民主党代表選挙は長期の通常国会疲れや対立候補の対立軸が弱いことなどから、終盤に失速した感じがする。マスコミ各社が早い時期から野田再選が不動だとの提灯記事をながすので、最後は白けムードもあった。実は野田代表再選をもたらした最大の要素は自民党谷垣総裁の自民党総裁選不出馬だろう。これにより早期の解散・選挙の私約は水に流されたと言っても過言でないと思う。考えてみれば、早期解散の言質まで獲得した谷垣総裁を引き摺り下ろすのは最低の戦略だった。まあ総裁選挙にしてはこれで選挙になったら谷垣氏が総理大臣になってしまって、自分が総理になる可能性が遠のくという有力政治家の我欲が抑えられなかったのだろう。皮肉なことに、解散が先送りになったおかげで、民主党内の浮動票や中間票は一挙に野田氏に流れてしまった。選挙の先送りが確かなら、あえて野田代表をここで取り換えて、新たな不確実性におびえる必要がなくなったということだ。
野田首相の国会議員票はそうした不動層や消極的支持層を一挙に野田支持票に変えてしまった結果だと思う。その意味で、野田票が6割を超えたのは不思議ではない。残念なのは、党員・サポーター票や地方議員票だ。地方遊説や公開討論会もなく、18日という早期に地方票を締め切ったことも問題だが、最大の問題は党員サポーター票の有効投票が30%程度しかなかったことだ。むろん、地方の首長選挙で低い投票率がみられるが、党員・サポーターの場合、党費を払い、あるいみで、党員になる魅力の一つが、自分の一票が党代表そして結果的には総理を直接選ぶことができるという気持ちにあるのだから、このような低投票率はどこかに問題がある。ちなみに前回は67%と、今回の倍の投票率だった。低投票率の原因の一つは、本部から郵送されてきた投票依頼の封書が単に投票用紙だけで、立候補者の名前も、当人のこれまでの活動や心情などまったく知らされなかったことだ。これでは一般の党員は毎日テレビの登場する野田総理か、テレビのワイドショーなどで常連だった原口氏にしか投票しないだろう。本来は現在の民主党への不満を最も感じている地方の党員・サポーターが結果的に野田総理の再選をもたらしたという皮肉な結果になってしまったと思う。今後、民主党復活会議で今回の代表選が本当にFREE&FAIRな選挙だったか検証し、党本部に次回総裁選の際の改善を申し入れるようにしよう。また、これまで党の代表選は公職選挙法と異なって、罰則もないから、野放図な選挙活動や不公正な現象もあったが、今後は何らかの形で第三者による選挙監視が必要となってくると思う。ある意味で予測された単純な結果だったが、同時に、多くの課題を浮かび上がらせた代表選挙だった。
野田首相の国会議員票はそうした不動層や消極的支持層を一挙に野田支持票に変えてしまった結果だと思う。その意味で、野田票が6割を超えたのは不思議ではない。残念なのは、党員・サポーター票や地方議員票だ。地方遊説や公開討論会もなく、18日という早期に地方票を締め切ったことも問題だが、最大の問題は党員サポーター票の有効投票が30%程度しかなかったことだ。むろん、地方の首長選挙で低い投票率がみられるが、党員・サポーターの場合、党費を払い、あるいみで、党員になる魅力の一つが、自分の一票が党代表そして結果的には総理を直接選ぶことができるという気持ちにあるのだから、このような低投票率はどこかに問題がある。ちなみに前回は67%と、今回の倍の投票率だった。低投票率の原因の一つは、本部から郵送されてきた投票依頼の封書が単に投票用紙だけで、立候補者の名前も、当人のこれまでの活動や心情などまったく知らされなかったことだ。これでは一般の党員は毎日テレビの登場する野田総理か、テレビのワイドショーなどで常連だった原口氏にしか投票しないだろう。本来は現在の民主党への不満を最も感じている地方の党員・サポーターが結果的に野田総理の再選をもたらしたという皮肉な結果になってしまったと思う。今後、民主党復活会議で今回の代表選が本当にFREE&FAIRな選挙だったか検証し、党本部に次回総裁選の際の改善を申し入れるようにしよう。また、これまで党の代表選は公職選挙法と異なって、罰則もないから、野放図な選挙活動や不公正な現象もあったが、今後は何らかの形で第三者による選挙監視が必要となってくると思う。ある意味で予測された単純な結果だったが、同時に、多くの課題を浮かび上がらせた代表選挙だった。