すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

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ナイロビ事件:新しいテロリズムの幕開け

2013-09-28 17:19:42 | Weblog
ケニア高官が、ナイロビのショッピングモール・テロに関し、テログループがモールの店舗に出店していた可能性を報じている(BBC/CNN)。これであの程度の建物に軍隊が突入して事件の終息に4日もかかったことの背景の一端が明らかになった。大口径の機関銃などをどう持ち込んだかなど不思議な点が多かったが、モールのブースを借りていれば、さらに家具や寝具などを取り扱う店舗を運営していたら、そこに大量の武器弾薬を隠すことは可能だったろう。しかし、このことは、今回のテロが砂漠で活動する迷彩服のゲリラ集団などでなく、都会型の男女スタッフがテロに参加していた可能性をも示唆している。店舗を出すとなれば、いかに工具店や家具店でも、周囲に違和感を与えないような人員の存在が欠かせない。また同時に、テロリストはモールの建物のベント配管などを熟知して、それを利用していたとの報道もあった。実はこのようなモールにはそれ以前に、従業員や店舗スタッフだけが利用する通路がある。そのような通路や建物構造を熟知していたとすれば、それはもう長期間の習熟期間をへて犯行に及んだことになる。外から車で乗り付けて周囲を銃撃したテロ犯だけでなく、開店時からテロ開始を待ち受けていた者が多数いた可能性を否定できない。
このような計画はこれまでのアフリカや中東のテロにはあまり見られなかったものである。ソフトターゲットに長期間綿密な計画を作り、おそらく予行演習も繰り返したであろうテログループの姿は、ソマリアのアルシャバブよりも、1970年代80年代に吹き荒れたヨーロッパのテログループの行動にも重なる。欧米いや世界中のテロ対策担当者の背筋を寒くさせるようなナイロビテロ。日本では報道もまったくないが、隠密で研究している人たちがいるのだろうか??
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ナイロビでのテロは終息したか?

2013-09-25 11:45:08 | Weblog
5日目になって、ケニヤッタ大統領がモールでのテロ鎮圧宣言。後半は情報が統制されて何が起こったのかよくわからない。ともかく政府としてはこのテロを可能な限り小さく見せることに全力を注ぐのだろう。ケニア政府の閣僚がテログループに欧米人を認め、さらにイギリス女性の存在を明言していたが、大統領の声明では言明を避けた。それは当然だろう。これまでも欧米人のテロ参加が噂としてはあったが、単に国籍だけでなく外見的にも白人の欧米人が参加していることが確実となれば、イスラム過激派とカテゴリー化されていたテロリストが別な枠組み、たとえば反自由主義や反米反英や99%運動や新たな領域に浸透していることを意味する。ケニア政府の配慮だけでなく、欧米のテロ対策専門家達がこの問題をどういう形で終息させることするか..激論を戦わせているのだろう。
日本では被害者・犠牲者に日本人が含まれないことからか、ほとんど報道されることがなかったテロ事件だったが、この事件は中東アフリカテロの新しい展開を暗示させる大きな事件だった。引き続き、この問題を追っていくつもりだ。
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これはアルカイダのテロではないのか?

2013-09-24 22:12:20 | Weblog
日本では新聞各紙でナイロビのテロはもう終息したことになっているが、それはケニア政府の一方的な説明で、BBCやCNNを見れば同時刻に発砲と爆発がある。6名ものイギリス人の生命を奪ったテロの首謀者が2005年ロンドン地下鉄爆破で自爆した犯人のイギリス人妻だとの記事がもう載りはじめた。ここでソマリアのアルシャバブは一挙にパキスタン過激派との接点も持つ可能性もある。アブシャバブを攻撃するケニア政府への報復なら、10数人のテログループになぜこんなに欧米国籍の犯人が多いのか、疑問の広がる展開である。そもそも武器を体に携行して突入したはずのテロリストがまる四日間も闘い続けられるのが不思議だ。テロリストが客をいちいちイスラム教徒かどうかを聞いて射殺するのも変だ。総合すると、この攻撃は分裂状態にあるアブシャバブの分派が起こした自暴自棄テロというより、高い目標を掲げ、支援体制をととのえ、綿密に計画されたテロのように思えてならない。このテロの影にアルカイダの姿を垣間見るのは私だけではないと思う。これが果たして、ショッピングモールだけの事件なのか、突入グループの作戦本部はどこにあるのか、欧米からの応援隊も含めてケニアと周辺で大規模な捜査が行われていると思う。
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ナイロビ事件の怪

