消費者金融のアイフルの強引な取立てが同社の営業停止に発展したが、アイフルだけでなく業界全体の問題であることは旧大蔵省時代から自明なはずだ。すでにパイオニアの武富士などでも社会問題化していた古典的問題だと言っても過言でない。純情そうな企業戦士のお父さんや平凡なOLを表現した女優などで「どうするアイフル」といるキャッピコピーを垂れ流し、老若男女に倹約や我慢や努力といった島国日本人の貴重な価値観を破壊し続けたテレビ局の責任はあまりにも重いといわざるを得ない。各局は一斉にコマーシャルを停止したが、これまで垂れ流した責任はどうなるのか?悪徳政治家も問題企業からの献金は返却しているが、テレビ局は放映料を返金するのだろうか、いやそれ以前に犯罪行為に加担した社会的責任を理解しているのだろうか?すでに以前から愛犬家の間で、チワワ現象なるものも指摘されていて、アイフルのコマーシャルで刺激されてついついチワワを買ってしまった家庭が、それに飽きて捨ててしまう状況が危惧されていたが、「どうぶつを餌にした」コマーシャルの結果、本来家族の一員であるべき室内犬が保健所に送られることほど、現代社会にひそむ非道徳性を示すものはない。
世界中を見回しても、まともな国家で、このような消費者金融が花盛り、明らかに青少年や高齢者をも巻き込むコマーシャルを垂れ流すことがまかり通っている国はない。それは大手銀行や政府財政当局をも包括する日本の金融界全体の問題である。不良債権処理として巨額の税金を受け取った大手銀行も、中小企業金融や消費者金融の現状に他人面するわけにはいくまい。これを機に、一罰百戒を狙った一消費者金融企業の尻尾きりではなく、金融システム全体の健全性を回復してほしいものだ。
世界中を見回しても、まともな国家で、このような消費者金融が花盛り、明らかに青少年や高齢者をも巻き込むコマーシャルを垂れ流すことがまかり通っている国はない。それは大手銀行や政府財政当局をも包括する日本の金融界全体の問題である。不良債権処理として巨額の税金を受け取った大手銀行も、中小企業金融や消費者金融の現状に他人面するわけにはいくまい。これを機に、一罰百戒を狙った一消費者金融企業の尻尾きりではなく、金融システム全体の健全性を回復してほしいものだ。