こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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めぐみ在宅/第7回追想の集い

2012-10-13 22:57:28 | めぐみ在宅緩和ケア関連
今日はめぐみ在宅クリニックで、昨年の半年間に亡くなられた患者さんの、ご家族を集めての「追想の集い」がありました。

亡くなられた患者さんのご家族にお声掛けをして、そのうち24家族が参加され、連携していたコメディカルからのボランティアも参加しての追悼会となりました。

私は、毎回献杯の音頭を取らせていただいていて、今年も何とかお役目を果たすことが出来ました。

また、今回は席を指定された着席タイプで行われ、お茶とお菓子でのお茶会のような形式をとっていました。




みんなが座れるので、楽と言えば楽でっすが、お話の相手がずっと同じなので、いろんな方とお話をして回ることができず、会話が苦手な方には2時間の会話がちょっと長く感じられたかもしれません。

私と、うちのケアマネ下田の間には、昨年の夏の初めに奥様を見送られたTさんが座り、久しぶりの再会に随分と話がはずみました。
それでも、1時間半を過ぎると、「なんだかずっと座っていてお尻も痛いし、このまま4時までなのかな?」と時計を見ながらちょっと飽きてきた様子もあり、お話だけでの時間にしてはちょっと長すぎる気がしました。
今までは、その間に楽器の演奏や、みんなで追想のための歌があり、数人のご家族からのお話もありと、メリハリがあっただけに、ちょっとさみしいような気がしました。
次回は、時間の配分と、もう少しアレンジがあった方がいいような気がします。

そうはいっても、各テーブル関わりのあったスタッフなどと盛り上がり、涙あり笑いありの時間を過ごせたようです。

Tさんも「いやー、張り合いがなくてね。」と、やはり寂しそうです。
でも、「友達もよく誘ってくれるんだよ。あちこち行ってカラオケ行ったりしているよ。」と最近の事や、奥さんとの思い出をたくさん話してくれました。

私の前の女性は、やはり昨年ご主人を亡くされたそうですが、まだまだ悲しみの中で暮らされているようでしたが、Tさんの話を聞いて「勇気づけられました。私も頑張ろうって思いました。今日、来てよかったです!」と明るく話されていました。

そしてご家族の中から、お一人だけですが、これまでのお話をしてくださいました。

とても気丈で、強い意志のもとに、夫を病院から連れて帰ってきた方です。
恋人時代を入れて60年連れ添った夫の闘病や、最後の数か月を、独特の死生観や人生観でお話してくださいました。

音楽を一生の仕事とし、一時代にはその歌声で、日本中の人の心を和ませてくれたであろうその方との最後の時間が、長年住み慣れた自宅であったこと、そしてそこから見送れたことに「悔いはないです。」ときっぱり言っていました。

予定を15分ほど過ぎて、今回の追想の集いは終わりました。

めぐみでは、今後毎月「苦しみを分かち合えるように。」と、グリーフケアの一環として、時間と場所を提供するようです。
そして、お互いルールのもとに、苦しみを分かち合い、気持ちを解き放てるような支援をしていくようです。

ずっと寂しさを我慢し続け、誰にも言えずに心を病んでしまうことがないよう、これからもずっと逃げ込める場所があることは、とても意義のあることですね。

ただ、もしかしたらこういう場所に(追想の集いも含め)来れる方、行こうと思う方よりも、何も発信でずにいらっしゃる方のほうが心配なのかもしれません。
だれかが、どこかで声をかけられたいいのに。
それも、これからの課題ですね。

さて、私はそろそろ眠くなってしまいました。

誰もが、きっとどんなに笑顔の人でさえも、それぞれの苦しみを抱えているのだと思います。
誰にも、どうしようもない苦しみでも、いつか希望の光がさすのだと、そう信じられるといいのに。
みんな、がんばろうね。

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