広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

古川の鳥?

2019-05-19 22:41:03 | 秋田の季節・風景
秋田市南部・雄物川と国道13号の間、仁井田大野は、農家の敷地をユキヤナギの生け垣が囲う独特の景観。※過去の記事。大野以外でもなくはない。
今年4月末も、
きれいに咲いていた。ソメイヨシノは散った後

ユキヤナギはいいとして、大野をうろうろしていたら、雄物川沿いの道路に出た。
Googleストリートビューより。道路の左が雄物川、右が大野、奥が羽越本線~茨島~河口
上のストリートビューの道路左側は、すぐに雄物川ではなく、間に田んぼや仁井田浄水場などがある。芽吹くかどうかで緑がまだ少なかった当時は、単調な風景。
そんな場所で、道路から雄物川方向へ若干間を置いたところに、案内地図のような板状のものが立っていて、そのてっぺんに大きな鳥が止まっているようなものが見えた。やや距離があるのと、逆光でよく分からない。
道路の外は草が生えているが、入って行けなくはなさそう。
気になったので行ってみた。
ほうほう
まず、鳥は動かないし色が付いていないし、側面(?)が薄くて真っ平らな作り物・オブジェであることが判明。ひとまず置いておく。

道路からは分かりにくかったが、道路のすぐ雄物川側に、小さな水路のようなものが並行していた。「古川」である。
秋田市内では、北の新城川、南の古川が「二大大雨が降るとすぐにあふれる川」。
古川は、地図を見ると分かるように、ここらではほぼ一直線の線形。ほぼ直角に曲がったり、雄物川本体ともつながったりして人工的な構造。最終的には猿田川に合流する。
「一級河川の支流はすべて一級河川」のはずで、古川も一級河川であってもいいような気がするのだけど、古川は「普通河川」で秋田市管理。普通河川というのも聞き慣れず、むしろ普通じゃない存在だけど、まあそういうことのようです。

鳥に気を取られて近づいたものの、90度違う向きで別の看板もあった。
上流方向。浄水場方面へつながる車が通れる橋が架かる
「↓注意」という看板。下に穴でもあるのか?
「注意」の上の文字が消えていて「下水道管あり」の痕跡。地面に管は出ていないから、地中に埋められていることを注意しているようだ。歩く分には関係なさそう。

でも歩行者も「注意」。
古川沿いに、いちおう道のようなものがあるようにも見えるが、道にしては草やわずかな凹凸もあり、どういう存在かよく分からない。柵などもなくうかつに川岸に近づくと、斜面を滑って川へ落ちそうでもある。

鳥がいるほうの看板は、
「お願い」
要は下水管への詳しい注意。地下3メートルに、直径120センチの管が埋まっているとのこと。
設置者は「秋田県」で、その後が隠され、所在地は秋田市向浜。ラベルライターで貼り直された電話番号から調べると、「秋田県建設交通部下水道課 中央流域下水道事務所」が担当。【21日補足】最近の秋田県の工事看板では省略されがちな「秋田県」を明示しているのはいいことだが、それ以下を隠してしまうのもまた不親切。
川に面した裏面も同内容。

下に地図のようなものも出ているが、この近辺だけの狭いもの。古川と並行して下水管が埋まっていることを示している(「↓注意」の看板では誤解させそう)。
それによれば、車が通れる橋は「新中島橋」というらしい。橋自体には銘板はないようだ。新中島橋といえば、旭川の奥羽本線の橋のすぐ下流にもある。千秋中島町と保戸野金砂町、北高と工業の間の。
じゃあ、秋田市に新中島橋は2つあるということか。と思って調べたら、こちらは「仁井田新中島橋」。どちらも秋田市道だし、区別のためにこちらは仁井田が付くのが正式だった。

ところで、この下水道について。
長年の秋田市民として、さらに小学校3・4年生の社会科で副読本「わたしたちの秋田市」や社会科見学で見聞きした者として、下水道といえば秋田市の事業。臨海バイパスの「八橋下水道終末処理場」で処理している。小学校では県が下水処理に関与している話なんて聞いていない。たぶん。
だけど、向浜に、秋田県管轄の下水処理場もあることはなんとなく知っていた。
秋田市外の市町村の下水を処理し、秋田市の下水道ともつながっているとか聞いたかも。
調べると、たしかにそうであったが、現在は、秋田市内のうち、八橋で処理するのは中央部の一部エリアだけ。それ以外は向浜で処理されているようだ。古川沿いを通るのは、雄和・河辺からの下水が四ツ小屋でまとまって向浜へ向かう、「秋田南幹線」らしい。
時が経てば世の中変わるもので、生活に欠かせない(中央部在住者にはあまり関係ないけど)施設なのに知らないでしまったのがうかつだった。

最後に、鳥。逆光・足元が不安定・スマホしか持ってなかったという条件ですが。

大きさはカラスより大きく、くちばしが長めで、頭に飾り羽のようなものがある形。形からすればカワセミかと思われるが、大きさはかなり大きいことになる。
上の写真では、くちばしの付け根付近に穴が開いてしまっている。

色は、黄色いような茶色いような、それが汚れたような色。単色かと思いそうだが、目の辺りが白っぽい。反対面を苦労して見ると、
脚の上・腹の辺りが水色?
どうももともとは色が付いていたのが、経年で取れてしまったようだ。
表面が毛羽立っている感じだが、FRP(繊維強化プラスチック)は劣化するとこうなる。

オブジェは特注品なのか既成品なのか。調べたけど分からなかった。甲府市では、市の鳥がカワセミで、街中の歩行者用信号機の上にそのオブジェを設置しているそうだけど、それとは大きさは近そうだけど形は違う。

看板面の文字は「平成角ゴシック体」だ。平成元年に発表された書体(このフォントについてはいずれ)だから、看板はそれ以降の設置。
古川という人工的な川、下水管の存在を知らせる看板に、こんな鳥のオブジェを付けるのは場違いというか無駄遣いのような気もしてしまうかな… 板面の箇条書きの印が赤い「★」であったり、親しみやすさを意識しているのかもしれないけれど。
この下水道流域には、ほかにも同じ看板があるのだろうか。

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