すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

”なんじゃらほい”のオバマ一般教書演説

2014-01-29 13:09:30 | Weblog
昨年12月にTPP交渉が頓挫し、4月のオバマ大統領アジア訪問が迫りくる中で、TPPに関してどいう形で触れるのか、その趨勢を占うために、今日は時間をとって自宅で一般教書演説(State of Union)を固唾を呑んで見つめていた。アメリカの貧困や失業や医療保険や移民問題などがだらだらと触れられるが、いつになっても外交問題に移らない。やっと出てきたらイラン問題でこれも泡の抜けたサイダーみたいな話。シリアだけでなくエジプトやパレスチナや中東全域に責任があるアメリカ外交なのに、ほとんど言及なし。4月にはアジア歴訪のはずなのに、触れないのは、ひょっとしたらアジア歴訪もキャンセルになるのか?と疑念を持った。安全保障はともかく経済問題が重要だろうと思うが、最初にアメリカ企業は中国でなく、アメリカに投資するようになった....みたいな自分褒めの話。アジア太平洋地域の成長を梃子にアメリカの中小企業に職と高額報酬を期待できる分野を確保と明言した昨年の一般教書演説とはまったく様変わりだ。
一般教書演説の直前にカメラは執拗にUSTRのフロマン代表の顔を追っていて、こりゃあ、ここで必ずTPP推進を明言すると思ったが、1時間を越す一般教書演説もアフガン帰還兵士の美談賞賛で終わり。かって見た一般教書演説の中でも最低ランクの演説だった。
まあ、TPP促進を明言しなかったのは、今後のTPPの行方を占う上で重要なポイントだ。ひょっとしたら、オバマ大統領自身、TPP推進にはもう期待していないのかもしれない。
State of Union演説というのは、本来、議会にくることのない大統領がわざわざ政策方針を説明に来るのだから、議会側はすきでも嫌いでも一応、つまらんテーマや見栄でも党派を超えて、スタンディングオベーションで立ち上がって拍手するものだが、今回は座ったまま厳しいかをを見せたり、雑談でからかっているような議員の姿も映し出されていた。こんな雰囲気の中で、オバマ大統領は何を思ったか、対策や対応を遅らせているのが議会だから、議会に依存しないで大統領特権で先に進める...みたいな話をしている。これじゃあTPPどころか、国内経済政策も早晩立ち行かなくなると、他人事ながら心配してしまった。
いつも、大統領への熱い目線と反応で支持を表す一群の制服軍人が、無表情で黙りこくっているのも不気味だった。オバマの外交・安保政策に賛同していないのだろう。その制服組が立ち上がったのが、次の場面だ。オバマ大統領が、アフガニスタンからの帰還兵に仕事を見つけ、負傷兵に医療をほどこし、そして「精神面でダメージを受けた兵士にも医療を」というところで、将軍連がいっせいに立ち上がって拍手した。「ああ、メンタルな医療が必要な兵士が多いのだなあ、それが現代軍の深刻な問題なのだなあ」とつくづく思い入った。
演説終わってオバマ大統領が握手に回っているあいだ、テレビカメラはフロマンの姿を追わなかった....

ほら始まった、ODAの盗用

2014-01-24 09:43:28 | Weblog
安倍政権はODAを企業の海外活動に直結させるようだ。それならODAじゃなくて、Official Profit Supportと名称変更してほしい。国民の中にはまだ、ODAが貧しい発展途上国の飢餓や疫病対策のためだと信じている人も多いはずだ。すでにブッシュ政権でコンドリーサ・ライスが訪日して、これからは日本のODAはアメリカの目的のために活用する...みたいなニュアンスで、どうどうと宣言していらい、ODAはかなりアメリカの政治・外交・軍事目的に盗用されてきたが、これからは多国籍企業や日本企業の海外展開のために堂々と使われそうだ。そして工場はかろうじて残っている中堅企業まで海外に立地をもとめ、そこで生産された商品を日本国民が輸入して消費する。「安くなるのが、何が悪い、そのために税金でそれを支援するのが何が悪い?」という声が聞こえそうだ...
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014012300925