2013-09-24 11:52:16 | Weblog
朝起きてBBCを見ると、まだモール内の掃討作戦が続いている。このような包囲され孤立した建物で4日も銃撃が交わされていることは不思議だ。テロリストは寝ていないのだろうか?まさか三交代制でもあるまい。ケニア政府発表によると人質はすべて解放したことになっている。それならば残るは10人程度のテロリストなのだろうが、その鎮圧にこれほどの時間がかかるものなのか?内務省報道 のように犯人は厳しく罰すると言明するような政府が、テロリストの人命を尊重するとも考えられない。不思議な気がする。大量に催涙弾を打ち込むなどが一般的だが、まさかテロリストがガスマスクの用意までしていることもないだろう。
さらに、映像を見ると、遮蔽物ぎりぎりに拳銃を構えているのが私服の警官か警備員で、その後ろに迷彩服を持ち、突撃ライフルを持った軍が控えている。本来ならそれは逆だろう。テロリストがカラシニコフを持っているなら、警備員の拳銃はおもちゃのようなものだ。報道によれば、また映像の片隅で拳銃を持った私服の西洋人の姿が多くみられる。ケニア政府のコンサルタントらしいが、そんな人間が前面にでてこなければならないほどケニア軍は弱いのか?CNNなどからは犯行グループに欧米国籍の者が多数含まれるとの情報がながれている。
疑問だらけのリアルタイムの映像を見ながら、頭はますます混乱してくる。はっきりしたのは、このテロ攻撃は単純な内容ではないという、おぼろげな認識だ。おそらく、テロリストがすべて射殺・逮捕されても、この事件の余波は長く残るだろう。
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ホムスを食べてシリアを想う

2013-09-23 23:03:26 | Weblog
シリア問題がこれほどまでuglyではなかったころ、ひよこ豆をつぶしてホムスを作り、ホムスを食べてシリアの人々のことを考えよう...なんて牧歌的なことをブログで書いたことがあります。友人で料理研究家というより「サルでもわかるTPP」作者の安田美絵さんが本当にホムスを使っての集会を開いてくれました。感激。中東に縁のある方は「なんだ」とお思いでしょうが、一度も砂漠に足をいれたことの無い方にはぜひ、ホムスというきっかけでもシリア問題について考える時間を作ってほしいのです。
具体的には9月27日金曜の「シリアンナイト」、お近くの方はぜひ立ち寄りください。詳しくは下記:
http://luna-organic.org/%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e6%a1%88%e5%86%85/%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%8a%e3%82%a4%e3%83%88%e3%80%809-20%ef%bc%88%e9%87%91%ef%bc%89/
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アル・シャバブのナイロビテロ

2013-09-23 22:05:23 | Weblog
ケニアのナイロビで郊外の高級ショッピングセンターがアル・シャバブ(the youth、若者の意)と想定されるテログループによって攻撃された。今朝は早朝からずっとBBCの画面に釘付けになった。すでにイギリス人の4名の犠牲が確認され、全体の死者は現時点で69名、いまだに軍・警察との銃撃戦が続いていることを考えれば、テログループは三日目になってもフロアの各所を支配していると予想され、犠牲者は100名に達してもおかしくない。犯行グループは15名程度と報道されているが、確証があるわけではない。銃の連続音が続いていることから考えれば、テロリストは攻撃時に携行した以上の弾薬を事前にショッピングセンター内に持ち込んでいたのではないだろうか。
正直言って、アル・シャバブが今のこの時点でこれだけの規模の攻撃を実行するとは予想していなかった。中東アフリカ問題はともかく、シリアそしてエジプト情勢にひきつけられていて、物理的にも心理的にも、ここに防御の空白が生じたということだろう。これによるケニアに対する打撃は計り知れないものがある。人的犠牲はもとより、多くの外国人の犠牲、比較的裕福な国民層の犠牲はケニアの安定や経済繁栄に深刻な影響を長期間与える。その意味で、今回のアブ・シャバブの攻撃はこれまでの軍やアメリカ・国連施設などをターゲットとしたものとは、異質であり、別な意味では高度化したものと言えよう。この件では引き続き事件の展開を注視していきたい。
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アンワル・マレーシア人民正義党指導者の反TPP声明

