すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

民主党代表選挙

2012-09-21 22:25:47 | Weblog
民主党代表選挙は長期の通常国会疲れや対立候補の対立軸が弱いことなどから、終盤に失速した感じがする。マスコミ各社が早い時期から野田再選が不動だとの提灯記事をながすので、最後は白けムードもあった。実は野田代表再選をもたらした最大の要素は自民党谷垣総裁の自民党総裁選不出馬だろう。これにより早期の解散・選挙の私約は水に流されたと言っても過言でないと思う。考えてみれば、早期解散の言質まで獲得した谷垣総裁を引き摺り下ろすのは最低の戦略だった。まあ総裁選挙にしてはこれで選挙になったら谷垣氏が総理大臣になってしまって、自分が総理になる可能性が遠のくという有力政治家の我欲が抑えられなかったのだろう。皮肉なことに、解散が先送りになったおかげで、民主党内の浮動票や中間票は一挙に野田氏に流れてしまった。選挙の先送りが確かなら、あえて野田代表をここで取り換えて、新たな不確実性におびえる必要がなくなったということだ。
野田首相の国会議員票はそうした不動層や消極的支持層を一挙に野田支持票に変えてしまった結果だと思う。その意味で、野田票が6割を超えたのは不思議ではない。残念なのは、党員・サポーター票や地方議員票だ。地方遊説や公開討論会もなく、18日という早期に地方票を締め切ったことも問題だが、最大の問題は党員サポーター票の有効投票が30%程度しかなかったことだ。むろん、地方の首長選挙で低い投票率がみられるが、党員・サポーターの場合、党費を払い、あるいみで、党員になる魅力の一つが、自分の一票が党代表そして結果的には総理を直接選ぶことができるという気持ちにあるのだから、このような低投票率はどこかに問題がある。ちなみに前回は67%と、今回の倍の投票率だった。低投票率の原因の一つは、本部から郵送されてきた投票依頼の封書が単に投票用紙だけで、立候補者の名前も、当人のこれまでの活動や心情などまったく知らされなかったことだ。これでは一般の党員は毎日テレビの登場する野田総理か、テレビのワイドショーなどで常連だった原口氏にしか投票しないだろう。本来は現在の民主党への不満を最も感じている地方の党員・サポーターが結果的に野田総理の再選をもたらしたという皮肉な結果になってしまったと思う。今後、民主党復活会議で今回の代表選が本当にFREE&FAIRな選挙だったか検証し、党本部に次回総裁選の際の改善を申し入れるようにしよう。また、これまで党の代表選は公職選挙法と異なって、罰則もないから、野放図な選挙活動や不公正な現象もあったが、今後は何らかの形で第三者による選挙監視が必要となってくると思う。ある意味で予測された単純な結果だったが、同時に、多くの課題を浮かび上がらせた代表選挙だった。

「たいめいけん」のコールスロー

2012-09-20 22:30:13 | Weblog
通常国会の閉幕と同時に激化した民主党代表選も最終版。結局、地元に戻れず永田町泊まりだが、今朝は大倉山精神文化研究所について報告があるということで、地元港北区大倉山の朝食会へ駆けつけた。木彫でギリシア建築を模した記念館の由来や活動など、新たな話もあって、大変勉強になりました。これまで何度も気になっていたのは、横浜大空襲(8000名が犠牲となった)時に空爆の最後に大倉山が空爆され、その根拠がここに海軍の気象部があったからだという解説を目にして、その真偽に関心があったからだ。今日の講演では、気象分析だけでなく暗号解読も行われていたが、アメリカ軍自体がそのことに気づいていたという証拠はなく、大倉山・綱島の空爆はやはり鉄道沿線の破壊だったようだとのこと。なるほど、それで鉄筋コンクリートつくりの建物が空爆を逃れて無傷で残ったのだと納得。
永田町にもどって代表選陣営による原子力問題の討論会に赤松選対を代表して出席。原発ゼロ路線のグループが企画開催したものらしい。3陣営は小生を含めそれぞれ代役だが(野田候補の代理人は現れず)、驚いたことに原口候補本人が来て、多様な話をして途中退席。今夜のtvを見たら、なんとその場面が候補者の活動として紹介されていた。最近、「市民活動」にもこういうセッティングが多くなったような気がするが、どうかね...
今夜は代表選最終日、国会議員選挙などと違い、本人は超多忙でも周囲にできることは限界があると感じた。結局、最後は明日の候補本人の演説にかかってくる。いくら電話かけても態度を明確にしない議員も結局は演説会の現場で、候補者の演説を比較して投票するのだと思う。
選対事務所が設営されたホテルを離れて、日本橋の丸善に新しく作ったメガネを取りにいった。ふと思い出して、日本橋のコレドの裏にあるレストラン「たいめいけん」へ向かった。30年前、しょっちゅう食べに行ったものだ。そのころはコレドはまだ東急デパート本店で、その前は老舗のデパート白木屋だった。思えば長く生きてきたものだ...昔と同じチャーシューメンを頼んでついでにメニューをよくみたら、なんと小皿のコールスローがあった。価格50円!いまごろこんな価格があるのかと驚く。味は以前と同じだが、でも名前は昔はコールスローじゃなくて酢キャベツじゃなかったかな。すべてが移ろいやすい世の中で、50円のコールスローの変わらぬ価値をしみじみ味わった。うーん、昔を懐かしむようではいかんな...とわが身を顧みつつ暗い夜を歩く。