古今東西、反対のある土地に基地を造る馬鹿はいないー稲嶺氏名護市長選勝利に想うー

2014-01-19 23:22:25 | Weblog
普天間基地の辺野古への移転に決定的な影響を与える名護市長選で稲嶺進氏が勝利。むろん、安全保障は地域の安全というより、国家の存亡がかかる問題で、国家中枢の関係するところだから、基地は政府がどこにでも作ることができる。実際、戦争となれば、住民や地域への考慮より、安全保障上のプライオリティが優先される。しかし、平時に、地域に反対のあるところに基地を造る馬鹿はいない。基地はどこでも、地域と一体化し、地域住民の圧倒的支持や協力を前提に作られている。というのは、基地はあまりに脆弱であるからである。穴一つない滑走路、ハンガーで羽を休める航空機、体と心を休める軍人が、いつ何時何者かが襲ってくる可能性のあるところを基地にするはずがないのである。アメリカ軍も韓国ソウル近郊に軍事基地を持っていたが、高校生などが紙飛行機を投げ込む運動を始めると、やがて撤収に踏み切った。むろん、紙飛行機が怖いわけでも、それだけで撤収したわけではない。しかし、紙飛行機が石になり、シュプレヒコールがタイヤを燃す黒煙に変われる可能性があれば、もう配慮・斟酌の余地はない。フェンスの中に入ってきた数十人の民間人に警備兵が銃を乱射することは物理的には可能だが、現実的には政治的にも軍事的にも選択肢ではありえない。だから、激しい紛争のある地域に基地は造らない、いや造れないのである。
そう考えると、この安倍政権そしてその背後にいる軍事オタク的政治家と官僚と権益ゴロは要するに、安全保障そのものがわかっていないと断ぜざるを得ない。もし本当に、何が何でも辺野古へ基地を造りたいなら、仲井真知事懐柔程度ではなく、住民の8割ぐらいから賛同を得る努力を傾注すべきだったろう。まさか人気者政治家を選挙応援演説に送り込んだり、巨額補助金をちらつかせれば賛成に転ぶと真剣に考えたのだろうか???沖縄の基地問題は、世界のそれと違うのは、政府の必死さも実は何もないことなのだ。基地はガダルカナルのように何万という将兵を犠牲にしても維持したいのではなく、結局は別の理由あるいは公共土木工事の視点で取り組んでいるとしかいいようがない。稲嶺さんの勝利は地方の一つの勝利だ、しかし、これは確実に終わりの始まりとなった。

成人式に思う

2014-01-13 21:15:49 | Weblog
新横浜の事務所に向かう道路がやたらと混むと思ったら、振袖と警官の一群が目に入って、ようやく今日が成人式の日だと気づいた。そういえば、現職のころは成人式にあわせて街宣もやっていた。場所も警察の指定で、機材なども厳しく指示。熱心なのは共産党・社民党で自民党はやらない。チラシをいくら配っても受け取って貰えなかった。当たり前だよな。。。振袖で受け取る人はいないもの。
しかし、この成人式は年をおうごとに虚飾化し無意味化しているんじゃないだろうか?昔は(昔はと言い出したら年かなあ)女性も普通の格好で、中学や高校卒業で仕事をしていて、これで一人前みたいなホンとに大人の仲間入りという雰囲気だったけど、今は何かこどものファッションショーみたいな感じ。まあレンタルだからしょうがないのだろうけど、振袖もまた歩き方も合っていないから、まるで布団を引きずっているな女性もいて、なんだろうかなあ...と思ってしまう。社会を担う若者がどんどん幼児化して、唯一の役割が消費者というそんな状況が進行している。こんなことを言うとまた、中高年のいやみみたいだから、ぜひ若い人の中から、あたらしい若者文化を主張していってほしいものだ。

4円の領収書を求める普通の人:これがアベノミクスの成果なのか?

2014-01-12 10:01:31 | Weblog
「先生、日本はこれからどうなっちゃうんでしょうか?4円の支払いでも、領収書くれって言うんです!」
ワイシャツのクリーニングはいつも近くの格安ショップでお願いしている。出勤前のサラリーマン・OLの皆さんが洗濯物を預けて、夕刻に帰宅前に受け取って帰るパターンだ。小生が行く時間帯はちょっと遅くて、主婦層のあと、ちょっと客がまばらになったころかなあ?そんなタイミングだから担当の方(しょっちゅう人が変わるからたぶんパートなのかなあ)とほんの数秒会話することがある。
冒頭の言葉はその中で聞いた。クリーニングだけでなく、外食チェーンでも、コンビニでも、今はもうほんとに社会全体がかっての工場のように一円一円コスト削減というか、その分、人間に負担を負わせてコストを切りはがしていく感じだ。この店でもスーパーと同じように受け取りのビニールの袋を自動的に出すのをやめて、出すときには4円追加するようにした。小生は通常は、そのままワイシャツを抱えて帰るのでこれまでも必要と思わなかったが、駅から遠い人は不便だろう。一円を馬鹿にするわけではないが、正直言って、4円は大きな負担ではないと思う。ところが、袋の4円を加算すると、4円の領収書をくれという人がけっこういるということだ。それは洗濯物の受け入れ、受け渡し、料金の授受をしている窓口には大変な負担となるから、係りの人の愚痴もよくわかる。
しかし、これが今の日本社会の実態ということだ。黒マグロの初セリ価格が前年比で5%まで激減した!という驚愕ニュースがあったが、これが実際の庶民感覚なんじゃないだろうか?今年はアベノミクスの成果が表れると安倍総理が宣伝しても、社会ではもう「こりゃ大変な時代になるから、一円でも切り詰めなければ...」と多くの人が考え出したということだと思う。
一円でも安く、一円の支払いも拒否するという社会はけっして「倹約」の消費者行動ではない。むしろ消費者の不安感を表現するリスクのサインだろう。それは、それ自体、消費を縮小させ、現実の景気後退をもたらす。総理は無責任にアベノミクス・アベノミクスと得意げに吹聴してまわっているが、政府は、いや官邸は今の日本の本当の経済状態を把握しているのだろうか?




