すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

ソウル市長選で朴元淳(パクウオンスン)勝利!

2011-10-27 14:54:49 | Weblog
連日TPP問題で11月APECで参加意志表明の回答を持っていきたい執行部と「TPPを慎重に考える」側との間で消耗戦が続けられている。昨日から二朝連続でオーストラリアから招聘したクイーンズランド大学のKinberly Weatherallさんによる講演会。知的財産権問題が主要テーマだ。そとにはJAのストライキのシュプレヒコールが聞こえる。何か1960年代をほうふつさせるようなシーンだ。午後に山田正彦教議員と外国人特派員協会でTPP問題への対応を説明。事務局側がおどろくほど多くの聴衆が詰めかけたが、後で聞くと、さまざまな大使館からも人が聞きにきたようだ。
唯一つの明るいニュースは、来年大統領選を迎える韓国で、首都ソウルの市長選挙が行われ、大方の予想を裏切って、友人でもある無党派の朴元淳さんが当選した!自分のことのように嬉しい。朴さんは弁護士出身で、日本でも「落選運動」の創始者として知られる。腐敗した政治家を市民の連帯で落選させようとした活動だが、最初は圧力が大変であった。最近は「希望製作所」というNGOを作って活動していた。過去に日本に国際文化会館のフェローで来ていて、そのころ知り合いになった。小生が当選(2000年)後、議員会館にも遊びに来て、「政権交代は本当にできるのか?」というから、5年で自民党政権は崩壊して政権交代が実現すると言ったら、目を丸くしていた。あとで、著作の中で「どこの国でも政治家は元気で楽観的だ!首藤はそういっているがとても自民党政権が崩壊するとは信じられない」と書いていた。
小生も落選中はあまり接触なかったが、2009年に民主党政権が成立したあと、ソウルであって、その旧聞を持ちだしたら朴さんも苦笑していたな。
しかし、ハンナラ、民主両党が党首を繰り出して選挙戦を戦ったのに、中年の無所属社会運動家が当選したというのは、韓国政治いや既成政党への反発が急拡大していつのだろう。いこれで来年の韓国大統領選挙も混とんとしてきたと思う。
ウオールストリートを占拠した若者や失業者の主張のようにまさに”We are 99%”なのだ。

カダフィ大佐の死

2011-10-22 22:32:36 | Weblog
この一週間は心に鉛を流し込むような話ばかりで、正直がっくり疲れた。TPP(太平洋経済連携)
関係の英語の資料はまったく頭に入らず、地元に帰ってきても気合が入らずに予定もいくつかキャンセル。いつもお願いしているマッサージ師が驚いて「どうしてこんなに背中が固いのですか」というほどだから、血の流れも淀んでいるのかな?
TPP問題はようやく国民的関心事になり、問題の構造も機械輸出vs農業みたいなものではなく、医療、食の安全、郵政、共済、知的財産権など日本の社会制度そのものの変容を迫られているという事実にマスコミもようやく気付き始めたようだ。しかし、それは昨年の今頃から何度も記者に説明していることなんだが...党のPTが業界ヒアリングを始めたが、送り込まれた業界代表がはたして自分たちに迫る危機に無知なのか、恐ろしく幼稚な決まり文句をだらだら読み上げるだけ。「これはあなたたちの死活問題なのですよ」と声を荒げたくもなる。
しかし、TPP問題はもう疲れた。それは資料の探求や会議の連続だからではなく、TPP推進側が誰もまともにTPPの生み出すメリットを説明できないという恐るべき現実だ。相手がそれなりに理論的な根拠を示して主張するなら、こちらも論破してやろうと気合がはいるのだが、ちょっと質問したらすぐ下を向いて沈黙してしまうような人間をあいてに、戦意を維持するのはつらく、猛烈にエネルギーを消耗する。
こんな中で起こったカダフィの死は「中東の春」騒動の終章というか、殺害現場からワシントンまで、人間の浅はかさ浅ましさを見せつけられているようで、絶望感の淵に沈みそうな精神をかろうじてこらえている。1969年(小生が大学を卒業して総合商社に入った年だ)にクーデターで政権の座についた青年将校カダフィ中尉(大佐というのは一種の政治家のあだ名のようなものだ)はアラブ民族主義のシンボルだったエジプトのナセル大統領を崇拝し、一時はエジプトとの国家統一を主張したときもあった。表面的には突飛な言動の裏でたくみな外交も展開し、紛争にあけくれる地域と部族を統治し、先輩のアラブ民族主義者がなしえなかった外国勢力の排除と石油の国有化に成功した老獪な青年政治家だった。確かに晩年には長期独裁政権の弊害が顕著で、極悪非道の独裁者として悲惨な最期となったが、その圧政や暴虐は西欧社会の操り人形のような抑圧者に比べれば、中東社会としては比較的自由で福祉的でもあったと思う。今回の中東の政変も、民主主義勢力伸長と同時に因習的な地域対立・部族対立がエネルギー元となっており、リビアにおいても差別されてきたキレナイカ地方の復讐の側面もある。今後いかにして再融和と国家再建に進むか、注意深く見守りたい。また日本としても傍観するわけにはいかないだろう。
....と思っているときに、サウジアラビアのスルタン皇太子死去のニュースが飛び込んできた。ようやく女性の自動車運転が認められるようになった状況に81歳という国際派皇太子の死は何を意味し、何をもたらすのか・・・何かもうくらくらする想いだ。

