広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

新作 大丈夫~

2019-02-06 00:13:14 | 津軽のいろいろ
2月1日からだろうか。「だいじょうぶ~」が新しくなった。
「大丈夫」にはイナバ物置(100人乗っても)、志村けん(だいじょうぶだぁ)、小島よしお(ダイジョブダイジョブー)等々あるけれど、それらじゃない。

この大丈夫は、主に東北地方で知られる。※便宜上、この記事は津軽カテゴリー・青森県ジャンルにしています。
青森県八戸市に本社がある「三八五(みやご)流通株式会社」の引っ越しブランド「三八五引越センター」のテレビCMのこと。その新作が放送され始めたことと、これまでの変遷についてのお話。以下、一部敬称略。

青森県の人は青森県内でしか放送されていないと思っているかもしれないが、秋田県でも流れるし、北海道と東北地方各県でも流れるらしい。首都圏でもテレビ朝日や中央線の車内(音が出ないからインパクトは薄いね)で流れるらしい。
引っ越しシーズンに合わせているのか、放映時期に偏りがあるような気もする。2月に新作を投入したのも、その狙いか?


僕のこれまでのこのCMシリーズのイメージ。
前提として、「大丈夫」でないバージョンのCMで、「♪あなたの町から わたしの町へ まごころこめて運びます グリーン坊やのみ・や・ごー」とかいう歌が流れるCMがあった。これも秋田ではそれなりに知られていると思う。(後述のように、近年は歌詞付きでは放送していないはずなのに、頭に入ってる!?)

「大丈夫」バージョンは、引っ越しに関する画像やナレーションが流れ、その最後のほうに突然、オペラ歌手のような女性が現れ、「♪だいじょうぶ~」と歌う。
最後は、上記歌の「♪グリーン坊やのみ・や・ごー」の部分が流れる。冒頭から、その歌詞なしのインストゥルメンタル版が流れることもある(最後だけ歌でサウンドロゴやジングルのような形)。
何度か新作が作られているが、この流れは不変であったはず。

このCM、Wikipediaでは「青森県内で1990年代から放送」とされている。
僕が初めて見たのは、弘前へ行く以前に秋田で見たはずだから、1990年代前半。時期的にはイナバ物置、志村けんよりは後。
最初は、CMの展開に戸惑い、「引っ越し、三八五、大丈夫」が強く印象づけられた。(←CMとしては成功)
でも、歌っている人が何者なのか、どうして唐突に出てきて歌うのか、謎であった。15秒にいろいろ詰めこんで、つぎはぎしたように感じられた。
リメイクされても流れは変わらず、この不自然さ・不思議さが、このCMシリーズ、三八五引越センターなんだというイメージが固まった。

歌っている女性は、本当に歌手。わりと早い段階のバージョンから、字幕で表示されている。ソプラノ歌手の小渡恵利子という方で青森県出身。
公式な情報は分からないが、八戸の出身だか、八戸の高校の卒業だかだそうで、大学の同期の八戸出身の人が「だいじょうぶ~の歌手の人が、高校に歌いに来たことがあった」と話していた。

さらに、ここ10年くらい前からは、小渡さんより若い、しょこたん似の女性バイオリン奏者(寺沢希美=青森や東北とのゆかりは不明)が一緒に出てきて、「大丈夫」に合わせて演奏するという、さらに謎のシチュエーションになっている。


以上が記憶。調べてみると、いろいろ分かった。
まず、歌の最後のジングル的な「グリーンぼうやのみやご」部分は、2017年に青森県初の音の商標として登録されていた。※「ぼうや」が正式表記。1984年から使われているとのこと。

次に、1993年のCMを某所で発見。照本涼子という人がバイオリンを演奏するもので、「大丈夫」ではない。
ということは、僕が弘前に行った年と合わせると、「大丈夫」は1994年から始まったのかもしれない。

公式サイトに2009年以降の歴代CM動画が掲載(http://www.0385.co.jp/cm/index2.php)されていた。今回の新作は未掲載。
少なくとも2009年以降は、毎年新作が作られていたのを知って、びっくり。20年間でせいぜい3作くらいと思っていたのに…
なお、公式サイトでは「だいじょうぶ~♪」と表記。

記憶の通り、流れはほぼ不変ではあるが、たまに違う年もあった。
2009年はだいぶ違う。すでに寺沢さんは出ており、観客を前に「♪あなたの町から~」を演奏している。これもまたシュールな光景だけど、後のバージョンではないので、貴重なシーン。最後は「大丈夫」~ジングルの定番。
2010年は、冒頭で寺沢さんの別の曲のソロ演奏がちょっと流れた後、従来の「♪あなたの町から~」インストゥルメンタル版になり、「大丈夫」~ジングル。
2011年は、ソロ演奏が長くなって、インストゥルメンタル版廃止。「大丈夫」~ジングル。これまでなかった「だいじょうぶ~」の赤文字(波型の配置)テロップが表示。
2012年は十和田湖ロケ。「だいじょうぶ~」の赤文字に黄色い縁。
2013年は「エコ」を強調。インストゥルメンタル版が復活し、以降踏襲される。「だいじょうぶ~」は黄文字、水色縁。
2014年は三陸ロケ。「だいじょうぶ~」が画面下から上に移動。
2015年はどこかの湖畔。「だいじょうぶ~」が再び下。
2016年は久々の家の中。子どもたちも登場。「だいじょうぶ~」は庭で、赤文字、中央部(電話番号と重なるため)。
2017年は冒頭から小渡さんが出て「まかせて安心」としゃべるという、これまでにないパターンだが、以降は前と同じ。字幕は、波型からアーチ状配置、丸ゴシック体から赤い角ゴシック体(新ゴ?)に変わり、「~」がない「だいじょうぶ」となった。
ちなみに、この「まかせて安心」の時は、トラックの前に作業員が並ぶ映像。そのロケ地は、秋田市役所旧庁舎前(向かいの秋田県庁正庁舎【2021年4月11日訂正】本庁舎がはっきり映る)。おそらく2016年春の秋田市役所庁舎移転を三八五が請け負って、その時に撮影したのか。
2018年は冒頭のセリフがなくなり、以前に戻る。字幕も前年と同じ。