最初で最後の街頭演説会

2012-09-19 23:09:49 | Weblog
今回の民主党代表選挙は現職の総理との戦いのために、難しい局面が多い。本来なら4候補がそれぞれテレビなどのメディアに登場して、自分がなぜ代表選に出馬するのか、総理になればどういう政策を実現するかを視聴者に説明すべきだが、中央選管からテレビ出演は4人そろってでなければ認めないとのガイドライン。そうなると超多忙で尖閣諸島問題対策などの危機管理対応でライブ出演どころか収録も難しい総理は結局、番組への出演を拒否し、結局、全員がテレビ出演できなくなる。しかし、その一方で、総理は記者のブル下がり取材などに登場して、自己宣伝を行っているのだ。
街頭演説も今回はほとんど行われず、前回の管総理誕生の選挙戦では4回もそうした機会があったが、今回は今日が最初で最後(おそらく)の機会となった。
新宿西口の駅頭は人の山だが、最初から「帰れ、帰れ」のカエレコールや「原発やめろ」の嵐、同時に機動隊や大スピーカーでがなりたてる右翼の街宣車など、壮絶な感じ。原口候補は沖縄で県知事との会合を優先ということで、登場せず、最初から変な感じ。
スピーカーの声も小さいし、歩道が人垣で通りにくいなど、最初で最後の国民に直接訴える野外演説会としては残念な感じでした。それは党の代表選のありかたに対する準備も、候補者個人の問題もあると思うが、同時に、ハードというか、野外演説会を行える都市空間の問題もあると思う。街宣車は人の流れと遠く切り離され、それでも狭い歩道の上では大混雑、ロータリーは大渋滞。そうだよな、そもそも駅前設計は野外演説などを考慮に入れていないから、当然といえば当然の結果かもしれない。よく広場(プラザ)がないと、民主主義は育たないというけど、駅前くらい人々が所信を演説できる空間として設計すべきだと思う。

久しぶりに聞く自民党の本音に驚く

2012-09-15 22:57:19 | Weblog
民主党代表選に続いて、自民党の総裁選がスタート。候補者5名がいずれも二世議員などの世襲候補でびっくり。自民党の世襲率は40%台だったと記憶するが、候補は100%の世襲率といういうことは、要するに地盤・看板・金庫番が確立した世襲議員でないと、一定の勢力を維持できないということなのだろう。やはりここでも推薦者数が障害となるのか、いついかなるときにも手を挙げそうなKやYの手が上がらないというのはそういうことなのか?
連日、自民党の候補はテレビ出演をながながと時間を使ってやっているのには驚く。民主党のメディアカバレッジはそれに比較すると極端に少ない。自民党一色のテレビ出演にも驚くが、さらに討論会の主催者のテレビ局が、まるで与党の総裁候補のように持ち上げて質問を誘導するには二度びっくり。おいおい、まだ選挙が終わってないので、自民党が与党に返り咲くとは決まってないのですよ!
しかし、一番驚いたのは、久しぶりに自民党の本音の主張を聞いたことだ。これまでは与党に遠慮していたのか、あるいは民主党が対応に苦慮している元は自民党政治のつけだと反省しているせいか、きわめて慎重な控えめな発言だったが、5名の候補の得意満面の主張を聞いていて、「ああ、そうか、自民党というのはこういう政党だったんだ!」と改めて感心した。要するに保守主義、財界主義、利権主義、アメリカ中心主義ということだ。高齢者には医療でなく、尊厳死が重要だとでも言いたそうな石原幹事長(まだ幹事長なのかな?)の発言もやはり本音なのだろうな...
今日は午後に港北公会堂でタウンミーティング。質疑時間に「首藤さんは甘い、民主党はまったく人気がなく、維新の会にやられてしまうだろう」という厳しいご意見いただいた。小生は厳しいご指摘に感謝しつつ「その通りで、私も負けるかもしれないし、ひょっとしたら維新の会に参加している中田宏前市長が戻ってきて7区から出るかもしれませんね」と自嘲気味に言ったら、「そんなバカな」と会場はどっと笑い声で湧いた。皆さんの反応を見て、正直、ちょっとほっとしたかな?

