すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

伊藤氏死因は失血死

2008-08-31 21:52:30 | Weblog
伊藤和也氏の遺体が日本にもどり、司法解剖が行われたが、死因は大腿部における二箇所の銃創で、死因はそのうち一発が動脈を切断したことによる失血死だと判断された。これまで各紙に載せられた30発の銃痕、頭部に銃創、顔面を石で強打されたなどの情報はどこから発せられ、どれだけ裏が取られて報道されたのか?現地情報の錯綜は当たり前だが、それをそのまま紙面に掲載する日本のメディアのレベルの低さに愕然とする。近距離から7.62ミリ弾のカラシニコフの直撃を頭部に受ければ、あるいはまた30発もの弾丸を受ければ、もう原型をとどめないほどのダメジが遺体からわかるはずだが、デスクにはこんな基本的な情況もスクリーンできないのだろうか?
タリバン犯行説含め、実行犯の目的と組織も憶測の範囲を超えていないのでは?サンケイ新聞だけがパキスタンの勢力が140万円程度の成功報酬で武装集団に請け負わせという記事を載せているが(ウエブ版)、それが事実なら、NGOや日本の援助のあり方まで議論が膨らんだ今回の事件には美談を超えた別な視点が浮かび上がるだろう。イラクでの犠牲と同じく、問題を幼稚なレベルで理解し、あるいは美談化することがこれまでも行われてきたが、いいかげんに政府もメディアもそして国民も自分たちが置かれている世界の現実を直視し認識してほしいと思う。

ジェットコースターの頂点

2008-08-30 22:34:29 | Weblog
南オセチアからアフガニスタンそしてついにタイの政治状況が極度の緊張を示している。まるで西から東に危機風が吹いているようだ。紛争が中東やアフリカのものだと考えている人はアジアを旅行してみるとよい。この数年、東南アジアの政治情勢はまるで火山の噴火直前のような情況を示している。リスク要素がそのままリスクの発現に発展しないのは、アジア独特の社会システムの安定性というか、安定化機構というものが作用しているのだろう。今年だけでも、ネパールにおけるマオイストの勝利と王政廃止、ミャンマー・フィリピンの騒擾、これまで逮捕され政治プロセスから排除されてきたアンワル元副首相の復帰、いずれも大混乱をもたらしかねない変化が起こっている。
こうした世界的な政治・社会の変容を受けて無名の候補者が、本命中の本命であったヒラリー・クリントン氏を押しのけて、ついにアメリカ大統領選の民主党候補者となった。
今の情況というものは、まるでジェットコースターのコースの頂点のようなものだ。すべてを見渡すことができるけど、次の瞬間の絵はみとることができない。これからの世界はこうなると思う。世界はそのことをしっていて必死で生き残りをかけて動き出している。一人日本だけが、つかの間の平和を当たり前のことのように鼠の争い。福田総理の能天気な含み顔を見ると、そう思ってしまう。落下していくコースの中でどんな引きつった顔を見せるか見てみたいものだ。

一寸先はビックリ箱

2008-08-29 22:51:25 | Weblog
政治は「一寸先は闇」と言い、また常々そう思って心を引き締めているが、今回の姫井議員の翻意にはただビックリ!まさかのまさかで、政治には私などには想像もできないサプライズが隠れていると、しっかり勉強させていただいた。まあ差別的な評価となるのを恐れず、多少科学的なことを言えば、政治家という職業における男女行動心理格差みたいなものがあると思った。それを見る側にもそういう面があるかもしれない。ついまあ彼女も健気に頑張っているのかな..なんて甘い気分になってしまう人も多いのではないか?私?さあどうでしょうか?
今日はまた失言キング太田農水大臣の事務所経費説明があった。複数の政治団体は公開度もチェックもきびしい資金管理団体につけられない経費を捻出するためにあるのだから、領収書などがあるのが異状で、精査すればいくらでも問題が明らかになるだろう。いくら領収書のあて先がその事務所でも、電話FAXをはじめ、経費がそんな私邸からでてくるのがオカシイ。人件費にいたっては、対象人物にインタビューすれば、たちまちボロガでてくる。その人だっていまごろ所得税追徴といわれても困るだろう。この問題はおそらく週刊誌で取り上げられて、福田政権の足をずるずると引っ張ることになろう。まあ早くおやめになるのが、福田政権のためだと思う。さもないと、福田政権だけでなく、政治そのものに国民はネガティブになってしまう。それがもっとも恐れなければならない事態だと思うな。