マグロ初せり大暴落と東証大発会暴落の差は何を意味する?

2014-01-07 00:08:21 | Weblog
仕事はじめの6日、東証で麻生財務大臣を迎えて大発会。担当大臣が自分の責任で株価を上げると宣言して鐘を得意げに鳴らしたが、現実の市場は382円の大暴落となり、1万6千円を割り込んだ。安倍総理がアベノミクスで今年は大成長と公言し、財務大臣が自ら東証の会場で、そのアベノミクスを私が支えて(政府の金をつぎ込み、日銀から金を流して???)株価をあげるとでも言わんばかりの発言に、割れんばかりの拍手があっても、その拍手の打ち手は同時に、部下に売りを指示していたのではと思う。
株価が下がったら、とたんに新聞テレビがこれは「年末にあがり続けた株価で、投資家は利益確定のために売った...」というようなご丁寧な説明。そうじゃないだろう。1万六千円の人為的な株価高騰を信用することができないから、投資家は売り浴びせたにちがいない。
それでも値下げはたったの1%だ。しかし、この数字だって、一方では市場関係者が財務大臣出演のために必死で株価を盛り立てた結果だろう。ほんとの市場の評価もっともっと冷え冷えとしたものにちがいない。
証拠は?それは前日に行われた築地のマグロ初せりだ。昨年は初せり価格がなんと1億5千5百40万円!それに比して、今年は736万円。それだってまだ高いと思うが、暴落率はなんと95%だ。これがほんとの市場の評価だろう。これまた新聞テレビは「今年は中国関係がセリに参加しなかったからだ..」なんて、中国悪者説(なんとなく悪いのは中国絡みだ)を活用した説明をしていたが、そうじゃないだろう。市場関係者は盛り場やお茶の間の警戒感を敏感にかぎとめて慎重になっているということだろう。
さあ、アベノミクスが安倍総理のいうように奔馬となるか、それとも色々やっても1%のマイナスに終わるか、それとも大暴落となるのか、その実態が明らかにされるのはもうすぐのような気がする。

あけまして おめでとう ございます!

2014-01-01 15:48:21 | Weblog
毎年、一月元旦にはこういうことになっているが、だんだんこうは言いたくない気分の時代になりつつある。何か毎年、ずるずるとこの国が沈みつつあるように思えてならない。それにしても年末の証券取引所はひどかった。安倍総理が年末に大納会の取引所へ来て、終了の鐘をならすのだが、総理が来ることがわかっていて大暴落させることはできないだろう?だから、これだけ前途に暗雲が立ち込める状況で、総理が取引所に来て株価が下がらないことが、この国の「いかがわしさ」を示している。
世界に目を転じれば、そこは極近の3ヶ月だけで、とてつもなく危険なフィールドが広がっている。アラブの春が、アラブの砂嵐になってしまった中東。ビルゲイツまでひきつけたアフリカの将来性は跡形も無く、マンデラの死はアフリカ再生へのエールではなく、アフリカ期待への挽歌となってしまった。そして東アジアに立ち込める暗雲は、世界からはひょっとしたら火薬庫からの煙じゃないかと疑られている。その中でのんきにゴルフと参拝をくりひろげる総理というものは、いったいいかなる職業の人間なのだろうか?
ともかく、今年は大変な年になる予兆があり予感がある。午年だそうだが、「馬」は白川静の古代金文分析では「武」と類似した発音、内容だったという。心して正月を送りたい。