壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

散歩

2008年01月21日 22時41分54秒 | Weblog
 やはり降っていなかった。
 予報で、積雪3センチと言っていたので、植込みのお地蔵さんの頭に、綿帽子が載るのを、楽しみにしていたのに……。
 ただ、土産の水仙が、かすかにふるえているだけだった。
 雪が降らなかったのは、通勤、通学の人にとって、よかったのだ。

 どうやら腹のほうは、おさまったようだ。
 午後、4日ぶりに散歩に出る。
 ベルトの穴一つ、細くなったのは結構なのだが、歩き始めは、足がふらふらし、まるで宙を歩いているよう。
 いつもより自転車が、非常に怖く感じられる。

 N商店街を歩く。
 二軒並んで、シャッターに「テナント募集」の真新しい貼紙。
 『また一つ「テナント募集」春よ来い』という、俳句もどきが浮かぶ。
 いつの間にか、隣町まで来ている。

 歩くことは、考える時間でもある。
 歩きながら、俳句や、blogのネタを探し、文の構成を考える。調子がよければ、この段階で、文が完成することもある。

 親鸞も道元も、生涯で二千キロを歩いている、という。そして二人は、それぞれ『教行信証』、『正法眼蔵』を著している。
 歩くことで、何かが見え、また歩くことで、思索を深めたに違いない。

 奈良や京都に住み、毎日、散歩が出来たら最高だ。
 だが、東京の下町でも、意識を持って歩けば、何かしら効用はあるだろう。
 そう思って、これからも散歩を続けることにしよう。


        水仙のあさき夢見し海のいろ     季 己