政治家になりたい者の品性が悪すぎる

2008-08-28 23:24:51 | Weblog
民主党参議院議員の三名:渡辺秀央、大津康弘、姫井由美子氏がこの時期に党を離脱して新党を作ることになった。党名は「改革クラブ」と聞いて噴出しそうになった。「怪閣クラブ」ぐらいがいいんじゃないか。
彼らもそれなりにワル知恵を働かして、政局が緊張し、いよいよ政権交代が生まれる総選挙が近いというこの時期に、最も高く自分を売れるタイミングを選んだのだろう。イソップ物語に出てくるコウモリのような人物と一緒になって5名の新党をつくるのだが、この5名というのがミソで、これによって一応、会派となって年末の政党交付金を獲得しようということだろう。一般議員は党にそのほとんどを上納し、党はそれを新人育成や党勢拡大に使うのだが、こういうミニ会派を作ると4000万ぐらいを直接ポケットに入れることができるという。
もともとコウモリやスパイのような人物、ただひたすら恥ずかしくなる醜聞が売り物の人物などだが、自分の名前や党の名前を書いてくれた選挙民の意思を裏切ることに良心の呵責はないのだろうか?
日本政治がなぜこれほどひどいのかを研究してきたが、最近ようやくたどり着いた結論は、今のような尊敬できない政界情況で、それでも政治を目指す者の意図と品性が悪すぎるということだ。日本の今の政治学は所詮、欧米の政治がモデルで、ギリシア・ローマをモデルとする民主主義に絶対的価値をおいているが、日本では政治システムや選挙制度を変えても機能しない。これまで東洋の政治学が政治システムでなく、むしろ為政者の道徳向上や正義になぜ傾注してきたのか、それはまさにこうしたアジア社会の弱点を知っていたからであり、それを克服するために優れた素養を持った政治家をそだてようとしたのではないか?
それがわかれば、いまなぜお笑い会社の芸人がつぎつぎ政治番組を立ち上げたり、選挙に出てきたりするかよくわかる。
テレビを消し、これまで軽視され蔑視されていた江戸期の政治思想やモデルとなった政治家のことをもう一度勉強しなおしてみよう。

