すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

キルギスのインターネット通信社アキプレス

2010-08-28 11:50:46 | Weblog
キルギスで引き続き4月6月の政変とウズベク住民騒擾を調査しているが、本当に百人百色の分析というより、自己の政治立場の表明なのだろう。アメリカのCIAの策動だというのもあった。やはり客観的なのは研究者で、政治家とそれに連なる親族や関係者の対立が民族的な紛争に発展していったのが原因だとする分析は説得力ある。しかし、それに10をこえる犯罪集団や麻薬輸送ルートなどが絡み、いつまでたっても紛争の火種が絶えることなく、今日にいたっていると思う。
インタビューで出色なのは、インターネット通信アキプレスの社長の話で、強圧的政府や跋扈する犯罪集団や治安機関などの間で、情報を提供しつづける努力はすさまじいものがある。キルギスの情報が世界にまったく伝わらず、これほどの紛争の火種そして中央アジアの巨大リスクが理解されなかったのも、情報が外に出ていかないようなメカニズムが作られているからだと思う。アキプレスのサーバーに特殊なハッカー攻撃が加わるとキャパを越えて、外部からキルギスのサイトに一切アクセスできなくなり、各国通信社もロシアや周辺国の情報を鵜呑みにする仕組みが読み取れる。アキプレスでは次に備えて、カナダに第二サーバー、アジアにも第三サーバーを設営して対抗するよていだという。
このような地域で情報を提供するというのは、本当に命がけだと思う。

ビシケクにて

2010-08-27 11:50:47 | Weblog
24日の深夜にカザフスタンのアルマタから国境を越えてキルギスに入る。こんな時間と思ったが国境は長い車列。高度が高いのか寒い。午前4時にビシケクにホテルに着き就眠、7時に起きてミーティングの準備。午後に予定されたオトンバエワ大統領とのミーティングが午前に繰り上がり、アポのやりくりで大使や大使館の皆さんも大忙しだった。大統領の会談も30分の予定が一時間十分にものび、6月の南部での騒擾から人権問題報告まで話し合った。10月の国会議員選挙にはぜひ国際監視に日本から議員団で来てほしいとの要請があった。選挙管理委員長、与野党党首との会談などが連続し、休む暇がない。
それでも、焼け焦げた検察庁、閉鎖された大統領府(屋上からスナイパーがデモを狙撃した)焼き討ちされたビルなどをみると、首都のビシケクでこの程度だから、南部のオシなどではどれだけの死者が出たかわからない(一説によると2000人)。ウズベクに脱出した人々も一応は帰国したらしいが、状況は予断をゆるさない。こんな状況だとは、日本にいてはまったくわからなかった。日本のニュースというものがいかに世界の現実とかけはなれているかと天をあおぐ。
そこへ小沢さんの代表選出馬ニュース。策士のベテラン政治家が、そんな無茶をするなんて、そこまで追い詰められていたのかと逆に驚く。世界のニュースは嘲笑というかんじ、経済危機にまたKY政治家で混乱というニュアンスか。驚いたことに、NHKでも英語ニュース(それしか見れない)ではきわめて冷たいコメントしていた。NHKも一般国民が見ないところでは自信をもって、真実を語るのかね?日本では各陣営が囲い込みみたいな報道ばかりだが、そんなかね?
みんなある程度覚めていると思う。9月1日に本当に出馬してから、2週間の選挙戦が勝負だろうね。