総理来たる!

2011-10-14 23:48:01 | Weblog
今日から党内のTPP議論が始まった。冒頭から山田正彦議員を皮切りに、推進派が圧倒的多数をしめるPT役員会の人事構成や議事の進め方に議論沸騰。官僚側も今回は多少実態に即した資料を出してきて、いまさらながらTPPの潜在リスクの大きさに多くのみなさんもことの深刻さをわかりだしたと思う。けっして新聞TVなどが紋切り型にとりあげる農業保護派対輸出促進の自由貿易派というような構図ではない。
野田総理が地元に入るというので、急きょ、港北へ。道がすいていて地域子育て支援拠点の「どろっぷ」に予定の一時間前についたが、それでも内閣府、横浜市、セキュリティのみなさんがごったがえしていた。施設の案内を受けて見学させていただいたが、創業者の苦労はよくわかると同時に、日本の子育て支援もようやくここまで進化してきたのかとうれしい思いだ。あとは質もさておき、量的に拡大して、本当にみじかなところで子育て世代が活用できるようにしたい。
蓮舫大臣つづいて野田総理が来園。こども抱き上げてリラックスした雰囲気だった。まあそれでもちっちゃな子供の顔と、野田さんの存在感ある顔とが対照的で、つい本人にもそう言ったら苦笑していた。若いお父さんお母さんと子どもを交えての対談は、園長のリードもあって、実に有意義だった。総理も、子育てまっさかりのお父さんには特に関心を持ったようす。殺人的な日程のなかで、よく横浜まで足を延ばしていただいた。その場にいたみんなにとって有意義な瞬間だった。

Stay hungry, Stay foolish!

2011-10-06 21:55:30 | Weblog
今日はまったく性格の異なった二つの事件がニュースの時間を占拠した。別に脈絡があるわけではないが、心に与えた影響があまりに対照的だ。一つはずっと報道され、長すぎる前奏曲のような小沢さんの裁判.....そしてもう一つは突然吹いた風のようなスティーブ・ジョブスの死。iphone5の発表がなかったので、何か問題があるとは思っていたけど、これがねえ...
アップルのCEOとは言っても、およそアメリカ企業の最高経営者らしくなかった。CEOという存在を超えたCDO :Chief Dream Officer とか、CCO:Chief Creative Officerというようなポジションの名称がふさわしかった。そのうち、ビジネススクールでそんなカテゴリーも教えられるかもしれない。
今日はずっとテレビでもとりあげられた彼のメッセージStay hungry, Stay foolish!というのも、前半分はアメリカのエリート経営者がよく言う言葉だが、後半のfoolishというのは、西洋社会のエリート像から外れている。どことなく東洋的で、漢字に翻訳すればきっと”愚”じゃなくて”狂”なのだろうと思う。
夜に有楽町のビックカメラを覗いたあと、銀座を通ったら、アップルのショップの前が黒山の人だかり、彼の死を悼んで花束がいっぱいだった。合掌は彼の死に合わない、今夜はハーモニカでも吹こうか。

