さて東アルプスの続き。
第二ラウンドのチャンスは、意外と早く訪れた。
僕がついた定職は、公休日が少ない職場だった。
年末年始も、大晦日まで仕事、当番が回ってくると年始も仕事だったりした。
しかし、この年の年末は珍しく30日から年始4日まで休みになった。 よし、リベンジだ! 大弛峠まで一泊、稜線で一泊、下山まで一泊、予備日を一日。 三泊四日の日程で登山口に立った。
ところが ありゃ、前回あれほどあった雪が、ガクンと少なっていた。 拍子抜けだが、兎も角、大弛峠へ。 午後、峠に着いた。 テント場に一張テントがあった。小屋に受け付けに行くと。 爺と若い娘がいた。
水を汲みに行くと先程見たテントの住人に逢った。 若いお兄ちゃんだった。 日も落ちかけてきた・・・ 隣のテントに声をかけた。 よっかたら、飲むかい? あ、はい。良いですね^ー^ 小屋の自炊場でお兄ちゃんと飲んだ。
絵に書いたような好青年で話が弾んだ。 すると、小屋の子が声をかけてきた。 良かったらコタツで暖まりますか^ー^ この子は、好青年と同い年くらいかな。 目がくりくりして可愛い子だった。
小屋に入ると他にも二人、ご夫婦のようだ。 小屋の爺は日本酒をだし、注いでくれた。 六人は喋って飲んだ。 時折お兄ちゃんの目が可愛子ちゃんを見ていた。 可愛子ちゃんも、お兄ちゃんをチラチラ見ていた。 そして、目がうるうるしたのを、くわは見逃さなかった。
明日は大晦日です。明日はどうするの?
くわ 僕は甲武信岳へ。 お兄ちゃん
僕は、 き、金峰へ。
吃ってやんの、お兄ちゃんも満更でもないないね。^ー^
明日はご馳走なんだけどな・・・と少しうつむいて可愛子ちゃんが言った。
翌朝、炊事場でまたお兄ちゃんと一緒になった。 お兄ちゃんは、凍ったプラティパスを二つをテーブルに置き呆然としていた。
だめだよ、水は寝袋に入れとかないと。当分溶けないぜ。
そうっすよね~ お兄ちゃん、
オメエあの子どう思う?
いや、いい感じでした^ー^
だろ、だから今晩も此処に泊まれ!そして仲良しになっちまえ!
目を丸くして、僕を見た。お兄ちゃんは思い切ったように そうします。
と僕に会釈した。 はは、そう、それが一番良いよ^ー^
小屋を出て、まずは国師岳に向かって登りだした。 寒かったけど、お腹の中は、少しだけ暖かく・・・・ あ~甘酸っぺ~~なあ! まったくもう^ー^ 誰も踏み入れていない縦走路、甲武信岳への中間で一泊。
三日目には西沢渓谷に降り着いた。
雲取山から初めて、長かったな。 区切り打ちだけど。
お終いでございますm(_ _)m
雪が深かった前回、二本のスキーの跡があったのを思い出した。 そうか、スキーか・・・・・・ スキーねえ