政府が、相次いで強硬な対日政策を打ち出しているロシアへの警戒感を強めている。

 安倍首相は北方領土問題の打開を目指し、年内のプーチン大統領来日を模索しているが、政府内では「ロシア側の出方によっては来日は難しくなる」との見方が出ている。

 ロシアのメドベージェフ首相は、月内にも北方領土を訪問する意向を示している。岸田外相は7日の閣議後の記者会見で、「政府の立場と相いれない。様々なレベルを通じ、しっかりと申し入れを続けていく」と述べ、ロシア側に訪問取りやめを繰り返し求めていることを明らかにした。

 メドベージェフ氏は大統領だった2010年11月、ロシアの国家指導者として初めて国後島を訪問。首相時代の12年7月の訪問時には「一寸たりとも(日本には)渡さない」と述べ、領土問題の譲歩を否定した。