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広島・宮島旅行記~宮島への交通手段~

2008-09-15 14:55:10 | 旅行記
※本記事の写真はE-520でなくコンパクトデジカメで撮影したものです※
明日の予行練習も兼ねて宮島(正式には厳島)の夕暮れを見に行く。
宮島は広島市の隣り、広島県廿日市(はつかいち)市にある(以前は宮島町として独立)。日本三景のひとつでもあるから、仙台市と松島の関係に似ている。だが、こちらは海を渡る必要がある。

【宮島口へ】
まずは、広島市内から本土側の桟橋のある廿日市市の「宮島口」へ行かねばならない。
この区間はJRの山陽本線と広島電鉄の路面電車がほぼ並走している。
運転本数は広電の方が多いが、JRでも1時間に5本程度と便はいい。所要時間はJRだと20~30分だが、広電は1時間(広島駅から)かかる。
今回はJRの周遊きっぷと広電の一日乗車券を持っているから、どちらも利用できる。
広島駅と宮島口の途中にある原爆ドームを見た後なので、広島駅まで逆戻りするのは無駄だし、時間的余裕と鉄道ファンの好奇心から広電で向かうことにした。ドーム前からは乗り換えなしだが、45分ほどかかる。

宮島口行きの路面電車は、他の路線とは違って1両の電車(単車)は使われず、「連節車」という数両で1セットの長い電車だけが走っていて、車掌が乗っている。(路面電車については別記事にします)
途中までは、道路を走る路面区間だが、途中駅から砂利が敷かれた専用軌道になり速度が上がる。といっても、停留所が多いから、それほど速くはない。

運転本数が多い路線で、車両も収容力があるのに、夕方のせいか混雑しており、なかなか座ることができなかった。
終点の「広電宮島口」(路面上のは「電停」だが、ここは専用軌道上だから「駅」になるようだ)には数分遅れて到着した。
鉄道好きの僕でも、正直、飽きてしまった。帰りや明日はJRで移動しよう。
しかし、バリアフリーの低床電車「グリーンムーバー」はかっこよくて快適だし、宮島口方面の路線は、狭い道路をすり抜けたり、下町っぽい、昔ながらの家屋が並ぶ、いい雰囲気の街もちらりと見えて楽しそうな路線ではある。JRと組み合わせて(途中6駅でJRと接続する)途中停留所から利用するのがいいかもしれない。

【宮島連絡船について】
宮島へ渡る船(フェリー)もJRと広電系列の宮島松大汽船という2社が競合する。
どちらもほぼ15分間隔で所要時間は10分。JRの方が早朝・深夜(6時から22時頃)まで運行しているようだ。
今回は、周遊きっぷがJRの船にも有効なので、松大汽船に乗る機会はなかった。(なお、広電の一日乗車券の中には、松大汽船にも有効なタイプもある。)

JRは路線名としては「宮島航路」、一般的には「宮島連絡船」と呼ばれ、鉄道のダイヤとは関係なしに運行され、対岸の宮島で鉄道に連絡するわけではないものの、現在唯一の「鉄道連絡船」だ。
航路は1.0kmの鉄道路線として運賃計算されるので、「秋田から宮島」といった乗車券を購入することも可能だし、普通列車扱いなので「青春18きっぷ」でも乗船できる。航路だけの乗車券は170円で松大汽船と同額。

ちなみに、両社の航路とも、一直線に航行するが、JRの宮島へ向かう便がいちばん南側すなわち厳島神社の近くを通ることになる。これを利用して、昼間のJRの宮島行きは、「大鳥居に大接近」と称して、少し大回りして、進行方向右側から真正面に大鳥居が見えるコースを通るサービスをしている。所要時間は変わらない。これがJR連絡船のアドバンテージだ。

追記・2008年12月4日、JR西日本は来年4月から宮島連絡船を「JR西日本宮島フェリー株式会社(仮称)」として子会社化すると発表した。来年以降、何か変化があるかもしれません。

【宮島口桟橋】
広電の宮島口駅を出ると、小さな横断歩道を渡った目の前が船乗り場(桟橋)だ。雨でも走れば濡れずに移動できそう。
一方、JRの宮島口駅は道はまっすぐだが少し遠くにあり、道路を地下道で横断しなければならず、不便だ。

