないと思います。


2013.2.23
大阪で「シカと森と人の葛藤」というシンポジウムがあり、招待されて発表してきました。会場は満席で関心の高さを感じました。信州大学の滝井暁子さんもシカの移動の話をしてくれましたが、二次会で話をしたら、私が東北大学にいたときに彼女が高校生で大学を選ぶのに私に電話で相談したのだそうです。かすかに記憶にありますが、私はそのとき東大に異動することが決まっているので、東北大では受け入れられないと返事をしたそうです。

2月14, 15日 
修士論文発表会がありました。以下の4人が立派な発表をしてくれました。ごくろうさまでした。

八木 愛   里山におけるニホンアカガエルとトウキョウダルマガエルの資源利用の比較
嶋本祐子   アファンの森の森林管理が送粉系に及ぼす影響
海老原 寛  農地を利用するようになったニホンザルの行動圏利用
大津綾乃   野生馬(タヒ)を復帰させたモンゴル・フスタイ国立公園におけるタヒとアカシカの種間関係と森林の保全


2013.2.2
4年生の高橋君が「乙女フォーラム」で卒論の内容を発表しました。高橋君は環境生命学部の学生ですが、卒業研究をうちの研究室ですることになり、地元である山梨で調査をすることにしました。わかりやすいよい発表でした。


2月1日
東北大学で同級生で仲のよかった友人がいます。山形大学理学部で植物生態学の研究者で、辻村東國氏です。最終講義ということで山形に行って来ました。磐梯山に永久プロットをとって30年間追跡したすばらしい研究の話で、感銘を受けました。


2013.1.13
アファンの森に行きました。去年のサラサラ雪のイメージがあったので長靴だけで大丈夫と思ったのがまちがいで、湿った雪が50cmくらいつもっていたのでたいへんでした。一歩あるけばズボっと沈みます。次に進むにはその沈んだ足をえいやっと引き抜くので、一歩一歩が力仕事です。ふだん10分で行けるところに30分くらいかかりました。自動撮影カメラを回収するために斜面を登るときは一汗かいてしまいました。


2013.1.11
明治大学で講義をしてきました。その共通テーマがなんと「人権」。そのなかで生物多様性の話をしてほしいということだったので、お引き受けしましたが、文系の学生さんなのでどのくらい伝わったかわかりません。

2013年1月5日
明けましておめでとうございます。

「ニュートン」はおもしろそうな論文などを紹介するFocusというコーナーをもっていて、今回はジャイアントパンダの生息が危機であるという予測をした論文(Nature Clomate Changeという論文に掲載)を紹介しました(2013年2月号)。高槻は若いころWWFの研究員としてパンダの生息地で3ヶ月くらい調査をしたことがあり、そのこともあって取材を受けました。正直なことをいうとこの論文は問題があると思いました。ササの分布を引用し、気象データとの対応を調べ、気候が変化するとササが生育できなくなり、パンダが危ないのではないかというわけです。可能性としてはなんでもいえるわけですが、どれだけ確からしいか検証されていません。どういう情報が引用されているか調べてみましたが、いずれも現地調査にもとずいた証拠はなさそうでした。気候変動は確かだろうし、世界でそこにしかいない生息地にササがあって、パンダはササ食に特化している、こういう条件に目をつけて話題をよびそうな論文を書いたという感じでした。コメントを求められたのでモデル研究と野外調査のバランスが大切だといっておきました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011年の記録

2011-04-01 11:49:17 | アーカイブ

12月20日 東京の西に日ノ出町という町があり、そこに廃棄物処分場跡地があります。要するに都民の出したゴミを処分した場所です。大量のゴミを埋め、上に土をかぶせてグランドにしたのです。ただ、それだけでなく、一部に動植物がもどってくるビオトープを作りました。私はそこをどういうものにするかを相談され、お手伝いしています。去年は2人の学生がタヌキの種子散布と、カヤネズミ・ノウサギの調査をしました。その2人は卒業したので、今年はお休み状態でしたが、関係の方とは交流があります。先日連絡をもらい「チョウゲンボウのペリットがありますけど、いりますか?」といわれました。こういうとき、断りません。私はチョウゲンボウのペリットというものを見たことがありませんでした。写真のとおりです。大人の小指の先ほどです。妙に赤い色が印象的です。中には昆虫の脚などが入っていて、ヨーロッパの論文にあるように、哺乳類や鳥類の骨は見当たりませんでした。


12月3, 4日 アファンの森に行ってきました。クルミの木の下におちたクルミに印をつけてそれがどうなくなっていくかを追跡しています。スギの枝葉の下にたくさんのクルミがあり、リスやネズミの食べあとがありました。100を大きく上回る数でした。



