壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

抗癌剤療法

2010年01月08日 22時50分54秒 | Weblog
 「ぼけてはいますが、おいしく食べられるので、まだまだ生きられそうです」
 そんな光輝高齢者の女性の声で、目が覚めた。そうだ、京都ではなく、ここは都立駒込病院外来治療室のベッドの上なのだ……

 近所のバス停から9時12分発の都バスに乗り、駒込病院に着いたのは9時40分頃。受付をすまし、中央採血室へ。待っている採血者はおよそ40人。待つ間に採尿室へ行き、先に採尿を済ます。
 やっと順番が来る。アルコール過敏症である旨を申し出、違う消毒をして採血を三本。採血部分を5分間しっかりおさえて、外科外来に診察券などを提出。
 10時35分頃、治験のKさんに呼ばれ、血圧・体温・体重を報告。Kさんからこの二週間の体調を聞かれ、それにこたえる。また、こちらからの質問には丁寧にこたえてくれる。
 これが済むと間もなく主治医のY先生からの呼び出し。Kさんからの報告と、採血・採尿の結果の出ているパソコン画面を見ながら、問診。体調が良いということで、4回目の抗癌剤投与をすることに決定。
 診察室を出て廊下の時計を見上げたら、11時2分前だった。

 これからが長かった。なにせ患者の数が異様に多いのだ。看護師さんに尋ねたら、昨日がパニック状態に近い多さで、今日はそれに次ぐ多さだという。
 13時35分頃に呼ばれ、ベッドに横になる。外科外来の先生が来られ、いよいよ天敵ならぬ、点滴投与が始まる。
 変人の受けている治療法は、「FOLFOX+ベバシズマブ療法」と言うそうだ。4回目の今日は、つぎのとおり。
 まず、ベバシズマブ(5.0㎎/kg)を30分かけて点滴した後、オキサリプラチン(85mg/㎡)とロイコボリン(200mg/㎡)を2時間かけて点滴する。
 オキサリプラチンとロイコボリンの点滴終了後に、医師が来て5-FUを注射(
400mg/㎡)。つづいて5-FU(2400mg/㎡)を約46時間で持続点滴する。
 この5-FUの持続点滴が始まったのが16時40分。この小型爆弾ほどの点滴を身につけたまま帰宅し、明後日の夕方以降に自分で針を抜き固い安全な容器に入れて保管し、つぎの外来の際に処分してもらうことになる。
 以上、病院から渡された資料を参考に書いたが、実際は少々違う。変人の場合、一回目の抗癌剤投与の際、食べ物の臭いがするだけで気分が悪くなり、食欲がまったく失せてしまった。主治医にその旨うったえると、二回目からは、通常の点滴の前に吐き気予防の点滴、ついで生理食塩水の点滴をしてくれ、吐き気予防の錠剤を四日分処方してくれた。そのおかげで食欲は、抗癌剤投与の前に戻り、「おいしく食べられる」ようになった。
 当然、今日もそのようにしてくれた。(つづく)


      室の花カルテはすべてパソコンに     季 己