キルギス行き

2010-08-24 00:29:14 | Weblog
昨日8月23日、千鳥が淵にてシベリア・モンゴル抑留者慰霊祭。猛暑の中、生存者もご遺族も90前後となった中で、長時間の慰霊祭は体力的に限界だと思う。6月にシベリア抑留者への補償とシベリア抑留の真相解明を約した特措法が成立したが、責任者の長妻厚生労働大臣、鳩山前首相、円議連代表も参加。外務・防衛で大臣はもとより政務官も参列しないのは、どういうことだろうか?献花の後、国のかたちの集会に駆けつけたが、カメラやフラッシュに辟易した。そんなに大げさに一人一人の写真をとるようなテーマかと思う。マスコミもいいかげんに政局ではなく、政治と政策にこそ関心をもってもらいたいものだ。
さて、今日はソウル経由で政変後のキルギスに向かう。10月に民主化を決定つける選挙が実施されるので、その準備状況監視と、主要政党との意見交換がある。女性闘士として名高いオトンバエワ大統領とのアポは申し込んでいるが、果たしてこのような緊張した状況の中で実現するか、心配のところだ。
ところで、このキルギスでも、シベリア抑留者がこの地まで送られて、保養所の建設に従事した。ウズベキスタンでは多くの死者を出し、墓所も整備されているが、ここキルギスでは125名全員が生きて帰国した。先日もイシククル湖畔で保養所の建設に携わったTさんと面談することができた。いまだにカクシャクとしていて、当時の生々しい様子を伺うことができた。その保養所もまだ現役で現地に貢献している。その様子も視察する予定だ。しかし、その場所こそが、玄奘三蔵が天山山脈を越えてたどり着いた湖畔だというのも、因縁を感じないわけにはいかない。

平賀源内研究所への関心

2010-08-23 18:14:32 | Weblog
先週の文部科学部門会議で、小生が主査をつとめる科学技術チームも参院選前の議論をまとめて簡単に報告した。報告資料は個々の委員のさまざまな主張をそのまま綴じたもので、本来、内部打ち合わせメモのはずだが、報告書の一部が会議の場で公開されたのには驚いた。その中で、小生の私論でもある平賀源内記念研究所に多くの関心が寄せられ、多数の問い合わせがあったのには二重に驚かされた。
研究所案に個人名をつけるのは、マックス・プランク研究所に啓発されたものだが、このアイデアは小生的には超技術研究と名付けるもので、これまでの技術を想像―理論―技能の後半に位置付けるなら、超技術はその前半に位置付け、新たな哲学概念で社会進化と関係つけようとするものだ。
要するに、現在、ごく当たり前になった飛行機・テレビ・宇宙探査・インターネットなんてものも、ちょっと前には、すべて夢物語だったもので、人間が想像するものは、「想像」すること自体に人間的な限界があるものの、想像したことは「何らかの形」で実現できるものなのだ。常温核融合だって、自己判断で任務を果たしたハヤブサや宇宙帆船のイカロスだって、つい最近までは一笑に付されたものなのだ。サイエンスフィクションに登場するタイムマシンも、それに乗って白亜紀に旅行することは論理的に不可能でも、時間の歩みを微妙に変化させることは十分に可能だろう。長寿というのも、ある意味において、時間をゆっくり歩ませることととらえることもできる。
ただこのような研究に公的資金をつぎ込むことは、現在のような財政状況では非常に難しいし、国民的な理解を得ることはもっと難しいかもしれない。だからこそ、このような奇想天外の科学技術の開発には、株主や税金に依存しない、新たな資金調達方法を考えなければならないと思う。

ソウルで考える

2010-08-22 16:26:35 | Weblog
日韓議連の議員交流ということでソウルに滞在していました。今回は日韓未来フォーラムで、両国の議員とメディア関係者が本音で語り合う...というのが主たる目的でした。前日に日本で韓国議員団が来て、議院会館で首相談話について厳しい批判をしていましたが、日韓未来フォーラムでは「未来志向」がテーマなので、過去現在の対立をどのように未来に生かしていくかという論調が多かった。小生は北東アジアのICTをベースとしたスマートアライアンスについて触れた。
今回の議論で韓国側からの主張に浮かび上がってきたのは中国脅威論で、韓国側のG2反応というのは、正直言ってこれまで把握していなかった。日韓関係や議員交流に新たなスポットが当たるのもむべなるかなと思いましたね。
意見交換は会議が終わってからの非公式会合というか、一杯やりながらの議論の方が白熱しました。韓国では「爆弾」というのが、はやっていて、これはビールに焼酎入りのショットグラスを投げ込んで、一気飲みして、空のグラスをカラカラいわせる...というようなものですが、その逆の「水爆」や赤ワインの「ドラキュラ」などバリエーションも豊富なようです。
まあ、正直言って、これまでの日韓議員交流というのは、自民党のMとかNさんなどに代表される酒席談合みたいな感じで捉えていて、民主党というかリベラル派の議員はあまり良い感情を持っていなかった。小生も日ごろはほとんど外で酒を飲まないので、対応に苦慮しましたが、まあ、まったく飲めないわけではないから、多少お付き合いをしました。
しかし、韓国の政治家は酒に強いだけでなく、専門知識も世界観も精神力も日本の一般の政治家とは比べようがないほど高いと実感しましたね。昨今の韓国の産業界の隆盛を見るに付け、劣悪な条件下で必死に国を立て直していった韓国の政治家に、共感を感じるところがありました。

