広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

昭和の入院・令和の入院

2024-03-03 20:54:45 | 入院
入院の話。今回から可能な範囲で具体的に。とりとめもなく書き綴り、思いついたら追記していくことになるでしょう。
入院先は、秋田大学医学部附属病院。初入院が大学病院になるとは。
以前から外来に通っていたのではなく、市中のクリニックを受診してからの紹介。ちなみに、紹介状なしで直接大学病院を受診すると、割増料金を取られる。
※以下・次回以降の内容は、2023年末~2024年始時点で個人が把握したり感じたりしたものです。詳細や正確な内容は、公式な情報で確認してください。
※大学病院に対してネガティブに受け取れる記述があるかもしれませんが、それは批判する意図ではないことを申し添えます。
※院内は写真撮影禁止なので、写真はありません。

検査の結果等を踏まえて、入院期間の途中で、所属する診療科が変わった(「転科」と呼ぶのかな)。それに伴い、病棟(階)も移動した(「転棟―てんとう―」と呼ぶようだ)。
最初の診療科にも引き続きお世話になり、退院後も2つの科をかけ持ちで受診している。どちらの科でも、基本的にいつも同じ医師が診てくれるが、「主治医」と呼ぶのはメインで所属する科の医師だけらしい。サブの科の先生は何と呼べばいいのか分からないが、担当医といったところか。


初めての病室暮らし。個室に入る余裕などない(あってもケチだから入らないだろうけど)ので大部屋。
前回触れたように、記憶付けられて印象にある「病室」は、小学校5年生・1987(昭和62)年のクリスマスイブにじいさんが入院した、旧・秋田赤十字病院。1968年築だったようで、当時としても古い病院に見えたものだった【3日追記・でも大学病院の古いほうの病棟や、移転後の日赤病院は2024年時点で築20年以上経っているのに古くは感じない。リニューアルしたことや建築技術の発達のおかげだろう】。記憶にあることは、
・大部屋は6人部屋。トイレは廊下。
・昼間は、基本的にベッド間のカーテンが開け放たれていた(症状悪化とか裸になる処置をする時などだけ閉める)。6人が常に顔を合わせて何をしているのかが分かる状態であった。
・見舞い客の面会は時間帯が定められていたものの形骸化。昼間ならノーチェックでベッドサイドまで出入り自由。
・テレビを見たければ、各自持ちこみ(病院経由でレンタルもあったかもしれないが不明)。【4日補足・壁にアンテナ端子がなく「室内アンテナ(懐かしい言葉。地デジ用も現存するようだが、昔のとは形が違う)」も持ちこんでいたかな。】
・完全看護につき付き添いは不要という建前であったが、家族が常時付き添うことは黙認なのかそれなりに行われ、夜はベッド脇の床で寝ていた。うちのばあさんも最初のうちは泊まりこんでいて、同室の患者の付き添いどうしで仲良くなっていた。
・ナースは「看護婦」で(知る限り)全員女性。白衣はスカート。ナースキャップもかぶっていたか? 勤務は8時、17時、0時で交代する3交代制(日勤、準夜勤、夜勤)。

病院による違いもあったとは思うが、おおむね当時はそれが普通だったのだろう。
その後、2000年代に別の身内が別の総合病院に入院した時は、カーテンは常時閉めておくようになっていた。現在の日赤では、ホームページで「ベッド周囲のカーテンの開閉は、患者さんの裁量でお願いします。」としている。

近年では、新型コロナウイルスなど感染症対策のため、面会はかなり厳しく制限されていると聞いていた。
ほかにも、病棟の建て替えでプライバシーを重視した構造の病室になった(1998年に移転した秋田日赤は、ベッド配置が扇形の4人部屋)とか、「患者中心の医療」で「患者さま」と呼ぶ病院があるとか、電子カルテなどICT化、個人情報保護、働き方改革等々により、平成を越えた入院病棟の風景も様変わりしているのだろうと思っていた。

たしかに変化も多かったが、一方で昔ながらのまま点もけっこうあった。以下の通り。
※秋大病院は建設時期が違う病棟が2棟あり、さらにフロアによる多少の違いもあるかもしれません。
・大部屋は4人部屋。各室ごとにトイレ(車椅子対応、洋式便器、ウォシュレット・音姫付き【4日追記・便座消毒液ディスペンサーも】【8日追記・暖房便座も】)と洗面台付き。廊下にもトイレがあるが、コロナ対策のため一部は職員専用として運用。
ベッド配置は日赤のような扇形などでなく、一般的なもの。昔の日赤の廊下側2つのベッドの代わりに、トイレと洗面台がある作り。
6人部屋だと、両隣に他の患者がいるベッドが2床存在するが、4人部屋だと全員が片側は壁(窓)ということになり、心理的負担は軽減されると思う。室内にトイレがあるのは便利だが、就寝中にドア開閉や水音で目が覚めることはあった。

各ベッドは、パラマウント製の電動ベッド。パイプベッドではないのが豪華に感じた。サイズは一般的なものだし、寝てしまえばどうってことないけれど。ちなみに、秋田日赤のホームページでは、個室のみ電動ベッドとされている。

