げげげ…流行に乗ってない

2010-12-03 | 社労士日記
そういえば流行語大賞の記事が昨日の新聞に載ってましたな


「ゲゲゲの~」:観たことない…職安で無音放送の画面は少しあるか
「いい質問ですねぇ」:これも観たことないのでまったく知らん
「イクメン」:つるの剛士が流行らせたの?
「AKB48」:いつも思うけど、固有名詞が流行語って?
「女子会」:女子でないので
「脱小沢」:脱し切れていないと思うけれど
「食べるラー油」:買おうとも思わなかったな…今も品切れなの?
「ととのいました」:まったく知らん
「~なう」:つぶやいたことないので
「無縁社会」:これもTV番組?


流行に乗ってないのか、乗り切れてないのか


まぁ流行語は別にして…3日連続、言葉の記事を


***** 日経夕刊(12/2)「プロムナード」より ここから *****
『紙ヤスリのような言葉』

さて問題。

「使い方一つでナイフにも爆弾にもなって、包帯にも接着剤にもなるもの、なーんだ?」

答えは簡単、ずばり「言葉」である。

何もそいつと毎日格闘している職業だから言うのではないが、本当に言葉というのは不思議なものだ。使い方一つで人の心を傷つけたり木っ端微塵にすることもできるし、逆に落ち込んだ人を慰めることも、知らない人同士を仲良くさせることもできる。こんな便利なものは、きっと他にはないだろう。

だからこそ、その使い方には十分に注意したいし、あまり汚い言葉は使わないようにしたいものだ。たとえば「死ね」だの「殺す」だのといった言葉は、字面を見ただけで本当にイヤな気持ちになる。ましてや声に出して言ったりしたら、何だか空中にドス黒いものが飛び交っているような気がしてくるものだ。

なぜ、そんな殊勝なことを言い出したかというと、先日、ある大型ショッピングセンターのエレベーターの中で、小学校の2年生くらいの少年が、何度も「殺す」と繰り返しているのに出くわしたからだ。

その少年は30代前半のお母さんと一緒にいたが、どうやらエレベーターに乗る直前に、何か気に障ることに出くわしたらしい。扉が閉まってから、まず、お母さんの方が「あれはないよね」と口を尖らせた。話の内容から察すると、どうやら誰かに進路妨害でもされたようだ。それはお気の毒……と思わないでもないが、混雑した店の中では、よくある話。

けれど驚いたのは、お母さんの隣にいた少年が言ったことだ。「あぁいうヤツは、殺す。殺すんだよ」

その口調がふざけたものではなく、むしろ真剣な雰囲気だったのが怖かった。しかも6階から1階に着くまで、まるで自分の言葉に酔っているかのように、少年は何度も何度も言い続けていたのである。

あの少年自身は、きっと知りもしなかっただろう------自分が『殺す』と言うたびに、すぐ隣にいた大きいメガネのおっさんが、まるで心を目の粗い紙ヤスリでごしごし擦られているような気分になっていたことを。

もちろん私だって、子供の頃は過激な言葉を好んで使った覚えがある。人に向かって「死んじゃえ!」と暴言を投げつけたことも一度や二度ではない。けれど率直に言って、そんな言葉を使ってトクしたことはまったくなかった。威勢がいい自分を演出するためなら、もっとカッコいい言葉が他にいくらでもある……と自戒を込めて言いたい。

あぁ、あの時の少年よ。

「そういうことは、言わない方がいいね」と忠告したおっさんを、お母さんと一緒にきつい目で睨んだ少年よ。

おっさんは改めて言うけれど、そういう言葉は本当に使わない方がいい。そういう言葉は口に出したとたんに、耳にした人の心を超粗目の紙ヤスリで削っていくんだ。思いっきりガリガリッとね。

しかも他人の心だけじゃなく、同時にキミ自身の心も削っていくよ。気付かないかも知れないけど、その言葉を使うたびに、君はその言葉が平気になってしまってるだろ?それがカッコいいことだと思ってるなら、間違ってるなぁ。

本当なら丸くなるはずのキミの心が、そのうちに三角だのトゲトゲだのになっちゃうぞ。
(作家 朱川湊人)
***** 日経夕刊(12/2)「プロムナード」より ここまで *****

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