2013-09-05 22:23:31 | Weblog

マレーシアは長く続いた保守政権が今年の総選挙でついに政権交代と期待されたが、与党はキタコナバルなどの遠隔地で大量に得票して逃げ切り、歴史的な政権交代は成立しなかった。この選挙は「自由公正」(Free and Fair)なものとは言い難く、人民正義党などの野党は選挙の不正追及の声を上げている。その人民正義党の指導者がマハティールと対立して投獄されたイブラヒム・アンワル氏だが、元は新自由主義やグローバル経済志向だったアンワル氏はいまや、そのシンボルともいうべきTPPについて疑問を投げかけていたが、今や反対を明確にするにいたった。以下は、アンワール氏の8月12日の声明である。内容を見れば、我々の主張にきわめて近いことがお分かりになると思う。これはアンワルというのは偽名で、本当は首藤が書いたのではないか?と冗談で批判を言う人がいるほどである。一部にマレーシア側の主張が不明な部分があり、完全訳ではないが、大筋は理解できると思う。これが日本の新聞には決して取り上げられることのないアジアの実態だと理解してほしい。

「TPPは我々の国益ではない」  アンワール・イブラヒム  2013年8月12日
TPPはアジア太平洋地域の12か国(オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ、ベトナムそして最後に日本)で交渉されている。参加国のGDPを合計すれば2012年ベースで33兆ドルに達する。
貿易と海外からの直接投資に依存し、狭隘な国内市場、TPP参加12か国GDPの1%に満たぬ経済規模から考えれば、当初TPPは、2020年までに発展した高所得国家になるというマレーシアの大望に、神から与えられた近道に思えたかも知れない。
しかしながら、TPPは旧来のFTAとは本質的に異なる。
その目的は、貿易と投資を自由化し、新旧貿易問題だけでなく21世紀型の新しい貿易への挑戦を表現する次世代の地域協定を目指すものである。それは物品サービスへの市場アクセスすなわち関税の撤廃と非関税障壁の除去だけを取り扱うのではなく、我々の国益と主権を揺るがしかねない法制度・裁判制度、経済構造や様々な国内制度への直接的な影響を与える横断的な“水平方向の問題”を内包している。
現時点で、アメリカはTPP参加国のうち、6か国すなわち、オーストラリア、カナダ、チリ、メキシコ、ペルーそしてシンガポールとすでにFTAを締結している。このTPPはWTOプラスの問題を包含するために、従来の物品・サービス貿易の範疇を飛越えるものである。
オバマ政権の主要な貿易政策でもあり、TPP自体アメリカの典型的なFTA協約テンプレートに依存しほとんどすべての主要提案を、アメリカ交渉官が取り仕切っていることは疑いの余地がない。
通常のFTAが最大でも10章程度を扱うのに対し、TPPは29章もの章を取扱い、主導者のアメリカがその全面自由市場経済、自由放任的アプローチ、規制緩和と小さい政府というようなアメリカブランドの経済モデルを強要するものである。
中国、韓国、台湾そしてインドネシアという急激に膨張する経済圏を欠いたままでのTPPは、このアメリカの経済、ビジネスそして地政的なアメリカの利権を推進する現代版アメリカ覇権理論以上の何物でもない。
いかなる交渉においても、ある程度の交渉の秘密は理解できないわけではない。しかし、このTPPの秘密交渉と隠密性は我々を極度に疑心暗鬼にそして当惑させるものだ。
このTPP交渉なるものが、秘密のとばりに囲まれているために、TPPの29章の内容としてこれまで我々が知りえたものは、参加国交渉担当者からリークされたものか、あるいは現行のアメリカFTAの分析から推察されたものということになる。
実際、このような国際条約の交渉プロトコールは、広く認められた国際基準とりわけその公開性・透明性に基づいていなければならないし(WTOの交渉された合意協定書は一般に公開されている)また、各国の立法府によって批准された民主主義的原則に基づいていなければならない。
