すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

ムスタキ追憶

2013-06-30 22:30:47 | Weblog
今日は先週の活動疲れもあって、気分転換が必要だと思っていた。久しぶりにイタリア料理を作ることになり、ゴマサバのトマト煮風に今が旬のダルマイカの炒め物を前菜に、さらにゴマサバのフリット、トマトサラダにニュージーランドのクラウドベイの白ワイン...まあ一本300円のゴマサバを含め、金額的には大したことないが、どうしてどうして地中海料理にしあがった。(写真は製作途中...)
きわめつけは、ジョルジュ・ムスタキのあの低いような高い、重いような軽い、超スローのような早い展開、わかりやすいようで深い音楽とリリック...すっかり地中海・エーゲ海気分に浸り、酔った。
ムスタキなんて若い人は知らないだろうと思う。小生のCDだって今月、彼の死が新聞の片隅に載り、思い出したように、ようやく底の方から引き出してきたものだ。一曲目がMa Solitude「私の孤独」。孤独だけが真の友達、どこまでもついてきてくれる友人..この曲を40年前にアルジェのクーバの冷え切った石の部屋で、何べんも何十篇も回した。40度を超えるデング熱で一週間も寝たきりになり、詩にある世界の四隅が部屋の四隅に感じられた。ほとんど絶食で1週間をすごした時、そとにヨーグルト売りの呼び込みの声が聞こえて、ようやく起き上がってヨーグルトを買いに、アルジェリアの太陽の下に這い出しのだ...そうだ、あのときのレコードも二曲目は5月革命の時の「生きるとき」だった。
今聞けば、異邦人も、私の自由も、ヒロシマも地中海も当時の世界の縮図と人間の変わらぬ姿を歌っていたのだと気付く。もうこんな歌手は出てこないだろう。あの時代、あの国際情勢のなかで咲いた花のようなものだ。初めてムスタキという歌手を知った時も、彼はすでに老人だった。老人として多くの詩を歌いつづけて、ある日いなくなった。

ネルソン・マンデラ:Invictus-敗れざる者..の死を想う

2013-06-30 10:38:51 | Weblog
相変わらず、世界中が注目している出来事に日本のメディアは冷淡だけど、27年間の獄中生活、反植民地主義、アパルトヘイトとの戦い、ズールー族インタカ自由党のブテレジ議長との政治闘争、そして多様なアフリカ民族間の確執を乗り越えてきたネルソン・マンデラ氏にもしずかに最後の時が訪れようとしている。オバマ大統領が南アフリカを訪れて病床のマンデラを見舞おうとしたが、家族が拒否したと伝えられる。彼の生きてきた人生の重みを考えれば彼の尊厳、誇りを大事にしたいと誰しも思うだろう。でももしマンデラが自分の意思を表示することができたら、彼はきっとオバマ大統領の見舞いを受け入れ、身動きのできない老衰した姿で握手する写真を撮らしたと思う。今、苦境に立つアメリカ初の黒人大統領に、少しでもエールを送ってやりたいと瀕死の床でも身を起こし、手を差し伸べる...それがアフリカの長老だ。
肉体は滅んでも魂は滅ぶことがない、いや滅んではならない。INVICTUS、彼が獄中で心の頼りにしたとするヘンリーの詩だ。


INVICTUS - William Ernest Henley

Out of the night that covers me,

Black as the Pit from pole to pole,

I thank whatever gods may be

For my unconquerable soul.

In the fell clutch of circumstance

I have not winced nor cried aloud.

Under the bludgeonings of chance

My head is bloody, but unbowed.

Beyond this place of wrath and tears

Looms but the Horror of the shade,

And yet the menace of the years

Finds, and shall find, me unafraid.

It matters not how strait the gate,

How charged with punishments the scroll.

I am the master of my fate:

I am the captain of my soul.


”我こそはわが運命の支配者
   我こそがわが魂の指導者”
               遠のく意識の中でもマンデラはこの一節を思い出しているに違いない。

仲町台タウンミーティング

2013-06-27 17:25:04 | Weblog
恒例のタウンミーティングは前回の日吉に続いて、今回は仲町台地区センターで行います。
当初は国会活動の報告などが中心でしたが、だんだん、世情がおかしくなり、報道がまったく真実を伝えなくなっているので、
現実の社会は世界はどうなっているのか?というテーマで小生の管見を説明し、地域のみなさんと意見交換する場になりつつあります。
お近くの方あるいは知人が近くにおられる方に情報提供いただければ幸いです。

(1)詳細は次のURL参照ください。
↓「タウンニュース都筑区版」
http://www.townnews.co.jp/0104/2013/06/27/193540.html