すぐそこにある危険

2010-08-16 14:00:24 | Weblog
しだいにお盆も拡大分散の傾向にあるのか、週明けから一斉に仕事という雰囲気ではないようだ。地元事務所も明日からだが、それでも皆さん秋からの活動に備えているようです。永田町も何か稼働率50%ぐらいな感じですが、それでも永田町にいることの危険を体感する事件がありました。昨日は全国戦没者慰霊祭に出席した後、事務室で仕事をして、入り口を出たところで、ガードマンのただならぬ叫び声に驚かされました。すぐそこの曲がり角で暴漢がナイフを振り回しているということで、周囲の機動隊員や隣は首相官邸の機動隊員などが重い装備をガチャガチャ言わせて走りこんで来る。テレビでおなじみの刺又まで登場して目と鼻の先で捕りもの。ついつい昔の職業意識が頭をもたげて、見に行きたい衝動に駆られましたが、ガードマンのアドバイスもあり、その場を立ち去りました。しかし、新聞を見ると、何とナイフではなく、日本刀を持った犯人で、警官が親指を切断されたとのこと。刃渡り70センチと言えば、胴体に切りつけられれば即死してもおかしくはない。なんでそんな長い物をもった不審人物がここまで入り込んできたのかも不思議です(小生などもバッジをつけていてもよく不審尋問に会うからね...)。
永田町周辺では首相談話や終戦記念日以前にも、連日のように様々な団体が妨害行動をとっていて、議員会館へ陳情に来る市民からは、過剰防御じゃないかなんて言われて、我々もつい「そこまでしなくても...」なんて思うときもありますが、やはり安全対策はずっと緊張感を持ち続けてやらなければならないと痛感しました。

終戦関係行事..

2010-08-14 18:44:17 | Weblog
終戦関係行事の一環と言っては不謹慎だが、この時期になると、ひごろシリアスなテーマを敬遠していたメディアも一斉に戦争関連の映像を流す。昨日はNHKでヒットラー台頭から沖縄戦などの映像が、最新のコンピューター技術を使ったカラー化された映像がお茶の間タイムにも流された。まったく意味のない万歳突撃で日本兵の死者累々の写真が、これまでの白黒では遺骸か岩か流木かわからないような映像と異なって、赤い鮮血の中に転がる一人一人の無残な死に様までが明らかになって、そのインパクトは大きかったと思う。しかし、NHKの大衆路線というか、民放模倣路線というか、わけのわからないタレントが出演してトンチンカンなコメント(それが若者を代表するコメントなのかね?)しているのはどうかと思う。
今日は814を記念して結成された「全国空襲被害者連絡協議会」結成集会に参加。戦後、軍人・軍属には累計で50兆円に達する恩給などが支払われた一方、民間人の被害者は空襲被害も含め、「国民として受容」すべきということで支払われなかった。言うまでもなく、ヨーロッパなどでは戦争被害は軍人と民間人の差なく賠償や被害救済が行われているのに、日本では軍人だけが被害救済などの対象だった。原爆を含め、空襲で肉親を失った被害者は実に65年間その救済を訴えてきたが、政府はまったく冷たかった。しかし、昨年の政権交代でようやくシベリア抑留者に対する救済特措法が成立し、空襲被害者にも裁判だけでなく、立法化の動きも出てきた。
台東区民館で開催された結成集会には会場ぎっしりに参加者がつめかけ、実に3時間を超える集会となったが、退席者もなく、これまで半世紀にわたって運動に取り組んできた活動家の話に耳を傾けた。やはり圧巻だったのは、全国戦災障害者連絡会会長で名古屋からでかけてきた94歳の杉山千佐子さんの話で、息の切れ目、話の一区切りごとに、拍手や掛け声がフロアから飛んだ。
国会議員としては小生と社民のYさんとが連帯の挨拶をしたが、弁護士側からは、法律上の難しさなど、国会としてもよほどしっかり立法化に向けて努力を積み重ねないと現実化しないとの指摘もあった。シベリア特措法についで空襲被害者救済の立法も成功させなければ、それこそ、政権交代の意義が問われかねない。秋の国会から、連帯して立法化を目指そうと気を引き締めた。