再び始まったTPP論議

2011-10-05 10:14:09 | Weblog
311津波・原発事故以来中断されていTPP論議がニューヨークのオバマ大統領/野田総理の首脳会談から再びくすぶりだした。日本側は東日本震災t福島原発事故へのアメリカの協力への感謝、その一方で普天間基地・TPP・牛肉問題に関してオバマ大統領の一方的な要請があったと伝えられる。普天間基地移転は事実上困難な状況、米国産牛肉輸入も安易な緩和は許されないとすると、TPPという実態はよくわらないが、とりあえず議論に参加ということでお茶をにごそうというのだろうか?にわかにTPP交渉への参加論議が具体的な政治スケジュールに入ってきた。APECの11月12日―13日までもう1カ月ほどしか残っていないなかで、はたして日本がTPP参加した場合のコストベネフィット分析ができるのか、さらにその結果が民主党としても是認されるのか...疑問がつのる。昨日、「TPPを考える国民会議」の会合では休会中にもかかわらず50名程度の国会議員が参加し、関係業界からも参加者が多く、議員会館の一番大きい会議室が一杯だった。ともかく驚いたのは、外務省の説明資料なるものが、去年のレベルの「自由貿易はいいものです、やがてはアジア太平洋の自由貿易圏をめざします」みたいなもので、さらに経産省と農林水産省の責任者は一切、説明資料を出さなかったことだ。いままで、官庁側が説明資料を出さない説明会など体験したことがない。ペーパー一枚出せないほど、推進側もピリピリしているということか?会場につめかけた議員側からも、資料がないので、各分野の技術的な議論より、まずTPP参加にどいういうメリットがあるのか、国内にどういう影響がどの程度でるのか...というようなあまりにベーシックな質問しかでてこない。これらにも各省の責任者はまったく回答できなかった!党の執行部ではPTを作って意見集約を図るということらしいが、意見集約以前に、まず議論のベースとなるデータも示せないのではないかと疑心暗鬼になる。アメリカ側はどういうテーマで盛り上がっているのかと思うが、いろいろ聞いても、TPPにはだれも関心がないという。TPPなどより、オバマ大統領の再選自体に赤信号が点滅し始めたというのが現状なのだろう。そう考えると日本でのTPP論議はそもそもTPOがずれているんじゃないか?

秋来ぬと..金木犀の香り

2011-10-01 23:03:21 | Weblog
臨時国会がやっと終わって、風邪をひいた。無関係のようで相互に関係がある。短期の臨時国会を繰り返すと、すべての日程が窮屈になり、必要以上にうちあわせに苦労する。外交団も議員が永田町にいる間にパーティを開こうとするから、つぎからつぎへと独立記念日や○○記念の外交パーティあ集中して、掛け持ちで走り回っている間にすっかり消耗する感じだ。とても自宅にもどる暇ないと思ったが、思い切って深夜に高速を飛ばして帰宅。
それでも風邪薬の眠気がまだ残る朝に起きて台所で水を飲んだら、なんとも言えず甘い雰囲気に浸った。どうしたのだろうかと外を眺めたら、金色の小花のキャンバス...キンモクセイの花だ、そうか、もう秋なんだ。暖炉の上からも切り花がメッセージを送ってくる。しばらく甘い香りに浸った。雲も秋、そうもう待ったなしの毎日だ。ワインディングロードにギアをシフトダウンし、気合を入れてアクセルを踏もう!