広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

緊急事態の表示板

2020-06-07 20:38:49 | 秋田のいろいろ
新型コロナウイルス感染症が、こんな短期間で、あんなに世界に広まるのかと、改めて病気やウイルスの怖さを思い知らされている。
現代では、ウイルスの知見や検査技術が発達したからまだいいもので、それらすらない時代だったら、これ以上の感染者と恐怖を巻き起こしていたことだろう。
日本では、いずれ第二波が来るだろうけど、「緊急事態宣言」も全面解除され、地方ではとりあえず落ち着いた。これまでの緊急事態宣言の経緯は、
4月7日 7都府県で発出。5月6日まで。
4月16日 全国に拡大。5月6日まで。
5月4日 5月31日まで延長。
5月14日 39県で宣言解除。
5月21、25日 残りの7都府県で解除。

緊急事態宣言中の外出自粛などの行動は、各都道府県知事から住民へ「要請」する形だった。そのため、秋田県などでは緊急事態宣言継続中でも、たしか連休明け5月5~6日辺りで、不要不急の外出や飲食店の休業の要請は解除された。
テレビニュースは東京中心だし、県広報とは別に各テレビ局が作ったスポットCM(NHK秋田放送局を含む4局合同版もあった)の差し替えが追いつかないこともあって、連休明けでもしばらく「不要不急の外出は自粛しましょう」のままなど、今の秋田がどうなっているのか、正しく伝わらない場面もあった。

さて、県内の交通量が多い道路に面して、秋田県警察本部が設置・運用する3色LEDの情報装置(道路情報表示装置)を、過去に何度か取り上げた。
秋田中央道路地下トンネルの両側入り口手前(当ブログでは秋田市の山王大通り・県庁第二庁舎向かいのものを取り上げています)は新しめの装置だが、国道13号の猿田川橋付近のものは古くてドット数や輝度が劣る。その新旧で同じ内容を表示することもあり、その制約なのか、素人がドットを埋めて作ったのではないかと思えるヘタクソな文字が出ることもあった。

通常は、シートベルトや中央道路内の事故注意など、いくつかの定型内容を表示(時間で分けている?)するが、臨時の交通規制や交通安全週間など別内容が出ることもけっこう多い。
それでも、ほぼすべてが道路交通分野の内容で、確認した例外は「青少年の非行・被害防止月間」の告知だけであった。警察分野の告知ではあるが、関係が薄い内容を運転中の人に見せると、注意が散漫になりそうな気はする。

そんな表示板に、緊急事態宣言中、それに関係した告知が出ていた。警察とはほぼ無関係の表示は初めて見た。外出がはばかられ、写真も撮れなかったが、そうするだけの事態なのは分かる。
連休明け、延長されてまだ緊急事態宣言中には、
「秋田県からのお願い」

「緊急事態宣言 延長!」

「県外への移動を控えましょう」
「県警から」でなく「県から」のお願いということは、知事部局から頼まれて表示したのだろうか。
「お」「緊」「事態」「宣」「長!」「移」は(手作り? でない)きれいな文字のようだ。

その翌週、宣言が解除されると、
「運転免許センターからのお知らせ」

「日曜日午前中の更新受付は」

「混雑のため優良講習等に限定します」
「雑」はきれいな字。「優良講習等」はひどく(?)て、「習」の「羽」は直線のみ、「等」のたけかんむりは縦棒がない。

これは県警からのお知らせということになる。「混雑のため」だけで言及はないが、もちろん感染防止の一環。
5月17日から31日まで、日曜午前の受付回に限り、優良運転者と高齢者(講習受講済みの人)に限定して、免許更新を行ったことの告知。

5月中はずっとその表示だったというわけでもなく、5月末。
「県民の皆さまへのお願い!」

「県外との不要不急の移動を控えましょう!」

「三つの密を避けましょう!」
「民」「お」「!」「密」がきれい。
内容からすればこれも県警でなく県からのお知らせだろうか。この時点では、知事はまだ「県外との往来の自粛」を求めていたから、矛盾はない。

県外との往来自粛は5月いっぱいで終了。県警表示板は、以前と同じ定型に戻っている。
※秋田県では現時点で、5都道県との往来(真にやむを得ない場合を除く)と県をまたぐ観光は、引き続き6月18日までは避けるよう要請しています。最新の情報は県のサイト(コンテンツ番号49988)等で確認してください。

