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猪突猛進 鈴木研究室へようこそ

関西医療大学大学院 教授である鈴木俊明研究室の紹介や鈴木が日頃考えている教育・臨床・研究への思いを熱く語ります。

運動器疾患の理学療法評価について考える

2014-10-14 20:15:26 | 日記
本学学生の実習報告会のレジュメをみて考えることがあります。


例えば 股関節外転 MMTを行い問題がある場合に、「中殿筋の筋力低下」は決して正しい表現ではなく、「股関節外転筋力低下」が正しい表現である。実習施設よっては、MMTを行わずに筋緊張で表現している。
これも間違いである。私の専門は神経疾患の理学療法ではあるために、評価は動作からその原因の一つとして筋緊張をとりあげるわけである。神経疾患の理学療法評価、特に脳血管障害患者の評価では分離運動が困難であるためにMMTはできないことが多く、筋機能の異常性は筋緊張検査が有用である。
しかし、運動器疾患の理学療法評価では筋力の問題が重要である。また、MMTだけでは特定の筋を同定できない。その同定する方法として筋緊張検査が必要なのである。
この点を明確にしないと、運動器疾患の理学療法評価は大変にアバウトになる。我々教員は、その点を十分に理解して、養成校として統一した見解を示すことが大事になる。