アフガニスタンでのNGO犠牲

2008-08-27 23:44:01 | Weblog
アフガニスタンでタリバン系武装グループに拉致された伊藤和也氏の死亡が確認された。第一報では足と頭部を撃たれているとのことだが、そうすると、グループの逃走途中あるいは逃亡しようとしたところを射撃されたのではと思う。犯人が撃ったのか、警察との銃撃戦で警察側の弾が当たったのか、真相はわからない。おそらく警察側は自分たちの責任は認めないだろうから、一応、武装グループによって射殺されたということになろう。
こんなにアフガニスタンに貢献しているのに「なぜ?」というようなコメントが出ているが、世界各地で毎年何十人と死んでいくボランティアを見ればわかるように、現地に貢献し、地域の住民に愛されていることは、必ずしも攻撃され場合によっては虐殺される善意の人々の免罪符にはならない。そもそも誰かを助けるという行為自体が、別の誰かを苦境に追い込む場合もあるのであって、誰かを愛し愛されることは、別な誰かを憎み憎まれていることと同じことなのである。乾燥地で一本の井戸を掘って、村人に感謝されることは、別の村の井戸の水が枯渇して何百人の命を危険にさらす可能性すらある。
だから、紛争地の援助活動は、何よりも援助者の価値観が大切であり、そこから生まれる正義感を地域で共有しなけれならない。それは簡単ではない。結果、すべての善意の行動は批判され、攻撃される可能性があり、だからこそ援助にたずさわるものはプロフェッショナルな危機管理能力を持つことが前提となる。はたして31歳の若者にそこまで期待することはどうであろうか?その意味で、ペシャワール会自体が伊藤さんの死に責任を持つことは当然だが、これを機会にNGOや多くの犠牲者を出したJICAなども活動とリスクに関して、真剣な議論をしてほしい。逆に、危険だから日本人は退避しろという外務省的スタンスでは何の解決にもならない。
しかし、そもそもそうした活動の場は、武装勢力だけではなく、疫病やちょっとした怪我からの感染や、HIVやマラリヤなどがごく普通に蔓延し、そして何よりも自動車事故のリスクのきわめて高い地域である。銃で撃たれて死亡するよりも、自動車事故で死亡する確率は何十倍も高いのではと思う。
その意味で、紛争地で活動するNGOのスタッフの事故は確率の問題である。もっとリスクの高い活動たとえば地雷除去では、どんなに準備を徹底しても対人地雷2000個に一個の確率で暴発事故が発生するという。
したがって、紛争地で活動する人はそれぞれが何らかの覚悟を持って行動するのであって、おそらく伊藤さんもそうした覚悟の人だったのだと思う。小生もかって何度か、この橋を渡ったらもう戻れない、この丘を越えたらもう帰れない..と思いながら丘を超え川を渡っていった。そう考えれば、死んでいった伊藤さんと、いまキーボードをうっている自分との間にどれだけの差があるのかとも惑う。
死亡の第一報に接し、複雑な思いを抱えながら、伊藤和也さんの冥福を祈りたい。

予兆:起きるときには起きるものだ!

2008-08-26 23:12:57 | Weblog
 アフガニスタンで日本NGOのペシャワール会のスタッフが拉致された。中村哲代表も会の活動も良く知っている。世間で伝説化されているほどすばらしい仕事をしているわけではないが、それでも現場で、政府の支援もなくしっかり活動する日本のNGOとしてその存在は大きい。拉致したグループが何らかの政治的主張を持ったものか、あるいは地域の小競り合いのとぱっちりなのか、それとも第三国の諜報機関がからんでいるのか、実態はまだ何もわかっていないが、一刻もはやく解放してもらいたいものだ。ただ、この事件は独立した事件かもしれないが、カブールからイスラマバードとの間で発生する事件はその背後に西アジアの巨大リスクの増大があることをわすれてはならない。もしそうした紛争のマグマと接点があると、この拉致事件はとんでもない重大問題に発展する可能性がある。
 北朝鮮は核施設の無力化プロセスを中断した。アメリカが北朝鮮のテロ指定国解除をおくらせたことへの報復であろう。まだこれからはてしなく続けられるであろう両国の駆け引きの最初の事例だが、楽観できるわけではない。
そしてロシアがついにその潜めた覚悟をあらわにした。アブハジアと南オセチアの一方的な独立承認である。これは1980年代からたえまなく続いていた冷戦構造崩壊そしてソ連邦崩壊ムーブメントの最初の逆流現象と考えるべきだろう。オリンピックの最中で日本ではほとんど報道されておらず、たまに取り上げられたニュースでもデタラメなコメントが述べられていたが、この事例は冷戦後平和の崩壊の兆候すくなくともその予兆であることは確かだろう。
 これだけの事件がたった一日の間に起こったということは信じがたい。

水面下に何を調整?

