天皇陛下は、23日、83歳の誕生日を迎えられました。これを前に記者会見に臨んだ天皇陛下は、ことし1年を振り返る中で、8月にビデオメッセージで表明したお気持ちについて、「多くの人々が耳を傾け、おのおのの立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」と話されました。
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今日12月23日は今上陛下の83歳のお誕生日です。
陛下のご長寿にお喜びとお祝いを申し上げます。
陛下のお言葉にもあるように、8月のお言葉に多くの国民が陛下のお気持ちを理解し
そして一日も早く譲位される事を望んでいます。
ただ、多くの国民は陛下の譲位がどのような意味を持ち、
それが簡単ではない事を知らないと思います。(私も小泉政権の頃まで理解していませんでした。)
皇室は万世一系という男系による継承が途切れることなく続いています。
ここまで長く、そして男系で続いている王室は世界中を見てもありません。
世界最長だそうです。
神話の時代からだと今年で2676年続いています。
この伝統を絶やさない為、時代時代で制度を考えそして今は皇室典範というものがあります。
ですから天皇陛下のお気持ちだとしても簡単には退位出来ないのです。
また陛下のお言葉で皇室典範や憲法を改正するとなると、
天皇の政治への関与の禁止に抵触する為、お言葉発表の前に内閣と相談したと仰っているのでしょう。
見方を変えれば、それぐらいデリケートな問題なのです。
ところで多くの国民は
80歳を過ぎているのに天皇陛下を働かせるのはお気の毒だ、
自分のおじいちゃんは70歳を過ぎているけど、とうに仕事を辞めているぞ、
等と思っている人が多いようです。
しかし、この多くの国民は脈々と受け継がれてきた皇室の歴史を知らないのだと思います。
天皇陛下は自分の周りにいる高齢者と同じではないのです。
先日の産経新聞の八木秀次氏の記事は皇室について書かれています。
まだ読まれていない方はご参考までにご覧頂ければと思います。
【皇室制度を考える】皇位の安定を揺るがす「パンドラの箱」 麗澤大教授・八木秀次氏
12月21日 07:09

麗澤大学の八木秀次教授
(産経新聞)
天皇陛下の退位には国民の一人として反対です。理由は2つあります。
現行の憲法と皇室典範には、天皇陛下の生前における退位を認める制度はなく、むしろ明治の指導者たちによって積極的に排除された経緯があります。退位した天皇が上皇や法皇となって政治権力を振るったり、外部の圧力によって天皇が退位を迫られたりしたことがたびたびあったからです。その最たる例が南北朝の争乱でした。国民の対立や皇室の政治利用を招かないように天皇の終身在位は現代まで引き継がれてきているわけです。
2つ目は、より本質的な問題です。天皇の自由意思によって退位を認めると、自由意思による即位拒否や短期間での退位を容認することにつながります。皇位継承資格のある男性皇族が限定される中、こうしたことが続けば皇位の安定性を揺るがし、皇室の存立を危うくします。つまり、天皇陛下の退位を認めることは、明治以降封印してきた「パンドラの箱」を開け、さまざまな問題を生じさせることになるのです。
政府が特別措置法による退位実現を検討しているという報道もありますが、これは無理筋です。高齢に伴ってお務めができなくなったことを想定して、憲法には国事行為の臨時代行と摂政を置くことができると書き込まれているわけです。今回の天皇陛下の退位にあたって憲法が規定する制度をあえて採用しない合理的説明ができません。
さらに、皇室典範の改正や特措法で退位を実現しようとしても、政府としての提案理由がありません。憲法は天皇の政治的関与を禁じていますので、天皇陛下のご意向を理由にできないのです。提案理由が明確でない法律によって退位を実現すれば、憲法上の瑕疵が生じ、同時に次の天皇の即位にも瑕疵が生じます。
ご高齢によってご公務ができない事態には、国事行為の臨時代行で十分対応できます。皇室典範では、摂政は「天皇が、精神・身体の重患か重大な事故により、国事行為をみずからすることができないとき」に置くことになっていますが、臨時代行はそこまでいたっていない状態で可能となりますので、これが一番現実的だと思います。
天皇の公的行為については、法律上規定がありません。その時々の天皇や宮内庁の解釈によって決められた結果、どんどん膨らんでいきました。それらすべてを全身全霊で果たせないと天皇たりえないとする天皇陛下の姿勢はご立派ですが、退位の理由とするには飛躍があります。ご無理が生じたのであれば、まずは公的行為の整理縮小か、他の皇族に肩代わりしていただくことを検討するのが順序ではないでしょうか。
天皇陛下のご意向に反することになるかもしれませんが、皇室制度の維持、存続、安定のために何が必要かという視点で考えなければなりません。対応を間違えると、2千年以上続いてきた日本の皇室や天皇をいただく制度の「終わりの始まり」をつくってしまうかもしれません。心苦しいですが、天皇陛下には、考え直されたらいかがでしょうか、と申し上げたいです。
(広池慶一)
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