3名の対立候補が登場

2012-09-10 23:36:26 | Weblog
民主党復活会議は組織の活性化を通じて民主党の再生を図る企画だった。候補者の山田正彦議員が最終的に離脱した時は、正直言って「これでとりあえず第一幕は終わったかな?」と思ったものだ。しかし、実は出馬予定のすべての対立候補の推薦人集めが難航している情報が入っていて、週末は地元活動をあきらめて永田町に残った。結果的にそれで戦線に踏みとどまることができたのだと思う。土曜に主力メンバーに上京を促し、日曜に断続的に各陣営と連絡を取りながら推薦人の補充に動いた。最大の問題はやはり政務三役にとどまっている議員がはたして本当に推薦人になれるかどうかで、現実に複数の政務官・副大臣が対抗馬の選挙応援を理由に辞表を出していた。各陣営の推薦人確保はかくも危うい綱渡りだったのだ...
しかし、最終的に三候補が立候補要件をクリアし、現実に総理の対抗軸として登場すると、局面はがらりと変化した。どんなにぎりぎりであっても20名の推薦人が3セット揃うということは、党内で少なくとも60名の確信的反執行部が姿を現したことになる。今日の野田総理を交えた四候補そろい踏みでの討論会はまさに民主党内における批判勢力・対抗勢力の大きさを示すことになった。新聞では総理の優位は揺るがないという記事が蔓延しているが、はたしてそうだろうか?全国の地方議員や党員サポーターの意思はどう反映されるのだろうか?
民主党復活会議の目的が民主党の活性化にあるとしたら、3名の対立候補の登場はまさにその起点になると思う。

うーん、残念!

2012-09-07 18:33:57 | Weblog
この一月ほど民主党代表選に野田総理の対抗馬を出そうと、民主党復活会議を主催して活動してきた。何よりもTPP,原発、消費税、オスプレイ問題と、現政権の対立軸を創り出すことが最大のテーマで、予備選そして候補者擁立までこぎつけたのだが、激しい推薦者獲得選などで候補者が極度に披露し、今日、山田議員が候補辞退という状況に追い込まれてしまった。正直言って、細野環境相の出馬の可能性がマスコミ全域で報じられ、そのことが推薦者の獲得に致命的な悪影響を与えて、ほとんどの対立候補が必要となる推薦者数をそろえられなくなった気がする。細野氏はまた唐突に出馬断念を発表したが、その時にはもう他のグループは推薦者探しに活動する時間的余裕が無かったと思う。はたして、これは誰か策士の仕掛けじゃないかねと疑う声すらある。ともあれ、残念だが、一方で無風と言われた民主党代表選に一石を投じて、一時活性化に貢献したことは事実だ。もう議員はほとんど地元にもどりつうあり、新しい候補者擁立は事実上困難だろう。しかし、復活会議は別に代表選挙のために結成したのではない。今後もセミナーや勉強会で、形骸化し停滞した日本の政党政治に新風を送り込んで行こう。