(2)講演レジメ

タウンミーティング            仲町台地区センター  2013年6月29日 
                      すとう信彦 http://www.sutoband.net

1. アベノミクスの目論見と現実
(1)  三本の矢 (金融の矢、財政の矢、成長の矢)
(2) 必要なのは分配の矢、生活の矢、格差是正の矢→成長
(3) 株価1点豪華主義と「採らぬ狸の皮算用(国民も株価に魅惑されて投資)」失敗
2. 現実:株価暴落、円高回帰、輸出低迷、諸物価高騰、貿易赤字巨大化、ブラック企業
     企業は内部留保、利益の海外移転(→にわかに高まるタックスヘイブン批判、後述 スノードン/アサンジ事件)
3. アベノミクスの説明困難珍現象
(1) 長期金利上昇・国債暴落
(2) 輸出減少、貿易赤字急拡大
(3) 急激な円高
(4) 一部物価高騰の一方で下落?コンビニ安売り、消費税増税記念セール禁止
(5) 黒田日銀総裁の求める財政規律?!

4. TPPについて
(1) 驚愕の同床異夢:自民+JA=5品目死守vsアメリカはついに全面降伏と歓喜
(2) アメリカにはセンシティブ品目ない!?米自動車業界は軽自動車、ディーラー、車検、円安為替操作を批判
(3) なぜ楽天はTPP推進?インターネット薬販売→薬の許認可はアメリカ

5. 原発問題:“曲げてはならぬ脱原発”の方向性
     もんじゅ、東海村被ばく、カリフォルニア原発(三菱重工業)廃炉と原発輸出?

6. 現代ニュースの見方
(1) スノードン元CIA職員の問題はなぜここまで大きくなったか?
(2) アフガニスタン:タリバンとの平和交渉進展でオバマがカルザイ大統領に電話
(3) 横串としてのアメリカ政府財政問題
(4) 鳩山元総理の尖閣諸島発言


何を恐れているのか安倍総理?会期末茶番の裏に何があるのか?

2013-06-26 22:17:57 | Weblog
国会を延長して衆参同日選挙に持ち込むわけでもないから、今日で会期末。粛々と会期末手続きを各委員会で進め、あるいはまた重要法案をぎりぎりのタイミングで成立させる、というのが繰り返されてきた常識的な会期末日の姿。それが何で、安倍総理以下閣僚は予算委員会に出席しないのか、まったく意味不明だ。これはまさに憲法63条違反だろう。どんなときにも国会が要請した時は内閣というより、国会議員は議場に来て議論に参加しなければならない。それが国民議会の当然のすがただ。憲法だけでなく、民主主義の根幹に触れる問題で参議院議長不信任がでているから、なんていうのは言い訳にならない。こんな明々白々な憲法違反だから、一票の格差に続いて、この問題も訴訟の対象となるはずだ。弁護士の皆さんは保守的で、勝訴が見込めないと訴訟に持ち込めないなんて言っているけど、中には正義感のつよい弁護士や法律家もいるだろうから、ひょっとして再び最高裁に判断を仰ぐような事態が生じるかもしれない。
不思議なのは、内閣が最高裁によって否定される可能性のあるような行為をどうして安倍総理がとるかだ?いやしくも長年、国会に席を置いているものが予算委員会での追及を恐れて欠席するなんてことは考えにくい。しかも総理なのだから、たとえ何度指名されても、まず担当大臣を指名して、その模範解答を繰り返せばいいのだから、そんなに難しい話ではない。いったいこの会期末の茶番の裏に何があるのだろうか?何を追及されたら政権が躓くのか?そんな重要問題を今の野党そして残念ながら民主党にも追及する人材も調査能力もない。考えれば考えるほど不思議だ!
まさか予算審議の時の体調が不安なのだろうか?まあそれなら理解できないこともないけどね...

何かおかしい!?元CIA職員スノードン事件

2013-06-26 15:55:58 | Weblog
エドワード・スノードンなる元CIA職員がアメリカ政府のネットメディア盗聴を暴露してエクアドルへの亡命を模索している事件は、連日海外メディアを騒がしている。日本のメディアはなんだかよくわからずに、CNNやABCなどの映像を翻訳してちょっとだけ報告している感じ。これまでは日本のメディアは世界でおこっていることを何も報道していないと、批判してきたが、逆にスノードン報道には疑問を感じないわけにはいかない。誰も姿を見たこともないモスクワ空港の廊下からレポーターが永遠に続くほど内容のない報道をしている。
しかし、ちょっと変だぞと思い始めた。このスノードンなる青年はどう見てもCIAの一般職員くらすで、中堅幹部でも幹部でもない。それがいったい、どの程度の情報を抱えて逃避行をつづけているのか?彼が持っているパソコンには一体なんの情報が入っているのか?アメリカ政府がFBやインターネットのドメイン、携帯電話登録などを通じて膨大な個人情報を違法入手したり盗聴していることはすでに公知の事実だろう。ひょっとしたら、彼が追いかけられているのは、アメリカ政府の盗聴行為の証拠ではなく、アメリカが恐れるあるいはオバマ政権が恐れる特殊なオペレーションの情報かもしれない。
ここまでこのニュースが重視されるということの意味を改めて考え始めた。