現在、我々はすでに参加各国の発展段階および競争力に応じた平等な市場アクセスを提供するTPPの12章のうち9章相当分に関して、アセアンおよび我々の二国間協定を通して、広範なFTAの枠組みを成立させている。それは自由貿易(FreeTrade)であると同時に公正な貿易(FairTrade)なのだ。(巨大な多国籍企業を利すだけのようなTPPとは違って、それぞれの国の置かれている状態に対して公正(fair)なのだ)
実際、マレーシアは二つの大型自由貿易協定を交渉中だ。それはRCEPであり、EUとのFTAである。
マレーシアは世界で第17位の貿易国家であり、人民正義党(Keadilan)はいかなる自由貿易原則にも、公正貿易原則にも支持を表明する。しかしながら、我々はTPPが本当に長期的に便益が費用を凌駕するか確信を持てないがゆえに、あえてTPPに対する支持を留保するものである。
マレーシア政府による包括的費用便益分析の国民への全面開示を欠いたまま、「TPPの下ではマレーシアが最大の勝者であり、これにより輸出は417億RM,2025年までに年間263億RMのGNIを獲得する」とするワシントンにあるピーターソン(元商務長官?)国際経済研究所が2012年に実施した調査の結果を飲まざるをえないのか?
一例をあげれば、TPPによってマレーシアの企業は、理論上は、年間5000億ドルのアメリカ政府調達市場にアクセスすることが可能だ。しかし現実にはそのかなりの部分は防衛市場であり、それはTPPから除外されるだけでなく、50州すべてが、各自の調達方針により決定し、また各州にはアメリカのFTAを遵守する義務はないのだ。
アメリカは現在、TPPだけでなく、まさにEUとの間でTTIP(環大西洋貿易・投資協定)を結ぼうとしている。
アメリカはこの二つの協定を交渉するに際し、まったく異なったアプローチをとっていることを指摘しないわけにはいかない。欧州委員会は、EUのために交渉し、EU加盟国および欧州議会に定期的に最新状況報告をすると公式表明している。
EUはこのTTIP交渉で何が行われているかについて、国民、メディア、そしてすべての関係者(stakeholder)に最大限の情報提供を行うことを約束している。
例えば、交渉のさまざまな局面におけるEUの基本ポジションペーパー(項目別政策書)を国民に開示し、全分野の交渉官のリストを提示するなど、いままで前例のないほど情報公開に努めている。
たしかに太平洋と大西洋との違いこそあれ、包括的かつ中立公正な費用便益分析が行われ、その結果が国民に広く伝えられ、TPPの主要問題点がすべての関係者(stakeholder)とりわけ国会議員に認知され、そして最終的な協定(協定全文が開示され)が必ず国会において批准されることなくしては、人民正義党はこのTPPを拒否するものである。
いかなるFTAはそれが二国間であれ、多国間であれ、相互の利益と参加国の経済発展段階、社会ニーズそして競争力に基づいたものでなければならない。
持続可能な経済発展、活発なビジネス、国民の繁栄のためのエコシステムの普及のために革新、創造性、高付加価値追求を前提とする包括的な改革計画を推進することに異論はないが、マレーシアの経済自由化や市場開放はあくまで我々のペースでまた我々のニーズにしたがって行われるべきだと人民正義党は考える。
58もの交渉において超えることのできない一線、レッドラインによって、2006年にスタートしたマレイシア/アメリカFTA交渉は2009年に中断した。
そのFTA交渉と今回TPPのテンプレートとはあまり差がないことを考えれば、これらの58ものレッドラインが4年のうちに突然消滅したとはとても信じることができない。
国民の中における主要な恐れや心配を考慮すれば、残されたTPP交渉のラウンドにおいて、我が国の交渉官が以下のテーマにおいて、いかに明確なレッドラインを押し通すのが困難で対応に苦慮する問題であっても、我々の権利と特権を守り通すことを人民正義党は求めるものである。
1. 以下の品目に物品貿易関税撤廃の例外を求める。米およびその他の食糧産品、たばこ葉、アルコール、自動車および特定地域に影響のある他のセンシティブな工業製品。