2008-08-25 23:52:43 | Weblog
新聞記事によれば臨時国会は予定通り9月12日開始、会期70日だそうだ。そんなことなら、何も競技しなくても、えいやっと決められそうなものだ。何を秘密裏に調整しているのかね。あれをたてればこれが立たずというような不安定な変数調整で明け暮れているのでは?テロ特措法延長を考えれば70日の会期で済むわけがなく、あとは二度可能な会期延長で1週間を争って自民公明のつばぜり合いが、国民疎外のなかで行われる。もうまともな政治じゃない。しかし、それを可能にしているのが、小泉選挙で成立した与党絶対多数だから、どうしようもないね。
最近、桜田門外の変に興味がある、というのも、これまで中学の教科書で教わった「史実」と現実の事件とはかなり差があり、要するに第一次倒幕運動だったということもわかった。そして中居屋重兵衛のような歴史から忘れられた天才の姿も少しずつ明らかになってきたと思う。何よりも桜田門外の事件と実際の明治維新とのあいだにはほんの数年しかないという事実に驚愕する。歴史の転換点というものはそういうものかもしれない。
夕刻にNGOの運営委員会。NGOも自分たちのことだけでなく、歴史的意義や世界政治の現実を踏まえて厳しい対応をしてもらいたいものだ。

天候がいまいち気分もいまいち

2008-08-24 15:58:16 | Weblog
残暑厳しいよりシトシト雨の今日のような天気の方がありがたいし、電気代の節約になるが、出かけることも中途半端でなんとも気合の入らない一日となった。天気がぐずつくのも政治のせいとは言わないが、自民党の有力議員がつぎつぎと福田首相批判を公然と展開し、公明党が尻馬にのったように首相を馬鹿にした発言を述べるようになってなお、福田首相はなぜ沈黙を守るのか?!オリンピックの野球監督じゃないが、「これが政治です、申し訳ない」みたいなこと言ってあとは自分の殻に閉じこもっているのだろうか?何か批判に打たれ強いというのではなく、批判に背を向けて自分の小宇宙に閉じこもる若者が増えてきたとおもったが、これは若者だけの傾向ではないのだなと納得。だめなときはだめだから、せめて来週に期待しましょうか。福田さん、思い切って三度目の夏休みを取られたらどうですか?

迷走する政府をコメントするのは難しい

2008-08-23 21:00:29 | Weblog
久しぶりに朝日ニュースターのパックインジャーナル出演。時差ぼけか、エコノミー症候群ならぬエコノミー肩こりか、中耳の具合がわるく、自分の言葉がよく聞こえない。コメントにも力が入らない。しかし、それよりも何より、政府が一体何をしたいのかわからない迷走ぶりなので、コメントのし様がないというのも実情。内政外交、景気対策と財政危機、年金改革の前に続発する年金スキャンダルの処理など、臨時国会で何を中心議題にするか決められないから、会期も決められないのだろう。批判する側も気合が入らない。国民参加型裁判制度改革などは今になっても、まだ何がなんだかわからない。ぐるぐる廻りすぎて情況を判断できない政府も政府だが、それを見つめているこっちも眼がまわってきた感じ。なさけない。
地域にもどってタンタタウン夏祭りを訪問。団地だけでこれだけの祭りができるのはすごいことだ。奥様方のフラダンスに見とれてしまった。

オリンピック選手の政治利用

2008-08-22 20:55:43 | Weblog
さすがにちょっと時差ぼけ。民主党元議員の会の会食で昼に赤坂に出かけていった。民主党代表選のニュースで野田氏が立候補せずということがわかる。野田さんの私的なグループ内で意見が真っ二つに割れたそうな。変なはなしだな、それなら最初から大げさなことは言わなければいいのにと思ってしまうが、それもまあ所詮、狼の遠吠えかな?(うーん、どうもシニカルになっていかん)
集まったメンバーは多くはないが、幹事長も来て雑談に花が咲いた。オリンピックは女性の活躍ばかり目立つという話しになって、有名選手が某大企業の紹介で政界進出の噂の話も聞くが、このような悲劇的な日本の社会情勢のなかで、人気取りの候補を立てるなんて腹立たしいというより、砂を噛むような思い。そんなことで人気回復になるのか?なんか飯がまずくなった気がする。