悪化するアフガニスタン情勢と「明るい」ニュース

2013-06-26 10:09:39 | Weblog
世界中で民衆の怒りが爆発。現代メディア三種の神器:金とSEXとスポーツしか話題がないメディアで、トルコとブラジルのデモはそうしたメディアというか、世界を動かしている政治というか経済というか何とも表現しようのない方向性に水をかけた。その一方で、驚くべきことだが、悪化するシリア情勢やアフガニスタン情勢、いまにも崩れようとする東南アジアの安定...なんてものはクラウドアウトしてしまってまったく報道されなくなった。

どんどん悪化するアフガニスタン情勢だが、不思議なことに、現実が暗くなればなるほど、「明るい」ニュース!今日はオバマ大統領とカルザイ大統領との間でタリバンとの和平交渉を進めることに合意が成立したという。先日にはタリバンがカタールに和平促進のための新事務所を開設して、アメリカと和平交渉に入ったとの「明るい」ニュース。
何のことはない。アメリカをはじめとする外国勢力はしょせんアフガニスタンの点と線を支配しているだけで、山岳地域ではタリバンの支配そして村落ではその浸透をゆるしている。だからこそ、無人機による二次被害を恐れぬ無差別爆撃を繰り返している。それよりも、財政的にアメリカはもう戦争を続けられる状態にない。一刻も早くアフガニスタンの状況を投げ捨てて撤兵せざるを得ないのだ。「アメリカ兵の役割は終わり、あとはアメリカが十分に育成したアフガニスタンの治安維持部隊に引き継ぐ」なんてニュース番組が多くみられるが、これも同じ伏線だ。
結局、このオバマーカルザイ会談は、要するに、オバマがカルザイに、「もうアフガニスタンの面倒は見れない、あとは自分でやれ、アメリカ兵撤兵を安全に行うためにタリバンとも交渉する、お前も今後の身の振り方を考えろ」という三下り半を電話でつきつけたという恐るべきニュースなのだ。つくづくこういう国の大統領とは悲しいものだと思う。もっとも、これは遠く離れた国のことでも、ひとごとでもないが...
何か「明るい」ニュースは全部疑ってみる必要がありそうだ。

民主党都議選惨敗に想う

2013-06-24 22:53:49 | Weblog
都議選に民主党は惨敗し、自民・公明さらには何と共産にも抜かれて、第四党の地位に滑り落ちた。共産党躍進の裏には民主党のふがいない現状がある。アベノミクス失速や原発再稼働の暴挙があっても、党内保守派に気兼ねして玉虫色のマニフェストしか作れない組織の間隙をぬって、数は少なくても先鋭的な主張を持った組織が中央突破したのだ。民主党の候補者は善戦したと思う。維新の凋落で気が緩んだなって報道もあったが、参議院選を目前に控えて気を抜いた候補などいるわけない。
今回勢力を盛り返したのが自民・公明+共産であるところが結果の本質だろう。要するに投票行動と自己の利害とが一致している集団が復権への明確な期待をもって投票したのだ。三党が利害共同体だとしたら、民主の支持集団は好き嫌いの選好集団だ。スーパーでリンゴを買うように、リンゴは好きだがこのリンゴは傷があってダメ、リンゴは好きだが今の時期だときっと冷蔵物だから買わない、今の旬は甘夏ね...みたいな評価なのだろう。だから、投票率が下がったことこそ、民主党の最大の脅威であり、打ち負かすべき敵であると認識すべきだった。利害グループの規模は変わらない。民主党でもそうした集団の規模は第四位に一応あることを今回の選挙が証明した。今回の惨敗を受けてまたぞろ執行部などから「風に負けない組織造り」とか、「足で歩いて一人ひとり手を握り締めて」みたいなあるいはまた高校野球根性ストーリーみたいな期待が出てくるかもしれない。しかし、現実を科学的に分析し、「風」こそが民主党のパワーの元であることを理解してオルタナティブな政治を再構築してほしいものだ。
ただ、本当に残念なのは、民主党議員というものが一種の「入れ墨者」化していて、どんなにすばらしい活動と業績がある油ののりきった最高の都議が「民主党がからダメだ」「落ちてざまみろ」というような罵声を浴びていることだ。選挙民はあるいは選挙にすら行かなかった住民はいったい何を根拠にそんな罵声をあびせるのだろうか?直前に無所属に変わって当選した議員、民主党からつぎつぎと政党と対象選挙を変えて、今度は維新で当選すると思ったら落選した青年議員などの一方で、この人こそ新し日本の政治を背負って立つだろうと客観的にも思われる候補者などが次点で涙をのんでいるのを見ると、今の日本の政治システムが単に正常に機能しないだけでなく、貴重な人材を社会が寄ってたかって、わざわざ潰すシステムになっているとしか考えられない...胸が張り裂けるような思いでTVの速報を見つめた。
しかし、我々はここでとどまることも、引き返すこともできない。少なくともこのようなひどい政治を作り出した責任がある以上、将来の日本と世界を担う政治家が芽をだし、しっかりと根を張り成長を見届けるまで、活動していきたい。

