すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

新刊『市民政治の育てかた』、新潟が吹かせたデモクラシーの風

2017年11月19日 | 本・雑誌・映画

日曜日は冬型の気圧配置で県内各地は例年より早い初雪に見舞われ、紅葉狩りも楽しまないうちにあっという間に冬景色です。

寒い日は外出を控えて読書が一番と、届いたばかりの佐々木寛著『市民政治の育てかた』(大月書店 1,600円+税)を手にしました。著者の佐々木寛さんは新潟国際情報大学国際学部(政治学・平和学)教授で、昨年7月の参院選挙や10月の県知事選挙では「市民連合@新潟」共同代表として奮闘された知る人ぞ知る方です。

本書のサブタイトルは“新潟が吹かせたデモクラシーの風”で、帯には「新潟の奇跡の立役者が明かす、<市民+野党>の処理のメソッド」、「観客民主主義」を超え、この国から政治を再生するためーー市民が見につけるべき「政治の手法」を実体験から語る!、これなら読まない訳にはいきません。

装丁デザインも明るい色合いで里山や風力発電などが描かれて、なかなかいい感じです。

第1章「新潟の奇跡」はいかにして実現したか、「3・11以降の新しい政治」では、現在参院議員の森ゆうこさんに一本化した市民と野党共闘の経緯など。第2章「原発再稼働を問うた新潟県知事選」、降って湧いた県知事選。第3章「新しいデモクラシーを育てる」、デンマークに学ぶ「エネルギー・デモクラシー」では内村鑑三の有名な演説『デルマルク国の話』も登場の充実の内容です。

また最終頁には、政治学者の山口二郎さんと「市民連合@新潟」の共同代表らとの特別座談会が盛り込まれています。私も昨年6月の参院選での森ゆうこさんの糸魚川総決起集会で佐々木先生と初めてお目にかかり、その後の県知事選にも関わってきただけにどの章も身近に感じます。

政治にはとかく目を背けがちな人が多い中で、市民政治のあり方を平易な言葉で、明るい未来を伝える本書に改めて敬服のお薦めの一冊です。