こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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在宅医療をどう伝えるか?

2009-08-25 22:34:02 | 訪問看護、緩和ケア
訪問看護振興財団を通して、NHKの取材があった。

在院日数が短縮され、在宅へと押し出される人々、さらに政権交代の叫ばれる今、それぞれの政党のマニフェストにも、医療制度改革という言葉が繰り返されている。

では、現実問題で在宅療養の問題はどこにあるのか、あまたある問題の中から、どこにフォーカスを当てるのか。

最低限度の年金と老老介護で、生活保護の対象にも、特定疾患の対象にもならない人々の苦しい現実。
さらに、介護保険や重度障害の対象外の、若い末期癌の患者さんの抱える問題など、いくつかの問題提議をした。

社会のひずみの中で、在宅療養を受けたくても、経済的な理由でサービスを思うように受けられない。

だからと言って、医療や介護の報酬をこれ以上引き下げれば、現場を支える人員が不足してしまう。

その、悪循環をどう対処するのか・・・

私だけの取材では、持っているものはたかが知れているので、めぐみ在宅の小澤先生のところにお連れした。(突撃訪問でしたが・・)

小澤先生の意見は、
「もっと大きな視野でみなくてはいけない。すべての根源は、社会を支える人材を育てることである。」ということでした。
人が育てば、おのずと問題は解決されると・・・
でも、たった今、現実問題苦しくても、痛くても、病院にもかかれない人たちがいることも事実。

「もちろん、広い視野で、もっと具体的に社会が納得する方法を提示できればいいけれど、そんなことは今の段階では無理。でもこういう現実があることを、知ってもらう必要があるのでは。」と私も反論しました。

しかし、情報の伝え方を間違えると、とんでもないことになると先生。
「お金を払えない人がいるなら、診療報酬や介護報酬を下げろ」という、短絡的な発想になる可能性も示唆。

以前、NHKスペシャルの「最後の願いをかなえたい」の制作には半年近い準備期間があったように思えるけれど、今回は2か月もない様子。

50分番組を作るとのことだけれど、「どこにフォーカスをあてるのか?」そう小澤先生につめよられて、ディレクターも考え込んでいました。

なんだか、混乱させてしまったのかな・・・と不安がよぎる。
(天下のNHK、責任が重いですよね。)

実際のケースをご紹介できるかも不安。
みんな、家の中をさらけ出すには抵抗がある。
まして、病気や経済的なこと、「武士は食わねど、高楊枝」の時代の方々には屈辱的な話かもしれない。

でも、今伝えないと、忘れ去られてしまう。
どうするのかな?どうにかしないと。
うーん、難しい話になってしまった。



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3 コメント

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行き先 (snowworks)
2009-08-26 00:28:26
大変ですよね。
僕は地方で整形外科医をやっていますが、次から次と高齢者の骨折患者が入院しては、退院先がなくて困っています。
老健施設は2-3年待ちが通常です。
こんな社会では、日本はどうなってしまうんだろう?本当に考えさせられます。
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Unknown (うえちゃん)
2009-08-26 01:04:17
はじめまして。

コメントありがとうございました。
足跡から来ました。

興味深い話がたくさんですね。
ゆっくり読ませていただきます。

医療問題・・難しいですよね。
どこにフォーカスするか。
どちらの言い分もわかるし、一方とれば
片方がダメになるし根本から変えるには時間かかるし・・。いつから、何故そうなったのでしょうかね。

なかなか道がみえません
でも、自分で出来ることを精一杯するしか今はないのでしょうか。
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共感ありがとうございます! (こぶた部屋の住人)
2009-08-26 21:49:29
snowworksさん。うえちゃんさん。
早速のコメントありがとうございました。

問題を探せば、それこそ山のように出てきますが、、出来ることからコツコツとっていう言葉もありますから、自分たちの出来ることを探していきたと思っています。
ブログを通してでも、訴えられることもあるし、こうしてすぐにコメントくださる方もいるのですから。
テレビ出演をOKしてくれた方もいるので、
近いうちに、番組として訴えられたらうれしいな、と思っています。
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