・面会はコロナ対策で、時間帯以外にも規制あり。
原則として、親、子、きょうだい、配偶者に限り、1患者に付き1週間に1回、15分間。1階の窓口または守衛室で手続きして、許可証シールを服に貼って病棟へ。デイルームかエレベーター前で面会し、病室内へは立ち入り不可(動けない患者は、ベッドごとエレベーター前まで運んで面会させることもあったようだ)。なお、看護師を介した荷物の受け渡しは、回数制限なく可能。
ただ、特に外来患者でごったがえす平日は、1階は実質出入り自由であることを利用した“ヤミ面会”が、一部で横行していたようだ。病院側も把握していて、やめましょうという掲示が出ていたが、目立たず枚数が少ない。
ちなみに、他の総合病院の面会規制状況(オンライン面会をしているところもあるがここでは触れない。また親族以外の面会も認める病院もある)。秋田日赤は大学病院と似た感じで、病棟を分けた曜日指定あり。
市立秋田と中通総合は、事前予約制。ただ、市立は患者1人に付き1日1回とむしろ緩い。中通は1病棟当たり1日5組までの狭き門。僕の入院中に、別の親族が中通へ入院していたのだが、実際、面会するのに苦労した。さらに、秋田厚生医療センターは1月9日以降、全面禁止中。
弘前大学医学部附属病院は、2月から面会方法が変わって、面会申込書を提出すれば、3名・15分以外の制限がないので、緩和されたということか。
いずにれしても、病人の立場からすれば、面会に来る人には感染予防に配慮していただきたい。

・各ベッドごとにテレビ(地上デジタルとBS無料放送を受信)と冷蔵庫。いずれも有料。【後日また】

・ナースはもちろん「看護師」。制服は動きやすい上着にズボン、帽子なし。男性も珍しくない。2交代制で日勤が8:15~17:00、夜勤が16:15~翌9:15。【後日また】
【3日追記・各病棟の看護師がいる部屋は「ナースステーション」と称するのが、今も一般的だと思うし、昭和の日赤でもそうだったはず。現在の秋大では「スタッフステーション」が正式名称。看護師だけでなく医師もいることが多いように見受けられたので、その名なのかもしれない。だけど、看護師の会話のほとんどや一部の掲示では「ナースステーション」が使われていた。】

ほかには、ナースコールがちょっと進化。
昭和の日赤では、押しボタンが1つで、押すと天井のスピーカー/マイクで通話ができた。
令和の秋大では、ケアコム製だったか、壁掛けで外して手で持てるテレビのリモコンサイズの「ハンド形子機」と、昔と同じく手元に置いておく「握り押ボタン」の2つを配置。どちらも「呼出」ボタンのほか「点滴」と「WC」のボタンもあり、消灯時にはかすかに光る(ハンド形の呼び出し音は鳴らなくなる)。
受信側では、スタッフステーション(ナースステーション)だけでなく、当日担当の看護師が携帯するPHSに着信して通話することも可能。
ハンド形子機で双方向通話ができるようだが、同室の他の患者も含めて、コール時に患者側が話す場面には遭遇しなかった。コールすると会話なし、または「伺います。お待ちください」などと一方的に話すかして、駆けつけてくれた。話を聞くより、患者を直接見て対応するという方針なのかもしれない。

あとは、入院時にICチップ・バーコード付きのリストバンドを左腕に取り付けられる。入浴時などでも取り外すことはできない。取り違え防止のため、採血時などにリストバンドを読み取られ、あわせて氏名と生年月日を言わされる。


「患者様」について。
秋大では、ホームページや印刷物なども含め「患者さん」で統一。ホームページのごく一部に「患者様」がまぎれているけれど。
日赤、厚生医療センター、弘大も「患者さん」、市立、中通は「患者様」。
【3日追記・2022年に弘前市立病院を実質吸収合併した、国立病院機構弘前総合医療センターのホームページでは、「患者さん」232件、「患者様」382件、「患者さま」102件と混在。】
患者の名を呼ぶ時も「○○様」とする病院があるらしいが、秋大では接した限り、医師、看護師その他すべて「さん」で呼ばれた。部屋の表示、書類、薬袋などは「様」表記。

廊下の各病室のドア横に、その部屋にいる患者の氏名の表示をやめた病院もあると聞き、それはプライバシー保護の点ではそういう時代なんだろうなと思っていた。
秋大は表示している。昔は手書きだったのが、パソコンやラベルライター印字になって。他の診療科の医師が診察に来たり、給食の配膳をしたりする時には、どこに誰がいるのか容易に分かり、間違いを防ぐ意味で役に立つのではないだろうか。あと、ナースコールを押した時、名札の横のLEDが光るので、廊下を通りかかった看護師が直ちに対応できるという利点もあるようだ。

ベッドサイドの壁の表示(主治医、担当看護師名も)もあるが、カーテンを閉めているわけで、あまり意味がない。ただ、現在は、電子化してさまざまな情報を表示できる名札もあるそうだが、未導入だった。
日赤は「プライバシー保護のため病室にお名前を表示しておりません。希望する場合はお申し出ください。」とある(廊下なのかベッドサイドなのか不明)。希望する場合というのは、自分の病室が分からなくなる人とかかな。僕も1度、ほかの病室に入りかけたことがありました(名札があるのに)。

プライバシーといえば、大部屋では、同室の患者の医師や看護師との会話が筒抜け。どういう病気で入院しているのか分かってしまう。
僕の場合は、最初のほうで説明してくれた先生が「場所変えますか?」と聞いてくださったので、別にいいですと答えた。
他の患者たちもそうだったのかもしれない。そして、病人どうしお互いさまで、聞いて聞かぬふりをしてくれたのだと思うし、僕もそうした。けど、気にする人は気にするだろう。個室に入りたくても、空きがない、費用がないで入れない人もいるし。【3日補足・家族同席の説明や、重要な告知は、カルテに接続できるパソコンを備えた専用の別室で行うのだと思われる。】
カーテンが閉まっていて、同室でも顔を合わせる機会は少ない人どうしでも、ある種の連帯感はあったかと思う。

持ち物について続く
コメント
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