地域における諸産品の加工、関連工業製品や下流部門での産業活動を推進するための輸出税に対する制限撤廃。繊維産業におけるYarn Forward Rule(アメリカ製糸使用など:訳注)の適用禁止。衛生および植物検疫(SPS)やTBTをマレーシアのハラル証明を自由化したり、その基準を下げさしたりすることの禁止。
2. サービス部門の自由化はポジティブリスト方式で行い、事前にネガティブリストに登録されていない場合は自由化対象と見なすネガティブ方式は採用しないこと。
3. 投資関連の問題たとえばISDS方式はTPP参加国の投資家からマレーシア政府が訴訟され賠償請求にさらされるようなメカニズムを採用しない。WTOルールを越えた制限を設けない。
4. 知的財産権については、WTOのルールであるTRIPSを越えた要求をしない。パテントや著作権の期間延長はしない。パテントと医薬品制度との間にあるデータの独占排除、パテントの応用禁止、パテントのpre-grant opposition禁止措置 など、特に、一般国民が必要な治療、医療および医薬品を入手できるようにする。
5. 国営企業、政府管掌企業および中小企業が国家間紛争調停の結果、競争を強いられないようにする。
6. マレーシアの金融サービス自由化の強制やその金融自由化度を拘束することの排除。金融セクターを規制する際の政策的融通性への制限排除。マレーシアのネガラ銀行の指令や金融セクター安定のためのセーフガードを実施するさいのファンドの流動性制限や規制強化に対する拘束の排除。
7. 食品安全、安全表示、特にマレーシアの食品安全政策への干渉排除、特にGMOやGM食品の安全表示の変更要求排除。
8. 地域の慣習的権限および環境問題
9. 29章のすべてに有効な例外規定を設ける。
これまでのマレーシアの国際交渉や国際訴訟におけるはかばかしくない経歴を見れば、MITIからほかの省庁まで、我々の未来をこれらの交渉官の手にゆだねるのはあまりにもリスクが大きいと言わざるを得ない。
最近の失敗事例をみるだけでも、我々の原則と立場を勝ち取るために彼らが十分な仕事をしてくれるとは期待できない。
このように、TPPはマレーシア全体を十分な便益なしに、マレーシアの状況を悪化させるとしか思えない。
「正義」は以下を実行する以前に、TPP調印をなぜ急ぐのかその理由を見つけることはできない。
(a)関税および非関税障壁の除去、サービス部門の自由化や政策空間における主権の損失、憲法改正、政府調達、ISDの影響、知的財産権などを含む様々な問題の影響に対し、独立・包括・詳細の費用便益分析を行い結果を国民に開示すること
(b)すべての関係者(stakeholder)による円卓会議や公開フォーラム
(c)国会における詳細分析と議論
国会におけるTPP特別委員会開催でもよいが、「正義」は多党参加の国会集会(Parliamentary Caucus)の開催を求める。ここには消費者団体・ビジネス/産業業界団体・NGOや政府のTPPをめぐる決定を検証しようとする市民団体などを含むすべての関係者の便益を守る目的のためにBarisan National党およびPakatan Rakyat党の所属議員が参加する。
我々はこの国会集会(Parliamentary Caucus)がTPPに関する閣僚の決定に適切な影響力を持つ強力な圧力団体となると期待する。
「正義」は2015年までに発効するアセアン経済共同体(AEC)を通して、地域での努力を強化することに傾注することこそマレーシアにとって適正であり理想的であると考える。
より強力な貿易、投資そして経済ブロック(AEC)において、マレーシアはやTPPのような多国間FTAで個別の交渉を試みるよりも、先進諸国に対してより選択的に接近し交渉することにおいてより有利な立場に立てると考える。
さらに、我々のアセアンならびに、シンガポールと日本に次ぐ貿易相手国である中国の入るBRIC諸国における地政学的な姿勢を維持することによって、世界経済の40%そして世界人口の60%の構成する市場に我々はすでに存在しているのだ。
マレーシアにとっての真の挑戦は、長年の与党BNの経済運営の失敗、悪質な教育、訓練と人的資本の発展政策欠如、国内諸制度の崩壊などによって痛めつけられてきた社会保障ネットワークを適正に再構築し、我々の真の競争力を高めるところにあるのだ。

