すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

ガザ紛争とハマス(ハマース)

2009-01-09 22:55:41 | Weblog
イスラエルの空爆と侵攻によって犠牲者も800名に達しようとしている。学校や国連のUNRWAの食糧援助車列も攻撃されるなど、イスラエルは人道を踏みにじっても、ハマスの軍事能力を徹底的に破壊することを選択したのだろう。国連安保理で即時停戦の決議が行われ、棄権のアメリカ以外全理事国の賛成で成立した。残念ながら実態的な紛争阻止能力はなく、イスラエル・ハマス双方から信用されていないエジプトの調停も限界がある。紛争は紛争の経済学というか、一種の紛争均衡すなわちもうこれ以上紛争が続けられないところまで続くのであろう。
日本も特使を出すそうだが、そもそもブッシュの忠実な僕とみなされている国の特使など何の価値もない。日本にはイスラエルにもハマスにも影響を与えることのできる人材は乏しい。そもそも、ハマスをイスラム原理主義集団とか、イスラム過激派みたいな表記をしている日本の報道を見ればわかるように、過激派のハマスがロケットを撃つからイスラエルの報復が止まらないんだみたいな麻生コメントが出てくるのも当然だろう。
しかし、ハマスは2004年地方選で大躍進し、最大野党というか、影の与党、ガザにおいては事実上の統治主体だ。それをいつまでたってもイスラム原理主義の過激派集団のような位置づけでは、和平への努力などに熱心になるはずがない。なぜ、ハマスが急激に勢力を拡大したのか?それは言うまでもなく、PLO内部の腐敗、統治能力の欠如そしてその裏側で、本来政府が荷なうべき福祉や教育などを担ってきたハマスにパレスチナ国民の支持が集まったということ。そもそもハマスはイスラム抵抗運動の意味であって、過激思想でもいわゆる原理主義でもない。しいて言えばイスラム研究者の表現するように、イスラム復興運動が適切なのだろう。
今日、レバノン側からロケットがイスラエル向けて発射され、着弾した。ひょっとしたら、この数発のロケットが形骸化した国連決議に代わって和平交渉への切り口になるかもしれない。いや熟達した外交なら必ずそういう方向に動き出すだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。