民主党の評判

2013-06-18 14:44:27 | Weblog
ひさしぶりに永田町で、現職・浪人のみなさんと意見交換。都議選での民主党の評判を聴く。誰もが、昨年末の衆院選の時のような大逆風というか、竜巻直撃というか、もう民主党だからだめ!みたいな雰囲気は姿を消したと認めていた。それでも「民主党はダメ」的な刷り込みは残存しているし、それがメディアの扇動によるものだったとわかっても、それにだまされた自分の自尊心にもかかわるから、「それでもやっぱりダメよね」みたいな感じなのだろう。「みんな」は新自由主義だし、維新は論外、だから結局「投票するところがないのよ!」という「新聞報道の中の無党派」みたいなカテゴリーに収束してしまうみたいだ。
その辺は民主党にも責任あり、参議院選挙のマニフェストはそうした市民の気持ちをしっかり汲み取って、メリハリのついたものにしてほしい。またぞろあいまいな表現で「民主党は党内分裂回避を優先」みたいな悪意ある報道を避けるためにも、やはりここは執行部も覚悟を持って前を向いてほしいものだ。

タウンミーティングのキックオフ

2013-06-17 22:50:48 | Weblog
ラグビーの日本代表が強豪ウエールズに勝利!という仰天ニュースに溜飲を下げた。高校のときにラグビーをやった時期があったが、スポーツの中でもラグビーは哲学的な要素が多分にあって、ボールを前に投げちゃいけない(パスしてもだめ)とか、オフサイドとかいろいろあるが、キックオフという言葉も好きだ。野球だったらプレイボール宣告のあとピッチャーが玉をなげるだけだが、ラグビーのキックオフは球を蹴ろうと走り出すキッカーと同時に皆が一斉に前に突進する、フィフティーン全員のキックオフだ。
ちょっと話がずれたが、15日に日吉の地区センターで選挙後初のタウンミーティング。まさに半年後のキックオフだ。テーマは「アベノミクス検証」だが、5月23日からの株価暴落でなく、アベノミクスが最初から露呈させている珍現象について多く話したつもりだ。特に長期金利上昇、国債暴落、輸出減少、貿易赤字急増、急激な円高、相変わらずデフレスパイラル、財政規律を求める黒田日銀総裁などというのは、話しているとまるで漫才のように突っ込みどころ満載だ。それにしてもタウンミーティング再開に際し、安倍総理には株価暴落というエールを送ってもらった感がある。
次回は都筑区へ場所を移し、6月29日(土曜)に仲町台地区センターで開催予定。

これが成長戦略第三弾?

2013-06-06 23:00:23 | Weblog
安倍首相の成長戦略第三弾なるものの貧弱さで凋落過程にある株価がさらに暴落。ほんとにそうなのか?これまでも失望売りというのはあったのだろうが、これほど極端な例はあまり知らない。そもそも国民総所得を10年で150万円増加させる..薬のインターネット販売促進などというものが、どうして成長戦略のラベルを貼ることができるのか疑問だろう。アベノミクスで物価上昇が毎年2%あれば、10年もたてば何もしなくても名目的な所得はそれぐらい増える。それが実質的な購買力につながるかどうかが成長戦略だろうに...
理解不可能なのは、どうせ絵に描いた餅なのだから、もう少しまともな成長テーマがなんで構想できなかったのか?ということだ。それほど構想力が乏しくなっているのかもしれない。あれだけ○×会議とかテレビで宣伝しておきながら、委員から成長の具体的なテーマが出てこないのがオカシイ。わざわざ株価を自ら下げるような場を得意げに作り出すということ自体、安倍政権がかなり末期的症状に陥ってきていることの証左さもしれない。