ハチャメチャ国会も末

2012-09-06 22:47:06 | Weblog
最近は国会というより民主・自民党代表選、みんな、維新...と場外乱闘のような永田町になってきた。各グループが次々と会合を開くので、二股三股かけている議員が会合に集まれず、どの会合も実態は閑散。ようやく時間つけて久しぶりに原発事故収束PTに出たが、これまで取り組んできた原発のカルテ化の会議で、泊原発はじめ、各原発の資料がばっちり提示された。もうほんとに、ちょっと前には垣間見ることもできなかった資料が提出され、各原発のカルテ化に保安院自体が真剣に取り組み始めたことがわかった。政局の間も、原発問題で撒いた種が芽を出してきて、うれしい。このカルテ化の資料も精査して、今後、保安院のホームページに掲載予定だとのこと。これまでの取り組みが無駄でなかった実感した。しかし、驚きのデータもでてきた。それは原発事故を想定しての避難計画で、地元住民の参加率は各原発とも高いものでせいぜい5%、ほとんどが1%以下。0.2%というのもあった。原発事故が発生すれば緊急退避する住民は100%どころか、外部から来ている人や観光客も合わせ120%ぐらいでなければならないはずだ。保安院側はそれは県など自治体の問題だというが、それが間違いだよな。新しい規制庁では発電所だけでなく、周辺地域も守備範囲のはずだろう。
午後に20分ほど国会が開かれた。参議院が問責決議で停止しているが、議員立法分と、参議院先議で通過した法案がずらっと採決表にのっている。
じつは後者の中に、例のACTA法案があった。ACTAは何度も公言しているとおり最初から反対だ。最近にわかに高まったインターネット規制反対の運動は国会議員に広くこの問題の潜在的なリスクを伝える絶大な効果があったと思う。しかし、正確には、このACTAだけで直接規制が横行するわけではない。条約上は国内制度まで乗り越えて規制できるわけではなく、これから何年か経たのちの国内法での対応が問題となる。そこがISDを組み込んでいるTPPと異なっている。それでもTPPにつながる流れにあるACTAだからTPP慎重グループでも抗議の意思を表そうということで欠席か棄権にしようということになった。
ところが、議場に入ると、野党の大部分が退場してしまい、その一方でACTAは参議院先議可決の4法案の中に含まれて一括採決になってしまい、さらに共産党も退場して採決に参加しなかったために、個別法案の採決なしということになってしまった。おかげでこの法案は他の3法案と同時に、可決されてしまった。最初から国会を欠席したり4案一括採決ボイコットしたり否定する手もなかったわけではなかったが、まさか他の法案も拒否することができず、結果的に言行不一致になってしまい忸怩たる思い 。さらに驚きは一部の野党が居残ったり、議場を退場したはずの野党から、個人の議員がバラバラと入ってきて、勝手に議席に座る。しかし、個人では状況わからないから、立ったり座ったり、採決ではばらばらになり、見かねた国会の職員が議場に降りてきて、すでに議運できまっている賛否のリストを片手に「きっとあなたさまの立場なら、お立ちになるのでは」と指導するありさま。もうまともな国会でない。職員=政府=行政府が議員=立法府の意思を左右するような国会は何だろうか。すでに小党乱立で個々人がいろんなパーフォマンスをするのはやむをえないと思うが、民主主義は手続きだから、それが守れないならもう国会じゃないと思うな。ACTA自体は参議院先議で条約だから歯止めとなる付帯決議もつけられず、どう抵抗しても、今日で議会を通ってしまったのだが、その潜在的なリスクはこれからの国内法で明らかになってくる。これからも長期間しっかり推移を見守らないといけないと思う。ACTA批判の皆さんもぜひこれからも息長く続けていってほしいと思う。TPPと同じように、議員・研究者・市民合同の国民会議を形成して長期的にフォローすることも考えてみよう。

オスプレイ配備は日本の名誉なのか?!

2012-09-01 23:30:34 | Weblog
外務委員を差し替えられて、結局ACTAの採決に参加して反対することも、抗議して退場することもできなかったのは無念だが、これは条約だから即施行されるわけではない。最近は法案が通っても、実際に施行される時期に政権が交代して、結局は大幅に修正されるケースが多くなったように感じる。消費税ですら、景気条項や関連法規の問題で実際はどう変容するかもわからない。やはり息長く法案成立から施工までを監視し、弊害を少しでも減らす地道な努力が議員に求められる時代になったのだと思う。
さて、意気消沈しているところに、アメリカ大使館から要人が来て、予定候補の一人とも目されているXYさんに民主党代表選について聞きたいとのこと。そんなこと答えられるはずないと思ったが、XYさんもさすがに驚いて回答を回避した。そのうちオスプレイの話になったのだが、XYさんがオスプレイの日本配備に反対だというと、「オスプレイが配備されていれば、311震災の時のトモダチ作戦でもっと被災者の命を助けられた」というのはまあご愛嬌だが、「オスプレイはアメリカ本土以外はイラクとアフガニスタンにしか配備していない。アメリカは日本を世界で最も重要な同盟国と位置付けており、それだからオスプレイの配備をするのだ。日本人はそうしたアメリカの好意を評価し、名誉に思うべきだ」とのたもうた!瞬間にこちら側は大爆笑。大使館側はきょとんとしたが、そこは外交だから、お互いに愉快そうに笑いながら会談を途中で打ち切った。
しかし、これほど無神経な外交官に会ったのは初めてだ。小泉政権の時代にイラクへ自衛隊派兵を実施したころから、アメリカの居丈高な姿勢が肌で感じられたが、ついにこんなところまで来たとはね!口の中に砂をかむような不快感が一日中残った。鳩山政権が早期に退陣に追い込まれた背景もよくわかる。現実にこんな状況が日本を支配しているなら、外交の立て直しは本当に命がけだなと思う。