第4土曜日は、篠笛の稽古日。
朝、練習をしてみたのだが、寒すぎるせいか、音にならない。
わたしの部屋には、暖冷房の設備はない。ストーブも置かない。
部屋が暖まってきた、昼過ぎから再び練習を始める。
篠笛は、ほんとうにデリケートで、厄介な楽器だ。微妙な差で、音が出たり出なかったり。
稽古を積んで、自分自身で会得するしかないだろう。
そう考えて、今日は音を出すことに集中する。美しい音を探りながら。
30分以上たったころ、管尻から水滴がこぼれ落ちた。かまわず練習を続ける。
畳が濡れている。ちょうど管尻の下のところだ。あわてて手ぬぐいで拭き、そのままそこへ手ぬぐいを置いておく。
こんなことは、寒くなるまで考えられなかった。
歌口から入ったあたたかい息が、寒気のために冷やされ、笛の中で水滴になるのであろう。ということは、息はかなり笛の中に入っているはず。
気づいたら3時半。急いでカルチャーセンターに行く。
やはり、顔と肩に力が入りすぎて、音が出ない。
「うまくやってやろう」という、いやしい心根があるからに違いない。赤ん坊のような無邪気な心になれれば、緊張感がなくなることは、頭ではわかっているのだが……。
それでも一つだけ、高音の“ラ”に、いい音が出せたのは収穫だった。
こだわらず、とらわれず、地道に一歩一歩、進むしかないだろう。
武道を習っている者が、寒の30日間、早朝や夜間に道場などで、稽古に励むことを寒稽古という。厳しい寒さの中でこそ、心・技・体が鍛えられるということであろう。
篠笛などの芸事の場合は、“寒復習(かんざらい)”という。
管尻の下に手ぬぐひ寒復習 季 己
朝、練習をしてみたのだが、寒すぎるせいか、音にならない。
わたしの部屋には、暖冷房の設備はない。ストーブも置かない。
部屋が暖まってきた、昼過ぎから再び練習を始める。
篠笛は、ほんとうにデリケートで、厄介な楽器だ。微妙な差で、音が出たり出なかったり。
稽古を積んで、自分自身で会得するしかないだろう。
そう考えて、今日は音を出すことに集中する。美しい音を探りながら。
30分以上たったころ、管尻から水滴がこぼれ落ちた。かまわず練習を続ける。
畳が濡れている。ちょうど管尻の下のところだ。あわてて手ぬぐいで拭き、そのままそこへ手ぬぐいを置いておく。
こんなことは、寒くなるまで考えられなかった。
歌口から入ったあたたかい息が、寒気のために冷やされ、笛の中で水滴になるのであろう。ということは、息はかなり笛の中に入っているはず。
気づいたら3時半。急いでカルチャーセンターに行く。
やはり、顔と肩に力が入りすぎて、音が出ない。
「うまくやってやろう」という、いやしい心根があるからに違いない。赤ん坊のような無邪気な心になれれば、緊張感がなくなることは、頭ではわかっているのだが……。
それでも一つだけ、高音の“ラ”に、いい音が出せたのは収穫だった。
こだわらず、とらわれず、地道に一歩一歩、進むしかないだろう。
武道を習っている者が、寒の30日間、早朝や夜間に道場などで、稽古に励むことを寒稽古という。厳しい寒さの中でこそ、心・技・体が鍛えられるということであろう。
篠笛などの芸事の場合は、“寒復習(かんざらい)”という。
管尻の下に手ぬぐひ寒復習 季 己