すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

トニー・ブレア元英首相がイラク派兵について謝罪

2015-10-29 23:12:47 | Weblog
edition.cnn.com/2015/10/25/opinions/blair-iraq-war/index.html">

CNNはアメリカ政府寄りの報道ばかりで、いつもBBCとの対比でけなしていたが、このインタビュー番組では、トニー・ブレア元英首相がイラク派兵について謝罪するという場面を作りだした。この辺が同じ政府べったりとは言いながら、CNNも一応は国際ニュースになっていると思う。ブレアと同じようにブッシュの甘言に騙されて自衛隊をイラクに送った小泉氏のインタビューもやってもらいたいものだ。
ブレア首相はまた、米英のイラク進攻が結果的にISISを生み出したという批判にも、一理があると認める一方で、ISIS誕生には2012年のアラブの春も関係ある、ISISは一義的にはシリアから勃興したので、破たんしたイラク政策のせいとは言い切れないなどと抗弁していた。必見のインタビューです。

最低のTPP協定交渉「一般人」説明会!

2015-10-20 21:32:17 | Weblog

世田谷区民会館で、「TPP協定交渉の大筋合意に関する説明会」なるものが開催された。これは大筋合意後一般国民に対して政府が説明する初めてのもので、これから各地の商工会議所などの協力を得ながら全国で何か所か開催するそうだ。会場は1000名収容で、参加者はネットで申し込み、抽選で当選した人には招待メールを送るらしい。。。らしいというのは、小生は申し込んだが、何の返事もなかった。そんなにたくさん来るなら外れてもしょうがないかなと思って今朝、内閣府のHP見たら、空きがあるので、当日参加もOKとある。ななんだ!要するに来てほしくない人を落選させるシステムなんだ!!!
そこで知らん顔して会場で申し込んで入ることができた。審議官の話では、一生懸命呼びかけても来なくて、1000名の会場で、300人が農協などの団体、200人がマスコミと行政、一般市民は200人だけだそうだ!(大河原前参議の質問に答えて)
政府説明のあと、質疑になったが、大宗は農業畜産林業の団体役員の質問ならぬ、政府への予算等手当要請で白けた。ここは市民への説明の場ではなく、業界の陳情の場なんだな!
その中で、TPPでおなじみの松田よしこさんの専門的な質問が秀逸で光ってましたね。政府は正面からは答えなかったけど。。。
小生はカナダ選挙情勢が気になってましたが、iphoneで自由党のトルドー勝利のニュースに胸が鳴りました。TPP推進のハーパーが去って、いまごろオバマ大統領が祝賀電話のついでに、TPPを引き続きよろしくと圧力かけているのかな?

TPP大筋合意でも発効は良くて2年後、それが日本では今年にTPP対策名目の補正予算だって

2015-10-11 20:20:43 | Weblog
TPPアタランタ会合では「大筋合意」となった。それすら、内容は本当に合意したのかどうかわからない。その先に最終合意その先に協定文作成、その先にオバマ大統領署名それから延々とアメリカ議会での議論が始まり、成立すると仮定しても常識的には2017年に入ってから、すなわちオバマ大統領の任期中には発効しない。
。。。。ところが、日本ではもうTPPによって苦境に追われる農業に対して2015年最大規模の補正予算を組むらしい。。。それは「補正」予算ではなく「虚偽」予算、「架空」予算でしょうに。実態に基づかない予算が組めるなら、もう国会で予算審議など意味がない。これは腐敗ではない、狂気だ!
http://mainichi.jp/select/news/20151011k0000m020080000c.html

「龍頭蛇尾」を必死にでっちあげるアタランタTPP会合

2015-10-05 11:52:55 | Weblog
「龍頭蛇尾」を必死にでっちあげるアタランタTPP会合
延々と延長され、結論は結局「TPP合意をでっちあげることに合意」ということになることが明らかになった。その発表は現地の明日になるとのこと(日本は今夜)。この結論は最初から明らかなので、先月末に小生がTPP阻止国民会議に出したメモを添付しておきます。
今回のアタランタ会合が日本のため、日本政府がTPP合意をダシに臨時国会で補正予算を組み、ばら撒きで来年の選挙を優位に展開するためだ。。というシナリオはほとんど各国の末端まで浸透した理解で、「日本が一人負けになるのはあたりまえだよね。唯一利益を守れる自動車まで譲って、一体TPPに何のメリットがあるんだろう???」と不思議がられた。
この三日間、三通も合意成立と不成立の予定原稿を朝までかかって書いたが、無駄になった。結論は最悪の「虚像の合意」に対するコメントになりそうだ。

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“龍頭蛇尾に終わるかTPP?”
―アタランタ(最終?)閣僚会合監視に出発の前にー 
2015年9月29日
                   TPP阻止国民会議事務局長
                    首藤信彦(すとうのぶひこ)

主席交渉官会合に続いて9月30日より10月1日まで「風と共に去りぬ」で有名なアタランタでTPP閣僚会合が行われる。菅官房長官が「不退転の決意」で大筋合意を目指すと記者会見で述べているが、それは実は、オバマ政権下ではTPPは成立しないと言っているに等しい。甘利担当大臣は出発直前のインタビューでは「大筋合意に導くべく...」とさらに後退した。
大筋合意(braod agreement)程度では、TPP協定案までさらにこれから最低でも半年かけて協定文策定に必要な完全合意をめざして一層の努力を傾注することになろう。
しいて今回目論むとしたら完全合意(今回ではまったく不可能)だが、万一天佑があってそれが成立したとしても、TPAの90日ルール規定では大統領は来年にならないとTPP成文協定にサインすることができない。しかし常識的には、すでに活況にはいっている次期大統領選挙の最中にこんな欠点だらけの協定を公開できるはずがない。
 小国のうちには閣僚を送らないところがある。シンガポールやブルネイだ。ニュージーランドは酪農製品交渉が進展しなければ閣僚は出席しないと、アメリカを牽制している。それはアメリカにとっては極めて痛い。なぜなら、ニュージーランドに門戸を広げるとしたら、その分、アメリカは自国の酪農産業の圧力を受けて、カナダの門戸をこじ開けなければならないからだ。一時、カナダのハーパー首相がそうした可能性を示唆したとニュースが駆け回ったが、カナダ政府は即座に否定して火消しに躍起だ。10月19日の選挙で劣勢が伝えられるハーパー首相が10月1日に国民を怒らせるような自暴自棄な行動にでるとは信じがたいところだ。
 カナダには、自動車・部品原産地基準問題でも大幅譲歩してもらわないと閣僚会合は進展しない。自動車原産地問題はメキシコがいちゃもんを突けたと報道されるが、実際の主役はカナダで、そしてまたその裏にはアメリカ自動車労組がいる。何より、カナダにとってはNAFTAの目的を守るという大義名分がある。ここでアメリカが日本に譲るというなら、NAFTAの再交渉にも力が入る。
 生物薬剤をめぐるIP問題、自動車原産地、酪農問題の三分野が大きな障害で、それさえ妥結できればTPP合意が成立するというのは、日米関係者の腹だろうが、すくなくともその合意が協定文として結実し、アメリカ議会に提示されるためには、これまで公式には議論されていなかった、通貨操作、環境、人権、民族、イスラム法問題などの、深刻で激しい対立を生むイシューの障害が待ち構えている。
 それでは今回のアタランタ会議の目的は何か?それは要するに「蛇の尾」を創ることである。TPP交渉はこのままでは、アメリカ大統領選のカオスに巻き込まれて一切進まなくなるが、それ以上に苦境に立たされるのは、「TPPが当然、成立すると目論んで、つぎつぎと手を打ってきた国や業界」である。日米二国間協議はTPPに組み込まれることが前提で、そのTPPが宙に浮いてしまえば、二国間協議の結論自体も消滅する。そこで、両国政府と特定の産業は、どんなに中身のないTPPでも、ともかく頭と尻尾だけそろえて、TPPは仮想ではなく、必ず成立すると言い続けて、その間に自分たちの利益を確定しなければならないのである。
 今回のTPP閣僚会合はあきらかに、日本が誘導してきた。日本での臨時国会、予算編成時期そして来年の参議院選挙を踏まえたぎりぎりのスケジュールが9月末のこの時期であり、アメリカとしてはむしろ国連総会、ローマ教皇、習近平国賓訪問の集中するこの時期は避けたかったろう。
 その日本がTPP閣僚会合に持ち込む提案を、それぞれ複雑な利害相関関係を抱えた各国がすんなり認めるのか、あるいはまたハワイ会合で突発したようにメキシコのような伏兵が登場して会合を流すか、その結論は二日後に出て、各国閣僚は風と共に(gone with the wind)アタランタを去っていく。

 私は民主党政権時代そして落選後もTPP問題を実に5年間監視し、また安易にTPP参加を選択する政府とは闘ってきた。今回「最後の閣僚会議」と安倍首相が言明するので、およそ最終会合になり得ないアタランタ会議でどのような結論を導きだすのか、監視に赴く予定である。
 TPPはアタランタ会合で龍頭蛇尾に終わっても、形式的な合意で手打ちしても、あるいは空中分解しても、それで終わるわけではない。グローバル化した貿易の新ルールというTPP構想を生み出したニーズは不変であり、そこにおいて衰退するパワーを維持したいというアメリカの強烈な意思も健在である。
 はたしてアメリカはTPPver.2を持ち出すのか、TiSA(サービス貿易)協定を先行させるのか、中国を含めたRCEP構想に接近するのか、それに対して各国とその市民社会はどう対応すべきか、それらはすべて今回のアタランタ会議の「終わり方」にかかってくる。そうしたPost Atlantaの動向も、今回の監視で、各国NGOとよく話し合ってきたい。