宮島口の桟橋は海(つまり宮島)に向かって左が松大汽船、右がJR。
周辺にはあなご飯やもみじ饅頭の店が並び、宮島に渡る前からもう観光地だ。

宮島口桟橋。左が松大汽船、右奥がJR。なお左の横断歩道の後方がすぐ広電宮島口駅。JRの宮島口駅はずっと後ろ。

松大の桟橋内には土産屋や飲食店(もみじ饅頭の載ったソフトクリームがあるらしい)が入っているようだが、JRの方はきっぷの券売機と飲み物の自販機のある小さな待合室しかなかったと思う。
また、桟橋の船舶業務を行う係員はいるが、駅員はおらず改札口もなく、乗船待ちの客が並ぶ狭い通路があるだけだ。通路の先頭はロープが張られている。
基本的に、到着した船がすぐ折り返すようで、接岸して宮島からの乗客の降船が終わると、係員が通路のロープを外して乗船開始となるが、すでに出航の5分前くらいだ。
船の乗船といえば、船腹というのか、船の側面から乗るのが一般的だと思うが、この船は車も人も船の正面から乗る。かつての青函連絡船をご存知なら、貨車が出入していた所といえば伝わるだろうか。
さらに、その乗降口と操舵席は前後両方に付いていて、船を側面から見ると左右対称の形をしている。つまり、方向転換をしなくても、そのまま両方の桟橋に入港できる、まるで鉄道の1両で動く路面電車やディーゼルカーのような構造をしている。

船内は3層構造で、一番下が自動車積載スペース、階段を昇って2階が窓と壁で仕切られ、2人掛けのシートが並ぶ船室(確かトイレもあった)、さらに昇って3階には風を遮るものがなく、遊覧船のようにプラスチックのベンチが海を向いて並んでいる。3階には2つの操舵室と飲み物の自販機もある。
定員500人以上の船だが、18時近いので乗客は数十人くらいか。観光客はほとんどおらず、多くは宮島の住民なのだろうか、ほとんど2階の船室に入ってしまう。僕は暑くて風に当たりたいので、3階に行く。

【出航】
宮島連絡船は3隻が在籍し、古い船は国鉄末期の1987年に就航したものもあるが、この時乗ったのは、いちばん新しい2006年就航の「みやじま丸」。
発電してモーターで推進する日本初の電気推進小型旅客船で、騒音や排出ガスに考慮されているそうだが、他の船と乗り心地や音に違いは特に感じられなかった。1階にはバリアフリーの船室もある。
JRの船体には大鳥居をイメージした赤いラインが入って、水色の松大汽船と対照的(みやじま丸は他の2隻より赤いラインの本数が多い)。青いJRマークがJR西日本の鉄道連絡船を主張している。

あっさりと乗って、あっさりと出航してしまったが、海の上は気持ちいい。
白い制服の船長と作業服のようなものを着た職員の2人乗務で運行されているようで、出航前後に、客席を通って3階の前後にある操舵室を行き来している。混雑するときは乗客をかき分けて行き来しなければいけないだろうから大変そうだ。
放送は録音されたものが流れるが、英語の放送もあった。

連絡船といえば、子供の頃乗った青函連絡船を思い出す。「乗船名簿」を提出し、長い船旅を実感したこと、着岸時にタグボートが寄ってきて大きな連絡船をぐいぐい押したことも思い出の1つだが、宮島連絡船には両方ともない。
内海で短距離だから名簿は不要だろうし、両側に操舵室があるからタグボートなしに自力で接岸ができるのだ。
観光客にとっては、遊覧船のような存在だが、宮島の住民と思しきベビーカーを押したお母さんや宅配便のトラックも乗っていた。地元の人にとっては、バスや道路の役目も果たしているようだ。青函連絡船とは違った存在なのだ。

出航前から、対岸に宮島が見えていた。
弥山(みせん)という山が高くそびえ、横方向にも長くて島の終わりが見えない。
島でなく半島の一部のような錯覚がする。

船の進行右側から宮島を見る。カメラに収まりきらないほど横に長い島だ。左に小さく大鳥居が見える。

航路になっていない右手には牡蠣の養殖いかだが浮かんでいる。
宮島口の街が遠ざかるとともに、大鳥居が大きくなってくる。

いかだや大鳥居など、進行方向右側に気をとられていたが、反対側を見てみる。
この船と同時に松大汽船の宮島行きも出航していて、並走している。宮島からはJRの「みせん丸」も近づいてきて、3隻が一瞬、一列に並んだ。

みやじま丸左側から撮影。奥が松大汽船の宮島行き。手前がJRの「みせん丸」宮島口行き。3層で左右対称の構造が分かる。

間もなく、宮島桟橋に到着する。

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