上記の各バージョンでは、「何に対して『大丈夫』なのか?」が分からない作りになっている。
「引っ越しを三八五に任せて『大丈夫』」というニュアンスなのだろうが、2000年以前の初期のCMでは、その辺りが分かるつながりになっていたような気がしなくもないが、とにかく「大丈夫」のインパクトだけが強くて記憶にない。

とまあ、「偉大なるマンネリ」とも言うべき変遷。毎年作るのが無駄なような。
ところが、2019年2月のバージョンは、大幅といっていいほど内容(構成)が違った。
といっても、まだ2回しか見てないのでうろ覚えですが。

小渡さん、寺沢さんが、引っ越しに場違いな服装で登場して歌唱・演奏し、「だいじょうぶ」なのは変わらないのだけど、けっこうイメージが変わった。
クラシック分野の人にしてはテンポが速い、ラップ調に近いような、「遠くても近くても」とかなんとかいう歌を、左右方向にステップを踏むように動きながら歌唱・演奏するのだ。【22日追記】バイオリンは演奏せずに、持って動いているだけだった。

いきなり「大丈夫」だけ歌って消えるのでなくなり、個人的にはストーリーがしっかりして歴代でいちばんいいバージョンだと感じた。
【7~11日順次、聞き取れた歌詞を追記】
引っ越しなら電話しよ 0385(ゼロサンハチゴー※同社の電話番号の下4ケタ)で安心
ひとり暮らしだって大家族だって 近くも遠くも
三八五に頼めば だいじょうぶ~
何が大丈夫なのかが分かる作りになっている。また、近年は「シングルパック」に重点を置くCMが多かったが、これは「大家族」も含めている。
それにしてもテンポが速く、歌うほうも聞くほうもちょっと大変かも。だけど嫌いじゃない。(以上追記)

こうなると、次(来年)のバージョンはどうなるのか。小渡・寺沢コンビがいつまで続くのか。期待したくなる。
ちなみに、三八五では、「だいじょう~ぶ♪お守りストラップ(サイトの表記ママ)」という、音が出る小渡さんのストラップを発売していたこと(2010年頃?)があったらしい。


公式サイトによれば、三八五引越センターは「東北地方引越売上実績No.1」。
近年、秋田市内のマンションやアパートでの引っ越し現場では、サカイが多く、クロネコヤマト【6日補足・ヤマトは過大請求問題により現在は休止中】が続き、三八五はそれほどでもない感じ。アートは昔ほど見なくなった気もする。
新CMじゃないけど、近くの引っ越し遠くの引っ越しまちまちだし、転勤で引っ越す人は勤務先の提携なんかもあるから、秋田市の単身住宅だけ見ては偏りがあるのかもしれない。
サカイなんて、20年ほど前の青森や秋田では、「勉強しまっせ」のCMを見ることすらあまりなく、トラックは見たことがなかったと思う(引っ越しだからまったく来ていなかったわけではないだろうけど)。パンダマークのトラックを初めて見たときは感動したけど、今はそれなりに見かける。

【2020年1月17日追記】この翌年の引っ越し向けCMは、秋田では2020年1月15日頃から放映開始。
中身は前年・2019年と同じで、歌詞の字幕が出るようになった。上記、聞き取った歌詞との相違は「引越なら」「電話しよう!」程度。最後の「大丈夫」は字幕なし。
公式ホームページも更新されていて、字幕がないもの(=2019年放映分と同じはず)が「「2019 街、まるごと三八五」15秒篇」とされている。
さらに、同「30秒篇」というのもあり、歌詞が長く、映像も演出が多少異なり、字幕が入る。字幕は、2020年のCMと同じ書体ながら「大丈夫~」も表示。もしかしたら、列車内で放映されるのが、こちらなのかも。

【2021年1月17日追記】さらに翌年は、IBC岩手放送と秋田では、やはり1月15日に初めて見た。新型コロナウイルス流行下でも変わらない。内容は前年と変わらないようだが、「横浜支社OPEN」の文字が出る。
【追記】2022年は1月8日に初めて見た。中身は変わらず。2023年は1月12日に初見。中身変わらず。
2024年は1月21日に初見。新作の「スマホ見積篇」。歌は変わらないが、歌詞が短くなり、スマホ見積もりを勧める小渡さんのセリフが入り、「初めてでも」「♪大丈夫~」とつながる。15秒では詰めこみ過ぎの印象で、前のほうが良かった。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-01-29 12:46:32
会社社長の親類かと思っていたら地元出身繋がりだったのか
秋田県人
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起用理由 (taic02)
2020-01-29 19:15:35
小渡さん自身が、八戸とのゆかりがあるようです。
それでも、さらに経営者の身内でもあるといった可能性も、否定はできませんが。
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