こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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在宅緩和ケア

2009-02-04 22:51:14 | 訪問看護、緩和ケア
年々、訪問看護の依頼のなかで、在宅緩和ケアの占める割合が増えています。
以前はリハビリや、寝たきりの方のケアが中心で、たまに末期癌のかたや、神経難病の方が、入ってくる程度でした。
ところが、最近では7割から8割が緩和ケアの必要な方です。
その中で、特に進化しているのは、痛みのコントロールです。

麻薬と鎮痛剤を併用して、さらに抗痙攣剤なども併せていきます。
鎮静剤や、鎮痛剤、制吐剤の座薬や、徐放性の内服の麻薬や、「風のガーデン」でよく出てきたフェンタニールパッチ、レスキューのオプソやオキノーム散・・・
それから、ポートを入れての在宅IVH、それを管理するためのカフティポンプ。
いろんな薬や機器を駆使して、穏やかな生活ができるように支援します。

昨日は、麻薬カセットをはめ込んだ、自動輸液ポンプの装着を確認に、退院前訪問に行ってきました。
これは、高濃度麻薬の一定量の注入のほかに、自分でコントロールするためのボタンが付いていて、痛い時に臨時に設定量の麻薬を注入することができます。
30分以内に1回とか、15分に1回とか、使用可能な量とインターバルが設定されています。
これで骨転移や、神経への浸潤で、激痛があっても穏やかに過ごせて、食欲が戻ったり、数歩でも歩けるようになっていました。
すごいですよね。でも、この機械はまだレンタルの対象にはなっていないそうです。
あくまでもデモ器とのことでした。
日本では、麻薬の取り扱いに関する規定が厳しくて、在宅での使用も、まだまだ手かせ足かせがあります。
たしかに管理は大切ですが、これからは在宅医療の必要性がますます拡大するのですから、もっと現実に合わせた管理方法や、法律を作ってほしいものです。
そうすれば、痛みを緩和しながら、もっとQOLをあげていくことができると思うのですが・・・


今日初回訪問した患者さんの奥さまは、在宅でポンプを付けていても、入浴したり、ベットの上で洗髪したり、足浴したりできるなんて、知らなかったと言っていました。
まだまだ、在宅療養の認知度って低いんですね。
その中でも、訪問看護はさらに認知度が低いと思います。
「家で、何してくれるんだろう、往診医がいてくれれば、それでいいか。」
と思われている人って、結構多いんじゃないでしょうか。
もっともっと、私たちを活用してほしいな、と思います。
ケアマネジャーだって、訪問看護のこと、よく知らない人おおいんですよ。
(単位が高いからいつも後回しにされがちです・・

でも、そのためには、私たちも進歩についていかないといけませんよね。
新しい機械や、知らない機械を、つけて帰ってくる患者さんを受けるたびに、脂汗を流しながら、操作方法を覚える私です・・・

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