いつもおもしろい話を聞かせてくれる松木さん。今回もカボチャをごちそうになり、楽しい話を聞きましたが、12月で引退するのだそうです。私たちがクルミの調査をしていたら、「先生、なにかおもしろいことあったかい?」とやってきてくれました。

松木じいさん


先月、ケンポナシをおいてカメラをセットしていたら、キツネとテンが訪問している写真がとれました。たしかにケンポナシは哺乳類をひきつけて種子散布をしている証拠のひとつがとれました。



11月23日 山梨県の乙女高原で地元でおこなっている恒例の「草刈り」がおこなわれ、参加してきました。3年生の高橋君が卒研でとりくんでいる場所です。農工大の星野義延さんたちも来ていました。200人もの人が草原の中で刈り取りをしていて、すばらしいと思いました。子供むけのイベントもあり、学生がいっしょに楽しんでいました。

草刈りをする人々

「ブナじいさん」という大木の前で記念撮影

11月13日 アファンの森に行きました。クルミのカウントと学生のネズミ調査をしてきました。松木小屋で松木さんの話を聞くのが楽しみです。


11月12日 高大連携といって高校と大学が連携して高校生の教育を進める活動があります。今回は私が「フクロウの運んできたもの」というテーマで相模原高校の生徒に指導しました。高校生は本物の試料を前にして一生懸命ネズミの骨の分析をしていました。これを通じて森林伐採の意味をフクロウの立場、ネズミの立場、人の立場と、違う立場から考えることをレポートしてもらうことにしました。その結果が楽しみです。




11月4-7日 モンゴルに行ってきました。







10月29日 大学祭の企画で「東日本大震災:森と海のつながりを考える」を企画し、C.W.ニコルさん、気仙沼の畠山信じさん、名取市出身の俳優相澤一成さんを招いてお話を聞きました。

10月28日 大学祭にあわせて、「願えば叶うー増井光子記念展示」を企画し、展示をはじめました。


10月16日 アファンの森に行きました。




10月7-11日 3年生対象の実習で群馬県の神津牧場に行ってきました。牧場にシカが入っていて被害問題も深刻なようです。ミズキ、ズミ、ヤマボウシ、マタタビなどが実っていました。

牧場を歩く。ここでシカの糞塊調査をした。

林内でシャーマントラップを回収する

記念撮影


10月1日 八ヶ岳自然クラブに招かれて「八ヶ岳のシカと「クラブ」の役割」という話をしてきました。清里はすでに秋の風情でした。

9月24、25日にアファンの森で東京環境工科専門学校の学生さんたちとともにオニグルミの調査をしました。


9月13日から15日 アファンの森で調査をしてきました。

9月8日から11日 宮崎であった日本哺乳類学会に参加してきました。

8月8日から22日 モンゴルで調査をしてきました。


8月3日 アファンの森に行きました。

7月28日から31日まで岩手県に行き、被災地のお見舞いと、シカのようすを広くみてきました。


7月15-18日 牡鹿半島と金華山のシカの調査に行きました。


7月8-10日 アファンの森に調査に行きました。


7月2日 獣医学科の学生でつくる関東野生動物交流会で「自然の話を聴く」という講演をしました。

6月30日 町田にある東京都歴史環境保全地域の里山田圃でカエルの食物の調査をしました。

6月26日 中学1年生の国語の教科書「新しい国語1」(東京書籍)に「オオカミと見る目」という文が掲載されることになりました。
6月25日 東京都奥多摩にシカの影響調査に行きました。
6月22日 相模原市の嵐山に群落調査に行きました。
6月19日 山梨の乙女高原に群落調査に行きました。
6月15日 東京のシカ会議に出席しました。
6月8日 東京都のシカ専門部会に出席しました。
6月6日 岩波ジュニア新書「野生動物と共存できるか」が5刷になりました。
6月4-6日 学生とアファンの森で調査をしました。


5月28,29日 研究室の親睦旅行で浅間山に行きました。

5月26日 和歌山のシカの胃内容物分析の論文がMammal Studyに受理され、校正刷りがきました。
5月21日 箱根仙石原に行きました。ここでもシカが侵入し、問題になっているそうです。

5月16日 奥多摩に行きました。修士2年の山田君がシカの群落変化の間接影響としての昆虫調査をすることになります。

5月14日 山梨県の乙女高原に行きました。3年生の高橋君にシカの食性と群落への影響を調べてもらうことになります。

5月4-6日 アファンの森でネズミなどの調査をしました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする