すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

TPP最終(?)それとも最終閣僚会談?:ハワイ会談と歴史の怨念

2015-07-23 10:30:24 | Weblog
”歴史の怨念:ハワイでTPP会議”
 結論から言えば、TPPはもうとっくに漂流している。アメリカはある時点からは、二国間交渉によるキャッシュ獲得に交渉目標を転換しており、日本以外は皆それを理解して自国権益防御のために脇を固めている。。。日本を除いては。。。
 さて、ハワイでのTPP会議開催。一部しか知られていないが、歴史の浅いアメリカはこうした会議に歴史的なメッセージ性を求めている。大統領選が事実上スタートしている状況で、これがオバマ政権最後の閣僚会議になるかもしれないということで、オバマはハワイを会合場所に選んできた。
 ハワイはアメリカではなかった。完全に取られたのは米西戦争だ。フィリピンを手に入れるために、そしてアジア太平洋支配の基地としてハワイが決定的意味を持った。漫画の右下にあるサンドイッチ諸島というのがクック船長命名のハワイの旧名だ。
 TPPとの関連では歴史はもっと雄弁に悲劇を物語る。1875年にハワイはアメリカと互恵条約を結び、砂糖の対米輸出は無関税となり、当時ハワイのほぼ唯一の産業であった砂糖産業は大変な利益を得る。ところが1890年アメリカ連邦議会は突然、関税法を制定し、アメリカ国内砂糖産業を優遇し、モノカルチャー化していたハワイの経済は一瞬で壊滅する。そこにはもうアメリカの領土の一部になるしか選択肢は残らなかったのである。
 最後のハワイ女王は名曲カイマナヒラだけを後世に残した。