お盆期間の永田町

2010-08-13 15:11:48 | Weblog
来年度予算、円高、景気、普天間基地問題...それに9月の代表選?...問題・課題山積の永田町は普段と変わらないぐらいスタッフも議員も来ていると思ったが、さすがに今日は人が少なく、昼の食堂も閑散としていた。この期間を利用して、日頃ゆっくり話せない人に会う。
ながらく中止していたHPもほどなく再開の予定。最近はホントに複雑な攻撃があって、いやになる。頭では「便利なものは、便利になっただけリスクがある」とはわかっているが、ネットやHPは自分のところだけしっかりプロテクトしていても、リスクはどこから滑り込んでくるかわからない。
外では先日の総理談話に抗議するスピーカーの音が、言葉ではなく、音としてかすかにガラスを通して聞こえる。

酷暑の農作業

2010-08-07 22:37:44 | Weblog
国会が終わり、ようやく久しぶりに都筑の農作業へ。朝から何もしないでも汗が吹き出る。それでも風が吹けば、生き返る気分。正直言って、ぎらぎら太陽の下に身をさらすのは躊躇する。連日、フライパンの底のようなところで何時間も演説していたのだから、何を世迷言と思うが、議員会館と議場とを結ぶ地下道しか歩かないような毎日が続くと、太陽の降りそそぐエネルギーにとまどう。まあ、それでも現実に地下足袋を履くと、しゃきっとして、結構、力仕事もこなせた。実は昨日は江田参院議長の退任記念会をやって、菅総理も短時間ながら顔を見せた。大いに元気だが、やはり痩せたなと思う。昔、友人が大臣になったので、相談に行ったら、3分しか秘書官がくれず、それでも10分ぐらい粘ったら、最後はドアをどんどん叩いてきて、やむなく部屋を出たら外には何組もご進講の官僚が列を作って待っていた...というのを観て、大変だなと思ったが、総理ともなると、なった瞬間からどこに行くにも前後三台の車で、身動きとれないと聞いた。一日の生活は110歩すなわち、官邸から公邸までの100メートルぐらいだけが自分の時間だともいう。菅さんとも、瞬間的に話したが、意見交換までの時間はなかった。外交は外務大臣の専管事項という立場だろうが、一度しっかり意見具申に行かなければならないと思う。

外交の現場 第3回

2010-08-04 23:00:38 | Weblog
参議院選挙直後の短期国会も、もはや終幕。今日は文部科学委員会の理事会が開かれ、そこでも請願の取り扱いや法案の継続審議などがトピックだった。予算委員会審議も参議院に移ったが、やはり参議院は党利党略というより質問者の個性が色濃くでるからだろうか、質問内容も細かくなり、与党側にも疲労感の一方で、ある種の余裕が表情に出るようになった。
夕刻に小生の勉強会、「外交の現場」第三回会合。例の韓国哨戒艦沈没事件の韓国調査報告。実は各委員会の幕引き会合と同時に、来るべき9月の代表選をめぐる各グループの会合などが重なって、おそらくほとんど議員は現れないのでは...と予想していたのだが、あにはからんや、実に12名も議員が来て、活発な質疑となった。やはり皆さんこの哨戒艦事件には疑問を感じていたようだ。日本でもこれまではインターネット情報中心だったが、少しずつ疑惑が表面に現れてくるのではないだろうか。韓国の「北朝鮮の魚雷攻撃」なんて主張そしてそれをアメリカが熱烈支援したのは、アフガン再派兵、米韓FTA、戦時指揮権なんて問題がその背景にあると考えられているが、韓国では鳩山政権が普天間基地移転で、急に抑止力とか言い出したのも、この事件が関係すると指摘する人もいた。一刻もはやく真相が明らかになることを期待したい。