(仮訳 首藤)
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マレーシア政治家とTPP阻止で意気投合

2013-09-04 22:29:53 | Weblog
ブルネイ会合を終え、日本を含め各国交渉団、報道関係者がつぎつぎと帰国する中で、マレーシアに水平移動。金曜はイスラム国家は休日で、土曜はマレーシアの建国記念日だったが、こんな中でも、8月30日および31日にマレーシアのTPP反対の野党リーダー3名とそれぞれ1時間会談することができた。もっとも、直前までほとんど連絡がつかず、まあ、今回はあきらめかな...と弱気になっていたのだが、まさにインシャラー、思いもかけぬ展開でつぎつぎと連絡が進み、クアラルンプール内外でTPP反対の中心政治家と会うことができた。しかし、ここでも情報機器のもつコミュニケーションの可能性を改めて教えられた。電話でいくら会談場所の名前を聞いて書きとっても不確かで心配だし、結局は目的地に到達できないことがよくある。しかし、SMSのメール交換はそうした状況で極めて有効に働いた。

面談者はつぎのとおりだ。以下に会談要旨を掲載します。(TPP阻止国民会議で報告したもの)
Nurul Izzah Anwar氏(人民正義党)
Tian Chua氏
Charles Santiago氏(民主行動党)



マレーシアでは最初、政界ではTPPによって太平洋・アジア市場またアメリカ市場にも進出できると好意的なムードであったが、交渉の内容が徐々に明らかになるにつれ、与野党に反対の声が大きくなってきている。国民にはこれまでまったく内容が知らされていなかったが、最近では国民・市民団体でも次第に関心が高まり、疑問の声が各所であがっている。最近のエジプト情勢などからアメリカへの反発も加わった。

8月12日には人民正義党のアンワル(事実上の党首)が「TPPは国益に反する」という声明文を公表した。(のちほど添付)このTPP問題でコーカスも開かれている。

最近、UNDPの秘密調査が明らかになり、それによると、TPPに参加するとマレーシアの経済拡大どころか、マイナス成長になることが暴露され、政界では一斉に批判が強まった。今となっては、なぜマレーシアが交渉参加を早い段階で表明したのかわからない。経済に無知な首相がアメリカにつられて参加したとしか言いようがない。

マレーシアでは医療・医薬分野、農業分野で強い反対がある。医薬には様々な政府補助があり、またジェネリック医薬品が医療の中心である。エイズ薬など必要不可欠な薬で、ジェネリック医薬品の使用が認められなかったり、薬品単価が急上昇することは容認できない。また農業、特に米も守らなければならない。タバコに関してアメリカはブルネイ会議で妥協案を示してきているが、食品安全に関してはほかにも沢山のテーマがある。電気・水道などのユーティリティ関係企業にも影響がでる。
マレーシアは憲法で民族ごと、地域ごとに様々な固有の権利を保障しており、ISDは憲法に抵触する。

マレーシアにはこのようなレッドライン(この一線を越えたら撤退)が40ぐらいあり、とても安易にTPPに参加できる状況ではない。
それでもオバマ大統領がマレーシアに来て、ナジブ・オバマ会談で政治決着したりする可能性を恐れている。
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ブルネイで開催された19回TPP交渉会議にステーキホルダーとして参加

2013-09-04 22:11:15 | Weblog
ブルネイで行われた第19回TPP会議に、ステーキホルダーの一員として参加。あれだけ反対してきたが、日本が正式参加により、一応は関係者と定義されて、会議へのオブサーバーというか観客参加が可能になった。ある意味、皮肉な結果だ。ブルネイ会合は小国で完全隔離の中で行われ、参加交渉官も少なく、オーストラリアにいたってはもうすぐ選挙で、政権交代の可能性があるために意味のある提案をしないという仰天提案。さらに、アメリカも提案しないとはどういうことかと不思議な気分。しかし、要するにそもそもアメリカ議会の交渉権付与いわゆるTPA(貿易促進権限法)を欠いたまま、もうこれ以上の提案は出せないということだろう。
ブルネイ会合では、本来主催国であるブルネイが議長を務めることが自明の理であるが、それをなんとアメリカのフロマンUSTR代表が強硬に主張して、自らが議長席に座って采配するという異常な会議が開かれたが、これもそうしたアメリカの深層欠陥の別な形での表現かもしれない。各国交渉官にしても、会議を長期間モニターしている国際NGOも、重要テーマで意見対立が深刻化し、合意形成が大幅に遅れそうな中で、アメリカは失点続きのオバマ政権の唯一の成果としてTPP合意成立を強引に政治決着で付けようとしていると危惧していた。
しかし、この段階でも残念なのは日本政府の態度だ。たしかにこのTPP交渉は貿易交渉の常道を外れて極端な秘密主義になっているが、各国政府は、他の国のことは一切話さなくても、自分の国の問題は業界団体やNGOにどんどん開示し、またそうした国民的要求を交渉に反映させている。ひとり日本だけが意味のわからぬまま秘密主義を権威として国民への情報提供を拒んでいる。怒りというより、悲しみがこみ上げてくる会議だった。

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