県警表示板についての次の記事



最後に、警察でなく道路管理者管轄の表示板。
国道7号、通称臨海バイバス。臨海十字路から青森方向へ進んですぐ、271キロポストの手前に設置された単色横長のLED表示板。こちらは、常にきれいな丸ゴシック体。フォント名は調べてみたが特定できず。
手前の青い距離の案内標識は中央分離帯に設置
距離表示は青森、大館、能代。なぜか距離の数字部分が上貼りされている。
通常は、電光表示のほうでも、まったく同じ3地点の距離を固定表示していて、意味がない。
しかし5月中は、距離と別の画面を交互に表示していた。
5月9日
「不要不急の外出 県をまたぐ移動は 自粛を!」

5月16日
「県をまたいだ 不要不急の移動は 自粛を!」
1週間で微妙に変わっている。前者は「県内を含めた不要不急の外出」や「必要・急ぎであっても県をまたぐ移動」をも自粛を求め、後者は「県をまたいだ不要不急の移動」だけを自粛してほしいことになろう。
でも、それだと5月9日の内容が、秋田県知事(周辺他県も同じはず)の要請よりも厳しいことを求めていることになる。連休明けの段階で、県内での不要不急外出自粛は解除されていたのだから。単に、国土交通省東北地方整備局秋田河川国道事務所の更新遅れまたは確認ミスだと思うが、まじめに受け取ってしまうとややこしいし、国の出先機関が県知事の決定事項を否定していると取られてしまうかもよ(冒頭の地元テレビ局のスポットも同じく)。
現在は距離固定表示に戻っている。

そんな状況下でも、流通業界など県を越えて行き来してくれた人たちがいたから、我々はさほどの混乱もなく生活を送ることができた。
また、県土が広い東北と言えども、隣の県へ通勤通学、買い物や通院しなければならない人もいて、肩身が狭かったことだろう。


ところで「不要不急」という言葉は、本件以前では、いつから使われていたのか。気になって調べた見たが、分からなかった。
台風や爆弾低気圧接近時に「明日は不要不急の外出は控えてください」と伝えられることがあった。それでもここ10年くらいではないだろうか。

鉄道好きとしては、もっと前から言葉は知っていた。「不要不急路線(不要不急線)」として。
第二次世界大戦中(1941年8月30日以降)に、鉄道のレールなどの資材を、重要線区用や武器に使うために、重要度の低い路線がその名目で休止や廃止されたのだ。御殿場線では複線だったのが単線にされ、今も単線の隣に、線路跡の空き地が続いている。
戦後しばらく、不要不急は死語になっていたのか?
21世紀になって(?)気象情報で「ほんとうに必要なこと以外は」のニュアンスで、誰かが使い出して広まったのだろうか。4文字で見れば意味が分かりやすくはある。
今回のウイルスは、国内外の何人かが言っていたけれど、まさに戦争。ある意味、ふさわしい言葉なのかもしれない。

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3 コメント

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Unknown (FMEN)
2020-06-07 22:38:48
国交省は福島事務所が「物流をささえる皆様 ありがとうございます」というのと交互に出してました。(hpより)
秋田事務所はやけに距離にこだわります。
湯沢事務所の表示はなかなか面白いんで残念。

あと今回かなり評価を落としたのがNHKかも。
改革で休みの放送を仙台からにしたのは仕方ないにも、あの時期「有事」なんだから対応できなかったのかな。
QRやL字も一切表示しないとか生活相談もほとんど紹介しない。
国会も見ましたが中身が偏向してました。
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Unknown (りお)
2020-06-08 01:54:24
距離表示が上貼りされているのは、もしかすると元々国道7号線の距離で表示していたものを、秋田自動車道が延伸してそちらの距離で表示するようになった結果、距離が変わったのかもしれないと思いました。
国道7号といえば、南の方では下浜道路(下浜サンセットロード)が開通しましたね。かなり長く工事をしていた印象があります。
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コメントありがとうございます (taic02)
2020-06-08 22:21:56
>FMENさん
事務所によって方針が違うみたいですね。
近くに看板標識があるのに、同じ内容を表示させるのは、装置の無駄です。秋田県警のほうが字は汚くても有効活用しています。

>りおさん
なるほど。バイパスなどが開通して、距離が短くなったのを反映させていると考えると納得です。
悲願の下浜道路。6.2キロでほぼ10年かかったそうです。線路を2回越えるなど大変だったのかもしれません。
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