高槻成紀のホームページ

「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

ヒキガエル

2022-04-01 21:26:45 | 標本

検出された骨がヒキガエルのものである可能性があると考え、小林に連絡を取ったところ、白幡沼にはヒキガエルはいて、時々グランドでローラーに轢かれて死んでいたりするということだった(図1)。


図1. ヒキガエルの死体(2021.2/24 小林撮影)

そして新しいしたいを確保したということだったので、送ってもらった。そのヒキガエルは鼻先から大腿の付け根までが102 mm、体重71 gの大きさだった。


図2. ヒキガエルの背面と腹面

この死体から骨格標本を作った(図5)。


図3. ヒキガエルの骨格標本

 その前肢の橈骨(とうこつ)を見ると、間違いなく検出されたもの(図4b)と同じものだった(図4b)。ただしこの中空構造は前肢だけでなく後肢の脛骨にもあった。


図 4a. 3月のサンプルから検出された骨

図4b. ヒキガエル標本の前肢の骨格

 これは古いヨーロッパのイラストにもあった(図5)。

図5. カエルの骨格図. 


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標本

2022-01-01 17:58:55 | 標本

有蹄類
 カモシカ 2019.6.20 こちら

げっ歯類
 リスの陰茎骨 2019.3.18 こちら
 モモンガ 2018.12.20 こちら
 ムササビ 2018.11.17 こちら
 アカネズミ 2020.1.2 こちら
ヤマネ 2022.12.10 
こちら

食虫類
 アズマモグラ1 こちら
 アズマモグラ2 こちら
 アズマモグラ 2020 こちら
 ヒミズ こちら new!

両生類
 ヒキガエル こちら
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アカネズミ

2020-01-02 17:56:57 | 標本
アカネズミ メス 体重 55g

2019.12.13
東京都八王子市
最終:豊口信行
標本作成:高槻成紀


アカネズミ 撮影 豊口信行氏


アカネズミ 骨格標本 高槻成紀作成


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アズマモグラ 完成

2019-08-02 11:16:17 | 標本
作り始めて1週間で完成しました。ネコにくわえられた時に背骨と肋骨が破損したようで、その点はやむを得ませんが、まずまずの仕上がりです。


アズマモグラ

これを見ると前足がいかによく発達しているかがわかります。それに比べると後足は貧弱です。それに頭が意外と細長いこともわかります。


右前足(手のひら側)


頭部


左前肢


上腕骨


写真中央に見える上がU字型にくびれた骨が上腕骨で、極めて特殊化しています。ここに力強い筋肉がつきます。



尺骨


肘から先の骨が尺骨で、これも普通の哺乳類にはない複雑さです。


前から


改めて前から眺めると前肢が大きく、モグラはまさに「掘る動物」だということが納得されます。

コメント (1)
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アズマモグラ 筋肉

2019-07-29 11:10:53 | 標本
ポリデントにつけて、筋肉を少しずつピンセットでのぞいていきます。

1日目


3日目


4日目


8日目 除肉はできたので、発泡スチロール板に載せて、形を整える。頭や腰はリフトするため、支えを作る。固定には昆虫針と爪楊枝を使う。


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アズマモグラ

2019-07-28 12:14:26 | 標本
基本情報

2019 年4月25日
小金井市梶野町
長野亮之介

自宅に飼っているネコが捕まえてきた

体重 92g
体長 140mm(尾を除く)
胸囲 103mm

+++++++++++++
外観の観察 こちら
筋肉 こちら 見ても大丈夫な方はどうぞ
骨格標本 こちら




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アズマモグラ 外部観察

2019-07-28 11:10:01 | 標本

全身


頭部





前足

 この大きい前足でトンネルを掘るわけです


後足


 モグラは土の中で暮らしているので目が退化しているとは聞いていましたが、目のあるあたりを探してもそれらしいものが見つかりません。丁寧に探してようやくホクロのような黒い点が見つかりました。



 あとで皮膚を剥がしたら文字通り黒い点が見つかりましたが、直径1mmもない小さなものでした。

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鋭い歯

2019-07-28 08:41:14 | 標本


これはタヌキの下顎骨です。タヌキはイヌ科に属し、れっきとした食肉目の1種です。実際には果実をよく食べるのですが、もちろん肉、つまり哺乳類や鳥の筋肉や内臓を喜んで食べます。そのため鋭く尖った歯を持っています。

 ではこれは?タヌキとは比較にならないほどもっと高く尖った歯で、山と谷の落差も大きい、非常に鋭い歯を持っています。



 実はこれはモグラ(アズマモグラ)の下顎骨です。写真ではわかりませんが、とても小さく長さは1cmほどしかありません。これでミミズを捉えて切り取るのでしょう。

この標本は
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カモシカ

2019-06-20 06:15:27 | 標本
山中湖の近くに住んでおられる半場さんがカモシカの死体を見つけたと連絡をくださり、頭骨を送ってもらい、標本にしました。



ニホンカモシカ、オス
2019年6月1日
山梨県山中湖北部
半場良一

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リスの陰茎骨

2019-03-19 22:08:29 | 標本
山中湖の近くに住む半場さんはちょくちょく死体を拾ってくれます。ムササビとモモンガは標本を作りましたが、今度はリスを送ってくれました。残念ながら交通事故で頭は割れていました。


リスの死体 2019年2月9日 山中湖町


それでも全身骨格ができそうだったので、頑張って作り、頭は粘土で補修しました。


リスの骨格標本


作ろうと思って驚いたのは睾丸の大きさです。それにペニスも大きい。それで皮を剥ぎ、筋肉を取り、少しずつ骨だけにしてゆくのですが、ペニスは皮膚もとても丈夫そうなので、残しておきました。そして最終的には骨にくっついた状態で乾燥させました。当然、乾燥で縮みましたが、それでもこの大きさです。


腰の部分


乾燥したペニス


 ペニスの中には骨があり「陰茎骨」といいます。英語ではpenis boneと言うのだろうと思っていたら、baculumという特別の言葉があるようです。その長さたるや34mmもありました。3センチなんて小さいと思われるかもしれませんが、前肢の半分、上腕骨や尺骨に匹敵します。人で言えば肘から手首までですから、とんでもない長さです。


リスの陰茎骨


 ヒトは陰茎骨のない数少ない哺乳類なので、どうもこれがあるのがどういう感覚なのか想像もできませんが、大概の哺乳類にはあるそうで、これだけを趣味で集めている人もいるそうです。これだけ大きいということは何か意味があるのだろうし、社会構造などにも関係するはずです。リスの繁殖や社会、不勉強でよく知りません。ちょっと勉強してみようかな。
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モモンガの全身骨格

2018-12-02 21:24:42 | 標本
毎日少しずつ作っていた標本がようやく出来上がりました。これから滑空している状態にしないといけませんが、骨格はできたということです。針状軟骨もなんとかうまくできました。


2018.12.14 骨格完成
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